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(そいつらは王族だ。話しかけられるまで、頭を下げていればいい)
(いいけど、黙って行ったら館の方にはいけんよ?もちろん、人も馬も)
(はははは!では、話しかけてくるだろう。返答せよと言われてから答えるんだ)
(めんどくさいね)
(従者の立場だからな)
ものすごく、きれいな姿勢で、頭を下げる。
45度です。
あ、ガイライが来た。
(ガイライ?)
(念のため傍に)
(すまんこってすたい。向こうで気付く人いる?)
(いませんよ?いれば軍部に引き抜いてますよ。)
(そうだね。で、お偉いさんはこんな風に抜き打ちで来るの?
なんか前もって連絡しないの?)
(しませんね。)
(要は舐められてると)
(領国に対してはそうですね)
(なるほど)
わたしの横を4台の馬車が通り過ぎる。
西馬はわたしに興味津々だ。
が、そこはお仕事第一の馬の習性、御者の指示に従う。
しかし、また戻って来てしまう。
別に馬が勝手に戻っているわけではない。
御者もそう指示しているわけではない。あれ?ということか。
それを4台で2回。
その間、わたしを皆が見ていく。
3回目で馬車の中から怒鳴り声。お下品だ。
御者はわかりませんと答える。
(御者のひと、クビになったりするかな?)
(なっても翌日には同じ人間が働いていますよ。それに気づくわけがない)
(お気楽だね)
「貸せ!わしがする!」
動かないよね。西馬。
暴れないだけ賢いよ。
「そこの女!」
(返事しちゃダメなの?)
(ええ。頭を下げたままで)
(へいへい)
「ここはコットワッツ領の滞在地だな?まやかしを施しているのか?
返答せよ!」
(余計なことは言わずに、そのままの姿勢で)
「はい、ここはコットワッツ領の滞在地でございます。
まやかしというのはわたくしにはわかりかねます。」
「物知らずが!では、これから案内をしろ。」
「どちらにでしょうか?」
「間抜け!コットワッツにだ!」
「わかりました。」
やっと腰が伸ばせる。すばらしき鍛錬だった。
ガイライとはしりとりをして遊んでいた。
んで始まる言葉もあるから延々と。こっちの言葉で練習。
コットワッツに案内するってすごいね。
わたし歩いていくんだろうか?
(食事の心配はするな?あーんで食べさせてやるから)
マティス?
もちろん横に。2人で。気配を消して。
遅いから呼びに来たそうだ。
気配を消してガイライにとびかかってきた。
見抜かれているが。
大門に向かって歩いていく。
「待て!どこに行く!」
「はい、コットワッツにご案内いたします。
10日ほどかかりますが、ご容赦くださいませ。
あ!申し訳ございません。余計な返答でした。」
「違うわ!コットワッツ領の滞在館にだ!!」
「わかりました。ご案内いたします。」
(モウ!笑かさないで!)
ゆっくり進むわたし。
その後ろに4頭立ての馬車4台。
荷重10です。一歩一歩が重い。
よこでガイライとマティスが演武を披露しています。
が、気配しかわからない。
ちょうど天秤院の爺一行がお帰りだ。
両方の馬車が止まる。
「マリー殿。」
爺は王族たちを無視してわたしの前に。
後ろの馬車はまだいたのかと、声を出していた。
爺だから聞こえないと思っているのだろうか?
「ランサー様、もうお帰りなのですか?」
「そうよ。あまりにも居心地がいいがな、戻らねばな。
なにもかもが素晴らしかった。便所も良かったな。
みなが並んでいたぞ。」
おトイレも近いだろうと、離れを作っておいた。
トイレが外にあるのは普通だ。物転送は誰もいなくなってから。
洋便器と手摺、手洗い、これぐらいはいいだろう。
貯めてある水が流れる仕掛けだけだ。
もちろん便座はあたたかだ。
「お褒めくださいりありがとうございます。主、セサミナ様も
お喜びと思います。」
「セサミナ殿から伝言だ。出かけるから戻ってくるようにと。」
「そうでございますか。わざわざありがとうございます。」
「それと、すまんな、うちの者にも振る舞いがあったとか。
これを渡してくれと。」
「おお!素晴らしい!」
アンケート用紙だ。
ピザは四角いほうがいい、なるほど。肉もっと。わかるわー。
ハンバーガーも出せばよかった。
馬車のほうを見ると手を振っているので、こちらも手を。
振る舞いと言っても、爺たちは一人10リング払っている、
その中に含まれていると思ってほしい。
「わしらも同じように書いておいた。」
「え?あ、これですね。ああ、温かくて甘いもの。ぜんざいかな?
