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ロセツさんが箱のふたを開け、悩むそぶりを見せる。
「ダクツ?それを王に食べてもらうのですか?」
「ええ。それが?」
「そのものが、どんなものかわからないのに?
何かあればなんとする!!
その箱ごと寄こしなさい!!」
「こちらで確認します!」
女2人がうるさい。
「この館での面談中、この2人の行動のすべての全責任は、
わたしに有ります。
それは、中央院統括部部長リーズナ殿の名において
お認めくださっています。
それに、これを食することでなにがあると?
王のお力を疑っているのですか?」
「・・・・。」
「しかし、念のため、先にわたしが。」
と口に入れる。
ここで、ソヤ級の驚きを出すと何のための毒見かわからない。
が、一瞬にして表情を消してしまった。
逆に怖い。
廻りは少し笑っている。嫌な感じ!!
手を上げ、うしろに合図を送る。
一緒に朝ごはんを食べた人たちだ。部屋の隅に控えていた。
あっという間にティーテーブルが運び込まれ、
カンターウォーマーでコーヒーを淹れる。
いや、飲み物はいるとは思ったよ?
けど、いまそれを用意する?
懐紙でチョコを挟み、
銀のさらに置く。
味はいいのだが、形は歪なのだ。
茶色いなにか。
ザバスさんのようにうまく丸くはならない。
チョコがお披露目になったら相談しないと。
チョコなるものを知らないと、え?あれ?となる。
案の定、皿に置いた物体を見て、皆が騒ぎ出す。
そこで、だれも止めないのね。
ここでもそれは何だと止めるものがいてもいいのに。
みんな半笑いだ。
それを食べて王がどうにかなってもどうでもいいんだろうな。
「一口で食べるのがよろしいかと。
その後、コーヒーを。」
「わかった。」
ラーフィングも慎重にそれを摘まみ口に入れる。
恐る恐るだろうか、慎重にかみ砕く。
うつろな目からさらに表情をなくしてしまった。
一番うまくできたミルクチョコレートなんだけど?
喉を鳴らすほどにゴクンと飲み込み、
そしてコーヒーを。
表情は失くしたままだ。
ちょっと目が潤んでない?
ショークリームの時に食べたチョコは表面にかかっていただけ。
塊を食べるのはまた違った感覚だろう。
「いかがでしたでしょうか?」
「・・・・これはいつ売り出すのだ?」
ラーフィングが王として聞いてくる。
王としてだ。
なるほど、応えなくてはという気持ちなるのだな。
「新年にはお披露目できるのではと考えております。」
「そうか。他には?」
「土蜜の菓子でございます。
紅茶が合うかと。」
「そうか。」
ここでまた、紅茶が用意される。
ここで、食べてしまうの?
いいけどさ。
また一つロセツさんが食べて、
残り3つ、お皿に並べている。
全部食べちゃうのね。
そりゃ、お裾分けの砂糖漬けもあっという間になくなるよね。
その間、妖精たちはかなりの至近距離で
ラーフィングの廻りを飛んでいる。
妖精のお守が王の仕事ならちゃんとしつけておけと言いたい。
チョコには興味を示さなかったが、
土蜜の菓子には興味があるようだ。
顔を近づけている。
あのピギャーとクリオネのように額を割って
触手を出すような勢いだ。
が、匂いを嗅ぎ取ったからか、
スッと2人の派手な女2人の後ろに飛んでいった。
酒の匂いがしたが、好みではなかったのか?
ずっと声を出している。
言葉を理解せず、音だけ聞いていれば、
チチチチチと、森の中で小鳥が鳴いているような音だ。
内容は陸鳥と同等で口が悪い。
違う、違う、違う、違う、違う
酒が欲しい、酒が欲しい、酒が欲しい
食べた、食べた、食べた、食べた、食べた
食べてない!食べてない!食べてない!
嘘だ、嘘だ、嘘だ、嘘だ、嘘だ
嘘じゃない!嘘じゃない!嘘じゃない!嘘じゃない!
小型と大型が喧嘩しているような会話だ。
だが、見えているのは大型のみ。
中にいるのが小型?
小型が合体して大型とか?
