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498:納税額
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「報告願います。」
「・・・それは貴殿がよくご存じのはずでは?」
「はははは!
知っていれば、再三スホーム殿にお聞きしてお怒りを買うこともなく、
職を失うこともなく、いま、あなたの席の横に座っておりますよ。
ナソニール領主代理ダボール殿。」
「・・・知らんな。」
「そうですか。では、なにかしらの収入はあったと。
それの記載漏れということで?
ただ、収入がありそれを支出したということでよろしいですか?」
「・・・そうだ。それでいい。」
ばっか!馬鹿が目の前にいるよ!
ナソニール領主の代理、しかも全権代理として
スホームの弟、ダボールが来ている。
ルコール君の父親、テナンスは辞退したのだ。
今頃はあらゆる資産を砂漠石とリングに変えて隠しているはず。
「わかりました。では、今年度末の納税額はざっと、前年度の136倍。
細かい金額は後程。なお、今年度未納となる場合は、
ナソニール領国は資産院管理となります。」
「なにを言ってる!!!」
「なにを?納税額が増えますよ、今年度までに納税を。
できなければ資産院管理ですよ。
ということです。
ああ、この場合ラルトリガのような是正指導はありません。
借金を重ねての納税未納ではなく、
これだけの収入源を提示できないのが問題なのです。
ん?オート院長?わたしの説明がまずかったですか?」
「そうだな。まずはこういうことが起これば、こうなると。
例をだして皆様にご理解いただき、この場合の不備を是正して頂くと。
そうすれば、お聞きの皆さまも、
ああ、それはダメだな、とか、なるほど、気をつけなければ、
とよりいっそう納税に対することを理解していただける。
よろしいですか?と聞く前に、認めると、
これだけの納税になりますよ?ということも
言っていないだろ?是正する隙が無かったからな。
ダボール殿、申し訳ない。もう一度よろしいですか?
なにせ、副院長代理。同郷のよしみで、今一度。」
「・・・。」
「申し訳ない。では、最初から。
収入と支出額が合いません。どこから収入を得たかの記載がない。
なのに、支出は莫大な額。この支払先は全て確認済みです。
では、どこかこの収入を得たのか、報告を。
ああ、ここでですね。
是正は雨の日後、5日までに。これがない場合は
なにかしらの収入があったということで、納税額が増えます。
それが前年度の136倍。
それだけの収入を報告なしに支出したというのが問題でして、
納税できない場合は新年度から資産院管理となります。
資産院預かりではなく、管理です。
もう一度あなたがた一族が領主に返り咲くことは有りません。」
(違うんだね)
(指導して是正できる額ではないですよ)
(最終的にはどうなるの?)
(新しい領主を立てるか、他の領国がナソニール領土を買うかですね)
(うわ、そんなのあるんだ。そうなったら買う?)
(鉱山と砂漠側は欲しい)
(うーわー)
「是正をしていただいても、128倍の納税額です。
同じく、納税できない場合は新年度から資産院管理となります。
では、どうされるか、全権代理のダボール殿、お答えを。」
(頑張って納税したら?)
(それだけの資産があると報告していればいいのですが、していなければ、
それについても税金を取られます)
(あー、いやだー!!)
(もしくは領土を売りに出して作るかですね、
そうなっても砂漠側と鉱山はほしい)
(ぎゃー!!)
「・・・・・。」
「ツイミ?少し時間を与えなければいけない。」
「ああ、申し訳ない。では、後程お聞きします。
資産院からは以上です。」
一同、フーっと大きな息をついた。
これが今回のビックイベント。
これを乗り越えれば、後はヘーホーハーで済むはず。
が、コットワッツはそうもいかなかった。
再び中央院からだ。
「次はコットワッツにお聞きしたい。」
こう切り出されたときに、何人かは外に出る。
自分のところには関係ないと踏んだのだろう。
タバコ休憩ではないが、息抜き?
(マティス?外の様子わかる?ソヤの廻りは大丈夫?)
(今のところは。が、何人かは同じところに留まっているな)
(2人で呼ばれたら、決めのポーズしようね)
(あれか?あれは賞金稼ぎ用ではないのか?)
(賞金稼ぎを護衛赤い塊って変えればいいよ)
(・・・わかった)
(え?見たい!!)
(じゃ、素早く見に来てね)
(わかりました!!)
「コットワッツ?セサミナ殿?」
「ああ、申し訳ない。どうぞ?」
「ええ、コットワッツが所有する草原についてです。」
「はい。」
「いま、草原に住まう住人から直接王都に苦情が来ている。」
「どのような?」
「街への道が閉鎖されたと。」
「はははは!草原の民が頼る先が王都中央院なのですね。
だれも通らなくなった道なので不審者が入らないように閉鎖しただけですよ。
確認していただけたら分かる。ここ数ヶ月、
どこのだれかわからない馬車が行き来していただけだ。
心悪しきものかもしれませんからね。
それが?」
「・・・では、完全に草原はコットワッツと切り離していると?」
「向こうからですよ?
それに草原の民から、草原の民と呼ばれるときから
コットワッツには税を納めてもらっていない。
が、コットワッツはお支払いしていますよね?領土なので。
それで?」
「草原をコットワッツが所有する草原を王都直轄にしてはいかがと?」
「ほう!それはそれは。その分の税が浮くということですね。
が、そこに住まう草原の民は?
彼らを追い出すのですか?それとも王都人として登録を?」
「王都人は王都に住まう者たちだけだ。王都管轄地の住民として、
もちろん税も納めてもらう。それをコットワッツは出来なかったようだがな。」
「ええ、1銅貨すらもね。なるほど。
草原と言っても、漠然とした範囲だ。それはこちらから指定してもよろしいか?
もちろん彼らの住居、活動範囲をきっちり定めたい。
ジットカーフに続く道は、確保はしておきたいのです。
私と、草原の民の代表の方と、王都中央院の方、同席のもとに定めましょう。」
「もちろん。では同意していただけると。」
「ええ。これで税が安くなりますから。」
「ああ、それは困るのだ。少しでも王都としては税を確保していきたい。」
「そういうことですか?まさか、税はそのまま?でしたら、今のままです。
猛者が来て時々はサイを狩っていくこともありますから。
うまいですよね、サイ。最近手に入ったもので、
焼肉、ええ、薄く切った肉をですね、
網で焼いて、塩コショウで食べました。これが、うまい。ああ、失礼。」
「・・・いや、草原の分は減額だ。が、その代わり、
未開の土地を習得してはどうかとな。」
「なるほど。が、それで我が領国の利は?」
「長年どうにもできなかった土地ではなく、開拓できる土地の方が良いだろう?
賢領主と名高いセサミナ殿のことだ。
なにか事業を起こせばよろしい。草原でできなかったことを。」
「またまた、ご冗談がうまい。なにかしら事業を起こして、
それを横から奪われたり、目の飛び出るような税を取られるのでしたら、
今のままで十分ですよ?あのうまいサイを食べることが出来ますから。
ああ、また食べたいですね。狩りに行こうかしら?どうです?兄上?」
「ン?いつでもいいぞ?」
サイ押しするな。
剣のマティスなら仕留めるのはたやすいだろうと思っているのか、
少しざわつき始めた。
「そのサイだ。あれは家畜化しようと考えているのだ。」
「あのサイをですか?」
おおお!!!
さらにざわつく。すごいな。みんな大好きサイの肉。
「それはすごい!さすが王都ですね!
これはコットワッツ、セサミナは考えもつきませんし、
その力量もございません!
では、いつでも一定量のサイの肉が食べられると?
なんてすばらしいお話だ!!」
セサミン大絶賛。嘘くせー!
「うむ、そうだ。
だから、未開の土地の習得を勧めたい。
王都としても、税収入が減るのは極力避けたい。
どうだろうか?」
「なるほど。お話ごもっとも。しかし、未開の土地ですか?例えば?」
「この裏手にあるだろ?砂漠に抜ける森が。そこは?」
呪いの森とは言わないんだ。
「お待ちください!!」
あー、マーロだ。そうなるよね。
「どうした?領主を差し置いて?」
「いえ、我が領主、テール様からです。
あの森はもともとボルタオネの土地。
此度の会合で頃合いを見て、習得宣言をさせていただきたく。」
「ん?そうなのか?未開の土地は早い者勝ちだ。
これは困ったな。」
「代替案はその森だけだったんですか?」
「いや、ほかには?おい!持ってこい!!」
「いえ!ここで、あーだこーだということは皆様に迷惑です。
あとでご提示願いますか?コットワッツといたしましては、
草原は3者合意の元、譲渡したいと。
その時の減税等は後程。」
「うむ。そうしよう。ボルタオネ側もそれでよろしいか?」
「いえ。ここで、宣言させていただきたい。
申し訳ないが、先を越されたくはないのです。」
(愛しい人?あの砂漠石の絵は移動したぞ)
(うん。部屋に飾ろう)
(ダメだ!)
(うそん!)
「さ、テール様。これをお読みください。」
『宣言!ボルタオネ領主テールが欲する。
グラシオル大陸、所有者なき地を我は欲する。
その地に礎をその地に豊かさをその地に繁栄を!!』
え?それだけでいいの?
座標とか要らないの?
「テール様!!」
顔面蒼白でカーチの胸元に倒れ込んでしまった。
「ちょっと!!」
わたしも近くに行く。
(スー!栄養剤、3歳の子供に飲ましても大丈夫?)
量は問題ない。回数だ。
(わかった)
吸い口にキトロスジュースと栄養剤。
吸い口は醤油差しの変形だ。
「絞り汁です。まずは水分を取らさないと。」
カーチとマーロはダメだ。
オロオロするだけ。
「テール?テール?かっこよかったよ?
ちょっとこれ飲もうね。うん、マリーですよ。さ、大丈夫。
のんで、そうそう。偉いねー。」
「・・・・おいしい。」
「そ。喉が渇いたら言わなくっちゃいけないよ?」
「はい。」
ひょうたんにおいしい水を入れておこう。
子供用水筒っていいな。
ゴムで栓をして、孔を開けてストローを差す。
こぼれはしないだろう。
「カーチ殿これを渡しておきます。
適時飲ませてください。ああ、お便所もこまめに聞いてください。
飲んだ分だけ出ますから。」
「え?あ?マリー殿?」
「しっ!コットワッツは人手不足なのです。ご内密に。」
(セサミン!)
「すこし休憩したいですね。わたしも疲れました。
皆さまは?クロモ殿?いかがですか?」
「そうですね。
では、少し休憩しましょう。開始の声でお戻りください。
解散!」
我が名はソヤ!
我が声に応えろ!いでよ!モウ!マティス!
「・・・それは貴殿がよくご存じのはずでは?」
「はははは!
知っていれば、再三スホーム殿にお聞きしてお怒りを買うこともなく、
職を失うこともなく、いま、あなたの席の横に座っておりますよ。
ナソニール領主代理ダボール殿。」
「・・・知らんな。」
「そうですか。では、なにかしらの収入はあったと。
それの記載漏れということで?
ただ、収入がありそれを支出したということでよろしいですか?」
「・・・そうだ。それでいい。」
ばっか!馬鹿が目の前にいるよ!
ナソニール領主の代理、しかも全権代理として
スホームの弟、ダボールが来ている。
ルコール君の父親、テナンスは辞退したのだ。
今頃はあらゆる資産を砂漠石とリングに変えて隠しているはず。
「わかりました。では、今年度末の納税額はざっと、前年度の136倍。
細かい金額は後程。なお、今年度未納となる場合は、
ナソニール領国は資産院管理となります。」
「なにを言ってる!!!」
「なにを?納税額が増えますよ、今年度までに納税を。
できなければ資産院管理ですよ。
ということです。
ああ、この場合ラルトリガのような是正指導はありません。
借金を重ねての納税未納ではなく、
これだけの収入源を提示できないのが問題なのです。
ん?オート院長?わたしの説明がまずかったですか?」
「そうだな。まずはこういうことが起これば、こうなると。
例をだして皆様にご理解いただき、この場合の不備を是正して頂くと。
そうすれば、お聞きの皆さまも、
ああ、それはダメだな、とか、なるほど、気をつけなければ、
とよりいっそう納税に対することを理解していただける。
よろしいですか?と聞く前に、認めると、
これだけの納税になりますよ?ということも
言っていないだろ?是正する隙が無かったからな。
ダボール殿、申し訳ない。もう一度よろしいですか?
なにせ、副院長代理。同郷のよしみで、今一度。」
「・・・。」
「申し訳ない。では、最初から。
収入と支出額が合いません。どこから収入を得たかの記載がない。
なのに、支出は莫大な額。この支払先は全て確認済みです。
では、どこかこの収入を得たのか、報告を。
ああ、ここでですね。
是正は雨の日後、5日までに。これがない場合は
なにかしらの収入があったということで、納税額が増えます。
それが前年度の136倍。
それだけの収入を報告なしに支出したというのが問題でして、
納税できない場合は新年度から資産院管理となります。
資産院預かりではなく、管理です。
もう一度あなたがた一族が領主に返り咲くことは有りません。」
(違うんだね)
(指導して是正できる額ではないですよ)
(最終的にはどうなるの?)
(新しい領主を立てるか、他の領国がナソニール領土を買うかですね)
(うわ、そんなのあるんだ。そうなったら買う?)
(鉱山と砂漠側は欲しい)
(うーわー)
「是正をしていただいても、128倍の納税額です。
同じく、納税できない場合は新年度から資産院管理となります。
では、どうされるか、全権代理のダボール殿、お答えを。」
(頑張って納税したら?)
(それだけの資産があると報告していればいいのですが、していなければ、
それについても税金を取られます)
(あー、いやだー!!)
(もしくは領土を売りに出して作るかですね、
そうなっても砂漠側と鉱山はほしい)
(ぎゃー!!)
「・・・・・。」
「ツイミ?少し時間を与えなければいけない。」
「ああ、申し訳ない。では、後程お聞きします。
資産院からは以上です。」
一同、フーっと大きな息をついた。
これが今回のビックイベント。
これを乗り越えれば、後はヘーホーハーで済むはず。
が、コットワッツはそうもいかなかった。
再び中央院からだ。
「次はコットワッツにお聞きしたい。」
こう切り出されたときに、何人かは外に出る。
自分のところには関係ないと踏んだのだろう。
タバコ休憩ではないが、息抜き?
(マティス?外の様子わかる?ソヤの廻りは大丈夫?)
(今のところは。が、何人かは同じところに留まっているな)
(2人で呼ばれたら、決めのポーズしようね)
(あれか?あれは賞金稼ぎ用ではないのか?)
(賞金稼ぎを護衛赤い塊って変えればいいよ)
(・・・わかった)
(え?見たい!!)
(じゃ、素早く見に来てね)
(わかりました!!)
「コットワッツ?セサミナ殿?」
「ああ、申し訳ない。どうぞ?」
「ええ、コットワッツが所有する草原についてです。」
「はい。」
「いま、草原に住まう住人から直接王都に苦情が来ている。」
「どのような?」
「街への道が閉鎖されたと。」
「はははは!草原の民が頼る先が王都中央院なのですね。
だれも通らなくなった道なので不審者が入らないように閉鎖しただけですよ。
確認していただけたら分かる。ここ数ヶ月、
どこのだれかわからない馬車が行き来していただけだ。
心悪しきものかもしれませんからね。
それが?」
「・・・では、完全に草原はコットワッツと切り離していると?」
「向こうからですよ?
それに草原の民から、草原の民と呼ばれるときから
コットワッツには税を納めてもらっていない。
が、コットワッツはお支払いしていますよね?領土なので。
それで?」
「草原をコットワッツが所有する草原を王都直轄にしてはいかがと?」
「ほう!それはそれは。その分の税が浮くということですね。
が、そこに住まう草原の民は?
彼らを追い出すのですか?それとも王都人として登録を?」
「王都人は王都に住まう者たちだけだ。王都管轄地の住民として、
もちろん税も納めてもらう。それをコットワッツは出来なかったようだがな。」
「ええ、1銅貨すらもね。なるほど。
草原と言っても、漠然とした範囲だ。それはこちらから指定してもよろしいか?
もちろん彼らの住居、活動範囲をきっちり定めたい。
ジットカーフに続く道は、確保はしておきたいのです。
私と、草原の民の代表の方と、王都中央院の方、同席のもとに定めましょう。」
「もちろん。では同意していただけると。」
「ええ。これで税が安くなりますから。」
「ああ、それは困るのだ。少しでも王都としては税を確保していきたい。」
「そういうことですか?まさか、税はそのまま?でしたら、今のままです。
猛者が来て時々はサイを狩っていくこともありますから。
うまいですよね、サイ。最近手に入ったもので、
焼肉、ええ、薄く切った肉をですね、
網で焼いて、塩コショウで食べました。これが、うまい。ああ、失礼。」
「・・・いや、草原の分は減額だ。が、その代わり、
未開の土地を習得してはどうかとな。」
「なるほど。が、それで我が領国の利は?」
「長年どうにもできなかった土地ではなく、開拓できる土地の方が良いだろう?