もちはなー、気をつけないとなー。
ああ、でも、ありがとうございます。よりおいしいものができそうです。」
「ああ、セサミナ殿もそうおっしゃった。楽しみだ。ではな。」
もう一度深々と頭を下げる。
後ろの馬車も黙って道を開ける。
天秤院には無礼はできない。
ガイライが言うには役職こそないが、重鎮の爺たちだそうだ。
自分が作った孫の手を使ってもらえるのかとおもうと、
すこし照れると笑っていた。
完全に見送った後、また、ゆっくり進む。
「遅い!先に行くぞ!」
ドドドドドドと進んでいく。
ではではと、3人で館の前に移動した。
あれらが付く前に、素早く撤収。
中に入るとものすごく重苦しい空気だった。
「旦那様?ガイライ様がお見えですが?」
「ああ、向こうにお通ししてくれ。」
「どうなさいました?」
「マリーから預かった鍵をなくしたそうだ。
扉が開かない。荷が出せない。」
「なんだ。鍵を壊せばよろしいのでは?」
「そうなると不用心だ。」
「だれもいなくなることはないのでしょう?寝ずの番をすればいい。」
「・・・マリーさん。それは最初に考えましたが、扉が壊れない。」
「あら!試してもいですか?」
ルグがそう答えるので、試してみたが、
なるほど壊れない。いや、壊れるよ?
だが、それは女性として、ダメだ。
あの荷物の箱を運べるというのがギリライン。
「どこかに落としたんですよね?鍵を?」
「ええ、マリーさんから預かって、ポッケに入れて。
すぐに手伝いに入ったので、この館のどこかです。」
ポリートが答える。
「だったら、探しましょう!」
「探したんだ。で、なかったんだよ、マリー。」
「お任せください!失せ物探しのまじないを知っています。」
「マリー?あれか?小僧に謝る?」
「ええ、あなた!それです。」
セサミンとルグと、セバスチャンはガイライの相手を。
わたしドーガーと新人二人で、探すことになった。
「物隠し小僧さんごめんなさい。唱えながら探します。
するとあら不思議!目の前に!
これはよく効くおまじないですよ?
ただし、誘惑もあるのです。」
「誘惑?」
「ええ、今必要ないものも見つかり、そっちに意識が行ってしまうと、
効果は無くなります。
あるでしょ?部屋を片付けてるのに、懐かしの物を見つけてしまって、
それで遊んでしまうことって。そうならないように、集中です。」
「よそ見をせずに探すということですね?」
「そうともいいますね。さ、探しましょう。」
鶏館は4階建て。
大広間と厨房、大浴場が、1階。
客間、ルグたちが寝泊まりする部屋は2階、
主とわたし達の部屋は3階。
4階は屋上を作るのにつぶしている。
探すのは1階と2階。
落ちているのか、森に捨てているのか?
わたしも探すふりをして、館の点検と掃除。
自ら掃除をするとは!すばらしい成長ですよ!お母さん!!
鶏館はもとのまま新築時に戻して、使用している。
改修は内装のみ、骨組みはそのままだ。
ここも、天秤院のように。外形と内部、すこし合わないところもある。
その調査。
収納できるのだから生き物はいない。
これは安心できる。
コンコンと叩きながら廊下を進む。
床も。
ただのデットスペースだったらいいけどね。
上から写真撮って、図面を引く?で、内部は実測。
いや、そこまでするのはちょっと面倒だ。
ん?んー。
付箋が欲しい。もしくは養生テープと油性ペン。
空洞の音がする。
基本建物は木材と石積み。
なぜに空洞が?
壁を壊すか?
・・・・・。
昔のドラマか映画で、レンガ壁を壊すそこから白骨が出てきたものがあった。
それは、それはいかん。
マティスと一緒にしよう。
そんなところが2階に1ヵ所、1階は2か所あった。
「ありました!!!」
あったの?
型を取ることにしたのか?
あったら安心ですねと寝ずの番が無くなるから?
そもそも、外部からの侵入はない、というかできない。
なにかあれば内部犯となる。それは新人以外の共通認識。
新人にはないからか?
「よかったですね!」
どうでるか?