(愛しい人、怖い)
(そうだね、ちょっと怖いね。売った妖精の酒で
妖精たちを制御するんだと思たんだけど、
あの女の人たちを拠点にしてるよね?
ラーフィングには近づいてないよね?)
(茶か?)
(そうかも)
(ラーフィング?聞こえているね?ここでお茶、緑茶を出してもいい?
わたしが摘んでお茶に加工したものだけど。
いいのなら、もう一度、他はないのかと聞いて?
お茶請けは芋菓子だよ)
「他はないのか?」
「ダクツ殿、もう一つの箱に入っているのは芋菓子です。
それは同じ箱に入っている茶葉で。
少しぬるめの湯で入れてください。
専用の茶器はないのでしたら、紅茶と同じように入れてもいいでしょう。
茶こしも同じ箱に入っています。」
「え?あ、こちらの方ですね。」
急遽懐に移動した箱だが大騒ぎしないのはさすがだ。
箱は竹で編んだものだ。
一気に庶民的になってしまった。
「茶葉もお確かめください。」
ロセツさんは水分無しだ。
さすがに喉は乾くだろう。
また後ろに指示して紅茶セットを運び込む。
湯冷ましを使ったほうが本格的だが、
緑茶は朝ごはんの時に説明しながら入れている。
茶こしの使い方もわかるだろう。
とりあえず温めで煎れればいい。
茶葉を入れたティーポットの湯を注ぐと、
妖精たちは一気に壁際に後退した。
やはりお茶葉の匂いが嫌いらしい。
ちょうどいい。
その壁の一番下に開いている小さな孔に、
妖精の酒を詰めていこうか?
砂漠石の膜の中に閉じ込めたものを。
はじけるまで匂いは漏れない。
わたしたちが退出するのと同時にはじけてもらおう。
芋菓子を食べ、お茶ものむ。
ロセツさんがほっと一息。
それを土蜜の菓子を食べ終えた
ラーフィングにも出す。
チョコ食べて、土蜜たべて、芋菓子か。
がっつりご飯系がたべたいよね。
(そ、そうか?)
(え?ラーメンがいい?)
(ラーメンはがっつりではないのだな?腹がすいたか?)
(うん、もう切り上げて帰ろう)
(ラーフィング?
これで、わたしたちの立場は確定した。
領地管理者で護衛で行商だよ。
呼び出したことはこれでチャラだ。
帰ってもいいよね?
またうまいことやって遊びに来て?
コートもあるし、またご飯でも食べよう。
天ぷらアイスも出すよ。
それと、ここで、
妖精のお酒ぶちまけてすっちゃかめっちゃかにしてもいい?
もちろん、ロセツさんも退場してから。
壁を壊して、言葉もわかるようにできるけど?)
「我らが唯一の王よ。我らが扱う商品をご賞味いただき感謝いたします。
我らは、領地管理者、護衛、行商と、
すべては我らが主の為に、我らが唯一の王の為に、
2人して精進することをお約束いたします。
本日、面談していただいたことまことにありがとうございました。」
「うむ、すべてにおいて素晴らしかったぞ。精進いたせ。」
「「はっ。」」
これで、ラーフィングは退場。
ダクト隊4人が、広げたティーテーブル等をもって一緒に
後ろの扉から帰っていった。
すべておいて、
ということは全部OKということで。
「モウ殿、マティス殿。
これで、王の面談は終わりです。
よきものを頂いたと思います。どうぞ、お気をつけてお帰りください。
リーズナ殿?無事終わりました。
わたしはこれで失礼します。」
ロセツさんも帰っていく。
帰りは送ってくれないのね。
そして、ロセツさんの責任もここで終わり。
あとは頑張って帰ってくれということだ。
面談は終わった。
が、わたしの認識は違う。
帰るまでが遠足、面談だ。
コットワッツ滞在館に帰るまでは、
面談中で最初の言霊が生きている。
ただ、面談中の責任者はロセツさんではなくなったということ。
だれもが、王が帰り、ロセツさんが帰ったと認識している。
また、おなか痛い痛いポーズをして、
ロセツさんをお見送り。
そこから回れ右。
当然、呼び止めや拘束しようものなら己に降りかかる。
「その2人を捕らえよ!!不敬罪だ!!!」
そう叫んだのはサブコだ。
わぁーっと衛兵がサブコに群がる。
サブコ自身も自分を捕らえようと、からだを抱きしめる。
「なにをしている!!あの2人だ!!捕らえよ!!」
今度は誘拐犯だ。
はっと、我に返った衛兵は今度はそいつに。
見ているものはなにも出来ずにただ眺めている。
最初に不敬罪だといった、ある意味まともなリーズナは、
傍付き、優秀なるブレーンの助言でわたしたちには何も言わない。
おそらく2人に関することで石を使われていると助言をもらったのだろう。
「止めないか!!サブコ殿とノトン殿を捕らえようとしてどうするんだ!!