賢領主と名高いセサミナ殿のことだ。
なにか事業を起こせばよろしい。草原でできなかったことを。」
「またまた、ご冗談がうまい。なにかしら事業を起こして、
それを横から奪われたり、目の飛び出るような税を取られるのでしたら、
今のままで十分ですよ?あのうまいサイを食べることが出来ますから。
ああ、また食べたいですね。狩りに行こうかしら?どうです?兄上?」
「ン?いつでもいいぞ?」
サイ押しするな。
剣のマティスなら仕留めるのはたやすいだろうと思っているのか、
少しざわつき始めた。
「そのサイだ。あれは家畜化しようと考えているのだ。」
「あのサイをですか?」
おおお!!!
さらにざわつく。すごいな。みんな大好きサイの肉。
「それはすごい!さすが王都ですね!
これはコットワッツ、セサミナは考えもつきませんし、
その力量もございません!
では、いつでも一定量のサイの肉が食べられると?
なんてすばらしいお話だ!!」
セサミン大絶賛。嘘くせー!
「うむ、そうだ。
だから、未開の土地の習得を勧めたい。
王都としても、税収入が減るのは極力避けたい。
どうだろうか?」
「なるほど。お話ごもっとも。しかし、未開の土地ですか?例えば?」
「この裏手にあるだろ?砂漠に抜ける森が。そこは?」
呪いの森とは言わないんだ。
「お待ちください!!」
あー、マーロだ。そうなるよね。
「どうした?領主を差し置いて?」
「いえ、我が領主、テール様からです。
あの森はもともとボルタオネの土地。
此度の会合で頃合いを見て、習得宣言をさせていただきたく。」
「ん?そうなのか?未開の土地は早い者勝ちだ。
これは困ったな。」
「代替案はその森だけだったんですか?」
「いや、ほかには?おい!持ってこい!!」
「いえ!ここで、あーだこーだということは皆様に迷惑です。
あとでご提示願いますか?コットワッツといたしましては、
草原は3者合意の元、譲渡したいと。
その時の減税等は後程。」
「うむ。そうしよう。ボルタオネ側もそれでよろしいか?」
「いえ。ここで、宣言させていただきたい。
申し訳ないが、先を越されたくはないのです。」
(愛しい人?あの砂漠石の絵は移動したぞ)
(うん。部屋に飾ろう)
(ダメだ!)
(うそん!)
「さ、テール様。これをお読みください。」
『宣言!ボルタオネ領主テールが欲する。
グラシオル大陸、所有者なき地を我は欲する。
その地に礎をその地に豊かさをその地に繁栄を!!』
え?それだけでいいの?
座標とか要らないの?
「テール様!!」
顔面蒼白でカーチの胸元に倒れ込んでしまった。
「ちょっと!!」
わたしも近くに行く。
(スー!栄養剤、3歳の子供に飲ましても大丈夫?)
量は問題ない。回数だ。
(わかった)
吸い口にキトロスジュースと栄養剤。
吸い口は醤油差しの変形だ。
「絞り汁です。まずは水分を取らさないと。」
カーチとマーロはダメだ。
オロオロするだけ。
「テール?テール?かっこよかったよ?
ちょっとこれ飲もうね。うん、マリーですよ。さ、大丈夫。
のんで、そうそう。偉いねー。」
「・・・・おいしい。」
「そ。喉が渇いたら言わなくっちゃいけないよ?」
「はい。」
ひょうたんにおいしい水を入れておこう。
子供用水筒っていいな。
ゴムで栓をして、孔を開けてストローを差す。
こぼれはしないだろう。
「カーチ殿これを渡しておきます。
適時飲ませてください。ああ、お便所もこまめに聞いてください。
飲んだ分だけ出ますから。」
「え?あ?マリー殿?」
「しっ!コットワッツは人手不足なのです。ご内密に。」
(セサミン!)
「すこし休憩したいですね。わたしも疲れました。
皆さまは?クロモ殿?いかがですか?」
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※表紙画像、その他キャラクターのイメージ画像はAIイラストアプリで作成したものです。再現不足で色彩の一部が作中描写とは異なります。
※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
インターネットで異世界無双!?
kryuaga
ファンタジー
世界アムパトリに転生した青年、南宮虹夜(ミナミヤコウヤ)は女神様にいくつものチート能力を授かった。
その中で彼の目を一番引いたのは〈電脳網接続〉というギフトだ。これを駆使し彼は、ネット通販で日本の製品を仕入れそれを売って大儲けしたり、日本の企業に建物の設計依頼を出して異世界で技術無双をしたりと、やりたい放題の異世界ライフを送るのだった。
これは剣と魔法の異世界アムパトリが、コウヤがもたらした日本文化によって徐々に浸食を受けていく変革の物語です。
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