先に渡して来ますと、新人2人でセサミンのところに。
「ドーガー様?」
ドーガーは2人を見送って、わたしを見ている。
「マリーさんはなにをしていたんですか?」
「まじないの誘惑に負けてしまって掃除を。
ドーガー様は?」
「・・・。3人の動きを観察していました。」
「あら?どうして?」
「あの2人の教育を任されています。
それとあなたのことをよく見ておけとルグさんから。
あなたの動きはどう見てもおかしい。誰です?あなた?」
「うふふふ。怪しいと思ったのに直接本人に聞くんですか?」
「そのほうが早い。」
「あらら。余程自信がおありのようで。
そんなことをいって、コキュッとやられる人いっぱいいますよ?」
「それは、相手が自分より強い場合ですよね。」
「そうですね。では、あなたはわたしよりお強いと?」
「当然!」
なにか?そんなにわたしから一本取ったことが自信につながってるのか?
油断大敵!天罰覿面!
あっ!
ガハ!!
鳩尾に一発。
気を出した時に気付いたようだ。
「どうした!」
ルグが慌ててやってくる。
ルグがよく見ておけといったのは、わたしだからだ。はやく気づけよと。
「ルグ?ドーガーはちょいうぬぼれていたようだね。」
「はい。モウ様から一本取ったと、そればかりで。」
「・・・ルグさんもモウ様も、ひどい。」
「くふふふふ。また、手合わせをしよう。
ちなみにわたしはテルマから一本取った女だ!」
ちょっとだけ自慢をする。Gを使ったんだが。
だから、天狗になりようがない。
が、はったりは必要だ。
「「すごい!!」」
「なにをしてる?」
「あ!あなた!!」
「え?っということは?マ?あーー、不覚。」
セサミンの傍にガイライがいるからこちに来たようだ。
「ドーガー様?大丈夫ですか?」
「・・・。ええ。大丈夫です。えっと、セバスチャンさん?」
「セバスとお呼びください。」
「・・・わかりました。」
あはははは!
マティスの嘘くさい笑顔炸裂だ。
「ドーガー様?からかいすぎましたね。
はい、あーん。」
口の中にチョコを移動。
「ああ、そうです。わたしはいつでもあなたの下僕なのです。」
「が、気付かなかったのは問題だな?次はないぞ?」
「これに誓います。」
チョコに誓ってどうする?いいけど。
「お前は甘いな。」
「うふふふ。じゃ、ルグ様とあなたにもね。あーん。
それで?いまは旦那様とガイライ様と、あの2人?」
「ああ、ガイライ様が、いろいろと教えているな。
謁見時の作法とかな。」
「あら!それはいいですね。では、晩御飯の用意をしましょうか?
ガイライ様も食べるでしょ?」
「おそらく。」
「鍵は?旦那様が保管?」
「いや、私だ。」
「あらら。じゃ、中の荷物に何かあったら、あなたの責任ですね。」
「そうなるな。」
「気を付けないと。首から下げておこうか?」
「そうしておこう。」
マティスを襲って再び奪う?
違うな。そんなお粗末なことはしない。
わたしなら?
鍵が見つかったと安心させる。
はたしてそれは本当にあの部屋の鍵か?
似たような鍵を渡す。これで安心。
確かめようとしても扉が開かない。
これはこれで商品が取れないということは確定。
扉が壊せないというのは確認済みだ。
その確認作業をしなかった。
傍からみればお気楽すぎるだろうな。
だが、当事者は何とでもなるというのはわかっている。
呼寄せもできるのだから。
ここにあった館を出し入れできるというのは、
王都では知っている人は知っている。
だって不在の時にはないんだもの。
その話は王都とつながりがあるのなら知っているだろう。
トックスさんのところで展示部屋を作っているのは隠してはいない。
持ってきているのは会合で配る高級バスローブとタオル。
宝石類は馬車では運んでいない。
会合での立場を悪くするためか?
だったら、道中でどうにかすればいいんだ。
そのままの商品は欲しいと?
あー、自分のところでも同じような商品を作りましたよ、的に配るとか?
けど、タグはコットワッツだ。紫のタグがすべてに入っている。
知らないのか?ありえるな。
タオルは隠匿をかけてるんだから、
じゃ、この商品1000枚買いますといっても
だめだろ?
なにがしたいんだ?
持っていかないと会合で配ることはできない。
これの阻止はOK?その後だ。
自分たちで使う?それを別で売るか?
小遣い稼ぎ?
ラルトルガでは試作品が燃やされたけど、
なんか、悪事としてはそっちの方が筋が通ってるな。
なんで、ついでに儲けようとするのかな?いやだーねー。
いや、まて。
その盗みをいつやる?
