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(※ウィリー視点)
また、負けてしまった……。
どうしてだ?
どうして私は、奴に勝てないんだ?
「いやぁ、また勝っちゃいましたよ。あなたもすごいですよ。よくそんなに連続で負けられますね。ある意味それも、才能ですよ」
俳優気取りの若造は、にやにやと笑いながら、私を馬鹿にして来ていた。
しかし、悔しいが、何も言い返せない。
何度やっても、奴にカモにされてしまう。
次こそは勝てると思っていたのに、また負けてしまった。
そして、私はまた、借金を背負ってしまった……。
しかし、これだけ大金を取られたら、もう後には引けない。
奴に勝って、負けた分を取り返すまで、私は引くつもりはなかった。
まあ、とりあえず今日のところは引くしかないが、彼に金を借りて、すぐにまたリベンジしてやる。
そうだ、彼にはもっと、金を借りよう。
今までは、借金分の金しか借りていなかったが、もっとギャンブルができるように、さらに借りればいいのだ。
そうすれば、奴に勝つまで、何度も勝負を挑める。
よし、そうと決まれば、また明日、彼を呼び出そう。
しかし、それが、最悪の選択だったことを、この時の私はまだ知らなかった……。
*
(※キティ視点)
ハンクがまた、コソコソと出掛けて行った。
私は気付かなかったふりをして、窓からこっそりと行き先を確認した。
そして、距離をとってこっそりとあとをつけた始めた。
さて、浮気の現場を抑えてやるわよ。
そして、証拠を得て、慰謝料をたっぷりと請求してやるわ。
それにしても、彼が浮気をするなんて思っていなかった。
彼はお姉さまと別れてまで、私を選んだ。
だから、私に夢中だと思っていた。
それなのにまさか、浮気をするなんて……。
相手はいったい、どんな女なの?
まあ、よほどの美人なんでしょうね。
もちろん、その女からも、慰謝料を請求してやるわ。
私は、彼にバレないように、距離をとって慎重にあとをつけていた。
この方向は、彼が経営している病院がある方向だ。
そして、どんどん病院に近づいている。
とても、偶然とは思えない。
まさか、あの病院の看護師と、浮気していたの?
絶対にそうだわ。
しかも、病院で密会するなんて……。
でも、誰もいない病院なら、浮気現場を目撃される心配もない。
その辺の宿屋で密会するよりも、安全だ。
もし入るところを見られても、仕事があったからと言い訳できる。
ハンクは、病院の中へ入った。
私も、中へ入った。
彼は、暗い廊下を進んで行く。
私も息をひそめて、彼のあとをついて行った。
そして、彼はある部屋の前で、足を止めた。
私は少し離れたところから、その様子を見ていた。
彼は大きく深呼吸をして、その部屋に入った。
私はそれを核が部屋に入ったのを確認した後、その部屋の扉に近づいた。
そして、ゆっくりと扉を少しだけ開けて、廊下から部屋の中の様子を確認した。
そこには、驚きの光景が広がっていた。
彼が密会していたのは、看護師ではなかった。
彼の向かい側にいる人物は、この病院の院長である、ウィリーだった。
嘘でしょう!?
ハンクの浮気相手がまさか、男だったなんて……。
こんなこと、想像すらしていなかった。
私の人生で、もうこれ以上の驚きが訪れることはないと思えるほどの衝撃だった。
しかし、このあとさらなる衝撃の展開が、私を待っているのだった……。
また、負けてしまった……。
どうしてだ?
どうして私は、奴に勝てないんだ?
「いやぁ、また勝っちゃいましたよ。あなたもすごいですよ。よくそんなに連続で負けられますね。ある意味それも、才能ですよ」
俳優気取りの若造は、にやにやと笑いながら、私を馬鹿にして来ていた。
しかし、悔しいが、何も言い返せない。
何度やっても、奴にカモにされてしまう。
次こそは勝てると思っていたのに、また負けてしまった。
そして、私はまた、借金を背負ってしまった……。
しかし、これだけ大金を取られたら、もう後には引けない。
奴に勝って、負けた分を取り返すまで、私は引くつもりはなかった。
まあ、とりあえず今日のところは引くしかないが、彼に金を借りて、すぐにまたリベンジしてやる。
そうだ、彼にはもっと、金を借りよう。
今までは、借金分の金しか借りていなかったが、もっとギャンブルができるように、さらに借りればいいのだ。
そうすれば、奴に勝つまで、何度も勝負を挑める。
よし、そうと決まれば、また明日、彼を呼び出そう。
しかし、それが、最悪の選択だったことを、この時の私はまだ知らなかった……。
*
(※キティ視点)
ハンクがまた、コソコソと出掛けて行った。
私は気付かなかったふりをして、窓からこっそりと行き先を確認した。
そして、距離をとってこっそりとあとをつけた始めた。
さて、浮気の現場を抑えてやるわよ。
そして、証拠を得て、慰謝料をたっぷりと請求してやるわ。
それにしても、彼が浮気をするなんて思っていなかった。
彼はお姉さまと別れてまで、私を選んだ。
だから、私に夢中だと思っていた。
それなのにまさか、浮気をするなんて……。
相手はいったい、どんな女なの?
まあ、よほどの美人なんでしょうね。
もちろん、その女からも、慰謝料を請求してやるわ。
私は、彼にバレないように、距離をとって慎重にあとをつけていた。
この方向は、彼が経営している病院がある方向だ。
そして、どんどん病院に近づいている。
とても、偶然とは思えない。
まさか、あの病院の看護師と、浮気していたの?
絶対にそうだわ。
しかも、病院で密会するなんて……。
でも、誰もいない病院なら、浮気現場を目撃される心配もない。
その辺の宿屋で密会するよりも、安全だ。
もし入るところを見られても、仕事があったからと言い訳できる。
ハンクは、病院の中へ入った。
私も、中へ入った。
彼は、暗い廊下を進んで行く。
私も息をひそめて、彼のあとをついて行った。
そして、彼はある部屋の前で、足を止めた。
私は少し離れたところから、その様子を見ていた。
彼は大きく深呼吸をして、その部屋に入った。
私はそれを核が部屋に入ったのを確認した後、その部屋の扉に近づいた。
そして、ゆっくりと扉を少しだけ開けて、廊下から部屋の中の様子を確認した。
そこには、驚きの光景が広がっていた。
彼が密会していたのは、看護師ではなかった。
彼の向かい側にいる人物は、この病院の院長である、ウィリーだった。
嘘でしょう!?
ハンクの浮気相手がまさか、男だったなんて……。
こんなこと、想像すらしていなかった。
私の人生で、もうこれ以上の驚きが訪れることはないと思えるほどの衝撃だった。
しかし、このあとさらなる衝撃の展開が、私を待っているのだった……。
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