23 / 88
【第23話】 アイネはパッと見ダウナー系だし氷魔法の使い手だから冷静沈着な印象だけど…
しおりを挟む
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
ここは異世界アルファザードの空中神殿の食堂だ。
朝食中に魔王軍のドラゴンライダー部隊の襲撃を受けた為、女神たち3人(アイネ、ファイナ、ヒーリス)は食堂におり、オレもいったん食堂に戻って来たところだ。
尚、ドラゴンライダー部隊は既にオレが全滅させており、四天王のスカイダル(巨乳のダークエルフ。本名は『リリティア』。)もオレとの一騎打ちで右膝上を砕かれて実質決着が着いている。
現在、空中神殿の外(空中)にはスカイダルがいるが、今、この世界の時間は、オレのスキル【時間停止】により停止している。
今、オレと女神たちがいる空中神殿の中を除いて…。
女神たちから30年前の事件(中立(ニュートラル)だったダークエルフの集落『ヤハク村』を、人間の国『ヤークド帝国』が襲撃し、滅ぼした事件。)について色々聞いていたオレは、女神アイネから、
「 悪逆非道の『ヤハド皇帝』を処刑した 」
と聞かされた。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「 処刑…ってのは、殺したってことだよな? 」
思わず、当たり前なことを聞き返してしまった。
「 うん 」(ボソッ)
アイネは短く頷いた。
「 えーとですね…ヤハド皇帝というのは例の30年前の事件を起こす以前から国民に対しても圧政を強いている人物で、自分が気に入らないと国民や家臣を牢に閉じ込めたり、ひどい時には処刑したりということもするような、傍若無人な人物でして… 」
ヒーリスから、ヤハド皇帝の人物像について補足説明が入った。
「 アタシら女神3人は、『人間の冒険者や軍隊では手に負えないような脅威…魔王クラスの脅威が出現した時に、その脅威を排除する』ことが女神としてのメインの役割って考えてるっス。 だから、基本的には人間の国の内政には干渉しないスタンスでいるっス。 けど、そのヤハド皇帝ってのは、さっきヒーリスも言ってたように、とんでもないクソ野郎だったっス! 」
ファイナが更に補足説明を加える。
「 なので、私たちは本来、人間の国の内政には干渉しないスタンスなのですが、ヤハド皇帝の悪逆非道・傍若無人ぶりに関してはあまりにも目に余るので、何かテをうった方がいいか…と、私とアイネさんとファイナさんで話し合っていたのです… 」
「 その矢先、『魔鉱石・翡翠(ひすい)』の利権を独り占め…ならぬ二人占めしようと企んだヤハド皇帝と宰相リヒャルトの命令で、ヤークド帝国の軍隊がヤハク村を襲撃して滅ぼしてしまったわけっス! 」
「 …で、ボクはヤハド皇帝を処刑した。 」(ボソッ)
「 いや~…あの時はビックリしましたよ…アイネさんってば、ヤハク村が滅ぼされたのを知るやいなや神殿を飛び出して… 」
「 ソッコーでヤハド皇帝を凍り付けにして剣で粉々にしちゃったっスからね~… 」
「 …あまりの悪逆非道ぶり、どうしても許せなかった… 」(ボソッ…)
「 なるほどな…ヤハド皇帝ってのは死んで当然のクソ野郎だったわけだ…。 …にしても、アイネはパッと見ダウナー系だし氷魔法の使い手だから、冷静沈着な印象だけど、意外と生真面目で熱くなりやすいところがあるよな… 」
「 …ボクは全然ダウナー系じゃないよ… 」(ボソッ…)
「 えっ…? そ…そうか… 」
しかし…ひとつ疑問がある。
「 …ヤハク村を滅ぼすように画策したのは、ヤハド皇帝だけじゃなく、宰相リヒャルトってヤツもなんだろ? その宰相リヒャルトは処刑しなかったのか…? 」
「 …いなかった… 」(ボソッ…)
「 つまり…アイネさんはヤハド皇帝を処刑した直後、王宮内を千里眼で探したり、衛兵に見つからないように気配を消しながら探し回ったそうなのですが、なぜか宰相リヒャルトの姿は無かったそうです… 」
「 で、その日を境に宰相リヒャルトはヤークド帝国から姿を消したそうっス。 」
…今の話を聞いた感じだと、その宰相リヒャルトってヤツは『事前にアイネが来ることを知っていた』ような印象を受ける。
「 …宰相リヒャルトってのは、ものすごく勘のいいヤツなのか…或いは、【予知】したって可能性もあるわけか… 」
「 予知…? 」(ボソッ…)
「 予知っスか…? 」
「 予知…ですか? 」