ルグはいるんだ。ルグより腕が立つと思ってるのか?
館と往復するが、基本はこっちにいるんだから。
「あ!」
奥方か、息子になんかするんだ!
で、呼び戻すか?
それは、どうやって?
(セサミン?国との連絡はどうするの?
緊急の場合は?)
(え?謁見と会合に入る前に一度戻るつもりにしています)
ああ、そうか。
で、ルグを足止めか。
なにをする?大事にはしないはずだ。いや、わからないか。
(セサミン?ルグを奥方の傍に戻して。すぐ。)
(え?)
「ああ、面倒だな!」
『2人は寝る!』
「姉さん?寝ましたよ!」
「ああ、ごめんよ。とにかく、ルグは戻って。奥さんのところに。
なんかやらかすはずだ。」
「セサミナ様、申し訳ありません。戻ります。」
「ルグ!石を。何かあればそれを握って呼べ。」
「わかりました。」
「どういうことだ?ずいぶん考え込んでいたが?」
厨房で、一般的な料理の味見をしてい間考え込んでしまっていたのだ。
セサミンとガイライも集まって、思ったことを話す。
「鍵、開かないな。」
『この部屋の鍵はどこ?音を鳴らして!』
「あの2人の部屋ですね。カンカンと音がしています。」
ガイライが答える。
『鍵よ、ありがとう、ガイライありがとう』
「・・・。」
「ん?」
「その声で礼を言われると、その、喜びが湧きます。」
「おお?そうなの?いつもの声でありがとうは?
ガイライ、ありがとう。」
「それはうれしいですね。」
「ああ、またはなしがそれるね。ごめん。」
「いえ、ルグの家族に何かあれば、
何かを仕掛けることなぞ、許されることではない。」
リン
(ルグ!)
(マティス様!息子が、ローチがいません!!)
(落ち着け!呼び寄せろ!)
(あ!)
ローチは無事。
眠り草で寝かされていたそうだ。
呼寄せたので、どこにいたかはわからない。
ローチの話では、館の中で、おなじ館で働く家の子供たちと遊んでいたと。
今日も父親の留守を守らなくてはと、早めに引き上げて
家に帰る途中だったそうだ。
館の敷地内でのことだ。
どこもけがもないところを見ると、乱暴にはされてはいないようだ。
本人は、
寝ちゃったんだね!
昨日も頑張って母上を守っていたから!と笑っていわれたと。
起きたら父親がいるのでびっくりしたそうだが、
ドーガーと2人がお傍に付いているので戻ってきたということに。
「ドーガーだけではダメだ!父上!ここは大丈夫です!」
とのこと。
全く信用がないドーガー。
「大丈夫。赤い塊殿とも合流できたから。」
「なんだ!だったらドーガーも要りませんね。帰ってくればいいのに。」
とのこと。
ドーガーよ。子供の人気は必要だぞ?
あ!さみしいんだ。なるほど。
ルグは急ぎでコットワッツに戻ったということになった。
がんばったローチと不安だったろう奥方にお土産付き。
ミートパイとアップルパイは数もある。
探してくれた館の皆にも1切れはあたるだろう。
「あの2人はこのまま寝かせておきますか?」
「うん。疲れが出て寝てしまったということにしよう。
謁見の呼び出しが来るまで寝てもらっておこうかな。
その間にご飯食べて、ちょっと館の探検をしておこうかな。
もちろん、2人にはすぐに食べれるようなものを用意しておくよ。」
「そこまでしなくてもいいだろう?」
「いや、普通にね。普通に。
で、館は空っぽになるけど、どうなるかだ。
取りもちみたいなの仕掛けておこうか?」
「とりもち?」
「しらん?ねばねばしたもので、触るとくっつくの。
んー、虫とか小さな動物捕まえるのにね使う。」
「それを人に?」
「もちろん強力にはするよ?べったりとくっ付いて動けないように。」
「戻ってきたら館に張り付いているのか?
言い逃れはできるぞ?ただ触れただけだと。」
「そうか。じゃ、館忍び込んでもらって、荷物おいた部屋だけ開くと。
で、その部屋に入って取りもち?」
「そうなるな。よし、飯にしよう。
赤茄のスープと肉だ。
ガイライ、ニックは?それにここにいてもいいのか?」
「ああ、その話もしよう。」
これは館内での話。
そのあいだに、あの集団がやってきていたが、
秘儀居留守でさくっと無視です。
かなり粘っていたし、わたしを探していたようだけど、
知らんがな、ということで、
謁見前の懇談会に出るために戻っていった。
(いいけど、黙って行ったら館の方にはいけんよ?もちろん、人も馬も)
(はははは!では、話しかけてくるだろう。返答せよと言われてから答えるんだ)
(めんどくさいね)
(従者の立場だからな)
ものすごく、きれいな姿勢で、頭を下げる。
45度です。
あ、ガイライが来た。
(ガイライ?)
(念のため傍に)
(すまんこってすたい。向こうで気付く人いる?)
(いませんよ?いれば軍部に引き抜いてますよ。)
(そうだね。で、お偉いさんはこんな風に抜き打ちで来るの?
なんか前もって連絡しないの?)
(しませんね。)
(要は舐められてると)
(領国に対してはそうですね)
(なるほど)
わたしの横を4台の馬車が通り過ぎる。
西馬はわたしに興味津々だ。
が、そこはお仕事第一の馬の習性、御者の指示に従う。
しかし、また戻って来てしまう。
別に馬が勝手に戻っているわけではない。
御者もそう指示しているわけではない。あれ?ということか。
それを4台で2回。
その間、わたしを皆が見ていく。
3回目で馬車の中から怒鳴り声。お下品だ。
御者はわかりませんと答える。
(御者のひと、クビになったりするかな?)
(なっても翌日には同じ人間が働いていますよ。それに気づくわけがない)
(お気楽だね)
「貸せ!わしがする!」
動かないよね。西馬。
暴れないだけ賢いよ。
「そこの女!」
(返事しちゃダメなの?)
(ええ。頭を下げたままで)
(へいへい)
「ここはコットワッツ領の滞在地だな?まやかしを施しているのか?
返答せよ!」
(余計なことは言わずに、そのままの姿勢で)
「はい、ここはコットワッツ領の滞在地でございます。
まやかしというのはわたくしにはわかりかねます。」
「物知らずが!では、これから案内をしろ。」
「どちらにでしょうか?」
「間抜け!コットワッツにだ!」
「わかりました。」
やっと腰が伸ばせる。すばらしき鍛錬だった。
ガイライとはしりとりをして遊んでいた。
んで始まる言葉もあるから延々と。こっちの言葉で練習。
コットワッツに案内するってすごいね。
わたし歩いていくんだろうか?
(食事の心配はするな?あーんで食べさせてやるから)
マティス?
もちろん横に。2人で。気配を消して。
遅いから呼びに来たそうだ。
気配を消してガイライにとびかかってきた。
見抜かれているが。
大門に向かって歩いていく。
「待て!どこに行く!」
「はい、コットワッツにご案内いたします。
10日ほどかかりますが、ご容赦くださいませ。
あ!申し訳ございません。余計な返答でした。」
「違うわ!コットワッツ領の滞在館にだ!!」
「わかりました。ご案内いたします。」
(モウ!笑かさないで!)
ゆっくり進むわたし。
その後ろに4頭立ての馬車4台。
荷重10です。一歩一歩が重い。
よこでガイライとマティスが演武を披露しています。
が、気配しかわからない。
ちょうど天秤院の爺一行がお帰りだ。
両方の馬車が止まる。
「マリー殿。」
爺は王族たちを無視してわたしの前に。
後ろの馬車はまだいたのかと、声を出していた。
爺だから聞こえないと思っているのだろうか?
「ランサー様、もうお帰りなのですか?」
「そうよ。あまりにも居心地がいいがな、戻らねばな。
なにもかもが素晴らしかった。便所も良かったな。
みなが並んでいたぞ。」
おトイレも近いだろうと、離れを作っておいた。
トイレが外にあるのは普通だ。物転送は誰もいなくなってから。
洋便器と手摺、手洗い、これぐらいはいいだろう。
貯めてある水が流れる仕掛けだけだ。
もちろん便座はあたたかだ。
「お褒めくださいりありがとうございます。主、セサミナ様も
お喜びと思います。」
「セサミナ殿から伝言だ。出かけるから戻ってくるようにと。」
「そうでございますか。わざわざありがとうございます。」
「それと、すまんな、うちの者にも振る舞いがあったとか。
これを渡してくれと。」
「おお!素晴らしい!」
アンケート用紙だ。
ピザは四角いほうがいい、なるほど。肉もっと。わかるわー。
ハンバーガーも出せばよかった。
馬車のほうを見ると手を振っているので、こちらも手を。
振る舞いと言っても、爺たちは一人10リング払っている、
その中に含まれていると思ってほしい。
「わしらも同じように書いておいた。」
「え?あ、これですね。ああ、温かくて甘いもの。ぜんざいかな?
もちはなー、気をつけないとなー。
ああ、でも、ありがとうございます。よりおいしいものができそうです。」
「ああ、セサミナ殿もそうおっしゃった。楽しみだ。ではな。」
もう一度深々と頭を下げる。
後ろの馬車も黙って道を開ける。
天秤院には無礼はできない。
ガイライが言うには役職こそないが、重鎮の爺たちだそうだ。
自分が作った孫の手を使ってもらえるのかとおもうと、
すこし照れると笑っていた。
完全に見送った後、また、ゆっくり進む。
「遅い!先に行くぞ!」
ドドドドドドと進んでいく。
ではではと、3人で館の前に移動した。
あれらが付く前に、素早く撤収。
中に入るとものすごく重苦しい空気だった。
「旦那様?ガイライ様がお見えですが?」
「ああ、向こうにお通ししてくれ。」
「どうなさいました?」
「マリーから預かった鍵をなくしたそうだ。
扉が開かない。荷が出せない。」
「なんだ。鍵を壊せばよろしいのでは?」
「そうなると不用心だ。」
「だれもいなくなることはないのでしょう?寝ずの番をすればいい。」
「・・・マリーさん。それは最初に考えましたが、扉が壊れない。」
「あら!試してもいですか?」
ルグがそう答えるので、試してみたが、
なるほど壊れない。いや、壊れるよ?
だが、それは女性として、ダメだ。
あの荷物の箱を運べるというのがギリライン。
「どこかに落としたんですよね?鍵を?」
「ええ、マリーさんから預かって、ポッケに入れて。
すぐに手伝いに入ったので、この館のどこかです。」
ポリートが答える。
「だったら、探しましょう!」
「探したんだ。で、なかったんだよ、マリー。」
「お任せください!失せ物探しのまじないを知っています。」
「マリー?あれか?小僧に謝る?」
「ええ、あなた!それです。」
セサミンとルグと、セバスチャンはガイライの相手を。
わたしドーガーと新人二人で、探すことになった。
「物隠し小僧さんごめんなさい。唱えながら探します。
するとあら不思議!目の前に!
これはよく効くおまじないですよ?
ただし、誘惑もあるのです。」
「誘惑?」
「ええ、今必要ないものも見つかり、そっちに意識が行ってしまうと、
効果は無くなります。
あるでしょ?部屋を片付けてるのに、懐かしの物を見つけてしまって、
それで遊んでしまうことって。そうならないように、集中です。」
「よそ見をせずに探すということですね?」
「そうともいいますね。さ、探しましょう。」
鶏館は4階建て。
大広間と厨房、大浴場が、1階。
客間、ルグたちが寝泊まりする部屋は2階、
主とわたし達の部屋は3階。
4階は屋上を作るのにつぶしている。
探すのは1階と2階。
落ちているのか、森に捨てているのか?
わたしも探すふりをして、館の点検と掃除。
自ら掃除をするとは!すばらしい成長ですよ!お母さん!!
鶏館はもとのまま新築時に戻して、使用している。
改修は内装のみ、骨組みはそのままだ。
ここも、天秤院のように。外形と内部、すこし合わないところもある。
その調査。
収納できるのだから生き物はいない。
これは安心できる。
コンコンと叩きながら廊下を進む。
床も。
ただのデットスペースだったらいいけどね。
上から写真撮って、図面を引く?で、内部は実測。
いや、そこまでするのはちょっと面倒だ。
ん?んー。
付箋が欲しい。もしくは養生テープと油性ペン。
空洞の音がする。
基本建物は木材と石積み。
なぜに空洞が?
壁を壊すか?
・・・・・。
昔のドラマか映画で、レンガ壁を壊すそこから白骨が出てきたものがあった。
それは、それはいかん。
マティスと一緒にしよう。
そんなところが2階に1ヵ所、1階は2か所あった。
「ありました!!!」
あったの?
型を取ることにしたのか?
あったら安心ですねと寝ずの番が無くなるから?
そもそも、外部からの侵入はない、というかできない。
なにかあれば内部犯となる。それは新人以外の共通認識。
新人にはないからか?
「よかったですね!」
どうでるか?
先に渡して来ますと、新人2人でセサミンのところに。
「ドーガー様?」
ドーガーは2人を見送って、わたしを見ている。
「マリーさんはなにをしていたんですか?」
「まじないの誘惑に負けてしまって掃除を。
ドーガー様は?」
「・・・。3人の動きを観察していました。」
「あら?どうして?」
「あの2人の教育を任されています。
それとあなたのことをよく見ておけとルグさんから。
あなたの動きはどう見てもおかしい。誰です?あなた?」
「うふふふ。怪しいと思ったのに直接本人に聞くんですか?」
「そのほうが早い。」
「あらら。余程自信がおありのようで。
そんなことをいって、コキュッとやられる人いっぱいいますよ?」
「それは、相手が自分より強い場合ですよね。」
「そうですね。では、あなたはわたしよりお強いと?」
「当然!」
なにか?そんなにわたしから一本取ったことが自信につながってるのか?
油断大敵!天罰覿面!
あっ!
ガハ!!
鳩尾に一発。
気を出した時に気付いたようだ。
「どうした!」
ルグが慌ててやってくる。
ルグがよく見ておけといったのは、わたしだからだ。はやく気づけよと。
「ルグ?ドーガーはちょいうぬぼれていたようだね。」
「はい。モウ様から一本取ったと、そればかりで。」
「・・・ルグさんもモウ様も、ひどい。」
「くふふふふ。また、手合わせをしよう。
ちなみにわたしはテルマから一本取った女だ!」
ちょっとだけ自慢をする。Gを使ったんだが。
だから、天狗になりようがない。
が、はったりは必要だ。
「「すごい!!」」
「なにをしてる?」
「あ!あなた!!」
「え?っということは?マ?あーー、不覚。」
セサミンの傍にガイライがいるからこちに来たようだ。
「ドーガー様?大丈夫ですか?」
「・・・。ええ。大丈夫です。えっと、セバスチャンさん?」
「セバスとお呼びください。」
「・・・わかりました。」
あはははは!
マティスの嘘くさい笑顔炸裂だ。
「ドーガー様?からかいすぎましたね。
はい、あーん。」
口の中にチョコを移動。
「ああ、そうです。わたしはいつでもあなたの下僕なのです。」
「が、気付かなかったのは問題だな?次はないぞ?」
「これに誓います。」
チョコに誓ってどうする?いいけど。
「お前は甘いな。」
「うふふふ。じゃ、ルグ様とあなたにもね。あーん。
それで?いまは旦那様とガイライ様と、あの2人?」
「ああ、ガイライ様が、いろいろと教えているな。
謁見時の作法とかな。」
「あら!それはいいですね。では、晩御飯の用意をしましょうか?
ガイライ様も食べるでしょ?」
「おそらく。」
「鍵は?旦那様が保管?」
「いや、私だ。」
「あらら。じゃ、中の荷物に何かあったら、あなたの責任ですね。」
「そうなるな。」
「気を付けないと。首から下げておこうか?」
「そうしておこう。」
マティスを襲って再び奪う?
違うな。そんなお粗末なことはしない。
わたしなら?
鍵が見つかったと安心させる。
はたしてそれは本当にあの部屋の鍵か?
似たような鍵を渡す。これで安心。
確かめようとしても扉が開かない。
これはこれで商品が取れないということは確定。
扉が壊せないというのは確認済みだ。
その確認作業をしなかった。
傍からみればお気楽すぎるだろうな。
だが、当事者は何とでもなるというのはわかっている。
呼寄せもできるのだから。
ここにあった館を出し入れできるというのは、
王都では知っている人は知っている。
だって不在の時にはないんだもの。
その話は王都とつながりがあるのなら知っているだろう。
トックスさんのところで展示部屋を作っているのは隠してはいない。
持ってきているのは会合で配る高級バスローブとタオル。
宝石類は馬車では運んでいない。
会合での立場を悪くするためか?
だったら、道中でどうにかすればいいんだ。
そのままの商品は欲しいと?
あー、自分のところでも同じような商品を作りましたよ、的に配るとか?
けど、タグはコットワッツだ。紫のタグがすべてに入っている。
知らないのか?ありえるな。
タオルは隠匿をかけてるんだから、
じゃ、この商品1000枚買いますといっても
だめだろ?
なにがしたいんだ?
持っていかないと会合で配ることはできない。
これの阻止はOK?その後だ。
自分たちで使う?それを別で売るか?
小遣い稼ぎ?
ラルトルガでは試作品が燃やされたけど、
なんか、悪事としてはそっちの方が筋が通ってるな。
なんで、ついでに儲けようとするのかな?いやだーねー。
いや、まて。
その盗みをいつやる?
ルグはいるんだ。ルグより腕が立つと思ってるのか?
