創造主のオレが主人公だとチート過ぎて物語が成り立たないので、脇役(デウスエクスマキナ)に徹することにした。

鏑木ディオス

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【第70話】 地球人は なぜ地球ではスキルを使えないのか…?

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◇ ◇ ◇ ◇ ◇

ここ惑星アルファザードの空中神殿の食堂では、オレ(春埼隆人=創造主)、炎の女神のファイナ、剣と氷の女神のアイネ、治癒の女神のヒーリス、ドラゴン(雷竜)のサンダリオン(美少女形態)、スライムのスラ吉の5人と一匹が大きな円卓を囲っている。
ちなみに、スラ吉はアイネの膝の上に抱っこされている。 ( 厳密には、太ももの上に抱っこされ、スラ吉の頭上にはアイネの爆乳が のっかっているような状態だ。 )

オレの【現実改変】で この世界(アルファザード)に『ステータス制』を導入後、みんなで順番にステータスを見せ合い終わったところだ…。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

「 じゃあ、いよいよ『主人公』に相応しい(ふさわしい)ヤツを探すとするかな…。 『宇宙記録(アカシック・レコード)』に『接続(アクセス)』! ここアルファザードでの魔王討伐の冒険の主人公に相応しいヤツを、地球から…日本から探す! 特徴としては強力な潜在能力を…強力なスキルや魔法などを持っていること、黒髪、体型は普通か やや細身、顔は普通…じゃなくて並以上で。 年齢は…そうだな…中高生主人公だけでなく『おっさん主人公』という選択肢も考慮して…13歳~40歳くらいと幅広く。 身長も幅広く160cm~180cmくらいで 」
別に声に出さなくても『宇宙記録』に『接続』することは できるのだが、オレが今 何をやっているのかをファイナ達に説明する意味で、オレは あえて声に出した。

オレが『接続』すると、すぐにオレの頭の中に候補者たちの現在の姿が浮かんできた。
ある者は学校で部活中だったり、ある者は恋人とデート中だったり、ある者は営業で外回り中だったり…と、様々だ。

ちなみに、今現在、地球周辺の時間は(厳密には地球の太陽系および地球から観測可能な天体全ての時間は)停止してある。 ( オレがアルファザードでの冒険中に地球の時間が普通に進んでしまうと、オレ…高校生・春埼隆人は地球(日本)では行方不明という扱いに なってしまうからだ。 また、こないだ地球に巨大隕石を落下させようとした何者かが(オレの留守中に)地球に ちょっかいを出せないようにする為…という側面もある。 今、地球に近づくものは、オレのかけたスキル【最上位 時間停止】によって問答無用で『停止』するようになっているのだ。 例えば、もし地球に巨大隕石をぶつけようとしても太陽系にに到達した瞬間に巨大隕石は『停止』してしまうし、地球に危害を加えようとしている魔神や魔王がいるとして そいつらが地球に近づこうとしても同様に『停止』するようになっている。 いわば、『ゴキブリホイホイ』ならぬ『魔神ホイホイ』ってとこか…。 まぁ、もし、その『魔神ホイホイ』に『魔神』が引っかかったら、『処分』は後で考えるとしよう。 ちなみに、もし、敵が この【時間停止】を把握しており、巨大隕石を【空間転移】や【瞬間移動】で地球上に転移させようとしても、地球上に出現する前に『停止』する。(隕石が地球上に出現できない。) また、【現実改変】系の能力や【能力無効化】系の能力でオレの【最上位 時間停止】を解除・無効化しようとしても、オレの【最上位 時間停止】を破ることはできない。 オレの【最上位 時間停止】を破れる可能性があるとしたら、オレの【最上位 現実改変】か【最上位 無効化能力】くらいだろう。 オレに勝てる可能性があるのはオレだけ…というところか。 )

地球の時間が停止しているということは、当然、主人公候補たちの姿も動画ではなく静止画である。

…っと、オレの頭の中だけで見てるのも なんだから…
「 スキル【投影】! オレが『宇宙記録』に『接続』して探している主人候補たちの画像を、縦6メートル、横8メートルのスクリーンで空中に投影する 」

オレがスキルを発動すると、食堂の一画の空中にスクリーンが現れて、オレが頭の中で見ていたのと同じ画像が映し出された。

「「「「「 おぉ~~… 」」」」」
みんなから歓声…というわけではないのだろうが、声があがった。

「 そうだな…あと、この主人公候補たちをここ(アルファザード)に召喚して、地球での一般常識とか固定概念といった『リミッター』が外れて潜在能力が覚醒した後の初期ステータスも各画像の下に表示しちゃおう。 それと…画像の右上に『通しナンバー(No.)』と『身長』と『年齢』も表示しよう。 」

