いわゆる異世界転移

夏炉冬扇

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662:領外

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「ここは水が豊富にあったんだ。
うまいきれいな水。コットワッツの砂漠の変動で枯れたんだよ。」
「水脈がずれただけだ。探せばあったはず。」
声が出てしまった。

「探す?どうやって?」
「領主にでも頼めばよかっただろう?
領主は水を探せるはずだ。」
「あはははは!領主の力か?
俺たちは領民じゃないんだよ!そんなこと頼めば
金をとられるだろうが!」
「頼まなかったから命を取られたんだ!
取られる税金と命を天秤にかけて、
取られる税金が惜しいと思ったから、
あんな小さな子供も死なせてしまったんだ!」
「違う!違う!!」
「どこが違うんだ?
どれだけ、金をとられるんだ?
それほどタフトの領主は極悪非道なのか?
頼れよ!今現在領主と名乗れるのなら、あれは領主なんだ。
領主の仕事するから領主なんだよ!
民を守り民の生活を豊かにするのが領主だ。
なにもタフト街道だけがタフトの産業じゃないだろ?
うまい酒ができるんだ。それを売り込めよ!
それでも理不尽なことをいうのなら天秤院に駆け込めよ!
動けよ!酒を造るんだろ?
水は見つかったのか?ここを離れて探せなかったのか?
強盗のまねごとなんかしないで動けよ!
ニバーセル王も楽しみにしてるんだぞ!!」

ラーフィングもそれは楽しみだと言っていた。
日本酒もうまそうに飲んでいた。
彼のささやかな望みをかなえてやってくれ。




「ちょっと落ち着きなさい。
あなた方も。
納税というのはなにも領民から搾取するということではないんですよ?
それでも不安ならば、王都資産院を尋ねなさい。
そこからタフト領主に話を持っていってもらえれば、無茶なことはできない。
もうすぐ、臨時会合があると聞きます。
タフトの領主も王都に出向きます。
今から飛ばせば、間に合うでしょう?
資産院ツイミ殿を尋ねなさい。
彼は、領外を経験していますからね。
あなた方の苦労は分かってもらえますから。」
「・・・・。
子供がいたんだ。小さな。
服を着せて、甘い飴玉を持たせておくったから。
女の人には髪を飾った。
男の人には酒を持たした。
もちろん、皆にはアーリアの水筒で水を持たせた。
事情も知らずに勝手なことを言ったかもしれない。
ただ、頼ることは悪いことじゃない。
何人かは別の集落に移動したんだな?
そこは?
水は出たのか?食料は足りているのか?
今年の雨の日は長いと予報が出ている。
その準備もいるだろう。
領主だってもっと早く言ってくれればときっと思っている。
領民が飢えるなんぞ一番恥ずかしいことだから。
それまで、持つか?
いま、米とチャクと肉類はあるんだ。
行商だから。
只より高い物はないというなら手付で置いていこうか?
もともとここの酒を買いに来たんだ。
新酒ができたらそれを売ってほしい。
それでどうだろうか。」
「・・・・水は出たんだ。もっと早く探せたらと思う。
領主に頼みに行く前に、いろいろあったんだ。
雨の日の後でまた変わるかもしれないけどな。
それでも、探せる。
分かってる。間に合わなかったんだ。
動くのが遅かったんだよ。
酒造りもできる。
ただ、それは雨の日の後だ。
雨の日まで持たない。
今度は領主に直接話してみる。それでだめなら、
王都に、資産院に行ってみるよ。」


領主に話をしに行く前に、
あの強盗ごっこをやらないかと誘われたのか?
あの男か?名前は忘れたけど。
タフト領主はあんなことはしないと思う。

少し移動したところにここよりも質素な集落ができていた。
ある程度地面を掘り、
湿った土が出ればあのポンプを刺したそうだ。
そこからくみ上げる。確実に水を探せるそうだ。
数か所候補を探し、一番水量の多い場所に井戸を掘った。
これで、水の心配はない。




持ち出したという酒と交換した。
その酒は次に造るときに必ずいる大切な酒だとか。
「え?それを売ったらダメなんじゃないの?」
「いや、まだあるから。
それに、この酒はあの土地の水で作ったものだ。
違う土地、違う水で作れば違う酒になる。」
「じゃ、ますます貴重じゃないの?」
「ああ、だからもらってほしい。
これ以上にうまい酒を造るから、必ず。」
「そうなの?じゃ、遠慮なく。」

バッカスの石でまた出せるから、
少しだけ飲んじゃおう。
あの場所にあったのはうまく発酵できなかったものらしい。
では野盗たちはそれを飲んでいたんだな。
いい気味だ。


子供も数人いた。
飴をあげようね。
この子たちが生き延びて、あの子は死んだのだ。
親はやるせないだろうな。



「死んだものは俺の家族だけだ。
領主に話をつけに行っている間に、無理をしたんだ。
結局は話もできずに間抜けなことをしただけだったんだがな。
他のもんたちも自分の家族を守るので精いっぱいだったんだ。」



あの3人組のリーダー格が話し始めたのだ。
頭に血が昇る。

「あんたが長だったから、皆を助けるために外に出たんだろ?
だったら、待ってる間にどうしてみんなで助け合わなかたんだ!
そんな奴らのために戻って水を探したのか?」
「・・・驚いた。
あんたがそんなことを言うなんて。
逆に俺の家族だけでよかった。」
「そんなきれいごと!
そんな理不尽なことが許されるものか!」
「そんなギリギリになるまで判断できなかった俺が悪いんだよ。」
「悪くない!何言ってんだ!
そんな薄情者たちなんか面倒見る必要なんかない!!」
「ああ、違うんだ。本当にギリギリだったんだよ。
俺の家族も頑張ったんだ。もちろん、みんなもだ。
少ない水を皆に分けてな。俺がただ間抜けだったんだよ。」
「・・・誰が、お前たちをそそのかしたんだ?
誰がコットワッツ領主一行を襲えと言ったんだ?」


あれはただ、
こっちの手の内を見るだけのためにこの人たちをそそのかしたんだ。
酒のことなぞどうでもよかった。
もっとどうしてこんなことをしたのか問いただせばよかった。
間に合ったかもしれないのに!!


「・・・・やっぱりあの時の護衛だな?赤い塊のモウ?」
「そんなことはどうでもいい!誰が言ったんだ!」
「愛しい人、落ち着いて。」
「間にあったかもしれないんだ!
あの子が死なずに済んだかもしれないんだ!!」
「それは今となっては分からない。
死んでしまったことは変えられない。きちんと送っただろ?
できることはそれ以上にないんだ。」
「剣のマティスだな?コットワッツ領主はさすがにいないな。
あの後な、あんたが頼んだんだろ?あの名前は言えない老人にな、
金と米といろいろもらったんだ。
あのポンプも。感謝している。そう言ってくれないか?
新年には名を呼べると。
あの金がなければ皆死んでたよ。
だけど、野盗が来てな。
雨の日前に持ち出すつもりだった非常食を取られたんだよ。
やはり、領主に相談しないといけないって。
野盗の様子を見に来たんだ。
そしたら煙が上がっていたから。
あいつらが火をつけたんだとおもって。
送ってくれてありがとう。
何も埋めてやることができなかったんだ。
喜んでいると思う。
ありがとう。
悪くないと言ってくれて、ありがとう。」



─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘


私たちがコットワッツの護衛だと気付いたので
あとは隠すこともない。
詳しい経緯をワイプが聞いている。

愛しい人は気を落ち着かせるようにと、
ニックに指導してもらっている。

子供が死んでいることが許せなかったのだろう。
あの時の自分の動きを悔やんでいるのだろう。
できることはしていた。
その気持ちの持ち方を教えてもらっている。


「悔やむのもいい、後悔するのもな。
俺もそうだ。
だが、それを外に出していたらダメなんだよ。
なにも感じるなとは言ってないよ?
出してはダメだ。
それとな、人の心の中にも入っちゃだめだぞ?」
「・・・・。」
「無意識なんだろうな?
気を付けろ?それを利用されるぞ?」
「はい。」


愛しい人が下を向いている。
ニックとの手合わせのことだな。
心の中?
ニックの中に入ったということか?

