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【第79話】 魔王グランデールを倒してください!
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◇ ◇ ◇ ◇ ◇
オレの名は六堂王輝(りくどうおうき)。
37歳のサラリーマンだ。
つい数十秒前までオレと美羽は普通に道路を歩いていたはずなのだが、それが突如、ギリシャ神殿の内部のような場所に変わってしまった・・・いや、漫画やアニメ風に考えれば、オレ達の方がこの場所に『転移』させられたということになるか・・・? ( ちなみに、美羽というのはオレと年齢の離れた17歳の幼なじみで、名前を静原美羽(しずはらみう)と言う。 )
更に、場所が変わった(転移させられた?)だけでなく、つい数十秒前まではいなかった美少女ふたり・・・ライトグリーンの髪とライトグリーンのローブを着た『ヒーリス・ヒルナント』という『癒しの女神』と、金髪碧眼でノースリーブで胸元のあいた白いドレスを着た『サンダリオン』という『雷(いかづち)の女神』が、オレ達の目の前に立っている・・・。
そして、その女神ヒーリスは、ここが『アルファザード』という『世界(異世界?)』だとオレ達に告げたのだった・・・。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
これが夢かどうかを確認する為、オレは自分のほっぺたを強めにつねってみた。
「「 痛っ・・・!? 」」
隣の美羽もオレと同時に『痛っ』と声をあげた。
どうやらオレと同じことを考え実行し、結果も同じだった(ほっぺたが痛かった)ようだ・・・。
オレと美羽は小声でボソボソと話はじめた。
美羽 「 ねぇ? 王輝くん・・・? 」
オレ 「 ん? 」
美羽 「 ほっぺたをつねって痛いってことは、これって夢じゃなくて現実・・・?? 」
オレ 「 いや・・・わからん・・・。 けど、今のほっぺたの痛みもそうなんだけど・・・今、肌で感じてる空気感とか、周囲の建物の臨場感とか、目の前の女神の現実感とか・・・どれも『本物』としか思えないんだよな・・・ 」
美羽 「 そうなんだよね・・・。 それに・・・定番の『トラックに轢かれて』とかだったら、『あぁ・・・私はトラックに轢かれた後、昏睡状態になって、今、ベッドの上で異世界に転移した夢を見てるんだな・・・』って考えるかもしれないけど、私と王輝くんは間違いなくついさっきまで現実世界で本屋に行く途中だったもんね・・・? 」
オレ 「 あぁ・・・。 けど、あの女神二人が『日本語で』名乗ったってのが気になるんだよな・・・ 」
美羽 「 それは私も思った・・・。 たしかに、日本の漫画やアニメの異世界キャラなら、話の都合上、日本語を話すのも納得できるけど・・・ 」
オレ 「 もし本物の異世界人なら、日本語ペラペラっておかしいよな・・・ 」
・・・と、ここで、女神ヒーリスが話しかけてきた。
「 え~と・・・王輝さんも美羽さんも、お二人とも急なことで困惑されていることと思いますが・・・ 」
オレ 「 !?(オレ達の名前を知っている・・・!?) ・・・ヒーリスさん・・・だっけ? 」
ヒーリス 「 私たちのことは呼び捨てで結構ですよ? 」
オレ 「 じゃあ・・・ヒーリス? オレ達のことを知ってるということは、何か目的があってオレ達をココに転移・召喚したってことかな? あと、なんで日本語がそんな上手いんだい? 」
ヒーリス 「 え~と・・・そうですねぇ・・・。 疑問やご質問が色々とお有りだとは思うのですが、とりあえず、私の方からざっと一通りご説明させて頂きたいのですが・・・。 王輝さんと美羽さんの抱く疑問の多くは、その説明の中で解消されるかと・・・ 」
