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婚約編
男子会(笑)・女子会(?) その2
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【男子会(笑)】
王宮に馬車が到着すると、ラジェル、サリエルの二人はジェリクと一緒に何故か騎士団の訓練場へと王宮侍従に案内された。
「ジェリク様。何故、行き先が騎士団の訓練場なのでしょうか?」
サリエルの氷点下の眼差しにジェリクは背中を嫌な汗が流れるのを感じた。
「・・・こちらでヘリオス義兄上が待っているからです」
ジェリクのその発言にサリエルは訳が分からないと首を傾げ、ラジェルは心当たりがあるのか苦笑している。
訓練場へ向かう途中ですれ違う騎士達から窺う様な視線と同情の眼差しを向けられたサリエルの機嫌は下降の一途をたどる。
訓練場にはヘリオス皇太子と一緒に、何故かアストル王太子もいた。
「ヘリオス皇太子。お久しぶりです。学園を卒業して以来ですね」
「ラジェル殿。久しぶりだな。息災なようでなによりだ。それと、婚約したそうだな。おめでとう」
「ありがとうございます」
「そちらにいるのがフローライト辺境伯子息のサリエル・フローライトか?」
「はい。お初にお目にかかります。フローライト辺境伯ギルフォードが長男サリエル・フローライトと申します」
「こうして言葉を交わすのは初めてだな。私は学園に留学していてね。その時に君の噂を聞いたよ」
「噂・・・でございますか?」
「あぁ。『無敗の王女』ルピリアに唯一勝った騎士科の下級生がいると」
「左様でございますか・・・」
サリエルはどう反応すれば良いのか迷ってしまった。『無敗の王女』って(笑)と笑いを堪えるのに苦労していると
「その2つ名はルピリア様が大層嫌がっておりますから、あまり広めない方が宜しいかと・・・」
ラジェルの放った一言に蒼白になるヘリオス。
それを間近で見てしまったジェリクとサリエルは、ヘリオス皇太子を残念な子を見る目でみてしまった。
『ルピリア様に尻にしかれている』との噂は本当だったのかと・・・
「それで?アストル様がご一緒なのは何故でしょうか?あと、周りの騎士達は一体・・・?」
「私はヘリオス義兄上の付き添い。周りの騎士達はサリエル。君の実力を見たいようだよ。陛下と騎士団長から許可が出てる」
「私の実力ですか?そんなものを見たがるなんて、騎士団は暇なのですか?」
今日のサリエルは舌好調だった。主に毒舌方面で。
ついでに黒オーラで威圧するのも忘れてなかった。
サリエルの毒舌と威圧にラジェル以外の者達の顔色が変わる。
殆どの人間の顔色が蒼白になった。
「以前サリエル殿が、ボーナイト騎士団長の子息を負かしたからですよ」
ラジェルは苦笑しながら、何故このような事態になったのかを教えてくれた。
ついでに裏事情までも。
「陛下とボーナイト騎士団長は、お父上であるフローライト辺境伯と同じ時期に学園に在学していましたからね。その時に起きた諸々はご存知ですか?」
「以前、母上から少しだけ聞いた事があります。・・・まさかそれが原因で?」
ラジェルはにっこりと笑って明言を避けた。
それは肯定しているのと同じである。
「陛下に関しては、学生時代に下級生であるフローライト辺境伯とエメリア侯爵に、初恋相手へのアプローチを悉く邪魔された仕返しだろうね。ボーナイト騎士団長に関しては・・・恐らく、跡取りが試験でも先日の決闘でも負けたからサリエル殿の実力を見たいのではないかな?」
「・・・私の実力を見てどうするおつもりなのでしょうね?騎士科に在籍していても、学園卒業後に騎士団に入団はしないのですが?」
「何故なのでしょうね?それは陛下にもお分かりにはならなかったようです」
ラジェルとサリエルの会話をワクワクといった様子で聞いていたヘリオスが今回、騎士団の訓練場にサリエルに来て貰った理由を空気を読まず話し始めた。
「今回サリエル殿にここに来てもらったのは私と手合わせをして頂こうと思ったのだよ」
「手合わせですか?」
「そう。ルピリアに勝ったそなたの腕前を確かめたいと思ってな。陛下に了承を貰っているから遠慮はいらない」
ヘリオスにめっちゃ良い笑顔で言われたサリエルはどうすれば良いのかとクラスメイトであり、王太子であるアストルにSOSの視線を向けるが、アストルは『諦めろ』とばかりにゆっくりと顔を横に振った。
仕方がないとサリエルは諦めて、ヘリオスとの手合わせを受ける事にした。
「アストル様。この手合わせでヘリオス皇太子がケガをした場合、皇国との関係に影響はありませんか?」
「本人が言い出した事だし、父上がこの手合わせに対して許可を出したのなら、最終的な責任はヘリオス皇太子と陛下にあるからね。サリエルは気にしなくても大丈夫だよ」
アストルは言い切った。
それはもう清々しい程にキッパリと。
「それを聞いて安心しました」
サリエルもにっこりと満面の笑顔で答えた。
「あぁ、それとね希望する騎士との手合わせもしてね」
アストル王太子の鬼発言に笑顔のサリエルの額に青筋が浮かぶ。
それを見てしまったジェリクは倒れそうになるのを1人平然としているラジェルに支えられた。
2時間後。騎士団の訓練場で立っているのはサリエルと、手合わせに参加しなかったジェリクとラジェルだけだった。
