72 / 88
【第70話】 地球人は なぜ地球ではスキルを使えないのか…?
しおりを挟む◇ ◇ ◇ ◇ ◇
ここ惑星アルファザードの空中神殿の食堂では、オレ(春埼隆人=創造主)、炎の女神のファイナ、剣と氷の女神のアイネ、治癒の女神のヒーリス、ドラゴン(雷竜)のサンダリオン(美少女形態)、スライムのスラ吉の5人と一匹が大きな円卓を囲っている。
ちなみに、スラ吉はアイネの膝の上に抱っこされている。 ( 厳密には、太ももの上に抱っこされ、スラ吉の頭上にはアイネの爆乳が のっかっているような状態だ。 )
オレの【現実改変】で この世界(アルファザード)に『ステータス制』を導入後、みんなで順番にステータスを見せ合い終わったところだ…。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「 じゃあ、いよいよ『主人公』に相応しい(ふさわしい)ヤツを探すとするかな…。 『宇宙記録(アカシック・レコード)』に『接続(アクセス)』! ここアルファザードでの魔王討伐の冒険の主人公に相応しいヤツを、地球から…日本から探す! 特徴としては強力な潜在能力を…強力なスキルや魔法などを持っていること、黒髪、体型は普通か やや細身、顔は普通…じゃなくて並以上で。 年齢は…そうだな…中高生主人公だけでなく『おっさん主人公』という選択肢も考慮して…13歳~40歳くらいと幅広く。 身長も幅広く160cm~180cmくらいで 」
別に声に出さなくても『宇宙記録』に『接続』することは できるのだが、オレが今 何をやっているのかをファイナ達に説明する意味で、オレは あえて声に出した。
オレが『接続』すると、すぐにオレの頭の中に候補者たちの現在の姿が浮かんできた。
ある者は学校で部活中だったり、ある者は恋人とデート中だったり、ある者は営業で外回り中だったり…と、様々だ。
ちなみに、今現在、地球周辺の時間は(厳密には地球の太陽系および地球から観測可能な天体全ての時間は)停止してある。 ( オレがアルファザードでの冒険中に地球の時間が普通に進んでしまうと、オレ…高校生・春埼隆人は地球(日本)では行方不明という扱いに なってしまうからだ。 また、こないだ地球に巨大隕石を落下させようとした何者かが(オレの留守中に)地球に ちょっかいを出せないようにする為…という側面もある。 今、地球に近づくものは、オレのかけたスキル【最上位 時間停止】によって問答無用で『停止』するようになっているのだ。 例えば、もし地球に巨大隕石をぶつけようとしても太陽系にに到達した瞬間に巨大隕石は『停止』してしまうし、地球に危害を加えようとしている魔神や魔王がいるとして そいつらが地球に近づこうとしても同様に『停止』するようになっている。 いわば、『ゴキブリホイホイ』ならぬ『魔神ホイホイ』ってとこか…。 まぁ、もし、その『魔神ホイホイ』に『魔神』が引っかかったら、『処分』は後で考えるとしよう。 ちなみに、もし、敵が この【時間停止】を把握しており、巨大隕石を【空間転移】や【瞬間移動】で地球上に転移させようとしても、地球上に出現する前に『停止』する。(隕石が地球上に出現できない。) また、【現実改変】系の能力や【能力無効化】系の能力でオレの【最上位 時間停止】を解除・無効化しようとしても、オレの【最上位 時間停止】を破ることはできない。 オレの【最上位 時間停止】を破れる可能性があるとしたら、オレの【最上位 現実改変】か【最上位 無効化能力】くらいだろう。 オレに勝てる可能性があるのはオレだけ…というところか。 )
地球の時間が停止しているということは、当然、主人公候補たちの姿も動画ではなく静止画である。
…っと、オレの頭の中だけで見てるのも なんだから…
「 スキル【投影】! オレが『宇宙記録』に『接続』して探している主人候補たちの画像を、縦6メートル、横8メートルのスクリーンで空中に投影する 」
オレがスキルを発動すると、食堂の一画の空中にスクリーンが現れて、オレが頭の中で見ていたのと同じ画像が映し出された。
「「「「「 おぉ~~… 」」」」」
みんなから歓声…というわけではないのだろうが、声があがった。
「 そうだな…あと、この主人公候補たちをここ(アルファザード)に召喚して、地球での一般常識とか固定概念といった『リミッター』が外れて潜在能力が覚醒した後の初期ステータスも各画像の下に表示しちゃおう。 それと…画像の右上に『通しナンバー(No.)』と『身長』と『年齢』も表示しよう。 」