サンダリオン 「 そうなのじゃ! カイショーされるのじゃ! 」
美羽 「 ・・・そうだね・・・。 私はそれでいいと思うよ。 王輝くんは? 」
オレ 「 あぁ、オレも異論はないな。 それじゃあ、ヒーリスとサンダリオン、説明はじめてくれ。 」
サンダリオン 「 わかったのじゃ! 説明はじめるのじゃ! 」
サンダリオンが『説明はじめるのじゃ!』と威勢よく言った後、ヒーリスが説明をはじめた・・・。
ヒーリス 「 まず、先ほどもチラッと申し上げましたが、ここは『アルファザード』という世界です。 あなた方、地球の人から見たら異世界にあたります。 ちなみに、今いるこの神殿は魔力で空中に浮いており、私たち女神はここを『空中神殿』と呼んでいます。 」
サンダリオン 「 そうなのじゃ! 」
美羽 「 わぁ~・・・ラピュ〇みたい! 」
美羽は少し興奮気味だ。
・・・まぁ、そういうオレもちょっとワクワクしているが・・・。
ヒーリス 「 既にお察しかと思いますが、私たちがあなた方をここに召喚いたしました。 尚、あなた方と私たちは普通に会話を交わせていますが、これは【翻訳】という能力によるものです。 あなた方をこの場に召喚する際に、既にこの【翻訳】を付与(エンチャント)させて頂きました。 ちなみに、王輝さんには『 スキル(特殊能力)【翻訳】 』を、美羽さんには『 【翻訳】魔法 』を付与させて頂きました。 ですので、あなた方が日本語を話したつもりでも、相手の耳には相手の言語に翻訳された状態で届きます。 また、相手の言語は日本語に翻訳された状態であなた方の耳に届きます。 尚、『スキル(特殊能力)』や『魔法』という単語が出ましたが、これは追って説明させて頂きたいと思います。 」
サンダリオン 「 そうなのじゃ! 」
美羽 「 すごっ・・・!!? この世界、『スキル』とか『魔法』とかあるんだ・・・!! 」
美羽のテンションが目に見えて上がった。
オレ 「 なるほどな・・・その【翻訳】という能力のおかげで、アンタ達とこうして会話できてるわけか・・・ 」
・・・と、オレは冷静にコメントした。
まぁ実は、オレも『スキル』や『魔法』という単語を聞いてかなりテンションが上がっているんだが・・・。
だが、37歳のサラリーマンのオッサンが『スキル』や『魔法』という単語を聞いてテンション上がっている姿を17歳の女子高生に見られるのは、やはり恥ずかしいものがある。
なので、表面上はなるべく平静を保つようにした。
( ・・・まぁ、ある意味オレは美羽のオタクとしての先輩のようなものだから、今更隠してもあまり意味はないかもしれないが・・・。 )
ヒーリス 「 今、この世界は魔王グランデール率いる魔王軍の攻勢により危機にさらされています。 もし、魔王軍がここアルファザードを支配した場合、魔王軍は異世界にも侵略の魔の手を伸ばすと公言しており、いずれはあなた方の世界・・・地球にも魔の手が伸びることになるでしょう。 そこで、魔王軍と戦う為、あなた方のお力をお借りしたいのです。 今しがた言いましたが、ここアルファザードが侵略されたら、いずれは地球も狙われることになります。 もしかしたら、次のターゲットが地球になる可能性もあります。 」
サンダリオン 「 そうなのじゃ! 」
美羽 「 すごいよ王輝くんっ!! アニメみたいな展開だよっ!!? 」
美羽はメッチャ興奮している。 ( てか、オレも内心はメッチャ興奮しているが・・・。 )
オレ 「 たしかに、アニメみたいな展開だな・・・。 ところで、ヒーリス? 説明の途中で口を挟むのもなんだけど・・・オレ達に『力を借りたい』っていうからには、オレと美羽には魔王軍と戦えるだけのチート能力が備わってたりするのかな・・・? 」
