創造主のオレが主人公だとチート過ぎて物語が成り立たないので、脇役（デウスエクスマキナ）に徹することにした。

【第２７話】 「 んじゃ、オマエ、もう帰っていいよ。 」

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異世界アルファザードの空中神殿…その周辺でオレ達（春埼隆人＝創造主、炎の女神ファイナ、剣と氷の女神アイネ、治癒の女神ヒーリス）と魔王軍（四天王の天空王スカイダル、雷竜サンダリオン）は対峙していた。

いや…サンダリオンに関しては、オレがサンダリオンにかけられていた魔王の呪い（刻印）を解除してやったので、おそらくは魔王軍を離脱するだろう。

尚、現在の位置関係は以下の通りだ。
空中神殿内には、ファイナ、ヒーリス。　空中神殿の北方１００ｍ程の位置にオレ。　オレのすぐ近く…オレの北方５ｍ程の位置にスカイダル。　そして、スカイダルの北方５ｋｍ程の位置に雷竜サンダリオン。　そして、雷竜サンダリオンと対峙するカタチで、サンダリオンの南方１００ｍほどの位置にアイネ。

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さて…サンダリオンにかけられていた呪いは解除したので、次はスカイダルをどうするかだが…

魔王がサンダリオンにかけた呪いの刻印をオレが一瞬で解いたことに驚愕しているスカイダルに向かってオレは再度たずねてみた。
「　え～と…オマエは『故郷を人間に滅ぼされたから人間側に寝返る気は無い』ってことでいいんだよな…？　」

「　当然だっ！！　」
スカイダルはこちらを睨みつけながら言い切った。
四面楚歌のこの状況だ…もう死を覚悟してるのかもしれない…。

そんなスカイダルにオレは告げた。
「　んじゃ、オマエ、もう帰っていいよ。　」

「　………はぁっ！！？　」
スカイダルは一瞬、オレの言葉の意味が理解できなかったようだ。

「　…っていうか、今からオレは、オマエをここから北に１０００ｋｍほど離れた空域に【強制転移】させるから、あとは好きにしな。　…ただ、記憶は一部改ざんさせてもらう。　そうだな…『女神３人によりドラゴンライダー１０００騎は全滅。サンダリオンは魔王の呪いを解除され、魔王軍を離脱して飛び去った。そして、オマエは命からがら逃げ延びた。』…みたいなストーリーで。　ちなみに、オレ＝創造主の存在はオマエの記憶から消しとくことにするよ。　あ…あと、さっき与えたスキル【テレパシー】は消しとくから。　」

「　キサマ…どういうつもりだ…？　」

「　いやぁ…なんかオマエの身の上を知ったら同情しちゃってな。　…まぁ、今回は見逃してやるが次に会った時は…いや…たぶん次に会った時も同情して見逃しちゃうだろうけどな。　あと…右膝の骨折は折れたままの方が『命からがら逃げ延びた』感は出るけど、痛々しいから治しとくか…　」

オレはスキル【治癒（ヒール）】を発動した。
『　パァァァァ…　』
一瞬、淡い光がスカイダルの右膝を包んだかと思うと、スカイダルの右膝は一瞬で完治した。

「　…ふぅ…　」
スカイダルは、ため息を一つついた。
もう、あまり驚いていない。
そろそろオレの『なんでもあり』なチート具合にも慣れてきたようだ。
まぁ、その記憶（オレに関する記憶）は改ざんして消しちゃうんだが…。

「　もういい…さっさと好きにしろ…。　」

「　じゃあな…。　【スキル削除】…【テレパシー】を削除！　スキル【記憶改ざん】と【空間転移】を同時に行使！！　」

『　パァァァァ…　』
スカイダルの体が一瞬白い光に包まれて消えた。
これで、先程オレがスカイダルに話た通りになっているはずだ。

…と、オレの元にアイネとサンダリオンが飛んできた。

「　おぉ…オヌシが儂を魔王の呪いから救ってくれた創造主様か？　」
サンダリオンが語りかけてくる。

「　あぁ、そうだ。　」

ファイナとヒーリスも空中神殿から飛んできた。
アイネのようなマッハ１０以上の超高速飛行はできないが、ファイナとヒーリスも普通に【飛行（フライ）】が使える。

とりあえず、これで魔王軍空中部隊（ドラゴンライダー１０００騎＆四天王スカイダル＆雷竜サンダリオン）との戦闘は終結というわけだな。

そして、今、空中神殿の北方１００ｍの空中に、オレと３人の女神（ファイナ、アイネ、ヒーリス）と（魔王の【呪い（カース）】を解かれた）雷竜サンダリオンが集合している。