愛しい人は話が終わると私に抱き付いて来た。


「気持ちが疲れたな。
あなただけに送りをさせたことが負担になったな。
みな、経験はあるんだよ。
ワイプもな。
友と呼べずとも、
ついさっきまで一緒に話していたものを送ったこともある。
あなたはないだろう?母君だとて、その仕事をする方々に頼むんだな?
それをきれいとは言えない状態でさせてしまった。
すまない。」
「ううん。慣れていくから。大丈夫。
それがここでのことならね。
ただ、慣れてなかっただけ。
慣れていくのも良くないと思うけどね。」
「少し体を動かそうな。あの野盗共ではダメだな。
私と軽く手合わせするか?それで、ゆっくり風呂に入ろう。
ひと眠りすればもう大丈夫だ。最近は不規則だからな。」
「うん。おなかもすいたね。
外で鍋にしよう。蛇鍋!」
「いいな。そうしよう。」

酒造りの集落から街道近くまで、
予定通り地面を蹴り、
愛しい人とニックが攻撃を仕掛けてくる。
私とワイプは防戦一方。
ニックの後ろに愛しい人が重なりながら攻撃してくる。
ニックにはいいが、愛しい人への攻撃は禁止。
その攻撃を受けると、
すかさず、ニックが来る。
こちらも、ワイプとお互いを踏み台にしてニックに打って出る。


「良し!飯にしよう!!」


蛇鍋はミソ仕立てだ。
愛しい人のお気に入りだ。
食べ終わった後は射撃の練習。
コツさえ覚えれば、かなりの命中率になる。


「あとは動いてるものに対してかな?
これは、わたしも偉そうなことは言えないんだ。
パターンを覚え込めばできたから。
でも相手は人だからね。対人経験がものを言うと思う。
なんせ、そのひとが動くであろう場所に撃つと。
着弾速度を予想してね。
風も考慮されるし、その日の気温も関係してくる。
これは物語の受け売りだけど。」
「2発必ず撃つってのは?」
「それも受け売り。着弾率が上がるからね。」

愛しい人はあのジイとは別に
ジイと冠する者の話をしてくれた。
そんな話を聞けは、ドーガーが銃に、銃撃に恐怖するのも納得だな。



─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘

寝る前のグダグダ話をしていると、
ガイライから連絡が来た。


(モウ!スクレール、いや、タンダードの実家に火が!)
(え?)
ガイライの傍に移動すると火の手が上がっている館があった。

『火は消えろ!』

「ガイライ!中にだれかいるの?」
「分からない!死んだものは音を出せない!」
「愛しい人!ハニカの石が呼んでる!」
「ガイライ!館内を探しだせ!モウはハニカのところに!
ワイプは資産院に連絡、
マティスはこいつらの相手を!」

すぐに追ってきたニックさんの指示で動く。
ハニカさんのもとに。




「ハニカさん!うわなに!せまっ!!!え?煙?火!!」

狭い!
慌てて外出るとキャンプファイヤーの作業中?


『消えろ!』



6人ほどがわたしに気付き向かってくる。

「お前たち!いい根性してるじゃないか!!
かかってこいや!!」

ごろつきでもない。
訓練されている者たちだ。
大会に出ていたわけではない。
軍部でもない。
隠密、暗部でもない。
貴族お抱えか?

(ここは王都。殺さずで)

師匠の指示が来る。
冷静に、全体を。


「ふー。」
終わればすぐにマティスたちがやって来た。

向こうも終わって、館には誰もいなかったと。

ガイライが白馬車の中にいる皆に声を掛けている。


「いい動きだったぞ?」

ニックさんとマティスに褒められる。
人殺しの手法を褒められる?
いや、動きだ。
制圧できるというのはいいことだからね。



馬車からはあの馬、ケースとハニカさん、可愛らしいご婦人と、
タンダートだ。
あははは!親子そっくり。
タンダートは両親のいいとこどりだな。


「モウさん!」
「ハニカさん!ごめん!
火はつかないけど、煙は入ってくるよね。
それは改良しておくから。
ケースも偉いね。狭かっただろ?
どう?いいの?お水飲んどく?」