ヒーリス 「 はい! 王輝さんと美羽さんには、各々にチート能力が備わっています! 詳細についてはこの後ご説明しますが・・・ただ、魔王軍の雑兵相手ならともかく、魔王グランデール本人や魔王軍幹部クラスと戦うには、まだ戦闘経験が足りません。 ですので、魔王城から遥か遠く離れた『リムルネールの街』から冒険をスタートして、戦闘経験を積んで更に強くなってください。 」
サンダリオン 「 そうなのじゃ! 」
オレ 「 じゃあ・・・そのリムルネールの街とやらから冒険をスタートして、戦闘経験を積んで強くなって、最終的に魔王グランデールとやらを倒すことになるわけか・・・? そうなると、数ヶ月とか・・・下手すると数年とかかかったりするのか? そんな長期間(地球&日本から)いなくなったら、捜索願出されたり行方不明者扱いになっちゃいそうだな・・・ 」
美羽 「 そ・・・そうだよねっ!? 」
ヒーリス 「 その辺りは大丈夫です。 きちんと、元の場所、元の時間にお戻しいたしますので、ご安心ください。 」 (ニッコリ)
サンダリオン 「 そうなのじゃ! 」
美羽 「 あ・・・でも、そうなると・・・もし仮に魔王を倒すまで3年かかったとして、その後に元の時間に戻ったら、私と王輝くんだけ周りの人たちより3歳分老けちゃったりするのっ!!? 王輝くんはもうオジサンだから3歳くらい老けても変わらないかもだけど、私(17歳)にとっては大問題だよっ!!? 」
オレ 「 おいおい・・・たしかにオレは37歳のオジサンだけど、もうちょっと言葉選んでくれよ・・・ 」 (苦笑)
美羽 「 あっ・・・なんかゴメンね・・・ 」 (テヘペロ)
オレ 「 ん・・・まぁ、許す! 」 (あざとカワイイから)
ヒーリス 「 今の美羽さんの心配も大丈夫ですよ。 こちらに召喚した際、お二人には【翻訳】と一緒に【不老】の能力も付与(エンチャント)いたしました。 この世界(アルファザード)にいる間の限定ですが、美羽さんは17歳のまま、王輝さんは37歳のまま、年齢(とし)をとりません。 ですので、魔王を倒すのに10年かかろうが20年かかろうが美羽さんは17歳のままですし、地球の元の場所・元の時間に戻る時も17歳のままです。 地球に戻ったら【不老】の能力は消えて、周りの人たちと同じように年齢(とし)を重ねることになります。 」
サンダリオン 「 そうなのじゃ! 」
美羽 「 えっ!!? そうなのっ!!? ・・・・・・・・・ 」
オレ 「 オマエ(美羽)・・・ 『・・・なら、ずっとこっちの世界(アルファザード)に永住するのもアリかも・・・?』 ・・・とか考えてないか・・・? 」
美羽 「 (ドキッ!!) やっ・・・やだな~王輝くん!! そんなわけないじゃない!! アハハハハ・・・ 」 (汗)
ヒーリス 「 では、説明の続きですが・・・ 」
『 グウウゥゥゥ~~~・・・・・・・・・ 』
突如、大きな音が神殿内部に響き渡った。
「 うぅ・・・いっぱい説明したからお腹すいたのじゃ・・・ 」
とサンダリオンがうなだれながら言った。
いや・・・説明してたのはヒーリスさんで、アンタはずっと『そうなのじゃ!』って相槌打ってただけじゃん・・・と思ったが、口には出さないでおいた。
「 そうですね~・・・サンダリオンちゃん、いっぱい説明してくれたからお腹すいちゃいましたよね~・・・。 ・・・じゃあ、皆さん、食堂の方に移りましょうか? 今更ですけど、立ち話もなんですし、説明の続きは、クッキーや紅茶を召し上がりながらということで・・・ 」
「 やったのじゃ~♪ オヤツの時間なのじゃ~♪ 」
こうして、説明の続きは食堂でオヤツを食べながらということになった。
しかし、この女神二人は、なんか母親と小さい子供みたいだな・・・
オレの名は六堂王輝(りくどうおうき)。
37歳のサラリーマンだ。
つい数十秒前までオレと美羽は普通に道路を歩いていたはずなのだが、それが突如、ギリシャ神殿の内部のような場所に変わってしまった・・・いや、漫画やアニメ風に考えれば、オレ達の方がこの場所に『転移』させられたということになるか・・・? ( ちなみに、美羽というのはオレと年齢の離れた17歳の幼なじみで、名前を静原美羽(しずはらみう)と言う。 )
更に、場所が変わった(転移させられた?)だけでなく、つい数十秒前まではいなかった美少女ふたり・・・ライトグリーンの髪とライトグリーンのローブを着た『ヒーリス・ヒルナント』という『癒しの女神』と、金髪碧眼でノースリーブで胸元のあいた白いドレスを着た『サンダリオン』という『雷(いかづち)の女神』が、オレ達の目の前に立っている・・・。
そして、その女神ヒーリスは、ここが『アルファザード』という『世界(異世界?)』だとオレ達に告げたのだった・・・。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
これが夢かどうかを確認する為、オレは自分のほっぺたを強めにつねってみた。
「「 痛っ・・・!? 」」
隣の美羽もオレと同時に『痛っ』と声をあげた。
どうやらオレと同じことを考え実行し、結果も同じだった(ほっぺたが痛かった)ようだ・・・。
オレと美羽は小声でボソボソと話はじめた。
美羽 「 ねぇ? 王輝くん・・・? 」
オレ 「 ん? 」
美羽 「 ほっぺたをつねって痛いってことは、これって夢じゃなくて現実・・・?? 」
オレ 「 いや・・・わからん・・・。 けど、今のほっぺたの痛みもそうなんだけど・・・今、肌で感じてる空気感とか、周囲の建物の臨場感とか、目の前の女神の現実感とか・・・どれも『本物』としか思えないんだよな・・・ 」
美羽 「 そうなんだよね・・・。 それに・・・定番の『トラックに轢かれて』とかだったら、『あぁ・・・私はトラックに轢かれた後、昏睡状態になって、今、ベッドの上で異世界に転移した夢を見てるんだな・・・』って考えるかもしれないけど、私と王輝くんは間違いなくついさっきまで現実世界で本屋に行く途中だったもんね・・・? 」
オレ 「 あぁ・・・。 けど、あの女神二人が『日本語で』名乗ったってのが気になるんだよな・・・ 」
美羽 「 それは私も思った・・・。 たしかに、日本の漫画やアニメの異世界キャラなら、話の都合上、日本語を話すのも納得できるけど・・・ 」
オレ 「 もし本物の異世界人なら、日本語ペラペラっておかしいよな・・・ 」
・・・と、ここで、女神ヒーリスが話しかけてきた。
「 え~と・・・王輝さんも美羽さんも、お二人とも急なことで困惑されていることと思いますが・・・ 」
オレ 「 !?(オレ達の名前を知っている・・・!?) ・・・ヒーリスさん・・・だっけ? 」
ヒーリス 「 私たちのことは呼び捨てで結構ですよ? 」
オレ 「 じゃあ・・・ヒーリス? オレ達のことを知ってるということは、何か目的があってオレ達をココに転移・召喚したってことかな? あと、なんで日本語がそんな上手いんだい? 」
ヒーリス 「 え~と・・・そうですねぇ・・・。 疑問やご質問が色々とお有りだとは思うのですが、とりあえず、私の方からざっと一通りご説明させて頂きたいのですが・・・。 王輝さんと美羽さんの抱く疑問の多くは、その説明の中で解消されるかと・・・ 」
サンダリオン 「 そうなのじゃ! カイショーされるのじゃ! 」
美羽 「 ・・・そうだね・・・。 私はそれでいいと思うよ。 王輝くんは? 」
オレ 「 あぁ、オレも異論はないな。 それじゃあ、ヒーリスとサンダリオン、説明はじめてくれ。 」
サンダリオン 「 わかったのじゃ! 説明はじめるのじゃ! 」
サンダリオンが『説明はじめるのじゃ!』と威勢よく言った後、ヒーリスが説明をはじめた・・・。
ヒーリス 「 まず、先ほどもチラッと申し上げましたが、ここは『アルファザード』という世界です。 あなた方、地球の人から見たら異世界にあたります。 ちなみに、今いるこの神殿は魔力で空中に浮いており、私たち女神はここを『空中神殿』と呼んでいます。 」
サンダリオン 「 そうなのじゃ! 」
美羽 「 わぁ~・・・ラピュ〇みたい! 」
美羽は少し興奮気味だ。
・・・まぁ、そういうオレもちょっとワクワクしているが・・・。
ヒーリス 「 既にお察しかと思いますが、私たちがあなた方をここに召喚いたしました。 尚、あなた方と私たちは普通に会話を交わせていますが、これは【翻訳】という能力によるものです。 あなた方をこの場に召喚する際に、既にこの【翻訳】を付与(エンチャント)させて頂きました。 ちなみに、王輝さんには『 スキル(特殊能力)【翻訳】 』を、美羽さんには『 【翻訳】魔法 』を付与させて頂きました。 ですので、あなた方が日本語を話したつもりでも、相手の耳には相手の言語に翻訳された状態で届きます。 また、相手の言語は日本語に翻訳された状態であなた方の耳に届きます。 尚、『スキル(特殊能力)』や『魔法』という単語が出ましたが、これは追って説明させて頂きたいと思います。 」
サンダリオン 「 そうなのじゃ! 」
美羽 「 すごっ・・・!!? この世界、『スキル』とか『魔法』とかあるんだ・・・!! 」
美羽のテンションが目に見えて上がった。
オレ 「 なるほどな・・・その【翻訳】という能力のおかげで、アンタ達とこうして会話できてるわけか・・・ 」
・・・と、オレは冷静にコメントした。
まぁ実は、オレも『スキル』や『魔法』という単語を聞いてかなりテンションが上がっているんだが・・・。
だが、37歳のサラリーマンのオッサンが『スキル』や『魔法』という単語を聞いてテンション上がっている姿を17歳の女子高生に見られるのは、やはり恥ずかしいものがある。
なので、表面上はなるべく平静を保つようにした。
( ・・・まぁ、ある意味オレは美羽のオタクとしての先輩のようなものだから、今更隠してもあまり意味はないかもしれないが・・・。 )
ヒーリス 「 今、この世界は魔王グランデール率いる魔王軍の攻勢により危機にさらされています。 もし、魔王軍がここアルファザードを支配した場合、魔王軍は異世界にも侵略の魔の手を伸ばすと公言しており、いずれはあなた方の世界・・・地球にも魔の手が伸びることになるでしょう。 そこで、魔王軍と戦う為、あなた方のお力をお借りしたいのです。 今しがた言いましたが、ここアルファザードが侵略されたら、いずれは地球も狙われることになります。 もしかしたら、次のターゲットが地球になる可能性もあります。 」
サンダリオン 「 そうなのじゃ! 」
美羽 「 すごいよ王輝くんっ!! アニメみたいな展開だよっ!!? 」
美羽はメッチャ興奮している。 ( てか、オレも内心はメッチャ興奮しているが・・・。 )
オレ 「 たしかに、アニメみたいな展開だな・・・。 ところで、ヒーリス? 説明の途中で口を挟むのもなんだけど・・・オレ達に『力を借りたい』っていうからには、オレと美羽には魔王軍と戦えるだけのチート能力が備わってたりするのかな・・・? 」
