20 / 88
【第20話】 「 スカイダル。 オマエはかん違いをしているぞ。 」
しおりを挟む◇ ◇ ◇ ◇ ◇
ここは異世界アルファザードの空中神殿の外。
オレ・春埼隆人は魔王軍四天王のひとり『天空王スカイダル』(巨乳なダークエルフ)と20m程の距離をおいて対峙している。
接近戦では分が悪いと判断したスカイダルは、強力なマッハ10の【翔波斬】の10連撃を繰り出してきた。
それに対してオレは瞬時に、スカイダルの放った【翔波斬】10連撃と全く同じ威力・速度の【翔波斬】10連撃を放った。
( ちなみに、女神たち三人(ファイナ、アイネ、ヒーリス)は、天空神殿内からスキル【千里眼】でオレとスカイダルの一騎打ちを見守っている…というか安心しきった顔で見物している。 オレが負けるなんてことは1ミリも想像していないようだ。 まあ、当然だが。 )
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
『『『 ドオオオオオォォォォォンッッ!!! 』』』
スカイダルの放った【翔波斬】10連撃とオレの放った【翔波斬】10連撃が、オレとスカイダルのほぼ中間地点(空中戦なので、『地点』という表現は若干 違和感はあるが…)で衝突し、周囲の空間に凄まじい衝撃と爆音が鳴り響いた!!
「 なっ…!!? 」
スカイダルは驚愕の声を漏らす。
『 …オォォォォン… 』
程なくして、衝撃と爆音はおさまった。
「 なん…だと…!? 私の【翔波斬】10連撃を相殺した…だと!? 」
スカイダルは信じられないといった表情でオレの方を見ている。
それはそうだろう…
オレとスカイダルとの距離は約20m…【翔波斬】の速度がマッハ10…単純計算では0.006秒で【翔波斬】10連撃はオレに到達・命中するはずだった。
なのに、現実は、スカイダルの放った【翔波斬】はオレとスカイダルのほぼ中間地点で10発ともすべて相殺されているのだ。
スカイダルからしたら『 いくら【加速(ヘイスト)】を使っているにしても、反応も動作もあまりにも早すぎる… 』と感じていることだろう。
或いは『 こいつ…予知能力でも持っているのか!? 』とか疑っているかもしれない。
( まぁ、実際、オレはスキル【予知】も持っている。 もっとも、この戦いでは使うつもりはないけどな。 )
呆然としているスカイダルに対し…オレは先ほど言うべきか迷っていたことを告げることにした。
「 スカイダル。 オマエはかん違いをしているぞ。 」
「 なにっ…!? 」
オレはおもむろに剣を頭上に構え…
「 【翔波斬】10連撃。 」
剣を軽く10回振って、再び【翔波斬】10連撃を…今度はスカイダルに向けてではなく、頭上に向かって放った。
だが、その一発一発の威力は、先ほどスカイダルの10連撃を相殺した時とは桁違いだ。
もっとはっきりと言えば、オレが最初に放った…一発でドラゴンライダー1000騎を消滅させた【翔波斬】と同じ威力。
それを10連撃だ。
( ちなみに、ドラゴンライダーたちが放っていた【翔波斬】のサイズは横の長さ1~2m、厚さ5~10cmほどで、速度は音速に届いていない。
スカイダルが先ほど放った【翔波斬】10連撃の1発あたりのサイズは、横の長さ10m、厚さ50cmほどあり、速度はマッハ10ほど。
そして、オレが今、頭上に向けて放った【翔波斬】10連撃の1発あたりのサイズは、最初にドラゴンライダー1000騎を一発で消滅させた【翔波斬】と同じくらい…横の長さ13km、厚さ100mほどあり、速度はマッハ50ほどだ。 )
『『『 ドドドドドドドオオオオオオォォォォォッッッ!!!!! 』』』
凄まじい衝撃波(ソニックウェーブ)と爆音を周囲に放ちながら、巨大な【翔波斬】はマッハ50の猛スピードで(既にここはアルファザード上空ではあるが)更に上空に飛んで行き、惑星アルファザードの引力を振り切って宇宙空間に飛び出した…。
( この巨大な【翔波斬】を放っておくと、他所の惑星にぶつかって、そこに住む生物たちに大打撃を与えてしまう…という確率も0(ゼロ)ではない。 なので、心の中でスキル【消滅】を唱え、この巨大【翔波斬】10発は消しておいた。 )
「 なっ…!!!??? 」
スカイダルは呆然とした表情から一転、目を見開き、再び驚愕の表情を浮かべる。
「 さっきオレがオマエに接近戦を勧めたのは、今のような巨大【翔波斬】を放つ力が残ってないから…ってわけじゃない。 ってゆーか、この程度の巨大【翔波斬】なんて1000億発でも1000兆発でも余裕で撃てる。 」
「 なん…だとっ…!!? 」
「 つまり、さっきオマエがものすげードヤ顔で語ってた内容は、完全に的外れだったってわけだ…。 」
…言ってしまった。
今のオレの言葉を聞いたスカイダルは…顔を真っ赤にし、耳の先まで真っ赤にして、恥ずかしさのあまり微妙にプルプルと震えている…。
ネットとかで言うところの俗に言う、『 顔真っ赤www 』な状態だ。
ここで、神殿内の女神たちから【テレパシー】が入って来た。
( 「 …さすがに的外れでのドヤ顔を指摘されるのは、四天王とはいえ精神的にキツイようですね… 」 )
( 「 ドS… 」(ボソッ) )
( 「 さっすが、創造主様!! 敵のダークエルフとはいえ、美少女相手に言葉責めとは、ドSっすね~www 」 )
…って、誰が『ドS』だよ…
(^_^;)
0
お気に入りに追加
53
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

