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【第33話】 みんなが【千里眼】を使って宇宙から惑星アルファザードを視ていた、その時…

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◇ ◇ ◇ ◇ ◇

異世界アルファザードの空中神殿の食堂に、オレ(春埼隆人=創造主)と3人の女神(ファイナ、アイネ、ヒーリス)と美少女に変身した(雷竜)サンダリオンが集っている。

オレからスキル【千里眼】を与えられたサンダリオンは、現在、一生懸命【千里眼】を練習している。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

オレは引き続きサンダリオンにアドバイスを送る。
「 じゃあ…【千里眼】で(食堂の)天井を視ることができたら、次はその視点を、天井を突き抜けるようにドンドン前に進めてみてくれ。 」

「 ん…やってみる…のじゃ! ん~…っと! できたのじゃっ! おぉ~…天井を突き抜けて青空が見えたのじゃっ!! 」

やはり、サンダリオンは人間に変身できるほど高位のドラゴンだけあって、スキルの扱い・習得が早い。
もし仮に、なんの素質もない一般人にスキル【千里眼】を付与したとしても、こんな短時間では、ここまで上達しないだろう。
ちなみに、ファイナ、アイネ、ヒーリスの3女神も並外れた素質を持っていたので、今のサンダリオンと同じくらい、新スキルの飲み込みが早かった。

「 じゃあ、今度は更に視点を先に先に…空の果ての先にまで進めてみてくれ。 」

「 わかったのじゃっ!! 」
サンダリオンは元気よく返事をすると、また『 ん~… 』と唸りだした。

そして、数秒後…
「 うわっ!!? なんじゃっ!!? 空が真っ黒くなったのじゃっ!!? これが、もしかしてっ…!!? 」

「 そうだ。 さっき、オマエにスキル【千里眼】を付与するのと同時に、オレの記憶の一部や『宇宙』に関する知識も(スキル【記憶伝達】で)伝達しただろ? 今、【千里眼】でオマエが視ている景色が、『宇宙』だ。 」

「 おおぉぉぉ…なんか、スゴイのじゃっ!! よくわからんが、スゴイのじゃっ!! 昼なのに夜みたいなのじゃっ!! 星が見えるのじゃっ!! スゴイのじゃっ!! 」

サンダリオンはメチャクチャ興奮しているようで、『スゴイ』という言葉を連発している。

「 あ~…アタシらも1000年前に創造主様から【千里眼】もらって、練習して、初めて宇宙を視た時は興奮したっスもんね~…♪ 」
「 たしかに…昔の私たちを見ているようで、なんだか懐かしいですね… 」
「 なつい… 」(ボソッ…)

女神たち3人は、初めて宇宙を目にして興奮しているサンダリオンの姿を見て、懐かしさを覚えているようだ。

「 オマエらもサンダリオンと一緒に【千里眼】で宇宙を眺めたらどうだ? …そういや、オマエらは もう 目を開けたまま…肉眼で目の前の物を見ながら、並行して【千里眼】で宇宙を見ることはできるようになったのか…? 」

「 やだなぁ~創造主様ぁ~…そんなのとっくに出来るようになってるっスよ~♪ 」
「 余裕… 」(ボソッ…)
「 私たち3人とも、【千里眼】をもらった その日の内に出来るようになりましたよ。 」

「 あぁ、そうなのか… 」
初日で そこまで出来るようになっていたとは…さすが、オレが見込んだヤツらだ。

…っと、そうだ…
「 そうだ…サンダリオン。 その【千里眼】の視点を地上の方に向けてみな。 」

「 ん…? わかったのじゃ! ん~…視点を地上の方に……っ!!? おわっ!!? 青くてでっかいまん丸があるのじゃっ!! …って、もしかして、これがっ… 」

「 そうだ。 今、オマエが【千里眼】で視ているものが、惑星アルファザードであり、この世界アルファザードそのものだ。 」

「 おぉ~…っ!! スゴイ、スゴイ、スゴ過ぎるのじゃっ!! 」
サンダリオンは、またもや、『スゴイ』を連発している。

「 ん~…久々に(【千里眼】で)宇宙から この星を視たっスけど、何回 見てもスゴイするっスね~…♪ 」
「 ん…スゴイ… 」(ボソッ…)
「 この大きな球体の上に私たちがのっかっていて、『引力』で引っ張られているから落ちたり投げ出されたりしないんですよね…何度 見ても不思議な感じです… 」

女神たち3人も【千里眼】を使って、宇宙から この星…惑星アルファザードを見ているようだ。

…と、この時、オレの額のあたりに『キュピーン!』と閃光が走った!!
これは…一週間前、地球に迫る巨大隕石を感知した時と同じ感覚…俗に言う、『第六感』というやつだ。
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