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【第53話】 昼 食
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惑星アルファザードの空中神殿(の食堂)内には、総勢10人と一匹がごった返していた。
こちら側の面子は、オレ(春埼隆人=創造主)、炎の女神のファイナ、剣と氷の女神のアイネ、治癒の女神のヒーリス、ドラゴン(雷竜)のサンダリオン(美少女形態)、スライムのスラ吉の5人と一匹。
あちら側(平行宇宙(パラレル・ワールド)側)の面子は、吸血鬼女王(ヴァンパイア・ロード)のカミール、女戦士のリグザ、女武闘家のフォンファン、女の侍のヤマテ、エルフの女騎士のエイルの5人だ。
( ちなみに、スラ吉はアイネの爆乳の下あたりに抱っこされている。 ( 少し、うらやましい… ) )
オレはスキル【解除】を使い、数日前に謎の老人によってカミール達にかけられた【洗脳催眠】を解いた。
で、少し早いが昼飯にしようということで、オレはスキル【創造】を使って豪勢な料理を一瞬で創り出した。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
オレは席に座りつつ、
「 スキル【創造】で料理を創る時、円卓テーブルのサイズも大きくして、椅子の数も この場の全員分…11人分用意したから、各自、適当に座ってくれ。 あ…カミールは吸血鬼(ヴァンパイア)だから、ちゃんと人間の血液をボトルで用意しといたから。 」
と告げた。
「 なんと…! わざわざ、我の為に血まで用意してくれたのか…ありがたい。 …それにしても、これほどの豪勢な食事や人間の血液までも創り出せてしまうとは…しかも、一瞬で…本当に『何でもあり』な能力だな… 」
そう言って、カミールはオレの左隣の席(血液のボトルとグラスが置いてある席)に座った。
次に、ファイナがオレの右隣に座った。
「 んじゃ、ゴチになるっス♪ 」
次いで、アイネがファイナの右隣に座った。
…なぜか、膝の上にはスラ吉をのせている…。
「 アイネ…? さっきも言ったが、スラ吉の分の席もあるし、スラ吉は人間に変身できるから、膝の上にのせなくても大丈夫だぞ…? 」
「 ん…でも、これでいい… 」(ボソッ…)
「 オイラも これでいいでヤンスよ♪ 」
アイネとスラ吉は出会ってから まだ さほど経っていないのだが、すっかり仲がよくなっているようだ。
で、次に、ヒーリスがアイネ(&スラ吉)の右隣に座り、そのヒーリスの右隣にはサンダリオンが座った。
サンダリオンは、初めて目にする豪華・豪勢な料理の数々を目の当たりにし、目を輝かせ、口元には涎(よだれ)が垂れている…。
外見は金髪碧眼のロリ巨乳美少女に変身していても、ドラゴンの食欲というか、食べることに対する本能や習性は抑えきれていないようだ。
「 あらあら…サンダリオンちゃん、涎が垂れてますよ…? 」
そう言いながら、ヒーリスがサンダリオンの口元の涎を拭いてあげている…。
…ますます『オカン化(お母さん化)』が進んでいるようだ…。
「 んじゃ、オレ達も失礼して…っと… 」
そう言って、リグザがカミールの左隣に座った。
次いで、フォンファン、ヤマテ、エイルも、
「 失礼するアル。 」
「 失礼するでござる。 」
「 それでは、失礼します。 」
次々に席についた。
ここで、円卓テーブルの座席を再確認してみよう。
オレの位置を基準として上方から見た場合は、時計回りに、
オレ → カミール → リグザ → フォンファン → ヤマテ →エイル → 空席(※1) → サンダリオン → ヒーリス → アイネ&スラ吉 → ファイナ ( → オレ )
…という並び順になっている。
(※1)スラ吉がアイネの膝の上にのっている為、席がひとつ空いている。
「 一応、A,B,O,AB型の血液を用意したんだけど、4種類とも全部『RH+』の血液なんだが…。 『RH-』の方が良ければ、そっちも用意できるけど…どうする? 」
「 あ…いや、『RH+』で全然問題ない。 …というか、創造主殿のスキル【創造】は本当にスゴイな…『RH+』と『RH-』まで自在に区別・指定して【創造】できるとは… 」
「 いやぁ~…なに…大したことじゃないさ… 」
…などと、オレがカミールと やり取りしていると、なにやら視線を感じた。
視線の元はサンダリオンだった。
サンダリオンは自身の目の前の料理を見つつ、チラチラと こちらを見ている。
まるで、『 おしゃべりなど食べながらでもできるじゃろ? 早く食べたいのじゃ! 』と催促しているようだ…
「 じゃあ…とりあえず、食べはじめるか。 いただきます。 」
オレが『 いただきます。 』と口にすると、他の者たちも口々に『 いただきます。 』と口にした。 ( …厳密には、10人+1匹の内の何人かは独特の語尾なので、「 いただきますなのじゃ♪ 」とか「 いただきますでヤンス♪ 」とか「 いただきますアル。 」とか「 いただきますでござる。 」などと言っていたが。 )
『 バクバクッ! モグモグッ! 』
「 うっ…うまいっ!! うまいのじゃぁっ!! 」
『 ガツガツッ! ムシャムシャッ! 』
「 うっ…うめぇっ!! なんだこりゃっ!!? 」
口いっぱいに料理を頬張りながら、サンダリオンとリグザが大声で『うまいうまい』と連呼している。
サンダリオンとリグザ以外の者たちも、(サンダリオンやリグザのように大声で連呼したりはしていないが、)『うまい』と口にしている。
「 いや~…創造主様の料理を食べるのは初めてっスけど、マジでうまいっスね~♪ 」
「 うま… 」(ボソッ…)
「 本当に、すごく おいしいです♪ 」
「 めっちゃ うまいでヤンス♪ 」
「 そうか。 喜んでもらえて何よりだ。 」
…と、そういえば、カミールに聞きたいことがあったんだ…。 ( まぁ、【宇宙記録(アカシック・レコード)】にアクセスすれば、聞くまでもなく わかることではあるんだが…コミュニケーションをとるのも大事だからな…。 )
『 モグモグ…ゴクン 』
オレは口の中の牛肉を食べきってから、カミールに話しかけた。
「 なぁ、カミール? オマエの部下の4人だが、どうやって主従関係を築いてるんだ…? 普通、吸血鬼(ヴァンパイヤ)が仲間や部下を増やす時って、噛んで同族にしたり、【洗脳催眠】系の能力で操ったりするもんだろ? けど、リグザ達は噛まれた痕跡は無いし、オマエ(カミール)に【洗脳催眠】をかけられてたわけでもないし…。 …まぁ、『謎の老人』の【洗脳催眠】には かかってたみたいだが…(笑) 」
「 ふっ…『謎の老人』に【洗脳催眠】をかけられていた件に関しては、耳が痛いな…我もまんまと【洗脳催眠】をかけられていたクチだからな…(苦笑) 」
カミールは苦笑した後、説明しはじめた…
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