スクリーンに、各主人公候補者の画像と共にステータスと身長と年齢も表示された。
( ここで、現在のスクリーンの構成について説明する。 主人公候補者の画像が縦1メートル×横1メートルのサイズで映し出され(通しナンバーと身長と年齢は この画像の右上に小さく表示され)、その下に、同じく縦1メートル×横1メートルのサイズでステータス画面が表示されている。 つまり、候補者一人当たり縦2メートル×横1メートルのスペースを使い、それが縦に3人分、横に8人分並んでいる。 つまり、縦3人分×横8人分=24人分のデータが表示されている状態だ。 通しナンバーは左上~右上にかけてNo.1~No.8、二段目の左端~右端にかけてNo.9~16、左下~右下にかけてNo.17~No.24となっている。 ちなみに、当然ながら候補者は この24人で全てではなく、まだまだいる。 今 表示されているのは その内の24人に過ぎない。 で、このNo.1~No.24の24人を1頁目とし、2頁目ではNo.25~No.48、3頁目ではNo.49~No.72…という具合で続いていく。 )
と、ここで、ヒーリスから質問が出た。
「 あの…創造主様、ひとつ質問よろしいでしょうか? 前々から少し疑問に思ってたことなんですが… 」
「 ん…? ああ、かまわないぞ 」
「 地球人というのは強力なスキル(特殊能力)や魔法を潜在的に持っている割合が高い種族なわけですが…なぜ地球にいる時は その能力が開花しないのでしょうか…? …まぁ、地球上でも ごくごく一部の者は開花する場合(ケース)も ありますが、ほとんどの者はスキルも魔法も使えませんよね…? 」
「 それは…地球が『科学の星』だからだ 」
「「「「「 『科学の星』…?? 」」」」」
ヒーリスだけでなく他の者も、声をそろえてオレの言った言葉(『科学の星』)を反復した。
「 あぁ…。 より厳密に言うなら『科学至上主義の星』とでも言うべきかな…。 …この宇宙で、人間のような知的生命体の存在する惑星の ほとんどは、この惑星アルファザードのように『スキル(特殊能力)や魔法の存在が当たり前と認知されている星』なんだ。 しかし、地球は違う。 地球では『超能力やスキル(特殊能力)なんて存在しない。 魔法なんて絵空事のデタラメだ。 科学こそが正義だ!』…みたいに認知されている。 いわば『科学の星』だ。 こういう地球みたいな星は、この宇宙には ほとんどない。 まぁ、そんな環境下だからか、地球人は潜在的に強力なスキル(特殊能力)や魔法を持っていても、『そんなもの(スキルや魔法なんて)あるわけがない』と認識してしまって、それが心のストッパーになってしまい、スキルも魔法も発動することができない…もとい、本気で発動させてみようなどとは考えられないんだ。 まぁ…日本人の子供の中には、14歳くらいになると『自分には特別な能力が眠っている』みたいに考えて超能力や魔法を試そうとしてみる者も少なくないけど、結局は心の奥底では『…けど、現実的に考えて超能力も魔法も存在するわけないよな…』と考えてしまい、それがストッパーになってしまうわけだ。 」
「 なるほど…『科学の星』ですか…。 私は『科学』については詳しくは わからないのですが、地球全体が『スキルも魔法も存在するわけがない』という『認知』…『固定観念』に縛られている為、高い潜在能力を持っていたとしても発動することができない…ということですか…。 それが、スキルや魔法が当たり前の異世界に転生・転移して、実際にスキルや魔法を目の当たりにすることで、『スキルや魔法なんて存在しない』という『固定観念』のストッパーが外れて使えるようになる…といったところでしょうか? 」
本当にヒーリスは理解が早い。
「 あぁ、そういうことだ。 あと、スキルや魔法を目にしなくても、(地球では空想上の生き物とされている)様々なモンスターと遭遇することで『ここは自分達がいた世界(地球)とは違う世界なんだ』ということを脳が認識して(地球での常識や固定概念といった)ストッパーが外れて覚醒する場合もある。 …まぁ、地球からのチート転生者の中には それすらなく、異世界(よその惑星)に転生・転移した時点で、(スキルや魔法やモンスターを目にしなくても)『自分が異世界に来た』ということを認識してストッパーが外れて覚醒する場合も少なくないがな… 」
「 なるほど… 」
ヒーリスが頷いている。
その一方で…
「 ん~~~…… 」
サンダリオンが何やら唸っている。
…話が難しすぎたかな…?