「 あぁ…。 例えば…地上の国同士だったら、スパイを送り込んで情報を収集したり、敵国の軍隊の動向などから、『近い内、敵国が攻め込んでくるな』っていう予測を立てることはできる。 けど、オマエたち女神が直々に(ヤハド皇帝と宰相リヒャルトに)天罰を下しに来るなんてことは予測しようがないだろ? だが、実際にはリヒャルトはアイネが天罰を下しに来る直前に姿をくらました…。 …となると、異常に勘が鋭いヤツなのか、或いは【予知】をした…って可能性が出てくる。 」
「 なるほど… 」(ボソッ)
「 そういう可能性もあるわけですか… 」
「 もしそうなら、中々厄介なヤツっスね~… 」
「 まぁ、もし仮にリヒャルトが【予知】できる手段を持っていたとしても、おそらくは近い未来…せいぜい数時間先しか見通せないレベルの【予知】だと思うがな。 もし、数日先まで見通せるレベルの【予知】だったら、『ヤハク村を滅ぼしたら女神が直々に天罰を与えに来る』ってことまで予知できるはずだから、『私利私欲の為にヤハク村を滅ぼす』なんていう蛮行は控えるだろうからな…。 」
「 なるほど…さすがのご考察です、創造主様。 」
「 さすがっスね~! 」
「 さす… 」(ボソッ…)
「 …つっても、あくまで可能性だがな… 」
まぁ、オレの能力を持ってすれば、今すぐにリヒャルトを探し出して、目の前に引きずり出すことも可能ではある。
スキル【現実改変】を使えば楽勝だし、【現実改変】を使わなくてもテはある。
例えば、『 【アカシック・レコード(宇宙記録)】にアクセスして現在のリヒャルトの居場所を突き止め、【強制転移】でオレの目の前に転移させる 』とか。
はっきり言って、【予知】能力も絶対・万能の能力ではない。
【予知】できたとしても、それに対抗・対応する手段がなければ、さして意味はない。
もし仮に、オレがリヒャルトのことを【強制転移】するという未来をリヒャルトが【予知】したとしても、オレが発動する【強制転移】は何者も防ぐことはできないのだから。
だが、まぁ、今は宰相リヒャルトよりも、スカイダル(=リリティア)の処遇をどうするかを考えよう。
はっきり言って、あんな不幸な身の上を知っちゃったら、この場でどうこうしようという気も失せた…。
ここは異世界アルファザードの空中神殿の食堂だ。
朝食中に魔王軍のドラゴンライダー部隊の襲撃を受けた為、女神たち3人(アイネ、ファイナ、ヒーリス)は食堂におり、オレもいったん食堂に戻って来たところだ。
尚、ドラゴンライダー部隊は既にオレが全滅させており、四天王のスカイダル(巨乳のダークエルフ。本名は『リリティア』。)もオレとの一騎打ちで右膝上を砕かれて実質決着が着いている。
現在、空中神殿の外(空中)にはスカイダルがいるが、今、この世界の時間は、オレのスキル【時間停止】により停止している。
今、オレと女神たちがいる空中神殿の中を除いて…。
女神たちから30年前の事件(中立(ニュートラル)だったダークエルフの集落『ヤハク村』を、人間の国『ヤークド帝国』が襲撃し、滅ぼした事件。)について色々聞いていたオレは、女神アイネから、
「 悪逆非道の『ヤハド皇帝』を処刑した 」
と聞かされた。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「 処刑…ってのは、殺したってことだよな? 」
思わず、当たり前なことを聞き返してしまった。
「 うん 」(ボソッ)
アイネは短く頷いた。
「 えーとですね…ヤハド皇帝というのは例の30年前の事件を起こす以前から国民に対しても圧政を強いている人物で、自分が気に入らないと国民や家臣を牢に閉じ込めたり、ひどい時には処刑したりということもするような、傍若無人な人物でして… 」
ヒーリスから、ヤハド皇帝の人物像について補足説明が入った。
「 アタシら女神3人は、『人間の冒険者や軍隊では手に負えないような脅威…魔王クラスの脅威が出現した時に、その脅威を排除する』ことが女神としてのメインの役割って考えてるっス。 だから、基本的には人間の国の内政には干渉しないスタンスでいるっス。 けど、そのヤハド皇帝ってのは、さっきヒーリスも言ってたように、とんでもないクソ野郎だったっス! 」
ファイナが更に補足説明を加える。
「 なので、私たちは本来、人間の国の内政には干渉しないスタンスなのですが、ヤハド皇帝の悪逆非道・傍若無人ぶりに関してはあまりにも目に余るので、何かテをうった方がいいか…と、私とアイネさんとファイナさんで話し合っていたのです… 」