止めるんだ!!」
その声でやっと止まる。
が、2人は己を抱えたままだ。
身を引き裂けとか言わなくてよかったね。
「屋敷にお送りしろ!!」
抱えられて退場。
わたしたちが滞在館にもどるまではそのままだろう。
「止まりなさい!!」
「動くな!この館から出ることを禁じます!!」
女性2人が声を上げる。
「「!!!!」」
なんで、そんなことを言う権利が有ると思うのか?
なんで、そんなことをこっちが従うと思うのか?
動くこともできず、1人はこの館から出ることができなくなった。
話すことはできるのか、
傍のものに何か命令している。
(なんて?)
(この館内で命令はできないと気付いたのだろうな、
外に出てから捕まえろと)
(のぞき窓から覗いてる人たちは?まだ見てるの?)
(そうだな、まだ見てる)
(そっちも質が悪いね)
「では、失礼いたします。」
さくっと無視して一礼。
下を向いたときに小さな声で呟いた。
はじけろ!匂い玉!
くっつけ!のぞきまの頭髪に!!
壁は妖精が触れたところから砕けて、
妖精が発する言葉をすべての者が理解しろ!!
言霊でも何でもない。
攻撃的な望みだ。
なんで?
王をないがしろにしていることにムカついたからだ。
それはどうして?
自分で言ったからだ。
我らは、領地管理者、護衛、行商と、
すべては我らが主の為に、我らが唯一の王の為に、
2人して精進することをお約束いたします、と。
「ダクツ?それを王に食べてもらうのですか?」
「ええ。それが?」
「そのものが、どんなものかわからないのに?
何かあればなんとする!!
その箱ごと寄こしなさい!!」
「こちらで確認します!」
女2人がうるさい。
「この館での面談中、この2人の行動のすべての全責任は、
わたしに有ります。
それは、中央院統括部部長リーズナ殿の名において
お認めくださっています。
それに、これを食することでなにがあると?
王のお力を疑っているのですか?」
「・・・・。」
「しかし、念のため、先にわたしが。」
と口に入れる。
ここで、ソヤ級の驚きを出すと何のための毒見かわからない。
が、一瞬にして表情を消してしまった。
逆に怖い。
廻りは少し笑っている。嫌な感じ!!
手を上げ、うしろに合図を送る。
一緒に朝ごはんを食べた人たちだ。部屋の隅に控えていた。
あっという間にティーテーブルが運び込まれ、
カンターウォーマーでコーヒーを淹れる。
いや、飲み物はいるとは思ったよ?
けど、いまそれを用意する?
懐紙でチョコを挟み、
銀のさらに置く。
味はいいのだが、形は歪なのだ。
茶色いなにか。
ザバスさんのようにうまく丸くはならない。
チョコがお披露目になったら相談しないと。
チョコなるものを知らないと、え?あれ?となる。
案の定、皿に置いた物体を見て、皆が騒ぎ出す。
そこで、だれも止めないのね。
ここでもそれは何だと止めるものがいてもいいのに。
みんな半笑いだ。
それを食べて王がどうにかなってもどうでもいいんだろうな。
「一口で食べるのがよろしいかと。
その後、コーヒーを。」
「わかった。」
ラーフィングも慎重にそれを摘まみ口に入れる。
恐る恐るだろうか、慎重にかみ砕く。
うつろな目からさらに表情をなくしてしまった。
一番うまくできたミルクチョコレートなんだけど?
喉を鳴らすほどにゴクンと飲み込み、
そしてコーヒーを。
表情は失くしたままだ。
ちょっと目が潤んでない?