館と往復するが、基本はこっちにいるんだから。
「あ!」
奥方か、息子になんかするんだ!
で、呼び戻すか?
それは、どうやって?
(セサミン?国との連絡はどうするの?
緊急の場合は?)
(え?謁見と会合に入る前に一度戻るつもりにしています)
ああ、そうか。
で、ルグを足止めか。
なにをする?大事にはしないはずだ。いや、わからないか。
(セサミン?ルグを奥方の傍に戻して。すぐ。)
(え?)
「ああ、面倒だな!」
『2人は寝る!』
「姉さん?寝ましたよ!」
「ああ、ごめんよ。とにかく、ルグは戻って。奥さんのところに。
なんかやらかすはずだ。」
「セサミナ様、申し訳ありません。戻ります。」
「ルグ!石を。何かあればそれを握って呼べ。」
「わかりました。」
「どういうことだ?ずいぶん考え込んでいたが?」
厨房で、一般的な料理の味見をしてい間考え込んでしまっていたのだ。
セサミンとガイライも集まって、思ったことを話す。
「鍵、開かないな。」
『この部屋の鍵はどこ?音を鳴らして!』
「あの2人の部屋ですね。カンカンと音がしています。」
ガイライが答える。
『鍵よ、ありがとう、ガイライありがとう』
「・・・。」
「ん?」
「その声で礼を言われると、その、喜びが湧きます。」
「おお?そうなの?いつもの声でありがとうは?
ガイライ、ありがとう。」
「それはうれしいですね。」
「ああ、またはなしがそれるね。ごめん。」
「いえ、ルグの家族に何かあれば、
何かを仕掛けることなぞ、許されることではない。」
リン
(ルグ!)
(マティス様!息子が、ローチがいません!!)
(落ち着け!呼び寄せろ!)
(あ!)
ローチは無事。
眠り草で寝かされていたそうだ。
呼寄せたので、どこにいたかはわからない。
ローチの話では、館の中で、おなじ館で働く家の子供たちと遊んでいたと。
今日も父親の留守を守らなくてはと、早めに引き上げて
家に帰る途中だったそうだ。
館の敷地内でのことだ。
どこもけがもないところを見ると、乱暴にはされてはいないようだ。
本人は、
寝ちゃったんだね!
昨日も頑張って母上を守っていたから!と笑っていわれたと。
起きたら父親がいるのでびっくりしたそうだが、
ドーガーと2人がお傍に付いているので戻ってきたということに。
「ドーガーだけではダメだ!父上!ここは大丈夫です!」
とのこと。
全く信用がないドーガー。
「大丈夫。赤い塊殿とも合流できたから。」
「なんだ!だったらドーガーも要りませんね。帰ってくればいいのに。」
とのこと。
ドーガーよ。子供の人気は必要だぞ?
あ!さみしいんだ。なるほど。
ルグは急ぎでコットワッツに戻ったということになった。
がんばったローチと不安だったろう奥方にお土産付き。
ミートパイとアップルパイは数もある。
探してくれた館の皆にも1切れはあたるだろう。
「あの2人はこのまま寝かせておきますか?」
「うん。疲れが出て寝てしまったということにしよう。
謁見の呼び出しが来るまで寝てもらっておこうかな。
その間にご飯食べて、ちょっと館の探検をしておこうかな。
もちろん、2人にはすぐに食べれるようなものを用意しておくよ。」
「そこまでしなくてもいいだろう?」
「いや、普通にね。普通に。
で、館は空っぽになるけど、どうなるかだ。
取りもちみたいなの仕掛けておこうか?」
「とりもち?」
「しらん?ねばねばしたもので、触るとくっつくの。
んー、虫とか小さな動物捕まえるのにね使う。」
「それを人に?」
「もちろん強力にはするよ?べったりとくっ付いて動けないように。」
「戻ってきたら館に張り付いているのか?
言い逃れはできるぞ?ただ触れただけだと。」
「そうか。じゃ、館忍び込んでもらって、荷物おいた部屋だけ開くと。
で、その部屋に入って取りもち?」
「そうなるな。よし、飯にしよう。
赤茄のスープと肉だ。
ガイライ、ニックは?それにここにいてもいいのか?」
「ああ、その話もしよう。」
これは館内での話。
そのあいだに、あの集団がやってきていたが、
秘儀居留守でさくっと無視です。
かなり粘っていたし、わたしを探していたようだけど、
知らんがな、ということで、
謁見前の懇談会に出るために戻っていった。
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