431 / 869
431:叔父貴
しおりを挟む
マティスとトックスさんは刺繍布の刺繍がほどけないという前提で
意匠を考えている。
わたしもだ。ちょっと寝たり、巾着作ったり。
スカーフをトックスさんに見せて、
その間にマティスがコーヒーを入れて。
「ああ、そうだ。男の姿。結構なるのか?」
「いまはね。例のアガッターさんかその姉さんのミフェルさんかどっちか、
もしくは両方が探してるみたい、夫婦の行商を。
だから兄弟の行商なんだ。」
「あのクジラの皮な。あれで下着を作ってやろう。
さらしだろ?それ?伸縮があるから上から着るだけで、胸を押さえられるぞ?」
「お願いしまっす!!」
すごいな!クジラ!!
後はスカーフ・ストールの話。
おしゃれだけに巻くのではなくて、
本来はコートの襟もとの劣化を抑えるものだ。
そう考えればもっと売れるかな?
「難しいな。色を手軽に差せるってことはいいんだがな。」
実用性が乏しいとのこと。
地道に普及していこう。
「あ!風呂敷は?」
「風呂?」
「語源はいろいろあるけど、お風呂に入るときに
自分が脱いだものを包んだりしたとからとか?ああこれもまさしくたぶんだよ。」
「どんなものなんだ?」
「正方形で。えーと。これぐらいかな?」
一束の一辺が120cmぐらいなので、
60cmを2枚作る。端はもうお願いでまつる。
「こんな感じで物を包むの。
持ち運びも便利。もう少し小さくしてお弁当を包むとかね。
かばんにもなる。
スカーフも正方形の方が多いのかな?
こんな感じで首に巻く。」
「なるほどな。あんたの故郷じゃ、布が余ってるってことだ。
しかも安いんだろ?」
「そっか。天然素材は高いよ?けど、工場で作れる布がある。
それはうん、大量生産だ。1銅貨で端切れなら買える。」
「だろうな。あれだぞ?絹の端切れをもらっただろ?
あれはあんだけ買ったからだからな。普通ならやらないし、売り物だ。」
「やっぱり。うん。大事に使ってるよ。」
月が沈むまでの時間は、
トックス倉庫の整理だ。
容赦なくこき使われる。
棚を作り、材料を並べ、見やすく。
金と銀も置いておこう。
布が多いが、素材そのものも多い。骨と皮。何屋だ?
そして月が沈み、刺繍布はそのままだった。
「まずは持ち出せる。それはわかってる。
それで丁寧に扱えば?大丈夫だ!
よし、次だ。
もったいないが、見てろ?」
トックスさんは布の端を20cmほど切る。
そのままだ。
それから無造作に裁つ。
布は半分になり、刺繍糸ははらりとほどけた。
「うわ!本当にほどけた。
穴だらけ。ん?大きくなってるよね?」
持ち上げようとすると、細切れだ。糸くずになった。
「王様すごいね。愛だね。
片りんも残さぬわ!!っていうのがあるんだね。うん。すごい!!」
「奥さんよ、それを説得したほうがすごいんだよ。」
「そう?うふふふふ。マティス褒めて?」
「ああ、すごいぞ!さすが私の愛しい人だ。好き好き大好きだ。」
「!!ここではそれはいいの!!」
トックスさんの前で何を言ってるんだ?
「ああ、かまわんよ。そうなんだから。
しかし、欲が出るな。
あんたたち、もう一度タトートに行かねえか?
その青い刺繍も見たいし、やっぱり仕入れは少ないだろ?
で、悪いが偏ってる。旦那の趣味ばかりだ。
他の物も見たい。連れていってくれねえか?今回だけだ。」
「マティス?」
「もちろん。」
「よかった。今回だけと言わず、いつでも。
フレシアにもいきますか?もう補充されてると思うから。」
「いいのか!フレシアとタトート。何十年ぶりだろうか。
準備するから。待ってくれ。」
「愛しい人?寝なくても大丈夫か?」
「うん。ちょっとは寝たしね。
いま、一日20時間ぐらい?これぐらいだったら、3時間ぐらい寝れば大丈夫。」
「そうか。では、セサミナに話をしておこう。
ふふ。きっと悔しがる。」
「どうして?」
「先に私たちと同行するからな。」
「あはははは。買い付けなんだから。」
(セサミナ?)
(兄さん!姉さんは?)
(おはよう、セサミン)
(おはようございます!どうでしたか?)
(大丈夫だったよ。でも、考えなしに鋏を入れたら粉々になった)
(ああ。王の願いですね)
(そうなるね)
(捕らえた2人はどうなった?)
(何かの間違いだの一点張りです。わたしがその場にいたといっても、
知らないの一点張り)
(どうしようもないね)
(かまわんさ。今からトックスを連れて、仕入れに行く)
(え?3人で?)
(そうだ、フレシア、タトートだな)
(うらやましい!!)
(次は一緒だから。1日は泊るよ。トックスさんの工房も収納していくから)
(!わかりました。半分まで、あの2人は引き留めておきましょう)
(ふふ。そうだね。館もなければどうしようもない)
「おい!行くぞ!」
(ああ、もう釈放していいぞ?)
(分かりました)
(じゃあ、行ってくるね)
「この工房も収納していくから。」
「そうか!」
トックスさんは旅慣れているのか、
小さな鞄だけだ。
荷物はわたしたちが持つ前提なんだけどね。
まずはフレシア。
ここは夫婦になるから、直接店の近くに移動。
「新しいの入ってますか~?」
「おや!また買いに来てくれたんだね。
もちろん、入ってるよ。一切合切なくなったからね。
どれも新織、柄物なんだ。見て行っておくれ。
ん?その人は?」
「エリングか?はは!年取ったな!」
「?・・・トックス!トックス!!あんたも!あははははは!!」
トックスさんの女たらし伝説か?
「え?この2人はあんたの息子か娘?」
「そんなようなもんだ。仕入れでな、いい布を持ってきたんだが、
こいつの趣味ばかりでな。それで連れて来てもらたんだ。
そうか、エリングの店か。なら納得だな。」
昔、大陸を廻った時に来たことのある店らしい。
「おふくろさんは?」
「もうとっくに石すらなくなってるよ。」
「そうか、そりゃそうだな、あんたがいまあの時のおふくろさんぐらいか?」
「失礼だわ!もっと若いわよ!!」
そこからは、社交辞令から始まって、最近の流行、
若い織子の仕事のダメさ加減、近所の店の、
色恋沙汰など。トックスさんは合いの手をいれ、共感し、
その間に次々布を選んでいく。綿もだ。
そこからだ。
クスナさんが言うところの命の危険が危ない。
口を出してはいけません。
値引き交渉が始まったのだ。
トックスさんは大量購入と商品のほんの小さな不備を指摘して
安く買おうとする。
店の主、エリングさんはそんなことは当たり前で、商品の良さをアピールし、
上乗せしてもいいくらいだという。
これが商売。
(マティス、わたしたちのってあそびだね)
(そうだな。殺気がある)
(ね)
「わかったよ。その金額で。」
「そうだろ?あんたも損はしてない。むしろ儲かってるはずだ?な?」
「あー、いやだ、いやだ。
あんたたち、こんな行商人になるんじゃないよ?」
「なにをいう?俺は行商でも何でもない。服飾屋だ。
その材料の価値を知ってるだけだ。」
「なんとでも!!」
「トックスおじさん?せめてあの中コート、お裾分けしたら?
ここの布を使ってるんだし。もってきてるよ?ミンクも。ね?ティス?」
「そうだ。モウの言うとおりだ。叔父貴。」
名前をわざと言っておく。
旦那と奥さんじゃ、おかしいから。
「ん?・・・ティスとモウがいうなら。」
トックスさんはすぐに気づく。
それからエリングさんを上から下まで見てこう言った。
「淡い緑、それと首に巻く、赤黄色。
ミンクもか?ああ、薄い茶色だ。宣伝だな。」
「うん。」
「なんだい?」
あっという間にマダムです。
色遣いがいいね。
「もらってくれよ。
いまはコットワッツ、ティータイに店を出している。
買いに来てくれよ?」
「なんて素敵なんだろう!ほんと素敵!
あのニバーセルの青のドレスのトックスって
あんたのことだったんだ。同じ名前でまさかとはおもったのさ。
ジットカーフにいるって聞いてたからね。」
ミンクをスリスリしながらミンクに話しかけている。
「いまはコットワッツだ。モ、モウ?