「 のぅのぅ、創造主様や? 」
サンダリオンが話しかけてきた。
「 ん? なんだ? 」
「 儂は難しいことは よくわからんのじゃが…地球人はスキルも魔法も信じてないから使えない…ということかぇ? 」
「 …まぁ、ひらたく言うと そういうことだな 」
「 ふ~ん…スキルも魔法も存在するのにのぅ…地球人はバカなのかぇ…? 」
…一応、オレも今は地球人に転生してるんだがな…
(^_^;)
まぁでも、全然 腹は立たない。
むしろ、真理(?)を突いてるようなシンプルな言動に思わず笑ってしまった。
「 ハハっ…たしかにそうかもな 」(笑)
0
お気に入りに追加
53
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
[鑑定]スキルしかない俺を追放したのはいいが、貴様らにはもう関わるのはイヤだから、さがさないでくれ!
どら焼き
ファンタジー
ついに!第5章突入!
舐めた奴らに、真実が牙を剥く!
何も説明無く、いきなり異世界転移!らしいのだが、この王冠つけたオッサン何を言っているのだ?
しかも、ステータスが文字化けしていて、スキルも「鑑定??」だけって酷くない?
訳のわからない言葉?を発声している王女?と、勇者らしい同級生達がオレを城から捨てやがったので、
なんとか、苦労して宿代とパン代を稼ぐ主人公カザト!
そして…わかってくる、この異世界の異常性。
出会いを重ねて、なんとか元の世界に戻る方法を切り開いて行く物語。
主人公の直接復讐する要素は、あまりありません。
相手方の、あまりにも酷い自堕落さから出てくる、ざまぁ要素は、少しづつ出てくる予定です。
ハーレム要素は、不明とします。
復讐での強制ハーレム要素は、無しの予定です。
追記
2023/07/21 表紙絵を戦闘モードになったあるヤツの参考絵にしました。
8月近くでなにが、変形するのかわかる予定です。
2024/02/23
アルファポリスオンリーを解除しました。
誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!
ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく
高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。
高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。
しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。
召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。
※カクヨムでも連載しています
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・

転生した体のスペックがチート
モカ・ナト
ファンタジー
とある高校生が不注意でトラックに轢かれ死んでしまう。
目覚めたら自称神様がいてどうやら異世界に転生させてくれるらしい
このサイトでは10話まで投稿しています。
続きは小説投稿サイト「小説家になろう」で連載していますので、是非見に来てください!

2回目チート人生、まじですか
ゆめ
ファンタジー
☆☆☆☆☆
ある普通の田舎に住んでいる一之瀬 蒼涼はある日異世界に勇者として召喚された!!!しかもクラスで!
わっは!!!テンプレ!!!!
じゃない!!!!なんで〝また!?〟
実は蒼涼は前世にも1回勇者として全く同じ世界へと召喚されていたのだ。
その時はしっかり魔王退治?
しましたよ!!
でもね
辛かった!!チートあったけどいろんな意味で辛かった!大変だったんだぞ!!
ということで2回目のチート人生。
勇者じゃなく自由に生きます?

俺は善人にはなれない
気衒い
ファンタジー
とある過去を持つ青年が異世界へ。しかし、神様が転生させてくれた訳でも誰かが王城に召喚した訳でもない。気が付いたら、森の中にいたという状況だった。その後、青年は優秀なステータスと珍しい固有スキルを武器に異世界を渡り歩いていく。そして、道中で沢山の者と出会い、様々な経験をした青年の周りにはいつしか多くの仲間達が集っていた。これはそんな青年が異世界で誰も成し得なかった偉業を達成する物語。

クラス転移でハズレ職を押し付けられた『ガチャテイマー』、実は異世界最強 〜俺だけ同じ魔物を合成して超進化できる〜
蒼月浩二
ファンタジー
突然高校のクラス丸ごと異世界に召喚され、一人に一つ職業が与えられた。クラス会議の結果、旭川和也はハズレ職である『ガチャテイマー』を押し付けられてしまう。
当初は皆で協力して困難を乗り越えようとしていたクラスだったが、厳しい現実を目の当たりにすると、最弱の和也は裏切られ、捨てられてしまう。
しかし、実は最弱と思われていた『ガチャテイマー』は使役する魔物を《限界突破》することで際限なく強化することのできる最強職だった!
和也は、最強職を駆使して無限に強くなり、いずれ異世界最強に至る。
カクヨム・なろうで
クラス転移でハズレ職を押し付けられた『ガチャテイマー』、《限界突破》で異世界最強 〜★1魔物しか召喚できない無能だと思われていたが、実は俺だけ同じ魔物を合成して超進化できる〜
というタイトルで連載しているものです
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる