いわゆる異世界転移

夏炉冬扇

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716:統治力

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「ふーん。
あれか、宣言したもの勝ちかな?ラーゼムみたいに?」
「ああ。コットワッツの草原の話な。
そう考えればいんじゃないのか?」

リーズナ先生でその程度の認識。
いや、ニックさんに話せるのがその程度。
どっちだ?

だけど、王の力はある。
あれが統治者だ。それは分かるな。
統治すると宣言したんだろうな。
かなりがっつりと。
ここでの言葉はそのままの力になるから。
それと、王だからという思い込みもあるな。

怖い世界だ。
そのなかで、ここまで発展しているということは、
すばらしき統治力だ。
おまかせでいいのだろうな。

わたしに関すること以外は。
そう、自分本位だ。
だれのためでもない。
それは、マティスの為でもない。
わたしの為だ。


ここらへんかな?
新年にある王の言葉は。
グラシオル大陸、中央が上位優先順位。


いまは、ニックさんだけがコットワッツの館に来ている。
ガイライは第三軍の調整、タンダードのこと、
ナソニールのこと。
軍部第一副隊長時よりも各方面に根回しで動いている。

妖精の酒ぶちまけ事件の顛末は極秘内容となったらしい。

妖精の言葉を理解できること
妖精の酒をあの2人が隠し持っていたこと

この2つが大問題となった。

最初は余りにも下品な言葉だったので、
意味が違うかもしれないという意見も出たらしい。
が、妖精の言葉を通訳していた人が
認めたのだ。
今までは漠然とそうだろうと通訳していた言葉が、
こちらと同じ意味で聞こえていると。
うまく、妖精を使うつもりはなかったようだ。
理解したまま翻訳していたらしい。
開拓院の?言語部?へー。


「あの2人は前王の血筋だそうだ。
娘か兄弟か?それは知らない。近い血筋だとは聞いている。
前王の横にいつもいた。
が、代替わりになって姿は見なくなった。
今は王よりも発言力があるそうな。
リーズナの話だがな。もともと、王は話さない。
もちろん、傍付きとは話すだろう?
衛生部のダクツとかな。
今回はモウの甘味が無くなったと、メレントに話したらしい。
あれも衛生部だ。
それで、メレントがモウの所で調達というか、
これからも定期的に買えるようにしようという話が漏れた。


王が食している甘味はモウモウ商会から調達しているとな。
で、それが、あの赤い塊の曾孫、モウだ。
サブコとノトンは失敗。
2人が自ら話をすると言ったそうだ。
それであの面談だ。

メレントはかなり落ち込んでいるそうだぞ?
リーズナはその相談を受けて館前で待機していたそうだ。



軍部の話と妖精の話だったな。
王族上位のほとんどが髪をかじられていた。
妖精の酒はほとんど妖精が呑んだようだが、
ほんの数滴、入れ物に残っていたものを奪い取れた。
他にはないのかと石を使っての確認をしたが、
ないという返事。
どうやって手に入れたかも、数ある付け届けの中にあったとだけ。
酒器に入っていたようだ。
酒があるとわかったからな。探索隊も出る。
妖精?大広間に閉じ込めている。
見目がよくても、あの言動ではな。
が、何人かの王族は面倒を見ると名乗りを上げているようだ。
好きにすればいいさ。

モウちゃんことは、やはり優秀なる異国の石使い、
赤い塊の曾孫だという認識だ。
それなりに、石は使えるとな。
それに加え、剣のマティスの妻だ。
マティスも移動ができると石使いだと思われている。
モウちゃんを押さえれば、剣も手に入る。
雨の夜会でタトーロイン卿がモウちゃんを手に入れる前に、
自分達の手駒にしたかったようだ。
娘にする話を断ったことはリーズナにしている。
あいつ、さも、自分がそのように持っていたごとく、
話しやがった!」

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