創造主のオレが主人公だとチート過ぎて物語が成り立たないので、脇役(デウスエクスマキナ)に徹することにした。

鏑木ディオス

文字の大きさ
上 下
36 / 88

【第35話】 オレはおもむろに右手を銃の形にして、スクリーンに映っている超巨大隕石に向け…

しおりを挟む

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

異世界アルファザードの空中神殿の食堂に、オレ(春埼隆人=創造主)と3人の女神たち(ファイナ、アイネ、ヒーリス)と美少女に変身した(雷竜)サンダリオンが集っている。

スキル【第六感】と【未来視】により、3日後、この惑星アルファザードに、この星と同等以上のサイズの超巨大隕石が衝突することを察知したオレは、そのことを3人の女神たちとサンダリオンに告げたのだった。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

「 …って、儂やドラゴンの性質についてはどうでもいいのじゃっ!! 創造主様っ!! その超巨大隕石とやらはどれくらいデカイんじゃっ!? オヌシの能力でどうにかできるサイズなのかっ!? 」
意外と心配症なサンダリオンがまくし立ててくる。

「 わかったわかった…今、説明してやるよ… 」
そう言って、オレはサンダリオンや3人の女神たちに説明しはじめた。

「 まず、以前、地球に迫っていた巨大隕石は直径500kmほどだ。 これはオレが【念動力(サイコキネシス)】で破壊した。 で、今回、ここアルファザードに迫っている超巨大隕石は直径13000kmほどだ。 」

「 いっ…13000kmじゃとっ!!? 以前の巨大隕石など話にならんくらいデカイのじゃっ… 」
サンダリオンが悲鳴に近い声をあげる。

「 ちな、今回の超巨大隕石と以前の巨大隕石のサイズ比は、直径比で約26倍、体積比で約17576倍ってところだ。 」

「 いっ…17576倍じゃとぉっ!!? 」
サンダリオンが再び悲鳴のような声をあげた。

「 ちなみに、このアルファザードは地球とほぼ同じサイズで、直径は約12742kmだ。 今回の超巨大隕石の直径は約13000km。 つまり、この惑星アルファザードよりも超巨大隕石の方が大きいってことだ。 」

「 ……… 」(パクパク…)
サンダリオンは驚きのあまり、まともに声も出ないようだ。

オレと1000年前から親交のある3人の女神たち…ファイナ、アイネ、ヒーリスも、『超巨大隕石がこの惑星アルファザードよりもデカイ』という話を聞いて、少しだけ不安になったのか、あるいは、サンダリオンの心配性が伝染った(うつった)のか、やや不安な面持ち(おももち)だ。

「 あの~…創造主様なら問題ないっスよね…? 超巨大隕石ごとき… 」

「 …大丈夫だよね? 」(ボソッ)

「 まぁ…創造主様なら問題ない…とは思うのですが、さすがに この星(惑星アルファザード)より巨大な隕石となると、正直、若干の不安は拭えませんね… 」

「 まぁ、心配するな。 え~と…とりま、スキル【投影】! 」

オレがスキルを発動すると、食堂の一画の何もない空中に、縦2m×横3mほどのTV画面のようなスクリーンが現れた。
スクリーンには、今まさにアルファザードに向かっている超巨大隕石が映し出されている。

「 サンダリオンは まだ【千里眼】に慣れてなくて、長時間 遠距離を【千里眼】で視続けるのは疲れるだろうから、とりまスキル【投影】で超巨大隕石の様子を映し出したぞ。 」

「 あ…あぁ…ありがとうなのじゃ… 」
サンダリオンは心配そうな表情(かお)をしながら礼を言ってきた。

「 で、この超巨大隕石をだな… 」

オレはおもむろに右手を銃の形(銃を模した形)にして、スクリーンに映っている超巨大隕石に向け…

「 バンッ! 」
というかけ声と共に銃で撃つ真似をしてみせた。
と同時に、心の中でスキル【爆発】を発動した。

スクリーンに映っていた超巨大隕石が粉々に砕け散った!!
( 宇宙空間での爆発なので無音だったが、地上での(惑星アルファザード上での)爆発だったら余裕で鼓膜が破れるほどの大音響を発していたことだろう。
…もっとも、超巨大隕石は惑星アルファザードよりも大きかったので、『地上(惑星アルファザード上)』にのっかりきらないだろうけど… )

ふと、4人を見ると、4人とも驚きのあまり口を大きく開けて目を丸くしていた。
まぁ、ファイナもアイネもヒーリスも、惑星より大きい超巨大隕石をこんなあっさり破壊できるとは思わなかったのだろう。
サンダリオンにいたっては、超巨大隕石をオレが本当にどうにかできるのかすら危ぶんでいたようなので、なおさらだ。

「 ……あれ? みんな、いったい何を驚いてるんだ? 」
普通に考えて明らかスゴイことをやって見せたわけだが、わざと天然な感じの とぼけたセリフを言ってみた。

「 スっ…スゴイのじゃっ!! スゴイのじゃっ!! オヌシ、滅茶苦茶スゴイのじゃっ!! 」
サンダリオンが興奮しながら抱きついてきた。

「 創造主様っ…グッジョブ… 」(ボソッ)
普段は無表情気味なアイネも、珍しく頬を紅潮させて やや興奮気味だ。

「 いやはや…創造主様のお力を疑っていたわけではございませんが…まさか、これほどとは…。 さすがです!! 創造主様っ!! 」
…とヒーリス。

「 いやぁ~…アタシは最初っから創造主様のこと1ミリも疑ってなかったっスけどね~…。 いやぁ~…ほんとマジ、スゴイっス、創造主様!! 」
…とファイナもオレに賛辞の言葉を贈るが…

「 いや…なんで、みんな、そんなに驚いてるんだ…?? 」
再度、(自分の力を自覚してないような)とぼけたセリフを言ってみた。

「 いや…なんでって、そりゃ~この星(惑星アルファザード)よりデカイ超巨大隕石を一瞬で破壊して見せられたら、みんな驚くのも当然っスよ~ 」
とファイナからはマジレスが返ってくる。

「 いやいや…そこは違うだろ、ファイナ? 」

「 へっ…?? 」
ファイナはキョトンとしている。

「 そこは 『 今のセリフは、だいぶ天然主人公っぽかったスよ! 創造主様! 』…って返すところだろ? 」(ニヤリ)

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

[鑑定]スキルしかない俺を追放したのはいいが、貴様らにはもう関わるのはイヤだから、さがさないでくれ!

どら焼き
ファンタジー
ついに!第5章突入! 舐めた奴らに、真実が牙を剥く! 何も説明無く、いきなり異世界転移!らしいのだが、この王冠つけたオッサン何を言っているのだ? しかも、ステータスが文字化けしていて、スキルも「鑑定??」だけって酷くない? 訳のわからない言葉?を発声している王女?と、勇者らしい同級生達がオレを城から捨てやがったので、 なんとか、苦労して宿代とパン代を稼ぐ主人公カザト! そして…わかってくる、この異世界の異常性。 出会いを重ねて、なんとか元の世界に戻る方法を切り開いて行く物語。 主人公の直接復讐する要素は、あまりありません。 相手方の、あまりにも酷い自堕落さから出てくる、ざまぁ要素は、少しづつ出てくる予定です。 ハーレム要素は、不明とします。 復讐での強制ハーレム要素は、無しの予定です。 追記  2023/07/21 表紙絵を戦闘モードになったあるヤツの参考絵にしました。 8月近くでなにが、変形するのかわかる予定です。 2024/02/23 アルファポリスオンリーを解除しました。

誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!

ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく  高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。  高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。  しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。  召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。 ※カクヨムでも連載しています

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

転生した体のスペックがチート

モカ・ナト
ファンタジー
とある高校生が不注意でトラックに轢かれ死んでしまう。 目覚めたら自称神様がいてどうやら異世界に転生させてくれるらしい このサイトでは10話まで投稿しています。 続きは小説投稿サイト「小説家になろう」で連載していますので、是非見に来てください!

2回目チート人生、まじですか

ゆめ
ファンタジー
☆☆☆☆☆ ある普通の田舎に住んでいる一之瀬 蒼涼はある日異世界に勇者として召喚された!!!しかもクラスで! わっは!!!テンプレ!!!! じゃない!!!!なんで〝また!?〟 実は蒼涼は前世にも1回勇者として全く同じ世界へと召喚されていたのだ。 その時はしっかり魔王退治? しましたよ!! でもね 辛かった!!チートあったけどいろんな意味で辛かった!大変だったんだぞ!! ということで2回目のチート人生。 勇者じゃなく自由に生きます?

俺は善人にはなれない

気衒い
ファンタジー
とある過去を持つ青年が異世界へ。しかし、神様が転生させてくれた訳でも誰かが王城に召喚した訳でもない。気が付いたら、森の中にいたという状況だった。その後、青年は優秀なステータスと珍しい固有スキルを武器に異世界を渡り歩いていく。そして、道中で沢山の者と出会い、様々な経験をした青年の周りにはいつしか多くの仲間達が集っていた。これはそんな青年が異世界で誰も成し得なかった偉業を達成する物語。

勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス

R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。 そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。 最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。 そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。 ※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※

処理中です...