創造主のオレが主人公だとチート過ぎて物語が成り立たないので、脇役(デウスエクスマキナ)に徹することにした。

鏑木ディオス

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【第59話】 カミール達との別れ…

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◇ ◇ ◇ ◇ ◇

惑星アルファザードの空中神殿の食堂で、総勢10人と一匹が大きな円卓を囲って昼食をとっている。

こちら側の面子は、オレ(春埼隆人=創造主)、炎の女神のファイナ、剣と氷の女神のアイネ、治癒の女神のヒーリス、ドラゴン(雷竜)のサンダリオン(美少女形態)、スライムのスラ吉の5人と一匹。
あちら側(平行宇宙(パラレル・ワールド)側)の面子は、吸血鬼君主(ヴァンパイア・ロード)のカミール、女戦士のリグザ、女武闘家のフォンファン、女の侍のヤマテ、エルフの女騎士のエイルの5人だ。
( ちなみに、スラ吉はアイネの膝の上に抱っこされている。 )

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

「 …まぁ、『謎の老人』の捜索に関するアドバイスは、そんなとこかな… 」

オレが そう告げると、カミールは
「 そうか…アドバイス、ありがたく参考にさせて頂こう。 さて…創造主殿からのアドバイスも一通り うけたまわったことだし、我々は おいとまするとしよう 」
と、カミールは切り出した。

「 そうだな…とりあえず、『謎の老人』の件はオマエ達に任せることにしよう。 ただ、もし予想以上に『敵』が手ごわくてオマエ達の手に余るようだったら、すぐにオレに知らせてくれ。 【テレパシー】でもいいから 」

「 うむ。 なるべく我々の手でケリを付けるつもりだが、もしも我々の手に余るようなら遠慮なく創造主殿の お力をお借りしようと思う 」

カミールは平行宇宙(パラレル・ワールド)の ひとつを治める程の吸血鬼君主(ヴァンパイア・ロード)で、プライドも高いはずなのだが、それ以上に『懸命』な君主のようだ。
地位の高い者の場合、『敵が自分たちの手に余るほど強い場合でも、プライドが邪魔をして他者に頼ることができない』ということがありがちだが、カミールは『自分たちの手に余るならオレ(創造主)に頼る』と言っている。
平行宇宙のトップと言えば普通はプライドの塊のようなヤツが多い。
その点、カミールは、平行宇宙のトップでありながら、『自分たちの手に余るならオレ(創造主)に頼る』と素直に言えている。
自身のプライドよりも実利…仲間や自身の平行宇宙を危険に晒さないこと…を優先できている。
これは、なかなかできることじゃあない。

「 あぁ…、じゃあ、『謎の老人』の件、宜しく頼む。 あと、何かあったらオレに連絡で…な。 」

「 それでは、アルファザードの皆、色々と迷惑をかけてしまい、申し訳ない。 それと、ありがとう。 いずれ今度は、皆を我々の宇宙に招待したいと思う。 本当に ありがとう。 」

カミールが別れの挨拶を切り出すと、リグザ、フォンファン、ヤマテ、エイルも別れの挨拶を口にした。

「 じゃあ、色々、世話になったな! ありがとよ! 」
「 色々、ありがとうアルヨ! 」
「 ご迷惑をおかけしたでござる…あと、ありがとうでござるよ! 」
「 【洗脳催眠】で操られていたとはいえ、申し訳ございませんでした…。 お昼ご飯まで ごちそうになってしまいまして…。 本当に ありがとうございます。 」

カミールやリグザの挨拶が終わると、今度は、ファイナ、アイネ、ヒーリス、サンダリオン、スラ吉の挨拶だ…

「 吉報、待ってるっス♪ あ…でも、ムチャはダメっスよ~♪ 」
「 ん…バイバイ…また… 」(ボソッ…)
「 最初はビックリしましたけど、仲良くなれてよかったです♪ 頑張ってくださいね♪ 」
「 うむ…最初は何ごとかと思ったのじゃ…。 …じゃが…いなくなると寂しくなるのう…。 じゃが、今生の別れというわけでは ないからな…。 では、またな! 」
「 皆さんの健闘を祈るでヤンス♪ 何かあったら、オイラも微力ながら力になるでヤンス♪ 」

…スラ吉は自分のことを『微力』とか言ってるけど、カミールを倒すほどの実力の持ち主なんだから、(一般的に見たら)全然 微力じゃあないんだよなぁ~…
(^_^;)

まぁ、とにかく、これで双方の挨拶が終わったわけだ…。

「 スキル【位相跳躍(フェイズ・ジャンプ)】! 我々5人を元の宇宙に! 」
カミールがスキルを発動させた。

カミール達5人は こちらに手を振っている。
オレを含む こちらの5人と一匹(スラ吉)も手を振り返した。 ( ちなみに、スラ吉は大福型の身体の左右から触手を生やして、その触手で手を振っている…。 )

そして…カミール達の姿は光に包まれて消えた…。
元の世界(元の宇宙)に戻ったのだ…。

10人と一匹で ごった返していた空中神殿の食堂は、約半数の5人と一匹に なってしまった…。

「 ん…なんだか寂しいのう… 」
サンダリオンがポツリと呟いた。

「 大丈夫ですよ、サンダリオンちゃん! 私が付いてますからね♪ 」
そう言ってヒーリスがサンダリオンの背後から手をまわして抱きついた。

「 ん…そうじゃな♪ 」
サンダリオンは気を取り直したようだ。

さて…『謎の老人』のことはカミール達に任せておくとして…こっちはこっちで『アルファザードの大魔王グランデールを倒す冒険』に出発する準備を進めるとするか。

…まぁ、『 惑星サイズの超巨大隕石を召喚してアルファザードに落下させようとした敵 』や『 平行宇宙(パラレル・ワールド)を統べ、【特殊能力無効化】の【魔眼(イビル・アイ)】を持つ吸血鬼君主(ヴァンパイア・ロード)であるカミール…そのカミールを【洗脳催眠】の支配下に置くことのできる敵 』…それらの敵と比べたら、魔王グランデールなんてミジンコみたいなモノなんだけどな…
(^_^;)

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