ほれ、タオルも売りつけてやんな。割りが合わないぜ?」
「はい!」
タオルも10枚ほど。ゴムと、歯ブラシも。
ゴムはここに置いてもらうといいのでは?とおもう。
「これ、この大きさだけ?
もっと大判だったら、ここに置くよ?」
「大判でつくった湯あみ後のローブはもうすぐ売り出す。
そうだな、その後ここに入れてもいいな。
真似て作るものもいるだろうが、
買うほうがいいってことになろうさ。
何といってもトックス監修だからな。」
「あー、いやだ、いやだ。
あんたたち、こんな行商人になるんじゃないよ?」
それをミンクのコートに言っていた。
今回の仕入れは柄物中心だ。
よかった。その柄どこに使いますのん?というものばかりだった。
が、トックスさんに掛かれば、センス良くまとまるのだろう。
そろそろ半分だ。
エスワさんの店に行こう。やってるかな?
意匠を考えている。
わたしもだ。ちょっと寝たり、巾着作ったり。
スカーフをトックスさんに見せて、
その間にマティスがコーヒーを入れて。
「ああ、そうだ。男の姿。結構なるのか?」
「いまはね。例のアガッターさんかその姉さんのミフェルさんかどっちか、
もしくは両方が探してるみたい、夫婦の行商を。
だから兄弟の行商なんだ。」
「あのクジラの皮な。あれで下着を作ってやろう。
さらしだろ?それ?伸縮があるから上から着るだけで、胸を押さえられるぞ?」
「お願いしまっす!!」
すごいな!クジラ!!
後はスカーフ・ストールの話。
おしゃれだけに巻くのではなくて、
本来はコートの襟もとの劣化を抑えるものだ。
そう考えればもっと売れるかな?
「難しいな。色を手軽に差せるってことはいいんだがな。」
実用性が乏しいとのこと。
地道に普及していこう。
「あ!風呂敷は?」
「風呂?」
「語源はいろいろあるけど、お風呂に入るときに
自分が脱いだものを包んだりしたとからとか?ああこれもまさしくたぶんだよ。」
「どんなものなんだ?」
「正方形で。えーと。これぐらいかな?」
一束の一辺が120cmぐらいなので、
60cmを2枚作る。端はもうお願いでまつる。
「こんな感じで物を包むの。
持ち運びも便利。もう少し小さくしてお弁当を包むとかね。
かばんにもなる。
スカーフも正方形の方が多いのかな?
こんな感じで首に巻く。」
「なるほどな。あんたの故郷じゃ、布が余ってるってことだ。
しかも安いんだろ?」
「そっか。天然素材は高いよ?けど、工場で作れる布がある。
それはうん、大量生産だ。1銅貨で端切れなら買える。」
「だろうな。あれだぞ?絹の端切れをもらっただろ?
あれはあんだけ買ったからだからな。普通ならやらないし、売り物だ。」
「やっぱり。うん。大事に使ってるよ。」
月が沈むまでの時間は、
トックス倉庫の整理だ。
容赦なくこき使われる。
棚を作り、材料を並べ、見やすく。
金と銀も置いておこう。
布が多いが、素材そのものも多い。骨と皮。何屋だ?
そして月が沈み、刺繍布はそのままだった。
「まずは持ち出せる。それはわかってる。
それで丁寧に扱えば?大丈夫だ!
よし、次だ。
もったいないが、見てろ?」
トックスさんは布の端を20cmほど切る。
そのままだ。
それから無造作に裁つ。
布は半分になり、刺繍糸ははらりとほどけた。
「うわ!本当にほどけた。
穴だらけ。ん?大きくなってるよね?」
持ち上げようとすると、細切れだ。糸くずになった。
「王様すごいね。愛だね。
片りんも残さぬわ!!っていうのがあるんだね。うん。すごい!!」
「奥さんよ、それを説得したほうがすごいんだよ。」
「そう?うふふふふ。マティス褒めて?」
「ああ、すごいぞ!さすが私の愛しい人だ。好き好き大好きだ。」
「!!ここではそれはいいの!!」
トックスさんの前で何を言ってるんだ?
「ああ、かまわんよ。そうなんだから。
しかし、欲が出るな。
あんたたち、もう一度タトートに行かねえか?
その青い刺繍も見たいし、やっぱり仕入れは少ないだろ?
