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【第51話】 洗脳催眠
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惑星アルファザードの空中神殿(の食堂)内には、総勢10人と一匹がごった返していた。
こちら側の面子は、オレ(春埼隆人=創造主)、炎の女神のファイナ、剣と氷の女神のアイネ、治癒の女神のヒーリス、ドラゴン(雷竜)のサンダリオン(人間形態)、スライムのスラ吉の5人と一匹。
あちら側(平行宇宙(パラレル・ワールド)側)の面子は、吸血鬼女王のカミール、女戦士のリグザ、女武闘家のフォンファン、女の侍のヤマテ、エルフの女騎士のエイルの5人だ。
( ちなみに、スラ吉はアイネの爆乳の下あたりに抱っこされている。 ( 少し、うらやましい… ) )
宇宙での戦闘で敗れたカミールはオレに深々と頭をさげてきて、それに倣うように、その部下の4人も深々と頭を下げてきた。 ( 別にオレが強制したわけじゃあなく。 )
で、5人の口ぶりからは、なぜか、『 オレが、カミールの平行宇宙(パラレル・ワールド)を消滅させるつもりでいる。 』と誤解しているようだ…。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
カミール達がオレに深々と頭を下げている様子を見ていたファイナ達が口々にオレに言ってきた…
「 創造主様…カミール達の平行宇宙(パラレル・ワールド)を『消滅』させちゃうんスか…? たしかに、いきなり攻撃されたのはアレっスけど、平行宇宙(パラレル・ワールド)ごと消し去っちゃうってのは ちょっち やり過ぎな気もするっスけど… 」
「 たしかに…カミールと この4人が創造主様に喧嘩を売ったからといって、その平行宇宙(パラレル・ワールド)に棲む、事情を何も知らない人々や生き物まで まるごと消し去ってしまうというのは ちょっと… 」
「 う~む…儂は難しいことは よくわからんが…こやつら、根は そんなに悪いヤツでは なさそうな気もするのじゃが…。 仲間の為に自分の命を投げ出そうとしておるくらいじゃし… 」
「 オイラは創造主様のスキル【創造】で生み出してもらった身分なんで、基本的には創造主様の意向に沿うでヤンス。 …けど、個人的には、ちょいと かわいそうな気もするでヤンスね~… 」
「 …話、聞いてみたら…? 」(ボソッ…)
なんか、みんな誤解してるみたいなので、誤解を解いとくか…。
それと、アイネが言ったように、改めて ちゃんと話を聞いてみることにしよう。
その『オレ(創造主)がカミールの平行宇宙(パラレル・ワールド)を消滅させようとしてる』みたいなデマ話が どっから出てきたのかを…。
「 …なんか、みんな誤解してるみたいだけど、オレは、カミール達の平行宇宙(パラレル・ワールド)を『消滅』する気なんてサラサラないぞ? ってか、カミール? オマエは どっから、そんなデマを聞いたんだ? 」
「「「「「 デマっ…!? 」」」」」
カミールと その部下4人が一斉に顔を上げた。
「 いや…『たしかな情報筋(じょほうすじ)』から、『創造主は、数多(あまた)ある平行宇宙(パラレル・ワールド)を たわむれで消し去ることがある。 そして、私(カミール)の統べる宇宙が次のターゲットに選ばれた。』…と聞かされたのだが…。 だから、今回、このように創造主殿に戦いを挑んだのだ。 ただ黙って滅ぼされるよりは…と思い…。 」
顔を上げながらカミールは語った。
「 …その『たしかな情報筋』とやらが気になるんだが…? いったい何者なんだ…? 」
オレはカミールの眼を見ながら問いかけた。
…ん?
何か違和感というか…変な感じがするな…。
カミールの眼は、【現実改変】や【時間操作】などのチート能力を無効化できるタイプの【魔眼(イビル・アイ)】になっている。
なので、普通の人間の眼とは全く異なるのだが…カミールの眼をよくよく見ると、その【魔眼(イビル・アイ)】による違和感とはまた違った違和感を感じる…。
カミールはオレの問いかけに対し、
「 その『たしかな情報筋』というのは、つい先日、我々の居城に現れた、フードを目深に被った、謎の老人だ。 」
と、平然と答えた。
カミールの回答を聞いていた、オレ、ファイナ、アイネ、ヒーリス、サンダリオン、スラ吉の5人と一匹は、思わず、
「「「「「「 …は? 」」」」」」
と、声をあげた。
そりゃあそうだろう…「 その『たしかな情報筋』というのは、つい先日、我々の居城に現れた、フードを目深に被った、謎の老人だ。 」という返答なのだ。
全然、『たしかな』情報筋じゃないじゃん!?
めっちゃ怪しいじゃん!?
と、思わずツッコミを入れそうになった。
だが、カミール、リグザ、フォンファン、ヤマテ、エイルの5人は至って真顔だ。
…これはもしかして…。
「 スキル【鑑定】! カミール、リグザ、フォンファン、ヤマテ、エイルの5人を鑑定する。 」
オレはカミール、リグザ、フォンファン、ヤマテ、エイルの5人にスキル【鑑定】で調べた。
瞬時に結果がオレの脳内に流れ込んでくる。
その結果…
「 やはりな…カミール、リグザ、フォンファン、ヤマテ、エイル…オマエら5人は、その怪しい謎の老人とやらによって【洗脳催眠】をかけられているぞ。 」
「「「「「「「「「「 えっ…?? 」」」」」」」」」」
その場にいたオレ以外の9人と一匹(スラ吉)が思わず声をあげた。
「 まぁ…【洗脳催眠】にかかった状態じゃあ、いくら『その老人が怪しい』と説明しても精神的に受け入れられないだろうから…。 スキル【解除】! カミール、リグザ、フォンファン、ヤマテ、エイルの5人にかけられている【洗脳催眠】を【解除】する! 」
オレが5人の【洗脳催眠】を【解除】した途端、5人は、
「「「「「 あぁっ…!! 」」」」」
と大声をあげた。
正気に戻ったのだろう。
…にしても、リグザ達のような『SSS(トリプルエスクラス)の冒険者』どころか、平行宇宙(パラレル・ワールド)を統べる実力を持ち、【現実改変】や【時間操作】などのチート能力すら打ち破れる【魔眼(イビル・アイ)】を持つ『吸血鬼女王(ヴァンパイア・ロード)』のカミールに【洗脳催眠】をかけることができるような者が(オレ以外に)存在するとはな…
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