いわゆる異世界転移

夏炉冬扇

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617:不評

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「ハシ?これは少し難しいですね。こうですか?」
「ええ。でもわたし、最後の方はスプーン使いますよ?
たれといっしょになったごはんは滑りますから。
ん!おいしく揚がったね。カリっとして、サクサク!」
「これはおいしいですね。この赤いのは?」
「かまぼこ。魚のすり身ですよ?
これ、わさびをつけてもおいしい。
お酒のあてにピッタリです。」
「これ、メディングが気に入ってましたね。」
「こういうの好きなんですね。練物すきなのかな?おでんとか喜びそう。」
「わたしも好きですよ?」
「じゃ、たくさん作らなきゃ。高級なものはご進物にも喜ばれますからね。
紅白でつくろうかな?
天ぷらは?どうですか?」
「この米の上に乗せるものはみなうまいですね。」
「丼物はいいですよね。
天丼、かつ丼、豚丼、海鮮丼、うな丼、牛丼、親子丼もいいですよ?」
「牛?ボットのことですよね?親子?なにが?」
「卵と鳥肉です。親子でしょ?」
「親子、なるほど。」
「かまぼこと卵の木の葉丼っていうのもありますよ?
名前の由来は知らないですが。」
「作ってくださいね。」
「ええ。」
「カリク殿?どうです?この2人が作るものはうまいだろ?」
「ええ。うまいですね。どれもこれも初めて食べるものだ。
この年で!ここにいて!聞きたいことはやまほどあります。
が、冷めないうちに食べないとだめなんですね?」
「もちろん。」
「これは?」
「それは赤根を豆ソースに付けたものです。箸休めです。
ニックさん、好きな味でしょ?」
「わかるか?」
「これで、お酒飲めるもの。」
「!!そうだな!赤根か。いいな。まだある?」
「樽で作ったから。この味でいいならおすそわけしますよ?
赤粉掛けてもいいですよ?ちょっとだけね。」
「ははは!トックスも喜びそうだ。」
「塩分控えめにしてるけど、こればっかり食べたらダメですよ?」
「うまいものだらけだからな、少しずつたべるよ。」
「ガイライは?ダメなものはない?」
「これ?ミーキですよね?また違った味だ。うまい。」
「ね!おいしいよね。魚の天ぷらとか、フライとかいいよね。」
「?」
「高温に熱した油の中に食材を入れるんですよ。
そうすると中に火が通ります。周りに衣をつけてね。
天ぷらは小麦粉を卵で溶いています。フライは小麦粉、卵、パン粉です。
油はキトロスの種を絞ったものとごま油です。」
「芋の時はごま油は使わなかったな。」
「ポテトチップの時はそうだね、ごま油はおいしい匂いが強いから。
こういうものは半々ぐらいで、
食材そのもののときは入れないほうがいいみたい。」
「お売りいただけるのはこの料理?
それとも。そのキトロスの油?
この氷は冷凍庫ですよね?コットワッツに大量に発注を掛けていますよ?
このミーキの食べ方?
くずエビがここまでうまいというのも驚きだ。
かまぼこ?赤根のつけたもの?
どれもこれも素晴らしい。」
「ありがとうございます。でも、これらは売り物じゃないんですよ。
お口にあってよかったですよ。えっと、甘味は入ります?」
「甘味?アイス?プリン?」
「どちらでも。」
「アイスを。」
「では、バニラアイスと抹茶アイスを。」


本格的なアイスだ。
アルウスという香辛料はバニラの香りにそっくり。
そして結構お高い。
解毒剤らしい。これを水に溶き飲んではく。
吐くだろう。香りがきついから。
バニラビーンズの大きい版。
1粒が正露丸サイズ。これの十分の一でいい。
すり鉢で丹念に細かくした。
抹茶も揉み作業を省いて即乾燥。それを細かく。
すり鉢も売れるかもしれないな。
お茶葉はほうじ茶。アイスの横には塩昆布もつける。
これがいいのだ。


