いわゆる異世界転移

夏炉冬扇

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650:死因

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ちょうど、まったりといろいろ終わった時に連絡が入りました。

(モウ?マティス君?今、18門外です)
(お疲れ様です。その声、いい感じですね?)
(ください!甘味!それとご飯です!!)


そういえば、朝ごはんも、昼ご飯も食べていない。
大問題だ。



皆のところに移動すれば、
ジュリエットはまだお昼寝。
砂漠石を使ったのか、わたしには死んだように思う。
気配と心拍音がわからない。

「空気孔空いてる?」
「孔というか、膜ではないんですよ。
タンダートの廻りという括りで。
なので、近づけば、その範囲に入ればわかります。
膜はできませんでした。」
「そうか、砂漠石をそこま変形はできないか。
その範囲を狭間める練習をすればいいんだ。さすがだね。」
「ありがとうございます。」

寝ろと望んだのはマティスなので、
マティスが起きろというまで寝ている。もう少し寝てもらおうか?
起きたときは疲れは取れていると、その願いは掛けてやろう。




「それで、どうでしたか?」

先に食事はすませた。
簡単にラーメン定食。
ラーメンとギョウザ、チャーハンだ。で、唐揚げが付く。
簡単というが、収納しているからだ。
麺はその場でゆでるが。

簡単でいいので、ラーメン定食!なんて言われれば、
全料理人につるし上げになるだろう。


「予約が500。持ってきているのは300ということで、その分だけ。」
「500にすればいいのに。」
「それをだせば、もっと持っていると思いますよ。
500というのはかなり多めに言ったはずです。嘘を言ってるのはありありと。
わざとだとおもいますが。」
「でしょうね。」
「それで、この取引で最後ということに。
元からトリヘビが1匹、到着後すぐに1匹。
途中抜けましたが、また戻ってきました。
店を出てから、2匹でわたしたちの匂いを確認したようです。」
「では、向こうにはあなた方を特定できると?」
「匂いの偽装はやってみましたが、どうでしょうか?
ビャク的にはそれをやれると
商売あがったりだという雰囲気のことは言われましたが。」
「・・・・商売。そうですね、商売ですね。
彼、彼らこそが悪徳だと最近思うのですよ。」
「いや、それは師匠でしょう。どうします?塩屋さんには新たなお店屋さんを
開拓すると伝えましたが?」
「さすがにワイプ商店はまずいでしょう?
彼にしてもらいましょうか?」
「ジュリエット?ロミオとジュリエットの店!いいですね!!」
「え?ロミオってだれ?」
「おおー!ローミオ!あなたはどうしてロミオなの!ぶはははははは!!!!」

ウエストサイド物語がロミオとジュリエットの現代版だとは知らなかった。
クールのサビの部分しか知らないんだけど。


「大丈夫か?愛しい人?」
「うん。大丈夫。ロミオはジュリエットの恋人だね。物語の人。
で、ジュリエットはそれを承諾すると?」
「まだ、話せてませんよ。先に甘味ください!」
「うふふふ。できたんだ?ガイライもニックさんも?」

にやりとわらってる。
飛ぶまではいかなかったのか。飛べれば大騒ぎだ。
ジャンプ力が高いから、体をひねることはできる。
そこに壁があれば、威力はさらに増す。

そうなると、師匠は甘味を、
ガイライとニックさんは焼酎で宴会。
晩御飯には早いんだけどな。

酔っ払い3人衆と鍛錬となってしまった。
酔っても素面でもここでは強さに関係ないのか?
この3人だからか?


先にわたしとガイライとで拳術の連携。相手は残り3人。
棒と、剣と、槍とでだ。
懐に入れば有利と言われたが、入れたらな!
そこはさすが、ガイライ。
主と臣ということで、舞でもなく、連携が取れる。
なかなかに良かった。

「ああ、我が主。世界を目指しましょう!」
「いいねー。」

これがいけなかった。
それは自分とだと。
マティスはもちろん、師匠もニックさんも。
それぞれと組んで、その他と対戦。
これがまた、きつい。

わたしの体力限界3歩手前ぐらいで、
ガイライが抜け、ジュリエットと話をすると。
その後は、やはり、舞まで行かなかったニックさんとわたしの槍術、
マティスと師匠の棒術、その手合わせ。

ニックさんの教え方はいい。
その通りに体を動かせばいいからだ。
そして、その後、自分で考える時間をくれる。
それを見ながら、わたしに合った方法を探してくれる。

師匠のは理論的に、自分で答えを出して動く。
マティスは見て取り込む。

教え方もそれぞれで、覚え方もそれぞれ。
最終的に自分の物になればいい。





─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘


「またか?今度は寝ていた?」
「そうなるな。腹は減ってないか?便所はそっちに。
飯は皆で食べよう。」
「お前の母が戻って来ているな。あれに捧げたのか?」
「そうだ。わたしは、主の臣であり、母の息子だ。」
「誰にも捧げないと思っていた。」
「わたしもだ。お前は出会えたのか?主に?」
「わからない。が、迷っている間は主ではないのだろうな。
これが、この仕事が済めばはっきりする。」
「そうか。
ああ、先に、主からの伝言だ。
監視の目を欺く以外にあのような殺気を放てば、
プニカではなく血の海に沈むと思えと。
で、これは母からだ。あの赤いのはプニカのシロップ漬けだ。
飯前に食いすぎると叱られるぞ?」
「・・・血の海。恐ろしいことを言う。
プニカなのか?腹下し?これ、食べていいのか?」
「お前にくれたものだ。わたしは、そこまで甘いものは単独ではいらない。
ぱふぇはいいぞ。甘味を食べて泣くとは思わなかった。」
「泣くのか?食いもので?
確かに、昨日の飯と酒はうまかったが。泣くのか?」
「泣くな。あと、ミーキを食べても泣いた。」
「ミーキ!!あれを食ったのか?それは泣く!」
「いや、たぶん違う意味だろう。
今日は何んだろうな。ミーキを頼んでみようか?」
「・・・・。目が覚めて、そのまま懐かしい友人の再会だ。
途中で戻ってきた、あれが資産院のワイプだな?
外にはニックだ。近くにいた男はムムロズだ。
かなり昔の資産院だったんだろ?
どうなっている?最後に戻ってきたのは?
マティスと呼んでいたな?剣のマティス?」
「そうだ。モウ、母の伴侶だ。
先に話しておくが、彼は緑の目だ。対象はモウとモウの望むすべてだ。
あのロミック隊長と同じだ。気を付けろ。」
「緑の目?」
「そう見えないようにしているだけだ。」
「そんなことができるのか?」
「詳しくはしらんし、知ることもない。」
「嘘かもしれんだろ?」
「あはははは!そう思うんならそう思えばいい。
しかし、緑の目だとすれば、マティスの動きに納得がいく。」
「ロミックはどうしている?」
「お前が辞めて、彼もすぐに辞めた。
あとの噂は聞かなかった。南に行くとだけ。」
「そうか。」
「剣のマティスは分かる。その、モウ?赤い塊のモウ?あれでか?」
「そうだな。そろそろ終わりだろう。」

─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘


「ダメだ!」「ダメです。」
「どうして?あと少しなんだぞ?本当にあと1日だ。
その間、常に槍を持っているだけだ。
で、常に俺と手合わせな。
なにがダメなんだ?言ってみろよ?」
「「・・・・。」」
「気に入らないだけだろ?槍持ってるのが?
俺とずっと手合わせしてるのが?
いやだねー、ほんと、心が狭い。」

(ニックさん?そういう時はケツの孔がちいせー野郎だっていうんですよ)

「ぶはははははは!!!」

ニックさんは意外とこういうのが弱い。

「愛しい人?いま、ニックとだけ話したな?石を使って?
それをすると私には聞こえないんだ!禁止だ!」
「そうなの?
でも、マティスだって、師匠とだけでお話してるでしょ?
石を使わずに!それは??」
「愛しい人には必要ない会話だからだ。」
 「んじゃ、今のはマティスと師匠には関係ない話だ。」
「ほら見ろ!ニックと付き合いが長くなると、
心がひねくれるんだ!槍使いは皆そうだ!」
「棒遣いよりましだがな。」
「もう一度手合わせしましょうか?」
「おなかがすいたよ?
槍は今の感じで物にしたいからニックさんの言う通りにしていいでしょ?
そこからまた、剣と棒と、拳と鍛錬を積み重ねていくから。
今は槍だ。ね?」
「・・・愛しい人がそういうのなら構わない。」
「・・・槍の癖をつけないように。それだけですよ?」
「はい。師匠たち、ありがとうございます。」

「ガイライ!お待たせ!
おなかすいたね!んーと、タンダートさん?
初めましてでいいよね?
モウと言います。息子がお世話になっております。
仲良くしてやってくださいね?
この子はほんと、繊細な子で、ちょっとしたことに悩んじゃうから、
母さん、心配で心配で!
でも、タンダートさんのような人がお友達だと母さん安心だわー。」
「か、母さん?それはなんか、恥ずかしいのですが?」
「だろ?母というものは子供の友達に対しこうなんだよ。
なんでそんなこと言うのか分からなかったけど、あれだ、
子供の友達を見定めてるんだ、
どういう態度をとるかでね。でも、んー、これはどうなんだろう?
さすがにわからんわ。」
「?」
「ん?だって、タンダートさん、死にかけだよ?笑い死に?
死因TOP3だね。」

「ぶははははははは!!!
かーちゃんだ!かーちゃんだ!まさしくかーちゃんだ!!」

タンダートさんは貴族ではないの?

「タンダート、やめてくれ。
なぜかわたしが恥ずかしい。」
「ふはははは!そうだな、それは分かるよ。
ああ、タンダートです。ガイライには軍時代、
わたしのほうが世話になったんですよ。
貴族と言えど、母は下町出身でしたので。
此度のこと、あらためて礼を言いたい。
ありがとうございます。これで、自由に動ける。」
「礼は結構ですよ。きっと、駆け引きの応酬となる。
その前に、まずは腹ごしらえをしましょう?
海鮮は堪能できましたか?じゃ、お肉?」
「モウ?ミーキはありますか?」
「あるよ?そうだね。それにしようか。
すぐに出せるよ。う巻きとお汁だけ作るね。」


お風呂は後だな。
きれいにだけして、う巻き、肝吸いを作ろう。
お米と乳と卵は仕入れないといけないな。




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