創造主のオレが主人公だとチート過ぎて物語が成り立たないので、脇役(デウスエクスマキナ)に徹することにした。

鏑木ディオス

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【第61話】 本当に なんでもアリなんじゃなぁ…創造主様は…

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◇ ◇ ◇ ◇ ◇

ここ惑星アルファザードの空中神殿の食堂では、オレ(春埼隆人=創造主)、炎の女神のファイナ、剣と氷の女神のアイネ、治癒の女神のヒーリス、ドラゴン(雷竜)のサンダリオン(美少女形態)、スライムのスラ吉の5人と一匹が大きな円卓を囲っている。
( ちなみに、スラ吉はアイネの膝の上に抱っこされている。 )

地球からの『主人公』によるアルファザードの魔王討伐の件、サンダリオンだけでなくヒーリスとスラ吉も神殿に残ることになった。

また、ファイナ達から、オレ達が冒険に興じている間も魔王軍による被害が各地に広がっていくのを見るのが辛く心苦しいとの話があった。
そこでオレは、この世界の理(ことわり)を少し いじることにしたのだった。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

サンダリオンがキョトンとしながら、
「 『この世界の ことわり? を少し いじる』…じゃと…?? 創造主様よ? それは いったい、どういうことなのじゃ…?? 」
と、先ほどのオレの言葉に対して質問してきた。

「 まぁ、説明するよりも、今から実際にスキル【現実改変】を言葉に出して発動するから、それを聞いてもらえればわかるよ 」
とオレはサンダリオンに向かって告げた。 ( 他の皆に向けての言葉でもあるが。 )

「 じゃあ…スキル【現実改変】! ここ、惑星アルファザードの理(ことわり)を少し修正する。 魔王軍に『属する』者からの攻撃で『魔王軍』に『属さない』者が死ぬことはなくなる。 尚、この理(ことわり)を認識できている者は、今この場にいる者のみとする。 」

オレがスキルを発動した瞬間、世界中を光が覆い、一瞬で光は消えた。
スキルが正常に発動し、行使されたのだ。
尚、スキル発動の際の一瞬、世界中を光が覆ったことは、この場にいる者しか認識できていない。

「 なっ…なんじゃ!? つまり…どういうことじゃ…?? 例えば、村人が心臓を魔王軍の兵士の槍でつかれても、ゾンビみたいになって死なない…とか、そういうことなのか…?? 」
サンダリオンは少し混乱している。

「 いや…ゾンビみたいになるとかじゃないんだ。 例えば、今サンダリオンが挙げた例みたいに言えば…『魔王軍の兵士が槍で村人の心臓を突こうとしたら足が滑って心臓を突き損ねてしまい、その間に村人に逃げられた』みたいなことになるわけだ 」

「 なっ…!? そっ…そんなラッキーが 今後 世界中で起こるというのかっ…!? 」
サンダリオンは驚きの声をあげた。

「 もちろん、そんなパターンばかりじゃないけどな。 例えば、村人が絶体絶命の状況になったら、魔王軍の少しエライ奴が『コイツら(村人たち)は人質にしよう』とか言い出して、人質にされるも、その後なんだかんだ命からがら逃げだしたりとかな。 あ…ただ、あくまで『死ぬ状況には陥らない』ってだけで、ケガを負ったりはするからな。 時には重傷を負う者もいるだろうし。 …まぁ、その気になれば、『魔王軍の攻撃で誰一人かすり傷ひとつ負わなくなる』ようにすることもできるんだが、さすがに それだと やり過ぎだからな…。 あと、あくまで魔王軍の攻撃で死ぬことはないってだけで、魔王軍と無関係の野生のモンスターとかに襲われて殺されて食われちゃったりは普通にあるからな。 その辺は まぁ、『自然の摂理』と思って諦めてくれ。 『自然の摂理』まで捻じ曲げちゃうのは気が進まなかったんでな… 」

サンダリオン、ファイナ、アイネ、ヒーリスは、オレの あまりのチートぶりにポカーンと口をあけて驚いている。
唯一、スラ吉だけは平然とニコニコしながらオレの話を聞いている。
まぁ、今オレが やったことは、スラ吉の【現実改変】でも できるレベルのことだからな。

「 …ってな感じで、とりあえずは いいかな? ファイナ、アイネ、ヒーリス? 」

名前を呼ばれて、3人はハッと我に帰った。

「 はっ…はいっス! 完璧っス♪ 」
「 …! …さす創… 」(ボソッ…)
「 さすがです! 創造主様っ! 」

サンダリオンは大きな ため息を吐いた。
「 はぁ~……! …時間を操作したり、惑星サイズの超巨大隕石を一瞬で消し去ったりするのもチート過ぎると思ったものじゃが…それ以上にチートなんじゃな、この【現実改変】という能力は…。 本当に なんでもアリなんじゃなぁ…創造主様は… 」

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