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一学期編
ヒロイン襲来
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ただいま、別室にてドレス作成のため採寸中です。泣きそうです・・・
羞恥心半端無い・・・世の貴族令嬢や夫人たちは羞恥心というものをどこか遠くへ投げ捨てなければなれないと思います。
昼間の外出に着用するドレスとデザインが大幅に異なるためフルオーダーメイドです・・・
お母様は、ウキウキとデザインや布地を選んでいます。
どうやら、娘と一緒に夜会に参加できるのがこの上なく嬉しいみたいです。
夜会当日は、お父様とお母様と私だけで王宮へ向かう事になりました。
ジェリク様からの招待状にお兄様の名前がなかったのと、普通科ではなく騎士科に在籍しているのが裏目に出たかたちになってしまいました。
「・・・お母様、楽しそうですわね・・・」
「それはもう!!だって愛娘を連れての参加よ?あと数年は先だと思っていたのだけれど・・・マリアはお母様たちと参加するのイヤだった?」
うっ・・・そんなウルウルした瞳で上目遣いで見ないでくださいお母様・・・
本音を言えば『イヤです』の一言につきる。メンドクサイ・・・
まぁ・・・採寸までしてしまっているのですから?今更イヤだとは絶対に言えないけど・・・
ジェリク様からの招待なら、婚約者であるリリウム様もパートナーとして参加するだろうから、早々にリリウム様の所へ避難しよう!最低限の挨拶したら、疲れたと言って帰らせてもらおう!!
私は暢気にそんな風に考えていた。
考えが甘かったことに私はまだ気付かなかった。
羞恥心半端無い採寸をした2日後、学園に登校するとお休み前に起こった騒動の話題で持ちきりだった。
2回目の親呼び出しを受けたエリカ嬢は、悪質なウソで侯爵令嬢を貶めようとしたとして2週間の自宅謹慎を受けたらしい。
あれ?でもさっき校門前でエリカ嬢見かけたけど・・・まさか自宅謹慎中なのに自宅から脱走してきた?
なんて考えてたら、クラスの前の廊下が騒がしくなりました。
何事?と思って視線を向けるとそこにはエリカ嬢がいました。般若のような表情でこちらを睨んでます。
「マリア・フローライトって誰!?ここにいるの!?」
えっ!?私をご指名ですか!?やだなぁ・・・名乗り出たくないよ~っていうか何で私をご指名なの~
クラス内はシンと静まり返ってますが、クラスメイトがこちらをチラチラと見てます。
やめて~こっち見ないで~気付かれちゃうよ~
クラスメイトの視線に気付いたエリカ嬢がこちらに向かってきます。
こっわいなぁ~普通にしてれば可愛いはずなのに・・・
若干、現実逃避をしていた私の前にエリカ嬢が立ちます。
「あんたがマリア・フローライト?」
うわ~『あんた』とか言われた・・・貴族令嬢にあるまじき言葉遣い・・・
「・・・えぇそうですが・・・どのようなご用件でしょうか?」
気に障ったのか、カッと目をかっぴらいて私を攻め始めます。
誰か先生を呼びに言ってくれないかなぁ・・・
「そう・・・あんたが・・・あんたリリウム様の取り巻きなの?だから私を陥れるためにウソの証言をしたんでしょう!?」
・・・はぁ?エリカ嬢は一体ナニを言ってるんでしょうか?
前世で言うところの『電波娘』?ナニを受信しているんでしょうかね?
「あの・・・仰っている意味がわからないのですが・・・」
「しらばっくれんじゃないわよ!!私の教科書や制服を破いたのはリリウム様なの!!そういうシナリオなのよ!!あんたはただのモブなの!!私の邪魔をするんじゃないわよ!!」
あ・・・転生者確定。『シナリオ』とか『モブ』とか言っちゃってるし。しかも気付いてないし(笑)
クラスメイト一同はポカ~ンとしてます。みなさん口を閉じましょうね?
紳士淑女にあるまじき表情ですよ~はっきり言ってアホ面ですよ~(笑)
あれ?リリウム様は驚いてないですね~さすがです!!ただちょっと顔色が悪いかなぁ?