どう?というには肉はいるかということ。
大丈夫だというのでお水だけ。


「ハニカさんたちも。
休憩、水分を取ってください。そちらのご婦人も。椅子を出しましょう。」
「モウさん!妻と息子を紹介させてほしい!」
「ご家族でしたか!
初めまして、コットワッツ領国、モウモウ商会のモウと申します。
ハニカ殿にはわたしどもの商品を王都に広めてもらう
とても重要な仕事していただいております。
ああ、こちらはわたしの夫です。2人でモウモウ商会です。」
「マティスです。ハニカ殿にはとても世話になっています。」
「ま!なんて素敵なんでしょう!
ハニカの妻、リガーナです。これは、わたしたちの息子、タンダートです。
ほら、タンダート?ちゃんご挨拶できるかしら?」
「は、母さん!わたしは、彼らよりはるかに年齢が上なのですよ?
子供みたいなこと言わないでください!」
「ま!これが噂に聞く反抗期かしら!」
「母さん!!」
「なーに?」
「あははは!さすがですね。
母というものはそうですね。いつでも子供は子供です。
わたしの母もそうでしたよ?」
「ま!モウさんの母君はお元気なのですか?」
「ああ、かなり昔に石となりました。
最後まで、わたしは小さな子供でしたよ。」
「そう。それは仕方がないわね。だって、子供ですもの。」
「ええ。」
「では、モウさんのお子さんは?」
「一人。自慢の息子がいますよ。
ガイライ!ガイライも皆に挨拶をしておくれ。」
「ガイライです。ハニカのご家族なのだな。
そして、タンダート、久しぶりだな。」
「ん?こちらと知り合いなの?」
「ええ、そうですよ。タンダートは友人です。」
「そうなんだ。じゃ、リガーナさんとわたしはママ友ですね。」
「?なんですの?ままとも?」
「子供が友人同士なら、その母親同士も友人というものですよ。」
「ま!素敵!ハニカ!わたし、モウさんとお友達よ?すごいでしょ? }
「おお!すごいな!」

「なんだなんだ、このやり取りは?」
「母が喜んでいるからいいのでは?
で?どういうことだ?」

ニックさんもハニカさんと話をしている。

「ハニカ!元気そうだな。
こっちに戻ったのに、顔をだせなくてすまんな。」
「ニック殿!ニック殿にも紹介しましょう。
妻のリガーナと息子のタンダートですよ。」
「ああ、奥方もきれいな方だし、息子も立派だな。いいな、ハニカ。」
「ええ。ええ。」

後始末を終えた師匠がやって来た。
火が出たのだ、資産院オート院長もやってくる。
火の不始末は資産に直結するからだ。


「リガーナ殿。ご無事でしたか!」

オート院長だ。

「あら!わたしの名前はリガーナだけど、
あなたが言うリガーナではないと思うわ。
わたしはハニカの妻、リガーナです。」
「・・・。よろしいのですか?
この火事騒ぎでここのスクレール家の当主が死んだことになります。」
「いいのでは?権利は息子に行きます。息子が申請しなくてもね。
そうそう、ここの当主と顔見知りなの。
これを、資産院に渡すように言付かってますよ。
リーニング家への貸付の権利です。
あとはちょっとややこしいところへのね。
リーニング家の分は半分すぎても何もなかったので、
倍になってるはず。
10万リングね。それの利息は月に2割よ。
その契約石を資産院にと。いままで無事に過ごせた礼だといってました。
これは伝言です。
いままで良くしていただきました。ありがとう。」
「わかりました。
ワイプ!スクレール家、リガーナ殿は遺体も残らず焼死、
廃家手続きを!」
「わかりました。」
「リガーナ殿、いえ、リガーナさん。
タミナが悲しみます。」
「そんなことはないわ。下町のハニカを訪ねてきて。
いつでも歓迎よ。」
「ああ!そうですね。噂の白馬車。わたしも乗ってみたい。」
「ええ。ぜひいらして!ね!あなた!大歓迎よね!」
「オート様、お待ちしています。」

知り合いなのね。
タミナ?彼女さんかな?
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