「 その矢先、『魔鉱石・翡翠(ひすい)』の利権を独り占め…ならぬ二人占めしようと企んだヤハド皇帝と宰相リヒャルトの命令で、ヤークド帝国の軍隊がヤハク村を襲撃して滅ぼしてしまったわけっス! 」
「 …で、ボクはヤハド皇帝を処刑した。 」(ボソッ)
「 いや~…あの時はビックリしましたよ…アイネさんってば、ヤハク村が滅ぼされたのを知るやいなや神殿を飛び出して… 」
「 ソッコーでヤハド皇帝を凍り付けにして剣で粉々にしちゃったっスからね~… 」
「 …あまりの悪逆非道ぶり、どうしても許せなかった… 」(ボソッ…)
「 なるほどな…ヤハド皇帝ってのは死んで当然のクソ野郎だったわけだ…。 …にしても、アイネはパッと見ダウナー系だし氷魔法の使い手だから、冷静沈着な印象だけど、意外と生真面目で熱くなりやすいところがあるよな… 」
「 …ボクは全然ダウナー系じゃないよ… 」(ボソッ…)
「 えっ…? そ…そうか… 」
しかし…ひとつ疑問がある。
「 …ヤハク村を滅ぼすように画策したのは、ヤハド皇帝だけじゃなく、宰相リヒャルトってヤツもなんだろ? その宰相リヒャルトは処刑しなかったのか…? 」
「 …いなかった… 」(ボソッ…)
「 つまり…アイネさんはヤハド皇帝を処刑した直後、王宮内を千里眼で探したり、衛兵に見つからないように気配を消しながら探し回ったそうなのですが、なぜか宰相リヒャルトの姿は無かったそうです… 」
「 で、その日を境に宰相リヒャルトはヤークド帝国から姿を消したそうっス。 」
…今の話を聞いた感じだと、その宰相リヒャルトってヤツは『事前にアイネが来ることを知っていた』ような印象を受ける。
「 …宰相リヒャルトってのは、ものすごく勘のいいヤツなのか…或いは、【予知】したって可能性もあるわけか… 」
「 予知…? 」(ボソッ…)
「 予知っスか…? 」
「 予知…ですか? 」
「 あぁ…。 例えば…地上の国同士だったら、スパイを送り込んで情報を収集したり、敵国の軍隊の動向などから、『近い内、敵国が攻め込んでくるな』っていう予測を立てることはできる。 けど、オマエたち女神が直々に(ヤハド皇帝と宰相リヒャルトに)天罰を下しに来るなんてことは予測しようがないだろ? だが、実際にはリヒャルトはアイネが天罰を下しに来る直前に姿をくらました…。 …となると、異常に勘が鋭いヤツなのか、或いは【予知】をした…って可能性が出てくる。 」
「 なるほど… 」(ボソッ)
「 そういう可能性もあるわけですか… 」
「 もしそうなら、中々厄介なヤツっスね~… 」
「 まぁ、もし仮にリヒャルトが【予知】できる手段を持っていたとしても、おそらくは近い未来…せいぜい数時間先しか見通せないレベルの【予知】だと思うがな。 もし、数日先まで見通せるレベルの【予知】だったら、『ヤハク村を滅ぼしたら女神が直々に天罰を与えに来る』ってことまで予知できるはずだから、『私利私欲の為にヤハク村を滅ぼす』なんていう蛮行は控えるだろうからな…。 」
「 なるほど…さすがのご考察です、創造主様。 」
「 さすがっスね~! 」
「 さす… 」(ボソッ…)
「 …つっても、あくまで可能性だがな… 」
まぁ、オレの能力を持ってすれば、今すぐにリヒャルトを探し出して、目の前に引きずり出すことも可能ではある。
スキル【現実改変】を使えば楽勝だし、【現実改変】を使わなくてもテはある。
例えば、『 【アカシック・レコード(宇宙記録)】にアクセスして現在のリヒャルトの居場所を突き止め、【強制転移】でオレの目の前に転移させる 』とか。
はっきり言って、【予知】能力も絶対・万能の能力ではない。
【予知】できたとしても、それに対抗・対応する手段がなければ、さして意味はない。
もし仮に、オレがリヒャルトのことを【強制転移】するという未来をリヒャルトが【予知】したとしても、オレが発動する【強制転移】は何者も防ぐことはできないのだから。
だが、まぁ、今は宰相リヒャルトよりも、スカイダル(=リリティア)の処遇をどうするかを考えよう。
はっきり言って、あんな不幸な身の上を知っちゃったら、この場でどうこうしようという気も失せた…。
0
お気に入りに追加
53
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

2回目チート人生、まじですか
ゆめ
ファンタジー
☆☆☆☆☆
ある普通の田舎に住んでいる一之瀬 蒼涼はある日異世界に勇者として召喚された!!!しかもクラスで!
