ラノベ世界に転生した僕の、バッドエンドのその先は…

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周囲に居た貴族たちが
王様と兄王子に挨拶するべく並び始めました。


僕は目立たないように部屋の角まで移動してそれを見ていました。


本当なら、
僕も兄王子と王様の後ろに控える王子達と同じ席に居るべきなのですが
近くに神子も居るので
王様の接近禁止令を言い訳にして
こうしてぼんやり部屋の隅っこにいるわけです。


神子が来ているなら、
僕をこのパーティーに呼ぶはずないと思うのですが…
兄王子の意図が読めずに困ります。


今更、兄弟みんなで手を取り合って仲良くなりましょう、なんて…
…ありえないですね。


僕は自分の考えに笑いを堪えて否定しました。



暇だなあ…と何度目かになる溜め息をついた頃

挨拶していた最後の貴族が離れて行きました。

次はダンスが始まるはずなので、
その隙に食事をしてしまおうと王様達を見ていたら
神子とガッチリ目が合いました。



僕は背筋がザワッとなり、冷や汗が出た気がしました。



神子は僕と目が合った瞬間、嬉しそうに笑ったのです。



神子は何事かを兄王子の耳元で囁くと、お互い頷き合って立ち上がりました。


兄王子が侮蔑を込めた目で僕を見て、


「キーツ・アウルム・フォトグリムア！此処へ！！」


ホール中に響く大声で、僕を呼び出しました。