ヒーリス 「 はい! 王輝さんと美羽さんには、各々にチート能力が備わっています! 詳細についてはこの後ご説明しますが・・・ただ、魔王軍の雑兵相手ならともかく、魔王グランデール本人や魔王軍幹部クラスと戦うには、まだ戦闘経験が足りません。 ですので、魔王城から遥か遠く離れた『リムルネールの街』から冒険をスタートして、戦闘経験を積んで更に強くなってください。 」
サンダリオン 「 そうなのじゃ! 」
オレ 「 じゃあ・・・そのリムルネールの街とやらから冒険をスタートして、戦闘経験を積んで強くなって、最終的に魔王グランデールとやらを倒すことになるわけか・・・? そうなると、数ヶ月とか・・・下手すると数年とかかかったりするのか? そんな長期間(地球&日本から)いなくなったら、捜索願出されたり行方不明者扱いになっちゃいそうだな・・・ 」
美羽 「 そ・・・そうだよねっ!? 」
ヒーリス 「 その辺りは大丈夫です。 きちんと、元の場所、元の時間にお戻しいたしますので、ご安心ください。 」 (ニッコリ)
サンダリオン 「 そうなのじゃ! 」
美羽 「 あ・・・でも、そうなると・・・もし仮に魔王を倒すまで3年かかったとして、その後に元の時間に戻ったら、私と王輝くんだけ周りの人たちより3歳分老けちゃったりするのっ!!? 王輝くんはもうオジサンだから3歳くらい老けても変わらないかもだけど、私(17歳)にとっては大問題だよっ!!? 」
オレ 「 おいおい・・・たしかにオレは37歳のオジサンだけど、もうちょっと言葉選んでくれよ・・・ 」 (苦笑)
美羽 「 あっ・・・なんかゴメンね・・・ 」 (テヘペロ)
オレ 「 ん・・・まぁ、許す! 」 (あざとカワイイから)
ヒーリス 「 今の美羽さんの心配も大丈夫ですよ。 こちらに召喚した際、お二人には【翻訳】と一緒に【不老】の能力も付与(エンチャント)いたしました。 この世界(アルファザード)にいる間の限定ですが、美羽さんは17歳のまま、王輝さんは37歳のまま、年齢(とし)をとりません。 ですので、魔王を倒すのに10年かかろうが20年かかろうが美羽さんは17歳のままですし、地球の元の場所・元の時間に戻る時も17歳のままです。 地球に戻ったら【不老】の能力は消えて、周りの人たちと同じように年齢(とし)を重ねることになります。 」
サンダリオン 「 そうなのじゃ! 」
美羽 「 えっ!!? そうなのっ!!? ・・・・・・・・・ 」
オレ 「 オマエ(美羽)・・・ 『・・・なら、ずっとこっちの世界(アルファザード)に永住するのもアリかも・・・?』 ・・・とか考えてないか・・・? 」
美羽 「 (ドキッ!!) やっ・・・やだな~王輝くん!! そんなわけないじゃない!! アハハハハ・・・ 」 (汗)
ヒーリス 「 では、説明の続きですが・・・ 」
『 グウウゥゥゥ~~~・・・・・・・・・ 』
突如、大きな音が神殿内部に響き渡った。
「 うぅ・・・いっぱい説明したからお腹すいたのじゃ・・・ 」
とサンダリオンがうなだれながら言った。
いや・・・説明してたのはヒーリスさんで、アンタはずっと『そうなのじゃ!』って相槌打ってただけじゃん・・・と思ったが、口には出さないでおいた。
「 そうですね~・・・サンダリオンちゃん、いっぱい説明してくれたからお腹すいちゃいましたよね~・・・。 ・・・じゃあ、皆さん、食堂の方に移りましょうか? 今更ですけど、立ち話もなんですし、説明の続きは、クッキーや紅茶を召し上がりながらということで・・・ 」
「 やったのじゃ~♪ オヤツの時間なのじゃ~♪ 」
こうして、説明の続きは食堂でオヤツを食べながらということになった。
しかし、この女神二人は、なんか母親と小さい子供みたいだな・・・
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