創造主のオレが主人公だとチート過ぎて物語が成り立たないので、脇役(デウスエクスマキナ)に徹することにした。

鏑木ディオス

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【第1話】 オレは138億年前にビッグバンを起こして宇宙を誕生させた創造主だった。

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オレの名は春埼隆人(はるさきりゅうと)。
どこにでもいるような高校二年生だ。
身長は170cm。 黒髪。 ルックスは…まぁ、悪くはない…と自分では思う。
趣味は漫画・アニメ・ゲーム・ラノベ等のオタク趣味全般。
特に、異世界モノや、オレTUEE系が大好物だ。







ある日の学校帰り。
本屋で異世界モノの新刊を買って帰宅する途中、フツーに歩道を歩いていたら、いきなり目の前にトラックが突っ込んできた!!
(あっ…これ死ぬかも…)
オレは、そのまま意識を失った。

「お~い♪ 朝っスよ~♪
 う~ん…なかなか起きないっスねぇ~…」
「…ぶつかってた?」(ボソッ)
「いえ…トラックに当たる直前に転移は完了してたはず…なんですけど…」

…ん? なにやら話声がする…。
オレが目を開けると目の前には3人の美少女たちがいて、オレの顔を覗き
込んでいた。

「うわっ!!?」
オレは、とっさに飛び起きて後ろに飛びのいた。

「えっ…!!?? なっ…なんだっ…!!??
 アンタらはっ…!!?? それに、ここはっ…!!??」

目の前には3人の美少女、周りを見渡すとギリシャの神殿のような柱が何本も
立っていた。
どうやら神殿の中ようだが…。

3人の少女の内の一人…赤髪でツインテールの子がオレの問いに答えた。
「え~…ここはアルファザードの空中神殿の中っス。
 で、アタシらは、ここの女神っス! よろしくっス♪」

女神…?? 目の前のこの3人が…??
目の前の少女たちは確かに顔立ちやプロポーションは女神と言って差し支えない
美しさだった。
が、その身に着けている衣装は、あまり女神とは言い難い。

まず、軽いノリでオレに話しかけてきた赤い髪の子は、
端的に言うなら『露出の激しい魔法少女』というような外見をしていた。
髪形は、頭の上の方にツインテールとピンクのリボンをしているだけでなく、よく見ると頭の下の方にも小さなツインテールが結ってあった。
(ダブルツインテールとかフォーステールとでも言うべきか…?)
上下ともに露出の激しいビキニの水着のような衣装を着、手袋と靴を身に着け、マントを羽織り、(先端にガラス玉のような球体の取り付けられた)ステッキを手にしている。
ステッキに取り付けられているガラス玉のような球体の中では、炎が燃えさかっているようにみえる。
そして、全身をほぼ赤色系統で統一している。
顔立ちは、ややつり目の美少女だ。

…ちなみに、巨乳である。







次に、青髪ショートカットの子だが、体にフィットしたグレーの長袖と長ズボンの上にノースリーブの上着を着て、その上からマントを羽織り、腰には大きなベルトを巻いており、そこに剣を携えている。
そして、全身をほぼ青色系統で統一している。
女神というよりは『剣士』といった感じのいでたちだ。
まぁ…見ようによっては、よくゲームとかに出てくる戦乙女(ヴァルキリー)の
ようでもあるので、「戦乙女≒女神」と捉えるならば、女神と言えなくもない
か…。
顔立ちは、ジト目で気だるげな感じの美少女だ。
ダウナー系だろうか…?

…ちなみに、巨乳である。








最後に、緑髪ボブ(ヘア)の子だ。
膝下あたりまでのローブに、マントを羽織り、ロングブーツを履き、手には(先端に十字架の取り付けられた)ステッキを持っている。
『魔法使い』のように見えるが、ステッキの先端に十字架があしらわれているので、神官や僧侶のようにも見える。
顔立ちは、温厚そうで、ややタレ目の美少女だ。

…ちなみに、巨乳である。
(結局のところ、3人とも巨乳ということだ。)







オレが目の前の女神(?)たちにそんな印象を抱いていると、
今度は青髪ショートカットの子が話しかけてきた。
「ファイナ、説明はしょり過ぎ。
 続きはボクが……
やっぱり、ヒーリスが説明して。」(ボソッ)

なんだ…?
説明しようとしたけど、やっぱり途中で面倒くさくなっちゃったんだろう
か…? (^_^;)