ショークリームの時に食べたチョコは表面にかかっていただけ。
塊を食べるのはまた違った感覚だろう。
「いかがでしたでしょうか?」
「・・・・これはいつ売り出すのだ?」
ラーフィングが王として聞いてくる。
王としてだ。
なるほど、応えなくてはという気持ちなるのだな。
「新年にはお披露目できるのではと考えております。」
「そうか。他には?」
「土蜜の菓子でございます。
紅茶が合うかと。」
「そうか。」
ここでまた、紅茶が用意される。
ここで、食べてしまうの?
いいけどさ。
また一つロセツさんが食べて、
残り3つ、お皿に並べている。
全部食べちゃうのね。
そりゃ、お裾分けの砂糖漬けもあっという間になくなるよね。
その間、妖精たちはかなりの至近距離で
ラーフィングの廻りを飛んでいる。
妖精のお守が王の仕事ならちゃんとしつけておけと言いたい。
チョコには興味を示さなかったが、
土蜜の菓子には興味があるようだ。
顔を近づけている。
あのピギャーとクリオネのように額を割って
触手を出すような勢いだ。
が、匂いを嗅ぎ取ったからか、
スッと2人の派手な女2人の後ろに飛んでいった。
酒の匂いがしたが、好みではなかったのか?
ずっと声を出している。
言葉を理解せず、音だけ聞いていれば、
チチチチチと、森の中で小鳥が鳴いているような音だ。
内容は陸鳥と同等で口が悪い。
違う、違う、違う、違う、違う
酒が欲しい、酒が欲しい、酒が欲しい
食べた、食べた、食べた、食べた、食べた
食べてない!食べてない!食べてない!
嘘だ、嘘だ、嘘だ、嘘だ、嘘だ
嘘じゃない!嘘じゃない!嘘じゃない!嘘じゃない!
小型と大型が喧嘩しているような会話だ。
だが、見えているのは大型のみ。
中にいるのが小型?
小型が合体して大型とか?
(愛しい人、怖い)
(そうだね、ちょっと怖いね。売った妖精の酒で
妖精たちを制御するんだと思たんだけど、
あの女の人たちを拠点にしてるよね?
ラーフィングには近づいてないよね?)
(茶か?)
(そうかも)
(ラーフィング?聞こえているね?ここでお茶、緑茶を出してもいい?
わたしが摘んでお茶に加工したものだけど。
いいのなら、もう一度、他はないのかと聞いて?
お茶請けは芋菓子だよ)
「他はないのか?」
「ダクツ殿、もう一つの箱に入っているのは芋菓子です。
それは同じ箱に入っている茶葉で。
少しぬるめの湯で入れてください。
専用の茶器はないのでしたら、紅茶と同じように入れてもいいでしょう。
茶こしも同じ箱に入っています。」
「え?あ、こちらの方ですね。」
急遽懐に移動した箱だが大騒ぎしないのはさすがだ。
箱は竹で編んだものだ。
一気に庶民的になってしまった。
「茶葉もお確かめください。」
ロセツさんは水分無しだ。
さすがに喉は乾くだろう。
また後ろに指示して紅茶セットを運び込む。
湯冷ましを使ったほうが本格的だが、
緑茶は朝ごはんの時に説明しながら入れている。
茶こしの使い方もわかるだろう。
とりあえず温めで煎れればいい。
茶葉を入れたティーポットの湯を注ぐと、
妖精たちは一気に壁際に後退した。
やはりお茶葉の匂いが嫌いらしい。
ちょうどいい。
その壁の一番下に開いている小さな孔に、
妖精の酒を詰めていこうか?
砂漠石の膜の中に閉じ込めたものを。
はじけるまで匂いは漏れない。
わたしたちが退出するのと同時にはじけてもらおう。
芋菓子を食べ、お茶ものむ。
ロセツさんがほっと一息。
それを土蜜の菓子を食べ終えた
ラーフィングにも出す。
チョコ食べて、土蜜たべて、芋菓子か。
がっつりご飯系がたべたいよね。
(そ、そうか?)
(え?ラーメンがいい?)
(ラーメンはがっつりではないのだな?腹がすいたか?)