で、悪いが偏ってる。旦那の趣味ばかりだ。
他の物も見たい。連れていってくれねえか?今回だけだ。」
「マティス?」
「もちろん。」
「よかった。今回だけと言わず、いつでも。
フレシアにもいきますか?もう補充されてると思うから。」
「いいのか!フレシアとタトート。何十年ぶりだろうか。
準備するから。待ってくれ。」
「愛しい人?寝なくても大丈夫か?」
「うん。ちょっとは寝たしね。
いま、一日20時間ぐらい?これぐらいだったら、3時間ぐらい寝れば大丈夫。」
「そうか。では、セサミナに話をしておこう。
ふふ。きっと悔しがる。」
「どうして?」
「先に私たちと同行するからな。」
「あはははは。買い付けなんだから。」
(セサミナ?)
(兄さん!姉さんは?)
(おはよう、セサミン)
(おはようございます!どうでしたか?)
(大丈夫だったよ。でも、考えなしに鋏を入れたら粉々になった)
(ああ。王の願いですね)
(そうなるね)
(捕らえた2人はどうなった?)
(何かの間違いだの一点張りです。わたしがその場にいたといっても、
知らないの一点張り)
(どうしようもないね)
(かまわんさ。今からトックスを連れて、仕入れに行く)
(え?3人で?)
(そうだ、フレシア、タトートだな)
(うらやましい!!)
(次は一緒だから。1日は泊るよ。トックスさんの工房も収納していくから)
(!わかりました。半分まで、あの2人は引き留めておきましょう)
(ふふ。そうだね。館もなければどうしようもない)
「おい!行くぞ!」
(ああ、もう釈放していいぞ?)
(分かりました)
(じゃあ、行ってくるね)
「この工房も収納していくから。」
「そうか!」
トックスさんは旅慣れているのか、
小さな鞄だけだ。
荷物はわたしたちが持つ前提なんだけどね。
まずはフレシア。
ここは夫婦になるから、直接店の近くに移動。
「新しいの入ってますか~?」
「おや!また買いに来てくれたんだね。
もちろん、入ってるよ。一切合切なくなったからね。
どれも新織、柄物なんだ。見て行っておくれ。
ん?その人は?」
「エリングか?はは!年取ったな!」
「?・・・トックス!トックス!!あんたも!あははははは!!」
トックスさんの女たらし伝説か?
「え?この2人はあんたの息子か娘?」
「そんなようなもんだ。仕入れでな、いい布を持ってきたんだが、
こいつの趣味ばかりでな。それで連れて来てもらたんだ。
そうか、エリングの店か。なら納得だな。」
昔、大陸を廻った時に来たことのある店らしい。
「おふくろさんは?」
「もうとっくに石すらなくなってるよ。」
「そうか、そりゃそうだな、あんたがいまあの時のおふくろさんぐらいか?」
「失礼だわ!もっと若いわよ!!」
そこからは、社交辞令から始まって、最近の流行、
若い織子の仕事のダメさ加減、近所の店の、
色恋沙汰など。トックスさんは合いの手をいれ、共感し、
その間に次々布を選んでいく。綿もだ。
そこからだ。
クスナさんが言うところの命の危険が危ない。
口を出してはいけません。
値引き交渉が始まったのだ。
トックスさんは大量購入と商品のほんの小さな不備を指摘して
安く買おうとする。
店の主、エリングさんはそんなことは当たり前で、商品の良さをアピールし、
上乗せしてもいいくらいだという。
これが商売。
(マティス、わたしたちのってあそびだね)
(そうだな。殺気がある)
(ね)
「わかったよ。その金額で。」
「そうだろ?あんたも損はしてない。むしろ儲かってるはずだ?な?」
「あー、いやだ、いやだ。
あんたたち、こんな行商人になるんじゃないよ?」
「なにをいう?俺は行商でも何でもない。服飾屋だ。
その材料の価値を知ってるだけだ。」
「なんとでも!!」
「トックスおじさん?せめてあの中コート、お裾分けしたら?
ここの布を使ってるんだし。もってきてるよ?ミンクも。ね?ティス?」
「そうだ。モウの言うとおりだ。叔父貴。」
名前をわざと言っておく。
旦那と奥さんじゃ、おかしいから。
「ん?・・・ティスとモウがいうなら。」
トックスさんはすぐに気づく。
それからエリングさんを上から下まで見てこう言った。
「淡い緑、それと首に巻く、赤黄色。
ミンクもか?ああ、薄い茶色だ。宣伝だな。」
「うん。」
「なんだい?」
あっという間にマダムです。
色遣いがいいね。
「もらってくれよ。
いまはコットワッツ、ティータイに店を出している。
買いに来てくれよ?」
「なんて素敵なんだろう!ほんと素敵!
あのニバーセルの青のドレスのトックスって
あんたのことだったんだ。同じ名前でまさかとはおもったのさ。
ジットカーフにいるって聞いてたからね。」
ミンクをスリスリしながらミンクに話しかけている。
「いまはコットワッツだ。モ、モウ?
ほれ、タオルも売りつけてやんな。割りが合わないぜ?」
「はい!」
タオルも10枚ほど。ゴムと、歯ブラシも。
ゴムはここに置いてもらうといいのでは?とおもう。
「これ、この大きさだけ?
もっと大判だったら、ここに置くよ?」
「大判でつくった湯あみ後のローブはもうすぐ売り出す。
そうだな、その後ここに入れてもいいな。
真似て作るものもいるだろうが、
買うほうがいいってことになろうさ。
何といってもトックス監修だからな。」
「あー、いやだ、いやだ。
あんたたち、こんな行商人になるんじゃないよ?」
それをミンクのコートに言っていた。
今回の仕入れは柄物中心だ。
よかった。その柄どこに使いますのん?というものばかりだった。
が、トックスさんに掛かれば、センス良くまとまるのだろう。
そろそろ半分だ。
エスワさんの店に行こう。やってるかな?
13
あなたにおすすめの小説
男が英雄でなければならない世界 〜男女比1:20の世界に来たけど簡単にはちやほやしてくれません〜
タナん
ファンタジー
オタク気質な15歳の少年、原田湊は突然異世界に足を踏み入れる。
その世界は魔法があり、強大な獣が跋扈する男女比が1:20の男が少ないファンタジー世界。
モテない自分にもハーレムが作れると喜ぶ湊だが、弱肉強食のこの世界において、力で女に勝る男は大事にされる側などではなく、女を守り闘うものであった。
温室育ちの普通の日本人である湊がいきなり戦えるはずもなく、この世界の女に失望される。
それでも戦わなければならない。
それがこの世界における男だからだ。
湊は自らの考えの甘さに何度も傷つきながらも成長していく。
そしていつか湊は責任とは何かを知り、多くの命を背負う事になっていくのだった。
挿絵:夢路ぽに様
https://www.pixiv.net/users/14840570
※注 「」「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています。
『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる
仙道
ファンタジー
気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
12/23 HOT男性向け1位
ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
魔界建築家 井原 ”はじまお外伝”
どたぬき
ファンタジー
ある日乗っていた飛行機が事故にあり、死んだはずの井原は名もない世界に神によって召喚された。現代を生きていた井原は、そこで神に”ダンジョンマスター”になって欲しいと懇願された。自身も建物を建てたい思いもあり、二つ返事で頷いた…。そんなダンジョンマスターの”はじまお”本編とは全くテイストの違う”普通のダンジョンマスター物”です。タグは書いていくうちに足していきます。
なろうさんに、これの本編である”はじまりのまおう”があります。そちらも一緒にご覧ください。こちらもあちらも、一日一話を目標に書いています。
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?
お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。
飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい?
自重して目立たないようにする?
無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ!
お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は?
主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。
(実践出来るかどうかは別だけど)
特に呼ばれた記憶は無いが、異世界に来てサーセン。
黄玉八重
ファンタジー
水無月宗八は意識を取り戻した。
そこは誰もいない大きい部屋で、どうやら異世界召喚に遭ったようだ。
しかし姫様が「ようこそ!」って出迎えてくれないわ、不審者扱いされるわ、勇者は1ヶ月前に旅立ってらしいし、じゃあ俺は何で召喚されたの?
優しい水の国アスペラルダの方々に触れながら、
冒険者家業で地力を付けながら、
訪れた異世界に潜む問題に自分で飛び込んでいく。
勇者ではありません。
召喚されたのかも迷い込んだのかもわかりません。
でも、優しい異世界への恩返しになれば・・・。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる