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陵辱の果てに
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繋がれて、どれくらい経っただろうか。
一時は三國が握り締めたスラッパーに身の危険を感じるも、彼女は何故かそれを戻し、大きなノートを取り出し、突然デッサンをし始めた。
僕のワイシャツのボタンを外し、包帯でぐるぐる巻きにされた身体に不満げな顔を見せつつも、一心不乱に鉛筆を走らせる。
たまに薄ら笑いを浮べたり、顔を赤らめて奇声を上げたりしているが、今のところ危害を加えては来なかった。
そんな彼女もどこかに消えていった。
錆び付いたドアの開く音がしたから、多分外に出ていったんだろう。
ってかここ何処なんだよ。地下っぽいけど。
「誰かーいませんかー」
遠慮がちに声を出してみるも、虚しく響き渡るだけ。
「どうにか逃げ出さないと――っても無理だよなぁ……」
がっしりと繋がれた枷はそう簡単に外れるものじゃない。
そもそも一度捕まって易々と自力で逃げ出せる程、現実は甘くないのだ。
ガチャガチャ。と遠くで物音がして、誰かの足音が響く。
もしかして――と期待に胸を膨らませるも、現われたのはやっぱり三國だった。
「お腹空いたよねぇ?」
ビニール袋を見せて微笑む。
あれ? いい人なのか?
いやいやいや、早計すぎるだろ。
食べ物をくれる人は無条件で善人だと思ってしまう自分が怖い。
彼女がビニール袋から取り出したのは蜂蜜の瓶。
蓋を開け、二本の指でねっとりと絡め取る。
蝋燭の拙い明かりが、ソレを妖艶で、卑猥な行為の様に魅せた。
「あ~んして……」
「えっ!? いやいやいや! 無理です! 出来ませんよ!」
一体何を考えてるんだこの人は!? また新たな罪状をつけようというのか!?
「ふ~ん……出来ないんだぁ……」
チラリと視線を移したのは、拷問器具の数々。
「出来ます! 食べさせてください!」
こうである。
「ふふふ……。はい、あ~ん……」
大きく口を開けながら、何でこんな事をしているんだろうと考えた。
彼女の細い指に絡みついた甘い蜜の香りが鼻をくすぐり、舌先で感じる極上の快感。
他人に触れさせた事の無い聖域が、優しく蹂躙されていく。
「たまらない……そのだらしない顔……ゾクゾクするわぁ……」
恍惚の表情を浮かべる彼女。もう完全に狂ってるとしか言いようが無い。
それでも、僕の雄は正直者だった。
下半身に圧迫感を感じると共に、彼女もまたソレに気付いた。
不自然に膨らんだ――僕の股間に。
「むふぉっ! ん! ゴホン! き、きつそうね……今楽にしてあげるわ……」
「えっ!? いや! 大丈夫です! 大丈夫ですよ!」
むふぉっていったぞ! やっぱりおかしいよこの人!
涎とか垂らしちゃってるし! 病院のおばちゃんと同じ身の危険を感じる!
抵抗などできるはずも無く、ベルトが外され、スルリとズボンが下ろされた。
ええ、しっかりしてます。自己主張してます。
「ほふっ! は、初めて見たわ……。サイズ的にはどうなのかしら……? 大きいほうなのかしら……?」
「わっ、わかりません! 平均だと思います!」
「ふぅん……。じゃあそのまま動かないでね……」
抑え切れない興奮でだらしなく顔を歪ませ、再び鉛筆を握り締めた。
一体……何をしたいんだよ……。
その時だった、バキン! と言う音と共に、折れた鉛筆が頬をかすめる。
「……動かないでって……言ったじゃないのおおおおおおおおおおお!」
「ひぃっ!? 動いてない動いてない! 一ミリたりとも動いてません!」
鬼気迫るとはまさにこの事だ。ヒステリックに叫ぶその姿は、山棟蛇が可愛く思える程。
そのまま進撃した鬼人が、僕の股間をわしづかんだ。
「そのままって言ったでしょ!」
「そ、そんな事言われましても……。生理現象なんで……」
そりゃあこんな姿を見せられたら誰だって萎縮する。
恐怖と快感はセットじゃない。
でも触られると反応する正直者だ。
「あら……? すっ、すっごく硬いのねぇ! なにこれ! こんなに硬いの!? ええ~!? ちょっと見ていい!? いいわよネェ!?」
彼女の理性は、もうどこかに飛んでいってしまったらしい。
目がヤバイ。
声量がヤバイ。
興奮っぷりが半端ない。
彼女がパンツに手をかけ、僕は目を閉じる。
その瞬間、シュっと風を切る音が聞こえた。
それはリトル神崎が顔を出した効果音ではない。
綺麗なフォームで放たれた蹴りが、背後から三國のこめかみを正確にとらえた。
綺麗な弧を描きながら吹っ飛ぶ三國。
声を出す間も無く、彼女の意識は刈り取られていた。
「監禁されてるのにどうしておっきさせてるんですか? とんだドMですね」
「馬子!」
挨拶代わりの毒を吐きながら、彼女は呆れたように笑った。
一時は三國が握り締めたスラッパーに身の危険を感じるも、彼女は何故かそれを戻し、大きなノートを取り出し、突然デッサンをし始めた。
僕のワイシャツのボタンを外し、包帯でぐるぐる巻きにされた身体に不満げな顔を見せつつも、一心不乱に鉛筆を走らせる。
たまに薄ら笑いを浮べたり、顔を赤らめて奇声を上げたりしているが、今のところ危害を加えては来なかった。
そんな彼女もどこかに消えていった。
錆び付いたドアの開く音がしたから、多分外に出ていったんだろう。
ってかここ何処なんだよ。地下っぽいけど。
「誰かーいませんかー」
遠慮がちに声を出してみるも、虚しく響き渡るだけ。
「どうにか逃げ出さないと――っても無理だよなぁ……」
がっしりと繋がれた枷はそう簡単に外れるものじゃない。
そもそも一度捕まって易々と自力で逃げ出せる程、現実は甘くないのだ。
ガチャガチャ。と遠くで物音がして、誰かの足音が響く。
もしかして――と期待に胸を膨らませるも、現われたのはやっぱり三國だった。
「お腹空いたよねぇ?」
ビニール袋を見せて微笑む。
あれ? いい人なのか?
いやいやいや、早計すぎるだろ。
食べ物をくれる人は無条件で善人だと思ってしまう自分が怖い。
彼女がビニール袋から取り出したのは蜂蜜の瓶。
蓋を開け、二本の指でねっとりと絡め取る。
蝋燭の拙い明かりが、ソレを妖艶で、卑猥な行為の様に魅せた。
「あ~んして……」
「えっ!? いやいやいや! 無理です! 出来ませんよ!」
一体何を考えてるんだこの人は!? また新たな罪状をつけようというのか!?
「ふ~ん……出来ないんだぁ……」
チラリと視線を移したのは、拷問器具の数々。
「出来ます! 食べさせてください!」
こうである。
「ふふふ……。はい、あ~ん……」
大きく口を開けながら、何でこんな事をしているんだろうと考えた。
彼女の細い指に絡みついた甘い蜜の香りが鼻をくすぐり、舌先で感じる極上の快感。
他人に触れさせた事の無い聖域が、優しく蹂躙されていく。
「たまらない……そのだらしない顔……ゾクゾクするわぁ……」
恍惚の表情を浮かべる彼女。もう完全に狂ってるとしか言いようが無い。
それでも、僕の雄は正直者だった。
下半身に圧迫感を感じると共に、彼女もまたソレに気付いた。
不自然に膨らんだ――僕の股間に。
「むふぉっ! ん! ゴホン! き、きつそうね……今楽にしてあげるわ……」
「えっ!? いや! 大丈夫です! 大丈夫ですよ!」
むふぉっていったぞ! やっぱりおかしいよこの人!
涎とか垂らしちゃってるし! 病院のおばちゃんと同じ身の危険を感じる!
抵抗などできるはずも無く、ベルトが外され、スルリとズボンが下ろされた。
ええ、しっかりしてます。自己主張してます。
「ほふっ! は、初めて見たわ……。サイズ的にはどうなのかしら……? 大きいほうなのかしら……?」
「わっ、わかりません! 平均だと思います!」
「ふぅん……。じゃあそのまま動かないでね……」
抑え切れない興奮でだらしなく顔を歪ませ、再び鉛筆を握り締めた。
一体……何をしたいんだよ……。
その時だった、バキン! と言う音と共に、折れた鉛筆が頬をかすめる。
「……動かないでって……言ったじゃないのおおおおおおおおおおお!」
「ひぃっ!? 動いてない動いてない! 一ミリたりとも動いてません!」
鬼気迫るとはまさにこの事だ。ヒステリックに叫ぶその姿は、山棟蛇が可愛く思える程。
そのまま進撃した鬼人が、僕の股間をわしづかんだ。
「そのままって言ったでしょ!」
「そ、そんな事言われましても……。生理現象なんで……」
そりゃあこんな姿を見せられたら誰だって萎縮する。
恐怖と快感はセットじゃない。
でも触られると反応する正直者だ。
「あら……? すっ、すっごく硬いのねぇ! なにこれ! こんなに硬いの!? ええ~!? ちょっと見ていい!? いいわよネェ!?」
彼女の理性は、もうどこかに飛んでいってしまったらしい。
目がヤバイ。
声量がヤバイ。
興奮っぷりが半端ない。
彼女がパンツに手をかけ、僕は目を閉じる。
その瞬間、シュっと風を切る音が聞こえた。
それはリトル神崎が顔を出した効果音ではない。
綺麗なフォームで放たれた蹴りが、背後から三國のこめかみを正確にとらえた。
綺麗な弧を描きながら吹っ飛ぶ三國。
声を出す間も無く、彼女の意識は刈り取られていた。
「監禁されてるのにどうしておっきさせてるんですか? とんだドMですね」
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