転生したら乙ゲーのモブでした

おかる

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婚約編

兄弟・姉妹に報告しましょう

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両家の親(お父様を除く)と当事者で婚約についてのお話しはサクサクと進みました。
ある程度のことが決まると、庭園に避難していた兄弟と双子姉妹がサロンへと戻ってきました。
サロンにお父様の姿が見えないことについて、お兄様とマリエルはなんとなく理由が分かったようでスルー。
しかし、双子姉妹は分からないため揃って首をかしげています。

「「フローライト辺境伯様がいらっしゃらないようですが、どうされたのですか?」」

それに答えたのはお母様です。
満面の笑顔で、イリス様とシンディ様へ(表向きの理由を)説明します。

「主人は疲れが出てしまいましたので、サフィール侯爵夫妻にご了承いただき、晩餐まで休ませていただいておりますの」

「「そ・・・そうですか。辺境伯様は大丈夫なのでしょうか?」」

「はい。ご心配をおかけして申し訳ございません」

お母様は笑顔で話しているけれど、その目は【これ以上は聞かないでね?】と言っていました。
『目は口ほどに物を言う』とはよく言ったものです。
それを実践するお母様も大概ですが・・・
とりあえず、お父様抜きで和気藹々とサロンで過ごしていました。


数時間後、使用人が晩餐の用意が出来たと呼びに来ました。
食堂へ移動している間に、お父様を呼びに使用人の一人が両親の寝室へと走りました。
お父様のご機嫌が少しは良くなっているといいのだけれど・・・
食堂に到着して各自席に着くと、お父様も到着しました。
ラジェル様の隣に座っている私の方に視線を向けないようにしています。往生際が悪いですね。
お父様も席についていよいよ晩餐の始まりです。


お料理が運ばれてきて、会話も弾んでいるのですが・・・
いかんせんお父様が一言も発しない。
お母様の反応が怖くて、子供達(ラジェル様除く)はみんな視線を彷徨わせてます。
侯爵夫人は学園時代に耐性が出来ていたからかあまり気にしていない様子。
侯爵は相変わらず苦笑している。
そしてお母様はというと・・・
貼り付けた笑顔でお父様を見てます!はっきり言ってコワイです!
ちらりとお父様の方を見ると、ちょっと顔色悪い。
そろそろお母様の雷が落ちるかも・・・と本人も分かっているのかも。
中々、話しを始めないお父様に痺れを切らしたお母様がサロンで話し合ったことを伝えます。

「今日は我が家においでいただきありがとうございました。サリエル、マリエル。マリアとラジェル殿が正式に婚約する運びとなりました」

「そうですか。おめでとうマリア。ラジェル殿、今後も妹のことをよろしくお願いします」

「おめでとうございます姉上。ラジェル義兄様、姉上のことよろしくお願いします」

「ありがとう。お兄様、マリエル」

「もちろんです。マリア嬢のことをこれからも守って、大切にします。サリエル殿、マリエル殿」

「「ラジェルお兄様おめでとうございます!!マリアお義姉様、お兄様のことよろしくお願いします」」

「ありがとう。イリス、シンディ」

「こちらこそよろしくお願いしますね。イリス様、シンディ様」

子供達が和気藹々とお祝いを述べているのを、二人の父親は対象的な表情で見ていた。
娘を嫁に出すフローライト辺境伯は寂しそうというより悔しそうに。
息子に嫁をもらうサフィール侯爵は嬉しそうというより一安心といった感じに。
お母様のコメカミがピクつく前に、諸々決まったことをお父様へお話ししなければならないのですが・・・
どのように伝えようかと思っていたけれど、やっぱりラスボスなお母様が【決定事項のため反論不可!】とばかりに淡々とお父様へお話ししています。

「あなた。一週間後にサフィール侯爵様と一緒に陛下に婚約の報告をお願いしますね。それと、婚約式とお披露目については二人の希望で親しい友人と親族のみで行いますからね」

お母様の言葉を聞いたお父様は目を見開いて私とラジェル様を見ます。
そんなに驚くようなことなのかな?

「マリア・・・本当にそれで良いのかい?婚約式もお披露目も親しい友人と親族のみで」

あ・・・そこなんだ。一週間後に陛下へ報告のところは良いんだ。
まぁ。お父様もあまり長く領地から離れているのも良くないしね。
一週間後でも、お父様にしてみたら遅いくらいなのかな。
お父様とお母様は婚約すると決まった2日後に当時の国王陛下へ報告。
その2週間後に婚約式とお披露目を行ったらしい。
前エメリア侯爵、つまり私の祖父からと当時王太子だった現国王陛下から横槍を入れられないようにと、アスター伯父様とお父様が水面下で動いた結果らしい。
そのこともあり、お父様とお母様の婚約式とお披露目は親しい友人と親族のみで行った。
そのことを思い出しているのかも。

「はい。お母様と侯爵夫妻には既にお話ししましたが、私は学園で様々なことに巻き込まれて、学園の生徒たちから学年・学科を問わず注目を集めてしまっています。これ以上の注目は不要ですから」

「そうか・・・ラジェル殿はそれでもよろしいのですかな?」

「はい。今はまだ科が違うとはいえサリエル殿が学園にいます。サリエル殿が卒業された後のことを考えると、あまり注目を集めすぎない方が良いと思います」

「・・・・・・そうか。二人が良いなら何も言わないでおこう」

ようやくお父様が了承してくれました。・・・いまだ納得はしていないようですが。
まぁ。とりあえずこれで第一関門突破したのかな?
これからは、ラジェル様と二人でお出かけできるようになるし、どこに行こうかなぁ~
どうやらニマニマしてしまっていたようで、お母様と侯爵夫人はニヤニヤとした笑顔で私をみています。
サフィール侯爵とお兄様は苦笑してますし、双子姉妹とマリエルはニコニコとしていました。
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