「あの・・・エリカ様?本当に仰っている意味がわからないのですが・・・」
エリカ嬢に再度そう言いますが、聞く耳を持ってくれません。
私を指差してさらに続けます。・・・人を指差しちゃダメって教えられませんでした?前世でも今世でも。
「はぁぁ!?まだそんな事言ってるの!?一回で理解しなさいよ!!だからねぇ・・・」
そこまで言って、エリカ嬢の口撃は止まりました。
なぜなら、先生方がクラスに駆け込んできて、エリカ嬢の頭を鷲掴みにしているからです。
「エリカ・リナライト。ここでナニをしている?自宅謹慎中だろう?」
ひぃっ!!先生方がみんな般若になってる~誰か私をこの般若地獄から助けてよ~(涙)
クラスメイトたちに視線を向けますが、みんなシレ~っと視線を逸らします。
ヒドイよみんな!!助けてよ!!
涙目になったのに気付いたリリウム様がそっと般若の輪から私を助け出してくれました。
リリウム様マジ天使!!
「マリア様大丈夫ですか?」
「はい・・・リリウム様ありがとうございます」
「いいえ。礼には及びません。先にマリア様が私を助けてくれたではないですか」
ふわぁ~ゲームでは悪役令嬢なだけあって美人だよリリウム様。
ふわりと微笑んだだけなのに、周りの男子生徒数名が頬を赤らめてます。
あっ!!ジェリク様が凄い目つきで男子生徒たちを睨んでますよ~
嫉妬!?嫉妬しちゃった!?(笑)
ほのぼのとしていたら、今度はお兄様がクラスに駆け込んできました。
「マリア!!大丈夫か!?」
「お兄様。はい、大丈夫ですわ。先生方もいらっしゃってくださいましたし・・・」
そんな私たちの横で、エリカ嬢は先生に叱られてます。
エリカ嬢は時折、チラチラとジェリク様やお兄様など攻略対象たちを見てますね。
まぁ・・・その度に先生に怒られてますが(笑)
その時、ふとリリウム様がつぶやきました。私にしか聞こえない位の小声で。
『やっぱりここ乙ゲー世界なんだ・・・ヒロインも転生者っぽいし・・・どうしよう・・・』
ん?今のはリリウム様だよね?なんか日本語が聞こえたけど・・・まさかリリウム様も転生者?
だから、エリカ嬢が虐められてなくて自作自演した?
う~ん・・・夜会の時に確認してみようか・・・
そんなことを考えている私を、お兄様が心配そうに見ているのに気付きませんでした。
羞恥心半端無い・・・世の貴族令嬢や夫人たちは羞恥心というものをどこか遠くへ投げ捨てなければなれないと思います。
昼間の外出に着用するドレスとデザインが大幅に異なるためフルオーダーメイドです・・・
お母様は、ウキウキとデザインや布地を選んでいます。
どうやら、娘と一緒に夜会に参加できるのがこの上なく嬉しいみたいです。
夜会当日は、お父様とお母様と私だけで王宮へ向かう事になりました。
ジェリク様からの招待状にお兄様の名前がなかったのと、普通科ではなく騎士科に在籍しているのが裏目に出たかたちになってしまいました。
「・・・お母様、楽しそうですわね・・・」
「それはもう!!だって愛娘を連れての参加よ?あと数年は先だと思っていたのだけれど・・・マリアはお母様たちと参加するのイヤだった?」
うっ・・・そんなウルウルした瞳で上目遣いで見ないでくださいお母様・・・
本音を言えば『イヤです』の一言につきる。メンドクサイ・・・
まぁ・・・採寸までしてしまっているのですから?今更イヤだとは絶対に言えないけど・・・
ジェリク様からの招待なら、婚約者であるリリウム様もパートナーとして参加するだろうから、早々にリリウム様の所へ避難しよう!最低限の挨拶したら、疲れたと言って帰らせてもらおう!!
私は暢気にそんな風に考えていた。
考えが甘かったことに私はまだ気付かなかった。
羞恥心半端無い採寸をした2日後、学園に登校するとお休み前に起こった騒動の話題で持ちきりだった。
2回目の親呼び出しを受けたエリカ嬢は、悪質なウソで侯爵令嬢を貶めようとしたとして2週間の自宅謹慎を受けたらしい。
あれ?でもさっき校門前でエリカ嬢見かけたけど・・・まさか自宅謹慎中なのに自宅から脱走してきた?