(うん、もう切り上げて帰ろう)
(ラーフィング?
これで、わたしたちの立場は確定した。
領地管理者で護衛で行商だよ。
呼び出したことはこれでチャラだ。
帰ってもいいよね?
またうまいことやって遊びに来て?
コートもあるし、またご飯でも食べよう。
天ぷらアイスも出すよ。
それと、ここで、
妖精のお酒ぶちまけてすっちゃかめっちゃかにしてもいい?
もちろん、ロセツさんも退場してから。
壁を壊して、言葉もわかるようにできるけど?)
「我らが唯一の王よ。我らが扱う商品をご賞味いただき感謝いたします。
我らは、領地管理者、護衛、行商と、
すべては我らが主の為に、我らが唯一の王の為に、
2人して精進することをお約束いたします。
本日、面談していただいたことまことにありがとうございました。」
「うむ、すべてにおいて素晴らしかったぞ。精進いたせ。」
「「はっ。」」
これで、ラーフィングは退場。
ダクト隊4人が、広げたティーテーブル等をもって一緒に
後ろの扉から帰っていった。
すべておいて、
ということは全部OKということで。
「モウ殿、マティス殿。
これで、王の面談は終わりです。
よきものを頂いたと思います。どうぞ、お気をつけてお帰りください。
リーズナ殿?無事終わりました。
わたしはこれで失礼します。」
ロセツさんも帰っていく。
帰りは送ってくれないのね。
そして、ロセツさんの責任もここで終わり。
あとは頑張って帰ってくれということだ。
面談は終わった。
が、わたしの認識は違う。
帰るまでが遠足、面談だ。
コットワッツ滞在館に帰るまでは、
面談中で最初の言霊が生きている。
ただ、面談中の責任者はロセツさんではなくなったということ。
だれもが、王が帰り、ロセツさんが帰ったと認識している。
また、おなか痛い痛いポーズをして、
ロセツさんをお見送り。
そこから回れ右。
当然、呼び止めや拘束しようものなら己に降りかかる。
「その2人を捕らえよ!!不敬罪だ!!!」
そう叫んだのはサブコだ。
わぁーっと衛兵がサブコに群がる。
サブコ自身も自分を捕らえようと、からだを抱きしめる。
「なにをしている!!あの2人だ!!捕らえよ!!」
今度は誘拐犯だ。
はっと、我に返った衛兵は今度はそいつに。
見ているものはなにも出来ずにただ眺めている。
最初に不敬罪だといった、ある意味まともなリーズナは、
傍付き、優秀なるブレーンの助言でわたしたちには何も言わない。
おそらく2人に関することで石を使われていると助言をもらったのだろう。
「止めないか!!サブコ殿とノトン殿を捕らえようとしてどうするんだ!!
止めるんだ!!」
その声でやっと止まる。
が、2人は己を抱えたままだ。
身を引き裂けとか言わなくてよかったね。
「屋敷にお送りしろ!!」
抱えられて退場。
わたしたちが滞在館にもどるまではそのままだろう。
「止まりなさい!!」
「動くな!この館から出ることを禁じます!!」
女性2人が声を上げる。
「「!!!!」」
なんで、そんなことを言う権利が有ると思うのか?
なんで、そんなことをこっちが従うと思うのか?
動くこともできず、1人はこの館から出ることができなくなった。
話すことはできるのか、
傍のものに何か命令している。
(なんて?)
(この館内で命令はできないと気付いたのだろうな、
外に出てから捕まえろと)
(のぞき窓から覗いてる人たちは?まだ見てるの?)
(そうだな、まだ見てる)
(そっちも質が悪いね)
「では、失礼いたします。」
さくっと無視して一礼。
下を向いたときに小さな声で呟いた。
はじけろ!匂い玉!
くっつけ!のぞきまの頭髪に!!
壁は妖精が触れたところから砕けて、
妖精が発する言葉をすべての者が理解しろ!!
言霊でも何でもない。
攻撃的な望みだ。
なんで?
王をないがしろにしていることにムカついたからだ。
それはどうして?
自分で言ったからだ。
我らは、領地管理者、護衛、行商と、
すべては我らが主の為に、我らが唯一の王の為に、
2人して精進することをお約束いたします、と。
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