チートな俺は、狼騎士団長様に愛される

ゆあこたん

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お出かけ

異世界ってすごいですね

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「ターロ。そういえば今日の予定は?」

「ん?あぁ。今日は一日暇だぞ。こうなることを見越して休みを2日取っておいたんだ」

「え?もしかして計算通りだった?」

「当たり前。俺を誰だと思っている」

「ふっ…あーはいはいイケメンで強い騎士団長様ですよ」

「わかっているならよろしい」


へんな会話をして2人で笑い合う。
未だに実感がわかない。こんなイケメンが彼氏なんて。

いやまぁ、俺も純粋じゃないので知ってたけど
こういう世界があることは
でもまさか自分がなるとはねぇ。
うん。誰も予想できない。

まぁ幸せだからいいのかもしれないけどね。

ターロが持ってきてくれた水を飲みながらターロに聞く。
「ターロって魔法なに使えるの?」

「火だけだよ。急にどうした?」

「いや、魔法使ってみたいなーなんて思ってさ...」

「ハヤトだって練習すれば使えると思うぞ」

「ほんと!?」

「あぁ、この国で魔法が使えないのは東の国ジャープルにいる古代民族だけだ。なんかいろいろ工夫しているみたいだがな。」

「工夫?」

「まぁ、詳しいことはよくわかってないんだ。」

「どうして?」

「古代民族は警戒心が強くて、言葉も違う言葉を話す。ある研究家が、数年前古代民族との接触を図ろうとして、殺されかけたそうだ。槍を向けられて、何か言われたそうだが、何を言ってるかさっぱりわからなくて、逃げたそうだ。」

「へぇー。なんかいろいろ大変だね」
それって、「動くな、手を上げろ」的なやつじゃない?

「ほかにもいろんな情報があってさ、東にはもっと綺麗な鉱石があるとか、新しい武器があるとか、服とかも全く違うそうだ。そうそう、古代民族がいるジャープルに入るには、入口に石碑が置いてあって、それを読むと入れるらしいとされているんだが、毎年変わるんだ。しかも一向に解読の目処が立たない。」

「めっちゃ気になる」

「ははは、ハヤトは好奇心旺盛だな」

「いやいや、この世界を楽しみたいだけだよ」

「なら、今日は図書館にでも行ってみるか?」

「図書館?なんで?」

「ジャープルの石碑に書いてあったものが資料としてまとまっているんだ。それが図書館にあるってわけ。あとは、ある商人が一度だけ古代民族との取引でもらった古代民族が書いた本が読めるんだ。」

「へぇーーー!!行きたいです!」

「じゃあ準備しようか」


ターロが持ってきた水に治癒魔法がかけてあったのか、どうかはわからないが、俺の腰は、元気いっぱいなようだ。こういう些細なことも気を使ってくれる俺の彼氏は、世界一だと思う。

体中についた跡が隠せる服を選ぶのにとても時間がかかったが、一通り準備が終わった。

「さあ行くか。徒歩で10分くらいだけどどうする?馬車乗ってく?」

「徒歩で行きたいかな。図書館までの道のりも知りたいし」

「分かった。あんまり無理はしないでね。」

俺の耳元に近づいてきて
「昨日あんなに沢山したんだから」

わぁぁぁぁ耳に息がかかってます。
そんな耳元で低音で囁かれると死ぬって。

「ふわぁ」

ほら変な声出たー。俺らは玄関で何をやっているんだか...
ターロはクスクス笑ってる。もーこのやろー笑った顔もかっこいいから許すけどさ。

「もう行くよほら」

手を差し出す。連れてっての意味も込めてだ。
「ふふっはいはい。」
ターロの長い指が、俺の指に絡まる。
そして、いわゆる恋人つなぎってやつになってしまう。
普通で良かったのに...

「ターロ?あのさ、さっき言ってた、古代民族が書いた本って、一般人でも見れるの?大切なものでしょ。」

「いや、見れない。一般人が見るには、王か宰相に許可を取らなければいけないんだ。」

「えぇ?それ大丈夫?見れるの?」

「まぁな。本をよく読むから、一般向けに貸し出されてる本は、あらかた読んじゃって。まだ読んでない本とかたくさんあるから、毎月申請出して読めるようにしてるって訳。」

「なるほどね。そういえばよく本読んでたね。もしかしてあれって、一般人は見れないいやつだった?」

「そうだよ。まぁ一般人に見れないやつって言っても、今の国王が、民に夢を持たせないように、とか、反乱を起こさないように、とか思って見れなくしたやつなんだよね。だから、ファンタジーとか、戦術、歴史が書いてあるものが、主かな。」

「へぇーそれは面白そう。」

「時間があれば読んで見るといいよ。ほらついた。」

「え?・・・これが、図書館・・・?」

目の前には城がある。遠くに見える王城よりかは小さいが、結構な高さがある。
ダークな感じの壁の色で、静かに佇んでいるようだ。
しかし、どこか威圧感を感じる。

「ハヤト?どうかした?」

「ううん。大丈夫。」

ターロに手を引かれ図書館の中へ入る。








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