すると、緑髪ボブヘアの子が話かけてきた。
「はじめまして。
私はヒーリス・ヒルナントと申します。 回復を司る女神です。
青い髪の彼女はアイネ・アルイケ。 氷を司る女神です。
赤い髪の彼女はファイナ・ファロース。 炎を司る女神です。
ここは、アルファザード。 アナタたち地球人からすると異世界に
あたります。
先ほど私たちは魔法陣を敷いて、アナタを地球から、ここアルファザードに
強制転移いたしました。
当初はテレパシーで地球上のアナタに事情をお話しして、アナタの了承を
得てから、ここにお越し頂くつもりだったのですが、アナタがトラックに
轢かれそうになっているのが千里眼で見えた為、とっさに強制転移させて
しまいました。
すいません…。」
そう言うと、ヒーリスはオレに頭を下げた。

「あ…いや、別に…。
 まぁ、オレをトラックから助けてくれたわけだし、
こちらこそ、ありがとう…」
まだ状況がよく飲み込めてないが、これは、あれか…?
異世界転生…いや異世界転移ってヤツかっ…!!??
…でも、そんなことが現実にあり得るのか…?

…と、赤髪の子、ファイナが話かけてくる。
「まぁ、強制転移させちゃったのは悪かったっスけど、おかげでアンタは
命拾いしたわけだし…
 だから、アタシらはアンタの命の恩人というわけで…」
「ファイナ…恩着せがましい言い方よくない…」(ボソッ)
「え~…アイネったら、イイ子ぶって~…。
 これから彼に頼み事するんスから、ちょっと恩着せがましいくらいで、
丁度いいんスよ!」
「まぁまぁ…ファイナさんもアイネさんも喧嘩しないで下さいよ…」

彼女たちが言い合ってる最中、オレは混乱する頭の中で考え事をしていた。
オレは異世界モノが大好きではあるが、異世界に地球人が転生されるなんて
ことが現実にあり得るとは思えない……ってことは、これは夢か…?
現実のオレはトラックに撥ねられて意識不明の状態で病院のベッドの上
とか…?
うわぁ…いやだなぁ…

「あの…お話よろしいですか…?」
ふと見ると、ヒーリスがオレに話しかけてきていた。
ファイナとアイネの口喧嘩はとりあえず収まったらしい。

これはおそらく意識不明の状態での夢なんだろうけど、ジタバタしても
仕方がない。
夢の中のイベントを進めていけば意識が戻る可能性もあるかもしれないし、
とりあえず、女神たちの話を聞いてみるか…。

「え~とですね~…アナタにはもの凄い潜在能力が眠っています。
 それを私たちの魔法で引き出しますので、私たちと一緒にこの世界の魔王軍と
 戦って頂けないでしょうか…?
 魔王はこの世界を征服した後、異世界にも進出し征服しようとしています。
 いずれは、アナタの住む地球にも魔の手が伸びるかもしれません。」

あ~…なるほど、そういう展開か。
オレが好きそうな…ってか、さすがオレの夢だなw
妄想全開って感じでw
それじゃ、まぁ…
「あぁ、いいよ。
 っと、まだ名乗ってなかったっけ。
 オレは春埼隆人って言うんで。
 まぁ、とりあえず、よろしく。
 じゃあ、早速、潜在能力を引き出してくれ!」

「おぉ~っ!! 二つ返事でOKとは!
さすが、アタシの見込んだ男っスね!」

「ありがとう…」(ボソッ)

「ありがとうございます。 それでは、ちょっと失礼します。」

そう言うと、ファイナはオレの右手を、アイネはオレの左手を握り、
ヒーリスは自身の右手をオレの左胸に押し当てた。

うっ…こんな美少女たちに手を握られたり、体を触られたりなんて、
なんかドキドキするな…
…まぁ、夢なんだろうけど。

と、次の瞬間、
「「えええぇ~~~っっっ!!!???」」
神殿内にファイナとヒーリスの絶叫が同時に響き渡った!!

アイネも、他の2人ほどではないが、「えっ…!?」と驚いている。

「うわっ!!?」(ビクッ)
3人がいきなり大きい声を出したので、オレも思わずビックリして
しまった。

「え…!? 何いきなり…? 3人とも大声出して…」

「…だってキミ、創造主様…だよね?」(ボソッ)

「ほんと…心臓に悪いっスよぉ~…新手のドッキリっスか?
 創造主様も人が悪いなぁ~…」

「申し訳ございません、創造主様とは知らず、強制転移などで
 無理やりここに召喚してしまいまして。」

オレが…創造主…??
何を言ってるんだ3人とも…??

と、その時、激しい頭痛がオレを襲った!!!
「……っっ!!?」

そして、オレの頭の中に人間・春埼隆人として生まれる前の記憶が蘇ってきた。
そうだった、オレは…

「久しぶりだな。
ファイナ、アイネ、ヒーリス。」

オレは138億年前にビッグバンを起こして宇宙を誕生させた創造主だった。
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