なんて考えてたら、クラスの前の廊下が騒がしくなりました。
何事?と思って視線を向けるとそこにはエリカ嬢がいました。般若のような表情でこちらを睨んでます。
「マリア・フローライトって誰!?ここにいるの!?」
えっ!?私をご指名ですか!?やだなぁ・・・名乗り出たくないよ~っていうか何で私をご指名なの~
クラス内はシンと静まり返ってますが、クラスメイトがこちらをチラチラと見てます。
やめて~こっち見ないで~気付かれちゃうよ~
クラスメイトの視線に気付いたエリカ嬢がこちらに向かってきます。
こっわいなぁ~普通にしてれば可愛いはずなのに・・・
若干、現実逃避をしていた私の前にエリカ嬢が立ちます。
「あんたがマリア・フローライト?」
うわ~『あんた』とか言われた・・・貴族令嬢にあるまじき言葉遣い・・・
「・・・えぇそうですが・・・どのようなご用件でしょうか?」
気に障ったのか、カッと目をかっぴらいて私を攻め始めます。
誰か先生を呼びに言ってくれないかなぁ・・・
「そう・・・あんたが・・・あんたリリウム様の取り巻きなの?だから私を陥れるためにウソの証言をしたんでしょう!?」
・・・はぁ?エリカ嬢は一体ナニを言ってるんでしょうか?
前世で言うところの『電波娘』?ナニを受信しているんでしょうかね?
「あの・・・仰っている意味がわからないのですが・・・」
「しらばっくれんじゃないわよ!!私の教科書や制服を破いたのはリリウム様なの!!そういうシナリオなのよ!!あんたはただのモブなの!!私の邪魔をするんじゃないわよ!!」
あ・・・転生者確定。『シナリオ』とか『モブ』とか言っちゃってるし。しかも気付いてないし(笑)
クラスメイト一同はポカ~ンとしてます。みなさん口を閉じましょうね?
紳士淑女にあるまじき表情ですよ~はっきり言ってアホ面ですよ~(笑)
あれ?リリウム様は驚いてないですね~さすがです!!ただちょっと顔色が悪いかなぁ?
「あの・・・エリカ様?本当に仰っている意味がわからないのですが・・・」
エリカ嬢に再度そう言いますが、聞く耳を持ってくれません。
私を指差してさらに続けます。・・・人を指差しちゃダメって教えられませんでした?前世でも今世でも。
「はぁぁ!?まだそんな事言ってるの!?一回で理解しなさいよ!!だからねぇ・・・」
そこまで言って、エリカ嬢の口撃は止まりました。
なぜなら、先生方がクラスに駆け込んできて、エリカ嬢の頭を鷲掴みにしているからです。
「エリカ・リナライト。ここでナニをしている?自宅謹慎中だろう?」
ひぃっ!!先生方がみんな般若になってる~誰か私をこの般若地獄から助けてよ~(涙)
クラスメイトたちに視線を向けますが、みんなシレ~っと視線を逸らします。
ヒドイよみんな!!助けてよ!!
涙目になったのに気付いたリリウム様がそっと般若の輪から私を助け出してくれました。
リリウム様マジ天使!!
「マリア様大丈夫ですか?」
「はい・・・リリウム様ありがとうございます」
「いいえ。礼には及びません。先にマリア様が私を助けてくれたではないですか」
ふわぁ~ゲームでは悪役令嬢なだけあって美人だよリリウム様。
ふわりと微笑んだだけなのに、周りの男子生徒数名が頬を赤らめてます。
あっ!!ジェリク様が凄い目つきで男子生徒たちを睨んでますよ~
嫉妬!?嫉妬しちゃった!?(笑)
ほのぼのとしていたら、今度はお兄様がクラスに駆け込んできました。
「マリア!!大丈夫か!?」
「お兄様。はい、大丈夫ですわ。先生方もいらっしゃってくださいましたし・・・」
そんな私たちの横で、エリカ嬢は先生に叱られてます。
エリカ嬢は時折、チラチラとジェリク様やお兄様など攻略対象たちを見てますね。
まぁ・・・その度に先生に怒られてますが(笑)
その時、ふとリリウム様がつぶやきました。私にしか聞こえない位の小声で。
『やっぱりここ乙ゲー世界なんだ・・・ヒロインも転生者っぽいし・・・どうしよう・・・』
ん?今のはリリウム様だよね?なんか日本語が聞こえたけど・・・まさかリリウム様も転生者?
だから、エリカ嬢が虐められてなくて自作自演した?
う~ん・・・夜会の時に確認してみようか・・・
そんなことを考えている私を、お兄様が心配そうに見ているのに気付きませんでした。
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