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757:お得感
しおりを挟む資産院全員の分だろ?50人近い。
ラーメンのように屋台で商売という形にしたい。
私が行けば2回目だということで許可を取らないといけないのか?
前回はラーメン、今回はカレーだ。
湿地組に販売してもらえばいいな!!
作るのも手伝ってもらおう。
さすがに50人前はないからな!良し!!
なんだろうか。
全てにおいて楽しい。
稼ぐことができれば、愛しい人も喜ぶ!
いいな!
湿地は閉鎖しているので、
近くに新しく建てた家に向かった。
緑目を隠すことはしないが、
今は、見せることもしないほうがいいだろう。
裏で作業をしているようだ。
少し離れたところから、声をかける。
愛しい人がいつもそうしているように。
「アバサ!ルー!いるか!!」
「裏です!!回ってきてください!」
この2人はいいな。
私と普通に接してくれる。
「マティス様!!どうしましたか?あれ?モウ様は?」
みな、愛しい人がいるかどうか必ず確認するな。
「留守番だ。なにをしていた?忙しいか?」
「いえ!ここで採取した砂漠石と、
最近出回ってきたイリアスの砂漠石の軽石が戻ってきているので、
それの選別作業です。」
「?違うのか?」
「はっきりとはわからないんです。
コットワッツ産とイリアス産の違いかなって思ったんですが、
そうでもない。
最後まで燃焼しきったものと、まだ、燃えることができるもの?
それも確定でもない。」
「?それでどう違うんだ?」
「加工がしやすいか、ボロボロになるかです。」
「そうなのか?ボロボロになる?要は加工出来ないものだな?
それは、捨てずにまとめて置いておけ。
愛しい人ならなにか、他のことに使うかもしれないから。
先に少し買い取っておこうか。」
「買うなんて!もらってください。」
「いや、こういうことはきっちりしないと、後で私が怒られる。」
「ルー、そう言ってくれてるんだ。
樽一つ分で、5銀貨位にしよう。」
「樽代だけではないのか?」
「そんなことないですよ?大量購入で安く仕入れていますし。」
「ザバスのところだろ?私にはそんなことしてくれないのにな。」
「密封容器が売れて、木の樽は売れなくなったとか。
それで、逆に大きな樽が売れるって。
だけど、置くところがないでしょ?
先に注文して、確実に引き取るってわかっていれば、
値引きしてくれるんですよ。」
「なるほど。」
「それで?モウ様に何かありましたか?
ウォーマーを引き取りにいらしたときはあっという間にお戻りになりましたし。」
「ああ。いや、カレーな、
あれを資産院に売ろうと思う。屋台形式で。
それを手伝ってもらおうとおもってな。」
許可がいるが、初回はいらない。
念のため、お前たち2人が売ってほしいと話をする。
「え?何人前ですか?」
「50だな。多めに見て100?あまっても保存はできるから。
月が昇る前に売り切りたい。」
「では、今から作らないと!」
「そうだ。いいか?」
「「もちろん!」」
材料はある。
サイの肉を使おうとしたがアバサが慌てて止めた。
「マティス様!ダメですよ!
1リングで売るんでしょ?サイの肉を使ったら、
10リングで売らないと。」
「では、10で売ろう。」
「ダメですって!マティス様が売るのならともかく、新参者が売るのに、
10はない。王都の物価を考えてもです!
カレーはボットのすじ肉で十分おいしいものができます!な?ルー!」
「そうだな。しかし、筋を煮込む時間がない。
豚で行こう。少し脂が多いところ。薄肉だからすぐに火が通る。
それと玉葱で。この2つのみ。好みでチーズを乗せたりオンセン卵を乗せれるように。」
「それに金を取るのか。」
「いいえ。今回はおまけだといいます。
それによってお得感が出る。実際はそれも料金に含まれてますけどね。
モウ様の教えですよ。」
「「おお!!」」
なるほど。
私と愛しい人が作れば、アバサが言う持ち出しなのだな。
これは、これからよく考えないと。
それから仕入れからすることになった。
移動ができることはこの2人は知っているので、
一番近い街まで。
荷車に積んで、玉葱と米を買う。
豚肉はそれこそ売るほどあるので、1匹8銀貨で。
「これ、街で買えば、5リングしますよ?
しかも、丸まるなんてめったに入ってこない。」
「早馬を使うからだろ?
冷蔵馬車が広まれば、もっと安く入るだろう。
ジットカーフでは1匹1リングで引き取ってくれる。
皮はこちらで使うからな。8銀貨でも、十分なんだよ。」
「でも!」
「はははは!そこは、叔父に甘えてくれ。」
「「はい!」」
そこから、鍋を出し、米も炊く。
ルーが開発した、ルー、・・・・・。はははは!そうだな、少しおかしいな。
そのルーを使う。
「これも売るか?」
「いえ、今ある分でも足りない。
今あるのは、これが、50個ほどです。」
「そうか、ではそれは売り物として持っていこう。
薬草と香草はあるから、同じ分量で作ろう。」
「売れるでしょうか?」
「旨ければ売れる。しかし、売る相手は資産院だからな。
誰も料理はしないだろう。あのワイプと同じような輩だから。
先に隠匿を掛けるか。」
「食品ですよ?それにかけないほうがいいと、モウ様は常々おっしゃってます。」
「いや、これは豆ソースと同じようなものだ。
これで、うどんも作ればうまいんだぞ?
先に隠匿を掛けて、それをモウモウ商会が仕入れようか。」
「それはうれしいです!あ、でも、街の人からも催促されてるんで、
半分だけでもいいですか?」
「もちろんだ。王都でカレーが売れれば、その噂はあっという間に広まる。
そうなると、ルーも売れるし、米も売れるな。」
「あ、あの、やはりこれの名前はルー?」
「ん?なんでもいいぞ?
愛しい人の故郷での名前だ。
お前たちが付ければいい。」
2人は少し話し合ったようだが、すぐに決まった。
「カレーはカレーのままで。
これは、カレーの元で。」
「それはわかりやすくていいな!」
2人とも嬉しそうだ。
隠匿のことはセサミナに相談してからだな。
(カレーの元ですか?それはもともと、2人の名で隠匿を掛けるつもりでしたから、
問題はないです。
ただ、今の時点でナソニールの親族になるルコールが王都に来るのはまずい。
領主も、その兄弟たちもいない。
ツイミ殿に権利がある話が漏れていると考えていいでしょう。
ツイミ殿が断った、権利がないという話も。
ルーとはこの話はしています。
ルーもツイミ殿と同じように権利は放棄している。
しかし、ルーを担ぎだす間抜けがいないとも限らない。
コットワッツの領民、ルーとして来てください。
それで、あの2人の代わりに会合に出てもらおうかな。
頭数が少なくなったので)
(コットワッツに戻ったのはわかったけど、ルーとアバサのところに行ったのね。
カレーを?屋台式で?
そうだよ!きっちり商売しなきゃね!さすがわたしの旦那様だ!)
(そうだろうそうだろう)
愛しい人にも褒められた。
うれしいな。
「では、いこうか。
馬には十分水をやったか?
王都の問答は?はじめてか?
私が門外で待って一緒にはいろう。コットワッツで知り合ったと。
それで、生産院のメディングを紹介するとな。
半分から臨時会合だが、それに出てほしいそうだ。」
「え!いいんですか?」
「傍付き見習いが2人辞めたんだ。その代わりだな。」
「「もったいない!」」
「いろいろあるんだろ。では行くぞ?」
「「はい!!」」
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