・・・運動しないと太るというのだけはわかる。


「このアイスもおいしいですね。」
「子供たちにはちょっと不評でしたよ?」

出発前にバニラと抹茶、味見はしてもらったのだが、
抹茶よりバニラの方が100倍おいしいとソヤたちに言われた。

「先に食べさせたんですか?
そういうときはわたしも呼びなさい。」
「はーい。」


セサミンのところにも持っていたんだが、
子供たちには不評だろうな。

今から行ってくるねと挨拶をしたら、
セサミンはそれはもう、かわいらしくもじもじしていた。
会わずの日に、今まで以上に奥様達に愛されたのだろう。
女子会はそんな話ばっかりだったから。


けっこうたくさん食べたので、おトイレに行きたい。
ここで、ちょっと席を外しますというのは問題なのだろうか?
お便所貸してくださいというのも失礼なのかもしれない。

(ニックさん?お便所行きたいんですがどうしたらいい?)

「ぶっ!」
「ニックさん!!」

笑うことないじゃないの!

「いや、ああ、すまない。マティス!気を飛ばすな!
えーと、カリク殿?便所かしてくれ。」

そのまま!


「これは気付きませんで。ご婦人が居られるのに。
ご案内します。」

あれ?わたしだけ?

「私も行くから。」
「うん。え?皆はいかないの?
ほんと病気になるよ?」
「そうか?じゃ、皆で行こうか?」


そういうことで、ゾロゾロと、中に。
よかった外じゃないんだ。

野外では経験済みだ。
しかし、建物の中は?
したことない。


「こちらです。」



部屋の中は結構広い。
しゃがむ方式は変わりない。
が、水桶があって、終了後水を流すようだ。
一応水洗トイレといえる。

うちではこの方式を使っていると、
弱冠、自慢げに言われた。
だからだろうか、臭くはない。
余程おおきなところにためているのだろうな。
それとも、水だけ漉してるとか?
お尻を拭くのはやっぱり葉っぱ。
もしかして、絹地とかだったらどうしようかと思った。
変なところで安心する。
が、個室なんだから、家にかえる?
いやいや、なにごとも経験。

うん、すっきり。
ズボンを持っておかないといけないのが難儀したが。

水で流すけど、手はどこで洗うんだろうか?
洗いながら流すのかな?

夜のお店にいって、お手洗いを済ますと、
きれいなお姉さんが外で熱いタオルをもって待っててくれる。
なかでもあらったけど、また、手を拭く。
サービスだと思っていたが、
よくよく考えると、
手を洗ったかどうか目の前でチェックしていたということだろうか?


扉の外にでると、もちろん、ホットタオルのサービスはない。

「愛しい人?水は2回流したのか?」
「え?手を洗うんじゃないの?」

あれ?音は聞こえてるの?
はずかしい!!

「いや、水の音だけ。
手か。そうだな。普通は洗わない。
それにその流す水はきれいなものでもない。」
「あ、ダメ。”きれいに”。
んー、わたしが気にし過ぎなのかな?」
「これで拭きなさい。」
「おお!イケメンサービス!」
「?」

マティスにタオルを出してもらい、それで拭いた。
桶の取手だって汚いと言えば汚いな。
気にしすぎるときりがないけど、
終わった後はきれいにしておきたい。
ほんとは石鹸で洗いたいけどね。

カリクさんが不思議そうに見てる。
ん?別にお尻をふくのを失敗したわけじゃないよ?
それを説明するのも恥ずかしいな。

もんもんとしているあいだに、
マティス、ガイライ、師匠、ニックさんと済ませてくるので、
出てきたら、わたしがタオルを渡していた。

「すっきりするわな。」
「ああ、そういうことですか。」

やぱり勘違いしてたんだ!
いや、待てよ?
じゃ、いままでは手を洗ってなかたってことだよね?
・・・・。
そりゃ、伝染病なんかがでれば死人が出るのもうなずける。

カリクさんも、ではわたしもと入っていった。

「お使いください。」
「これはいいですね。タオル?少し小さめ?」
「そうですね。手を拭く用途なので。
普通サイズが8銀貨、これはこのサイズで、
すこし薄めなので、2銀貨です。
ここに、刺繍いれることもできますよ?
これは50枚からの注文です。」
「それはいいですね。それが今回の?」
「あ、いえ、これは面白い商品ではありません。
注文書は置いておきます。
やり取りはどうか、コットワッツと直接どうぞ。」
「では、その面白い商品をお見せいただきましょうか?」






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