スクリーンに、各主人公候補者の画像と共にステータスと身長と年齢も表示された。
( ここで、現在のスクリーンの構成について説明する。 主人公候補者の画像が縦1メートル×横1メートルのサイズで映し出され(通しナンバーと身長と年齢は この画像の右上に小さく表示され)、その下に、同じく縦1メートル×横1メートルのサイズでステータス画面が表示されている。 つまり、候補者一人当たり縦2メートル×横1メートルのスペースを使い、それが縦に3人分、横に8人分並んでいる。 つまり、縦3人分×横8人分=24人分のデータが表示されている状態だ。 通しナンバーは左上~右上にかけてNo.1~No.8、二段目の左端~右端にかけてNo.9~16、左下~右下にかけてNo.17~No.24となっている。 ちなみに、当然ながら候補者は この24人で全てではなく、まだまだいる。 今 表示されているのは その内の24人に過ぎない。 で、このNo.1~No.24の24人を1頁目とし、2頁目ではNo.25~No.48、3頁目ではNo.49~No.72…という具合で続いていく。 )

と、ここで、ヒーリスから質問が出た。
「 あの…創造主様、ひとつ質問よろしいでしょうか? 前々から少し疑問に思ってたことなんですが… 」

「 ん…? ああ、かまわないぞ 」

「 地球人というのは強力なスキル(特殊能力)や魔法を潜在的に持っている割合が高い種族なわけですが…なぜ地球にいる時は その能力が開花しないのでしょうか…? …まぁ、地球上でも ごくごく一部の者は開花する場合(ケース)も ありますが、ほとんどの者はスキルも魔法も使えませんよね…? 」

「 それは…地球が『科学の星』だからだ 」

「「「「「 『科学の星』…?? 」」」」」
ヒーリスだけでなく他の者も、声をそろえてオレの言った言葉(『科学の星』)を反復した。

「 あぁ…。 より厳密に言うなら『科学至上主義の星』とでも言うべきかな…。 …この宇宙で、人間のような知的生命体の存在する惑星の ほとんどは、この惑星アルファザードのように『スキル(特殊能力)や魔法の存在が当たり前と認知されている星』なんだ。 しかし、地球は違う。 地球では『超能力やスキル(特殊能力)なんて存在しない。 魔法なんて絵空事のデタラメだ。 科学こそが正義だ!』…みたいに認知されている。 いわば『科学の星』だ。 こういう地球みたいな星は、この宇宙には ほとんどない。 まぁ、そんな環境下だからか、地球人は潜在的に強力なスキル(特殊能力)や魔法を持っていても、『そんなもの(スキルや魔法なんて)あるわけがない』と認識してしまって、それが心のストッパーになってしまい、スキルも魔法も発動することができない…もとい、本気で発動させてみようなどとは考えられないんだ。 まぁ…日本人の子供の中には、14歳くらいになると『自分には特別な能力が眠っている』みたいに考えて超能力や魔法を試そうとしてみる者も少なくないけど、結局は心の奥底では『…けど、現実的に考えて超能力も魔法も存在するわけないよな…』と考えてしまい、それがストッパーになってしまうわけだ。 」

「 なるほど…『科学の星』ですか…。 私は『科学』については詳しくは わからないのですが、地球全体が『スキルも魔法も存在するわけがない』という『認知』…『固定観念』に縛られている為、高い潜在能力を持っていたとしても発動することができない…ということですか…。 それが、スキルや魔法が当たり前の異世界に転生・転移して、実際にスキルや魔法を目の当たりにすることで、『スキルや魔法なんて存在しない』という『固定観念』のストッパーが外れて使えるようになる…といったところでしょうか? 」
本当にヒーリスは理解が早い。

「 あぁ、そういうことだ。 あと、スキルや魔法を目にしなくても、(地球では空想上の生き物とされている)様々なモンスターと遭遇することで『ここは自分達がいた世界(地球)とは違う世界なんだ』ということを脳が認識して(地球での常識や固定概念といった)ストッパーが外れて覚醒する場合もある。 …まぁ、地球からのチート転生者の中には それすらなく、異世界(よその惑星)に転生・転移した時点で、(スキルや魔法やモンスターを目にしなくても)『自分が異世界に来た』ということを認識してストッパーが外れて覚醒する場合も少なくないがな… 」

「 なるほど… 」
ヒーリスが頷いている。

その一方で…
「 ん~~~…… 」
サンダリオンが何やら唸っている。
…話が難しすぎたかな…?

「 のぅのぅ、創造主様や? 」
サンダリオンが話しかけてきた。

「 ん? なんだ? 」

「 儂は難しいことは よくわからんのじゃが…地球人はスキルも魔法も信じてないから使えない…ということかぇ? 」

「 …まぁ、ひらたく言うと そういうことだな 」

「 ふ~ん…スキルも魔法も存在するのにのぅ…地球人はバカなのかぇ…? 」

…一応、オレも今は地球人に転生してるんだがな…
(^_^;)

まぁでも、全然 腹は立たない。
むしろ、真理(?)を突いてるようなシンプルな言動に思わず笑ってしまった。

「 ハハっ…たしかにそうかもな 」(笑)

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