1 / 16
絡んでくれるな後輩よ
しおりを挟む
俺は女性が苦手だ。
苦手と言っても嫌いというわけではない。
男性のみの空間よりは、女性がいた方が華があると思うし、飲み会に女性を呼びたいと、人並みに思うこともある。
しかし、女性と同じ場にいても、何を話していいかわからない。
一応言っておくが、女性は好きだ。
いや、言い方が悪い。
好きになるのは女性だ。
男性を好きになったことはないし、おそらく未来永劫ないだろう。
所謂、ノンケというやつだ。
自慢じゃないが、彼女がいたこともある。
が、その時も結局どうしたらいいかわからなかった。
そんなこんなで、大学3年生、20歳。彼女なし。
「先輩、何読んでるんですか?」
ん。
いや「ん」って。
我ながらその対応はどうかと思うが、いきなり女性に話しかけられ、テンパったのも事実。俺は咄嗟に、読んでいた漫画の表紙を見せる
「へー」
へーって。
「朋弥さんは何見てるんです?」
俺への興味が秒で消えた。
まぁ「ん」だもんな。
「ふふん、よくぞ聞いてくれました!これは日和殿にもおすすめですぞ!」
こいつは、不破朋弥。ぽっちゃり体型で、偏見かもしれないが、見るからにオタクという感じだ。
最初はこんな口調のやつが本当に現実にいるのか、とも思ったが、現に目の前にいるのだから信じるしかない。
「お、これ俺も好きだぜ!可奈子ちゃん出てるよな!」
「可奈子ちゃんって、辰義さんが好きな声優さんでしたっけ?」
「そう!八重原可奈子ちゃん!めっちゃ可愛いから!!」
声優について熱く語っているのは、東城辰義。これも偏見かもしれないが、高身長のイケメンで、オタクには見えない。
今は三人できゃっきゃしている。
青春してますなぁ。
かくいう俺、国ヶ谷悠馬は、一人でしっぽりと漫画を読んでいる。
ここは、アニメ・漫画同好会というサークルだ。先程から楽しそうにしている紅一点は那智日和さん。このサークル唯一の女の子の一年生。金髪ショートで、こちらも(あくまで見た目的な意味で)アニメや漫画を見るようには見えない。
他の男三人は同じ三年生。これがこのサークルのフルメンバーだ。
以前は男三人で話したり、各々が好きなことをやったりして過ごしていたのだが、那智さんが入ってきてからというもの、俺以外の三人できゃっきゃすることが増えた。
いや、寂しくないぞ?断じて寂しくなどない。
「このアニメのグッズはとても可愛いので、日和殿も是非!」
「ホントですか?じゃあ先輩一緒に行きませんか!」
いやそこは朋弥たちと行けよ。
「…………」
なんだその顔は。ってか急に俺に振るな。びっくりするだろ。
那智さんは俺のことだけなぜか「先輩」と呼ぶ。
他の二人は名前で呼ぶのに、俺は名字すら呼びたくないのだろうか。
いやむしろ名前を知っているかも疑問だ。
「じゃあみんなで行きましょう」
待て待て、なんでそうなる?
