婚約者を利用したとある計画のために、あえて婚約破棄をしなかった結果……。

１.

　ある日、おれ、エド・ウィークスは衝撃を受けた。
　婚約者であるローザ・ヘインズのとある一面を知ってしまったのだ。

「まさか、ローザにあんな一面があったなんて……」
　
　おれは呟きながら、真剣に悩んでいた。
　それは、婚約破棄を考えるほどのものだったからだ。
　しかし、おれはあえて婚約破棄をしなかった。

　実はおれには、ローザには絶対に言えない計画があったからだ。
　そして、発覚したローザの一面は、よく考えればおれの計画の成就に役立つと思った。

「ローザ、結婚しよう」
　
　こうして、あえて婚約破棄をしなかったおれは、ローザと結婚した。
　しかし、ローザと結婚はしたものの、実はおれはローザのことが好きではない。
　はっきり言うと、嫌いだ。

　それでも結婚したのは、彼女を利用したある計画があったからだ。
　この計画がなければ、ローザと結婚なんて死んでも御免だった。

　そして、おれは計画を進めていくが、最終段階というところで、予期せぬ事態に直面することになるのだった……。