転生した体のスペックがチート
モカ・ナト
ファンタジー
とある高校生が不注意でトラックに轢かれ死んでしまう。
目覚めたら自称神様がいてどうやら異世界に転生させてくれるらしい
このサイトでは10話まで投稿しています。
続きは小説投稿サイト「小説家になろう」で連載していますので、是非見に来てください!

2回目チート人生、まじですか
ゆめ
ファンタジー
☆☆☆☆☆
ある普通の田舎に住んでいる一之瀬 蒼涼はある日異世界に勇者として召喚された!!!しかもクラスで!
わっは!!!テンプレ!!!!
じゃない!!!!なんで〝また!?〟
実は蒼涼は前世にも1回勇者として全く同じ世界へと召喚されていたのだ。
その時はしっかり魔王退治?
しましたよ!!
でもね
辛かった!!チートあったけどいろんな意味で辛かった!大変だったんだぞ!!
ということで2回目のチート人生。
勇者じゃなく自由に生きます?
[鑑定]スキルしかない俺を追放したのはいいが、貴様らにはもう関わるのはイヤだから、さがさないでくれ!
どら焼き
ファンタジー
ついに!第5章突入!
舐めた奴らに、真実が牙を剥く!
何も説明無く、いきなり異世界転移!らしいのだが、この王冠つけたオッサン何を言っているのだ?
しかも、ステータスが文字化けしていて、スキルも「鑑定??」だけって酷くない?
訳のわからない言葉?を発声している王女?と、勇者らしい同級生達がオレを城から捨てやがったので、
なんとか、苦労して宿代とパン代を稼ぐ主人公カザト!
そして…わかってくる、この異世界の異常性。
出会いを重ねて、なんとか元の世界に戻る方法を切り開いて行く物語。
主人公の直接復讐する要素は、あまりありません。
相手方の、あまりにも酷い自堕落さから出てくる、ざまぁ要素は、少しづつ出てくる予定です。
ハーレム要素は、不明とします。
復讐での強制ハーレム要素は、無しの予定です。
追記
2023/07/21 表紙絵を戦闘モードになったあるヤツの参考絵にしました。
8月近くでなにが、変形するのかわかる予定です。
2024/02/23
アルファポリスオンリーを解除しました。
誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!
ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく
高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。
高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。
しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。
召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。
※カクヨムでも連載しています
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・

俺は善人にはなれない
気衒い
ファンタジー
とある過去を持つ青年が異世界へ。しかし、神様が転生させてくれた訳でも誰かが王城に召喚した訳でもない。気が付いたら、森の中にいたという状況だった。その後、青年は優秀なステータスと珍しい固有スキルを武器に異世界を渡り歩いていく。そして、道中で沢山の者と出会い、様々な経験をした青年の周りにはいつしか多くの仲間達が集っていた。これはそんな青年が異世界で誰も成し得なかった偉業を達成する物語。

クラス転移でハズレ職を押し付けられた『ガチャテイマー』、実は異世界最強 〜俺だけ同じ魔物を合成して超進化できる〜
蒼月浩二
ファンタジー
突然高校のクラス丸ごと異世界に召喚され、一人に一つ職業が与えられた。クラス会議の結果、旭川和也はハズレ職である『ガチャテイマー』を押し付けられてしまう。
当初は皆で協力して困難を乗り越えようとしていたクラスだったが、厳しい現実を目の当たりにすると、最弱の和也は裏切られ、捨てられてしまう。
しかし、実は最弱と思われていた『ガチャテイマー』は使役する魔物を《限界突破》することで際限なく強化することのできる最強職だった!
和也は、最強職を駆使して無限に強くなり、いずれ異世界最強に至る。
カクヨム・なろうで
クラス転移でハズレ職を押し付けられた『ガチャテイマー』、《限界突破》で異世界最強 〜★1魔物しか召喚できない無能だと思われていたが、実は俺だけ同じ魔物を合成して超進化できる〜
というタイトルで連載しているものです
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる