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【プロローグ】狂おしい日常の始まり
第2話
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◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「はい、みんな静かに。昨日から3学期が始まり、いよいよ高校1年のまとめの時期に入った。進路を決めるタイムリミットも近づいてきているが、ここで朗報だ。君たちとこれから勉学を共にする新しい仲間が増える。どうぞ入ってきてくれ」
担任が現実を突きつける話をしてきたかと思うと、新しい仲間なる人が教室に入って来る。
肩まで伸ばした髪をユラユラ揺らしながら担任の横に並び、クラスメイトに正面を向けた。
この田舎の高校では異質なくらい垢ぬけたオーラをまとっている。
ごくありきたりな言葉で言い表すなら、きっとこういう子が美少女なんだと思う。
けど、どこか気だるげだ。
転校初日だというのにも関わらず、学校生活に何も楽しみを見いだせていない。
それどころか、絶望しているかのような虚ろな目をしている。
そんなことを気にも留めず、騒ぎ立てる男子。
それを見ていい気分のしない者もいれば、憧れの視線を向ける者もいる女子。
「朱宮結葉です。よろしくお願いします」
覇気のない挨拶もそこそこに、彼女はゆっくりと目線を上げた
あれ? アケミヤユヅハ? ユヅハ?
この名前、どこかで聞いたことがあるような……。
彼女は、教室の端から横断するように視線を向けていき、最後に窓際の一番後ろにいるボクを見た。
「「え……?」」
この出会いを人は〈運命〉と呼ぶのだろう。
でもこれは、ボクからしてみれば、運命の歯車を狂わせる日常の始まりだったのかもしれない。
「はい、みんな静かに。昨日から3学期が始まり、いよいよ高校1年のまとめの時期に入った。進路を決めるタイムリミットも近づいてきているが、ここで朗報だ。君たちとこれから勉学を共にする新しい仲間が増える。どうぞ入ってきてくれ」
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この田舎の高校では異質なくらい垢ぬけたオーラをまとっている。
ごくありきたりな言葉で言い表すなら、きっとこういう子が美少女なんだと思う。
けど、どこか気だるげだ。
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それどころか、絶望しているかのような虚ろな目をしている。
そんなことを気にも留めず、騒ぎ立てる男子。
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「朱宮結葉です。よろしくお願いします」
覇気のない挨拶もそこそこに、彼女はゆっくりと目線を上げた
あれ? アケミヤユヅハ? ユヅハ?
この名前、どこかで聞いたことがあるような……。
彼女は、教室の端から横断するように視線を向けていき、最後に窓際の一番後ろにいるボクを見た。
「「え……?」」
この出会いを人は〈運命〉と呼ぶのだろう。
でもこれは、ボクからしてみれば、運命の歯車を狂わせる日常の始まりだったのかもしれない。
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