ラノベ世界に転生した僕の、バッドエンドのその先は…

23

何か白っぽい物が動いてる？と思ったら、
馬の世話に行っていたもう1人の男が慌てて走って来たようでした。



「おいっ。マズいぞ…囲まれてるかもしれない」

「魔獣除けの香はまだ保つはずだろ」



緊張感を走らせ小声で会話を始める男たちでしたが、


ドスッ


男２人の近くで
地面に矢のような物が刺さったような音がしました。



「チッ、賊だ！逃げるぞ！」

「クソッ！まだ何も挿れてねーのに！！」



僕を地面に放り出し、
２人は慌てて馬に飛び乗り、一気に走り去ったようでした。



きっとストーリー通りだと、
あの２人は賊に襲われたと報告するのでしょう。



僕は放り出された時に、地面に頭からぶつかり
ズキズキと痛みましたが、それよりも…
このままでは、さっきよりも酷い状況になると
恐怖で体が震えてしまいした。



タシッタシッタシッ



何かが近付く足音が聞こえてきました。

すると、



「可哀想に。しばらく、眠ると良い」



少し高いけど凛とした声が聞こえ、
うつ伏せで動けず、震える僕の肩に
なにか…ムニッ？としたものが当たったと思ったら
急激な睡魔が襲いました。



駄目だ駄目だと思いながらも、
抗えない僕はそのまま意識を手放しました。