そっちで盛り上がったんだから、そっちで行けばいいだろうに。なぜ最近の子は、そうみんなで行きたがるんだ。
そういうノリにはおじさん慣れてないのよ。
俺は女性が苦手なんだ。
苦手と言っても嫌いというわけではない。
男性のみの空間よりは、女性がいた方が華があると思うし、飲み会に女性を呼びたいと、人並みに思うこともある。
しかし、女性と同じ場にいても、何を話していいかわからない。
一応言っておくが、女性は好きだ。
いや、言い方が悪い。
好きになるのは女性だ。
男性を好きになったことはないし、おそらく未来永劫ないだろう。
所謂、ノンケというやつだ。
自慢じゃないが、彼女がいたこともある。
が、その時も結局どうしたらいいかわからなかった。
そんなこんなで、大学3年生、20歳。彼女なし。
「先輩、何読んでるんですか?」
ん。
いや「ん」って。
我ながらその対応はどうかと思うが、いきなり女性に話しかけられ、テンパったのも事実。俺は咄嗟に、読んでいた漫画の表紙を見せる
「へー」
へーって。
「朋弥さんは何見てるんです?」
俺への興味が秒で消えた。
まぁ「ん」だもんな。
「ふふん、よくぞ聞いてくれました!これは日和殿にもおすすめですぞ!」
こいつは、不破朋弥。ぽっちゃり体型で、偏見かもしれないが、見るからにオタクという感じだ。
最初はこんな口調のやつが本当に現実にいるのか、とも思ったが、現に目の前にいるのだから信じるしかない。
「お、これ俺も好きだぜ!可奈子ちゃん出てるよな!」
「可奈子ちゃんって、辰義さんが好きな声優さんでしたっけ?」
「そう!八重原可奈子ちゃん!めっちゃ可愛いから!!」
声優について熱く語っているのは、東城辰義。これも偏見かもしれないが、高身長のイケメンで、オタクには見えない。
今は三人できゃっきゃしている。
青春してますなぁ。
かくいう俺、国ヶ谷悠馬は、一人でしっぽりと漫画を読んでいる。
ここは、アニメ・漫画同好会というサークルだ。先程から楽しそうにしている紅一点は那智日和さん。このサークル唯一の女の子の一年生。金髪ショートで、こちらも(あくまで見た目的な意味で)アニメや漫画を見るようには見えない。
他の男三人は同じ三年生。これがこのサークルのフルメンバーだ。
以前は男三人で話したり、各々が好きなことをやったりして過ごしていたのだが、那智さんが入ってきてからというもの、俺以外の三人できゃっきゃすることが増えた。
いや、寂しくないぞ?断じて寂しくなどない。
「このアニメのグッズはとても可愛いので、日和殿も是非!」
「ホントですか?じゃあ先輩一緒に行きませんか!」
いやそこは朋弥たちと行けよ。
「…………」
なんだその顔は。ってか急に俺に振るな。びっくりするだろ。
那智さんは俺のことだけなぜか「先輩」と呼ぶ。
他の二人は名前で呼ぶのに、俺は名字すら呼びたくないのだろうか。
いやむしろ名前を知っているかも疑問だ。
「じゃあみんなで行きましょう」
待て待て、なんでそうなる?
そっちで盛り上がったんだから、そっちで行けばいいだろうに。なぜ最近の子は、そうみんなで行きたがるんだ。
そういうノリにはおじさん慣れてないのよ。
俺は女性が苦手なんだ。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
如月さんは なびかない。~片想い中のクラスで一番の美少女から、急に何故か告白された件~
八木崎(やぎさき)
恋愛
「ねぇ……私と、付き合って」
ある日、クラスで一番可愛い女子生徒である如月心奏に唐突に告白をされ、彼女と付き合う事になった同じクラスの平凡な高校生男子、立花蓮。
蓮は初めて出来た彼女の存在に浮かれる―――なんて事は無く、心奏から思いも寄らない頼み事をされて、それを受ける事になるのであった。
これは不器用で未熟な2人が成長をしていく物語である。彼ら彼女らの歩む物語を是非ともご覧ください。
一緒にいたい、でも近づきたくない―――臆病で内向的な少年と、偏屈で変わり者な少女との恋愛模様を描く、そんな青春物語です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

学園の美人三姉妹に告白して断られたけど、わたしが義妹になったら溺愛してくるようになった
白藍まこと
恋愛
主人公の花野明莉は、学園のアイドル 月森三姉妹を崇拝していた。
クールな長女の月森千夜、おっとり系な二女の月森日和、ポジティブ三女の月森華凛。
明莉は遠くからその姿を見守ることが出来れば満足だった。
しかし、その情熱を恋愛感情と捉えられたクラスメイトによって、明莉は月森三姉妹に告白を強いられてしまう。結果フラれて、クラスの居場所すらも失うことに。
そんな絶望に拍車をかけるように、親の再婚により明莉は月森三姉妹と一つ屋根の下で暮らす事になってしまう。義妹としてスタートした新生活は最悪な展開になると思われたが、徐々に明莉は三姉妹との距離を縮めていく。
三姉妹に溺愛されていく共同生活が始まろうとしていた。
※他サイトでも掲載中です。

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる