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725:運ぶ人
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軍の話、金の話、わたしのこと。
うまく話をもっていったようだ。
「さすが、リーズナ先生ですね!」
といえば、師匠を褒めた後のマティスのような顔をする。
なるほど。
今は皆で食事をすることができない。
臨時会合後、新体制になり、
戦争へと進んでいくのだろう。
新たに3軍体勢になり、
その一つがコットワッツとつながりがあるとなったら、大問題だ。
それは資産院も同じ。
こっそり集まったとしても、王都ではダメだろうな。
みなが、どこからか情報を把握している。
みながそれぞれに、情報屋を持っているということだ。
それはお互いにだ。
わたしはそれを把握する必要もない。
ただ、気になったことを聞くだけ。
それが、極秘扱いなら聞かなくていい。
「うん。わかった。
じゃ、ガイライによろしくね。樽便は家に届けてるから。
あ、お酒もね。」
「やった!
あー、あのなモウちゃん?」
「ん?」
「リーズナな、あれはどうなんだ?モウちゃんから見て。」
「?先生のこと?
んー。あのね。世の中ってのは、
勝手にまわっているんじゃないって思っているのね。
で、それを廻しているのは、
もちろん、統治者であり、領主とかなんだけど、
彼らが全てを動かしているわけじゃないでしょう?
浄化の力はそうなんだけどね。
それでも、円滑に何かを進めるには、下準備がいるよね。
セサミンだって、ルグと、ドーガー、スビヤン。
かなりの人員を動かして統治しているでしょ?
それが国単位ならもっとだ。
リーズナ先生はそれを実際にしているからね。尊敬したんだよ。
でね、ここは故郷に比べて文明の進みが遅い。
それは緩やかでもいいんだ。でもね、
衛生面に置いては出来れば急いだほうがいい。
下水の話ね。それを、直感で行なおうとしてたんだよ、先生は。
でも、直感だけでは頓挫する。予算が出ていくだけだ。
だからわたしの知っている話をしたの。
わたしでは出来ないし、することもないだろうね。
身内だけなら何とでもなるから。
でも、セサミンも我らが王も抱えている者の人数が違う。
それを守るために補佐する人なんだ先生は。
そこから、どう進むかわからないけど、彼はきっといい様に進めてくれる。
貴重だよ。
あの人は利用できない。懐柔は出来ない。
統治する力とは別のなんだろうか、運営する力を持っているんだろうね。
運ぶ人だ、
ただ、あの人の考えがうまく進むようにしないといけない。
廻りがね。
それがニックさんとヤッチさん?なのかな?
間違うことも多いようだからね。軌道は常に修正しないとね。
話せばわかってくれる人だよ?そして、師匠のように働いている人だ。
わたしは、働いている人が好きなんだ。
だから尊敬できる先生だ。」
「・・・・・。」
「何か言われた?」
「・・・いや。」
「ニックさん?いってごらん?」
「・・・・・。
ワイプは信用できるのかと聞かれた。」
「なんと答えた?」
「棒術使いは昔から信用していないとだけ。」
「うふふふふふふ。
よかった。師匠のことを疑問に思う人がいてくれたことに。
師匠もリーズナ先生のことはあまり重要視していない。
おかしいでしょ?
ニックさんが抜けた20年。
税のことで誰もが顔をしかめる資産院ワイプは何をしていた?
肝心なところでお間抜けワイプだ。
ちがうな、誰もが問題を忘れている。」
「!モウちゃんが言う記憶の改ざん!?」
「どうなんだろうね。
この話、後で師匠とするつもりなんだけど、果たしてそれは必要かどうか。
さっき、ここで、ご飯を食べていったらしいけど、様子がおかしかったみたいよ?
本人に話したからね、面談待機中に。」
「話したの?」
「そうよ?だって、ニックさんが辞めたこと、
軍部の力が低下したこと、ナソニールのこと、
前資産院院長の横領のこと。
知らなかったでは済まされない。
知らないんじゃなくて忘れているんだと思ったのよ。
それをね。」
「・・・。ワイプは何と?」
「ちょっと動揺してたけどね。
もしかして、師匠は何もかも把握しているかもしれない。
それを指摘して動揺したのかもしれない。
いや、師匠だったら、そういう振りかも。
だけど、それをわたしが知る必要もない、今はね。
忘れているっていうのはガイライもだ。」
「え?」
「ニックさん、考えて?そして思い出して?
一番副隊長、実質軍部の一番だった彼が、
王のこと知らなさすぎる。」
「俺だって知らないよ?」
「そこがおかしい。」
王に対して無関心すぎるのだ。
王が絶対だっていうくせに。
うまく話をもっていったようだ。
「さすが、リーズナ先生ですね!」
といえば、師匠を褒めた後のマティスのような顔をする。
なるほど。
今は皆で食事をすることができない。
臨時会合後、新体制になり、
戦争へと進んでいくのだろう。
新たに3軍体勢になり、
その一つがコットワッツとつながりがあるとなったら、大問題だ。
それは資産院も同じ。
こっそり集まったとしても、王都ではダメだろうな。
みなが、どこからか情報を把握している。
みながそれぞれに、情報屋を持っているということだ。
それはお互いにだ。
わたしはそれを把握する必要もない。
ただ、気になったことを聞くだけ。
それが、極秘扱いなら聞かなくていい。
「うん。わかった。
じゃ、ガイライによろしくね。樽便は家に届けてるから。
あ、お酒もね。」
「やった!
あー、あのなモウちゃん?」
「ん?」
「リーズナな、あれはどうなんだ?モウちゃんから見て。」
「?先生のこと?
んー。あのね。世の中ってのは、
勝手にまわっているんじゃないって思っているのね。
で、それを廻しているのは、
もちろん、統治者であり、領主とかなんだけど、
彼らが全てを動かしているわけじゃないでしょう?
浄化の力はそうなんだけどね。
それでも、円滑に何かを進めるには、下準備がいるよね。
セサミンだって、ルグと、ドーガー、スビヤン。
かなりの人員を動かして統治しているでしょ?
それが国単位ならもっとだ。
リーズナ先生はそれを実際にしているからね。尊敬したんだよ。
でね、ここは故郷に比べて文明の進みが遅い。
それは緩やかでもいいんだ。でもね、
衛生面に置いては出来れば急いだほうがいい。
下水の話ね。それを、直感で行なおうとしてたんだよ、先生は。
でも、直感だけでは頓挫する。予算が出ていくだけだ。
だからわたしの知っている話をしたの。
わたしでは出来ないし、することもないだろうね。
身内だけなら何とでもなるから。
でも、セサミンも我らが王も抱えている者の人数が違う。
それを守るために補佐する人なんだ先生は。
そこから、どう進むかわからないけど、彼はきっといい様に進めてくれる。
貴重だよ。
あの人は利用できない。懐柔は出来ない。
統治する力とは別のなんだろうか、運営する力を持っているんだろうね。
運ぶ人だ、
ただ、あの人の考えがうまく進むようにしないといけない。
廻りがね。
それがニックさんとヤッチさん?なのかな?
間違うことも多いようだからね。軌道は常に修正しないとね。
話せばわかってくれる人だよ?そして、師匠のように働いている人だ。
わたしは、働いている人が好きなんだ。
だから尊敬できる先生だ。」
「・・・・・。」
「何か言われた?」
「・・・いや。」
「ニックさん?いってごらん?」
「・・・・・。
ワイプは信用できるのかと聞かれた。」
「なんと答えた?」
「棒術使いは昔から信用していないとだけ。」
「うふふふふふふ。
よかった。師匠のことを疑問に思う人がいてくれたことに。
師匠もリーズナ先生のことはあまり重要視していない。
おかしいでしょ?
ニックさんが抜けた20年。
税のことで誰もが顔をしかめる資産院ワイプは何をしていた?
肝心なところでお間抜けワイプだ。
ちがうな、誰もが問題を忘れている。」
「!モウちゃんが言う記憶の改ざん!?」
「どうなんだろうね。
この話、後で師匠とするつもりなんだけど、果たしてそれは必要かどうか。
さっき、ここで、ご飯を食べていったらしいけど、様子がおかしかったみたいよ?
本人に話したからね、面談待機中に。」
「話したの?」
「そうよ?だって、ニックさんが辞めたこと、
軍部の力が低下したこと、ナソニールのこと、
前資産院院長の横領のこと。
知らなかったでは済まされない。
知らないんじゃなくて忘れているんだと思ったのよ。
それをね。」
「・・・。ワイプは何と?」
「ちょっと動揺してたけどね。
もしかして、師匠は何もかも把握しているかもしれない。
それを指摘して動揺したのかもしれない。
いや、師匠だったら、そういう振りかも。
だけど、それをわたしが知る必要もない、今はね。
忘れているっていうのはガイライもだ。」
「え?」
「ニックさん、考えて?そして思い出して?
一番副隊長、実質軍部の一番だった彼が、
王のこと知らなさすぎる。」
「俺だって知らないよ?」
「そこがおかしい。」
王に対して無関心すぎるのだ。
王が絶対だっていうくせに。
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