わっは!!!テンプレ!!!!
じゃない!!!!なんで〝また!?〟
実は蒼涼は前世にも1回勇者として全く同じ世界へと召喚されていたのだ。
その時はしっかり魔王退治?
しましたよ!!
でもね
辛かった!!チートあったけどいろんな意味で辛かった!大変だったんだぞ!!
ということで2回目のチート人生。
勇者じゃなく自由に生きます?

転生した体のスペックがチート
モカ・ナト
ファンタジー
とある高校生が不注意でトラックに轢かれ死んでしまう。
目覚めたら自称神様がいてどうやら異世界に転生させてくれるらしい
このサイトでは10話まで投稿しています。
続きは小説投稿サイト「小説家になろう」で連載していますので、是非見に来てください!
誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!
ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく
高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。
高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。
しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。
召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。
※カクヨムでも連載しています
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
[鑑定]スキルしかない俺を追放したのはいいが、貴様らにはもう関わるのはイヤだから、さがさないでくれ!
どら焼き
ファンタジー
ついに!第5章突入!
舐めた奴らに、真実が牙を剥く!
何も説明無く、いきなり異世界転移!らしいのだが、この王冠つけたオッサン何を言っているのだ?
しかも、ステータスが文字化けしていて、スキルも「鑑定??」だけって酷くない?
訳のわからない言葉?を発声している王女?と、勇者らしい同級生達がオレを城から捨てやがったので、
なんとか、苦労して宿代とパン代を稼ぐ主人公カザト!
そして…わかってくる、この異世界の異常性。
出会いを重ねて、なんとか元の世界に戻る方法を切り開いて行く物語。
主人公の直接復讐する要素は、あまりありません。
相手方の、あまりにも酷い自堕落さから出てくる、ざまぁ要素は、少しづつ出てくる予定です。
ハーレム要素は、不明とします。
復讐での強制ハーレム要素は、無しの予定です。
追記
2023/07/21 表紙絵を戦闘モードになったあるヤツの参考絵にしました。
8月近くでなにが、変形するのかわかる予定です。
2024/02/23
アルファポリスオンリーを解除しました。

俺は善人にはなれない
気衒い
ファンタジー
とある過去を持つ青年が異世界へ。しかし、神様が転生させてくれた訳でも誰かが王城に召喚した訳でもない。気が付いたら、森の中にいたという状況だった。その後、青年は優秀なステータスと珍しい固有スキルを武器に異世界を渡り歩いていく。そして、道中で沢山の者と出会い、様々な経験をした青年の周りにはいつしか多くの仲間達が集っていた。これはそんな青年が異世界で誰も成し得なかった偉業を達成する物語。
迷い人 ~異世界で成り上がる。大器晩成型とは知らずに無難な商人になっちゃった。~
飛燕 つばさ
ファンタジー
孤独な中年、坂本零。ある日、彼は目を覚ますと、まったく知らない異世界に立っていた。彼は現地の兵士たちに捕まり、不審人物とされて牢獄に投獄されてしまう。
彼は異世界から迷い込んだ『迷い人』と呼ばれる存在だと告げられる。その『迷い人』には、世界を救う勇者としての可能性も、世界を滅ぼす魔王としての可能性も秘められているそうだ。しかし、零は自分がそんな使命を担う存在だと受け入れることができなかった。
独房から零を救ったのは、昔この世界を救った勇者の末裔である老婆だった。老婆は零の力を探るが、彼は戦闘や魔法に関する特別な力を持っていなかった。零はそのことに絶望するが、自身の日本での知識を駆使し、『商人』として新たな一歩を踏み出す決意をする…。
この物語は、異世界に迷い込んだ日本のサラリーマンが主人公です。彼は潜在的に秘められた能力に気づかずに、無難な商人を選びます。次々に目覚める力でこの世界に起こる問題を解決していく姿を描いていきます。
※当作品は、過去に私が創作した作品『異世界で商人になっちゃった。』を一から徹底的に文章校正し、新たな作品として再構築したものです。文章表現だけでなく、ストーリー展開の修正や、新ストーリーの追加、新キャラクターの登場など、変更点が多くございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる