創造主のオレが主人公だとチート過ぎて物語が成り立たないので、脇役（デウスエクスマキナ）に徹することにした。

【第７３話】 おっさん＆ＪＫのダブル主人公！！

◇　◇　◇　◇　◇

ここ惑星アルファザードの空中神殿の食堂では、オレ（春埼隆人＝創造主）、炎の女神のファイナ、剣と氷の女神のアイネ、治癒の女神のヒーリス、ドラゴン（雷竜）のサンダリオン（美少女形態）、スライムのスラ吉の５人と一匹が大きな円卓を囲っている。
ちなみに、スラ吉はアイネの膝の上に抱っこされている。　（　厳密には、太ももの上に抱っこされ、スラ吉の頭上にはアイネの爆乳が のっかっているような状態だ。　）

今は、オレのスキル【投影】で食堂の一画に縦６メートル×横８メートルのスクリーンを作り出し、そこに『ダブル主人公』の男女のデータがスクリーンに映し出されている…。

◇　◇　◇　◇　◇

「　オレは この二人を今回の『異世界アルファザードの魔王討伐の冒険譚』の主人公として、ここに召喚しようと思う　」
オレは皆に告げた。

「　おっ！？　意外と早く決まったっスね～♪　」
「　ん…　」（ボソッ…）
「　早速、決めたんですね♪　」
「　おっさん主人公と美少女ＪＫ主人公の組み合わせでヤンスか♪　いいと思うでヤンス♪　」
「　ん…ムシャムシャムシャ…　」
サンダリオンだけ、食べる方に夢中なようだが、まぁ、いい…。

「　スクリーン上にもデータは出ているが、ざっと解説しとこうと思う。　男の方は、名前は『六堂 王輝（りくどう おうき）』、３７歳、身長１８０ｃｍ、オタク趣味のサラリーマンだ。　」

「　…え～…一応簡単に補足すると…オタク趣味ってのはラノベやらなんやらが好きで嗜む（たしなむ）ことで、サラリーマンってのは地球における一般職のひとつだ。　…で、この男が ここ（アルファザード）に召喚されて、地球での一般常識というリミッターが外れて覚醒した後の初期ステータスだが…魔法関連のステータスは一般人並みだ。　が、スキル関連のステータスと物理関連・身体能力関連のステータスは一般人を遥かに凌駕している。　特に防御系のスキルに秀でており、超強力なタンク（最前線で敵の攻撃を引き受ける盾役）になるだろう。　そして、最大の長所としては、レア・スキル【モーメント・スキル・ラーニング（瞬間 特殊能力 習得術）】を持っていることだ。　これは、他者がスキルを使っているところを見るだけで、一瞬で そのスキルを学習・習得できるようになるというチート・スキルだ。　…まぁ、自身のレベルが低い内は、あまり強力なスキルは一瞬で習得とは いかないだろうけどな…。　それでも、一般的に見たら超強力でチートなスキルであることは間違いない　」

ここでオレは、いったん話を区切って紅茶を口にした。

「　…次に、女の方は、名前は『静原 美羽（しずはら みう）』、１７歳、身長１６０ｃｍ、オタク趣味の女子高生だ。　」

「　…で、この少女の初期ステータスだが…スキル（特殊能力）関連のステータスは一般人並みだ。　が、魔法関連のステータスと物理関連・身体能力関連のステータスは一般人を遥かに凌駕している。　特にヘイスト（加速）系のスキルに秀でており、超スピードの魔法剣士になるだろう。　そして、最大の長所としては、希少魔法【モーメント・マジック・ラーニング（瞬間 魔法 習得術）】を持っていることだ。　これは、他者が魔法を使っているところを見るだけで、一瞬で その魔法を学習・習得できるようになるというチート魔法だ。　これも、【モーメント・スキル・ラーニング】同様、自身のレベルが低い内は、あまり強力な魔法は一瞬で習得とは いかないだろうけどな…。　とはいえ、【モーメント・スキル・ラーニング】同様、一般的に見たら超強力でチートな魔法であることは間違いない　　」
（　地球には ごく稀に『瞬間記憶能力』という能力を持つ者が存在する。　どういった能力かを簡単に説明すると、『一度・一瞬 目にしただけの情報を、正確に記憶し、その記憶を呼び出せる能力。』といったところか…。　例えば…一度読んだだけの本の内容を一言一句間違えずに読み上げたり、パッと見ただけの地図を正確に書き起こせたり…という具合だ。　この二人の能力…【モーメント・スキル・ラーニング（瞬間 特殊能力 習得術）】と【モーメント・マジック・ラーニング（瞬間 魔法 習得術）】は、それに近い位置づけかもしれないな…。　）

ここでオレは再び話を区切って紅茶を口にした。

「　ちなみに、さっきも言ったが この二人の家は隣同士だ。　で、年齢は２０歳も離れているものの、趣味が共通な為、ちょくちょく一緒に遊びに行ったりするようだ　」

「　歳の差カップルってヤツっスね♪　」

「　ん～…まぁ、カップル…ってか、恋人までは いってないんじゃないか…？　たぶん、友達以上恋人未満って感じじゃないかな…　」

ここで、サンダリオンが、『う～ん』と唸りながら質問してきた。
「　う～ん…なんで この二人が『歳の差カップル』なんじゃ…？　それって たしか、『歳の大きく離れた つがい』に使う言葉じゃろう…？　この二人は たったの２０歳しか離れておらんのじゃ…　」
（　『つがい』って…動物じゃないんだから…いや、まぁ、人間も広義じゃ動物ではあるけど…　）

「　いやいや…相対的に考えてみてくれ。　たしかに、実年齢１３８億歳のオレや、スキル【不老】で１７歳の肉体のままとはいえ１０００歳を超えてるファイナやアイネやヒーリスや、ドラゴンで８００歳のオマエ（サンダリオン）から見たら、２０歳差なんて微々たるものかもしれない。　けど、寿命がせいぜい８０歳前後しかない普通の人間からしたら、２０歳差ってのは結構な歳の差なんだよ　」

「　ふぅ～ん…そういうものなのかのぅ…　」

毎度のことながら、ドラゴンのサンダリオンに人間の常識を教えるのは少々くたびれるなぁ…
（＾_＾;）