その光景を物陰からコッソリと覗いていた国王は顔面蒼白。
国王は自分の後ろに額に青筋を浮かべて良い笑顔の宰相に気づいていなかった。
王宮に馬車が到着すると、ラジェル、サリエルの二人はジェリクと一緒に何故か騎士団の訓練場へと王宮侍従に案内された。
「ジェリク様。何故、行き先が騎士団の訓練場なのでしょうか?」
サリエルの氷点下の眼差しにジェリクは背中を嫌な汗が流れるのを感じた。
「・・・こちらでヘリオス義兄上が待っているからです」
ジェリクのその発言にサリエルは訳が分からないと首を傾げ、ラジェルは心当たりがあるのか苦笑している。
訓練場へ向かう途中ですれ違う騎士達から窺う様な視線と同情の眼差しを向けられたサリエルの機嫌は下降の一途をたどる。
訓練場にはヘリオス皇太子と一緒に、何故かアストル王太子もいた。
「ヘリオス皇太子。お久しぶりです。学園を卒業して以来ですね」
「ラジェル殿。久しぶりだな。息災なようでなによりだ。それと、婚約したそうだな。おめでとう」
「ありがとうございます」
「そちらにいるのがフローライト辺境伯子息のサリエル・フローライトか?」
「はい。お初にお目にかかります。フローライト辺境伯ギルフォードが長男サリエル・フローライトと申します」
「こうして言葉を交わすのは初めてだな。私は学園に留学していてね。その時に君の噂を聞いたよ」
「噂・・・でございますか?」
「あぁ。『無敗の王女』ルピリアに唯一勝った騎士科の下級生がいると」
「左様でございますか・・・」
サリエルはどう反応すれば良いのか迷ってしまった。『無敗の王女』って(笑)と笑いを堪えるのに苦労していると
「その2つ名はルピリア様が大層嫌がっておりますから、あまり広めない方が宜しいかと・・・」
ラジェルの放った一言に蒼白になるヘリオス。
それを間近で見てしまったジェリクとサリエルは、ヘリオス皇太子を残念な子を見る目でみてしまった。
『ルピリア様に尻にしかれている』との噂は本当だったのかと・・・
「それで?アストル様がご一緒なのは何故でしょうか?あと、周りの騎士達は一体・・・?」
「私はヘリオス義兄上の付き添い。周りの騎士達はサリエル。君の実力を見たいようだよ。陛下と騎士団長から許可が出てる」
「私の実力ですか?そんなものを見たがるなんて、騎士団は暇なのですか?」
今日のサリエルは舌好調だった。主に毒舌方面で。
ついでに黒オーラで威圧するのも忘れてなかった。
サリエルの毒舌と威圧にラジェル以外の者達の顔色が変わる。
殆どの人間の顔色が蒼白になった。
「以前サリエル殿が、ボーナイト騎士団長の子息を負かしたからですよ」
ラジェルは苦笑しながら、何故このような事態になったのかを教えてくれた。
ついでに裏事情までも。
「陛下とボーナイト騎士団長は、お父上であるフローライト辺境伯と同じ時期に学園に在学していましたからね。その時に起きた諸々はご存知ですか?」
「以前、母上から少しだけ聞いた事があります。・・・まさかそれが原因で?」
ラジェルはにっこりと笑って明言を避けた。
それは肯定しているのと同じである。
「陛下に関しては、学生時代に下級生であるフローライト辺境伯とエメリア侯爵に、初恋相手へのアプローチを悉く邪魔された仕返しだろうね。ボーナイト騎士団長に関しては・・・恐らく、跡取りが試験でも先日の決闘でも負けたからサリエル殿の実力を見たいのではないかな?」
「・・・私の実力を見てどうするおつもりなのでしょうね?騎士科に在籍していても、学園卒業後に騎士団に入団はしないのですが?」
「何故なのでしょうね?それは陛下にもお分かりにはならなかったようです」
ラジェルとサリエルの会話をワクワクといった様子で聞いていたヘリオスが今回、騎士団の訓練場にサリエルに来て貰った理由を空気を読まず話し始めた。
「今回サリエル殿にここに来てもらったのは私と手合わせをして頂こうと思ったのだよ」
「手合わせですか?」
「そう。ルピリアに勝ったそなたの腕前を確かめたいと思ってな。陛下に了承を貰っているから遠慮はいらない」
ヘリオスにめっちゃ良い笑顔で言われたサリエルはどうすれば良いのかとクラスメイトであり、王太子であるアストルにSOSの視線を向けるが、アストルは『諦めろ』とばかりにゆっくりと顔を横に振った。
仕方がないとサリエルは諦めて、ヘリオスとの手合わせを受ける事にした。
「アストル様。この手合わせでヘリオス皇太子がケガをした場合、皇国との関係に影響はありませんか?」
「本人が言い出した事だし、父上がこの手合わせに対して許可を出したのなら、最終的な責任はヘリオス皇太子と陛下にあるからね。サリエルは気にしなくても大丈夫だよ」
アストルは言い切った。
それはもう清々しい程にキッパリと。
「それを聞いて安心しました」
サリエルもにっこりと満面の笑顔で答えた。
「あぁ、それとね希望する騎士との手合わせもしてね」
アストル王太子の鬼発言に笑顔のサリエルの額に青筋が浮かぶ。
それを見てしまったジェリクは倒れそうになるのを1人平然としているラジェルに支えられた。
2時間後。騎士団の訓練場で立っているのはサリエルと、手合わせに参加しなかったジェリクとラジェルだけだった。
その光景を物陰からコッソリと覗いていた国王は顔面蒼白。
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