いわゆる異世界転移

夏炉冬扇

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379:ワサビ

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「モウ?あれはなにを渡したんですか?」
「月無し石って呼んでる石ですね。
会わずの月の日にコットワッツの砂漠で見つけたんですよ。
で、なんか記録と記憶を取ってるとか。
マトグラーサの砂漠、イリアスの砂浜にもいました。
石って言ったけど、動くし、話すし、
生き物かもわかんないんですけど。
マトグラーサの砂漠石が増えてるって教えてくれたのは彼らですよ。」
「彼ら?」
「そうです。今数は把握してませんね。こう、わたしたちがあちこち行くときに
3つ、4つ、現地に残ったりするんで。
あの草原の分かれ道で、師匠と別れたときに、
いくつかついてってますよ?スー兄の了解済みで。」
「スーですか?ああ、いいです。それで?」
「で、なにかあった時は教えてとお願いしてるんで。
連絡が取れるといったのはそれです。
ここにも、資産院にも軍部にもいてると思います。
呼びましょうか?この家にもいてるはず。」
「・・・いえ、結構。わたしが見つけます。」
「そうですか?見つけることが出来たら、水浴びさせてください。
喜びますんで。体を拭いてやるとさらに喜びます。」
「・・・わかりました。それを、月無し石を持たしたと?」
「ええ。それで、呼んでもらうんでしょうね。で、そこに行くと。
いつの間にそんなことが出来るようになったのかな?
わたしが眠りこけてるときに、月無し石にお願いして出かけてるようなので、
それでできるのかな?」
「あなたはできないんですか?」
「どうだろう?やればできると思いますよ?」
「・・・なるほど。」


「じゃ、待ってる間、おうどんより、先にデザート食べようか?
ビャクにも約束してるしね。アイスだよ?」

クーちゃんも食べるというので、一緒に。
飲み物はホットワイン。
子供組、チュラル君たちはかなりアルコールを飛ばして
樹脂蜜をたっぷり入れている。
カップ君とわたしは軽く。
師匠はプラスブランデーと香辛料。シナモンの代わりだ。
そしてキトロスの実を入れる。


チュラル君たちは頑張ったけど、すぐに寝てしまう。
お酒はまだまだ早かったようだ。

ビャクとクーちゃんも喜んで飲んでる。
師匠と同じものをだ。

カップ君がハイテンションだ。
ドーガーのことをえらく称えていた。
さすが兄弟子だと。
うーん、そうなのか?



─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘


「マティス様!」
「ここか?」
「ええ。しかし・・・。」
「臭いがひどいな。」
「ここの周辺は何もなく、ただ、小さな川が流れているだけなのですか。」
「お前の住んでいたところは?」
「この近くでしたが、成人して、
領主館に呼ばれてから誰も住んでいません。」
「そうか。少し上流に行こう。臭いのしないところで
取ったほうがいいだろう。」
「ええ、そうですね。それに、あの草はここにはないようだ。」


ツイミと連れ立って川辺を歩く。

「ここは食べ物が豊富とはいわない。
森も林もなく、川にはキュキュ、
これは名前が分からないので勝手にそう呼んでいたのですが、
それがいるだけでした。
あれもいませんね。夜に捕まえることは難しいのですが、
岩場にたくさんいたのに。」
「それは、昼間は動きが鈍い、岩みたいな?」

川なまこの形態を説明する


「そうです!そうです!それを薄く切って煮るんですよ。
食べ応えがありました。懐かしいな。」
「食べたのか、あれを?」
「ええ。食べるものがそれだけだったので。」
「・・・愛しい人がいう、お前は尊敬される人物なんだな。うらやましい。」
「え?」
「その話、愛しい人にしてみろ?草の時のように喜ぶぞ?」
「?」
「愛しい人がなまこ、川にいるから川ナマコと呼んでいる。
あとで出してもらえ。酒がすすむ。」
「え?食べたんですか?あれを?」
「お前も食べていたんだろ?」
「それは食べるものがなかったからです。」
「・・・愛しい人は率先して狩った。私もだ。結構うまい。」
「うまいですか?食べ応えはあるのですが、味はどうでしょうか?」
「食感がいいとおもう。コリコリ?」
「ああ、それは。
あ!でも、あの胡麻のソースにつけたらうまいかもしれませんね!
そうか、なにか味をつければよかったんだ。」
「そういうことだな。」

かなり上流までのぼり、臭いもなくなり、
ツイミが言う草がある。

すこしかじってみる。
なるほど。鼻にツンと来る。


「これは腹いっぱいは食べれんな。」
「ええ。でも、味がしますから。」
「・・・そうか。」


いまさらながら、私は恵まれていたと感じる。
食べるものに不自由したことはない。
砂トカゲの肉が少なくても狩りに行けばよかった。
彼女はこの状態を自分が経験していなくても知っている。
私は知らない。知らなかった。

「マティス様?」
「いや。葉だけではなく根も欲しいと言っていたな。
根は?食べれるのか?」
「かじったことはありますが、葉よりも辛いというか、舌がしびれます。
毒ではないとはおもいますが。」
「では、根ごと、この水ごと取ってしまおう。
あの臭い。ここらへんで下水の処理を行っている。
いずれここにも範囲が広がるかもしれんからな。
きれいな水のところに生えるのだろう?」
「ええ。そうです。ここの水はきれいだ。」


砂漠石で膜を作りその中に、
川の水、土、ツンと来る草など、
一切合切移動する。
これを渓谷の川に移動すればいいだろう。
先に食べたがるだろうから、5本ほど、根ごと収穫する。


「ツイミ、戻ろう。」
「・・・わかりました。」
「どうした?」
「ここに、またあのような処理場を作るのでしょうか?」
「わからんな。ただ単に処理場が、湿地に捨てることができなくなったから、
ここに流していただけかもしれん。
ワイプに報告すればいい。調べが必要なら動くだろう。
お前は移動ができるだけだ。お前自身が動くことは、
逆にワイプの負担になる。
資産院の仕事を滞りなく進めることが、ワイプの為にもなるし、
愛しい人の為になる。
残念ながら愛しい人はワイプを尊敬しているからな。」
「・・・・。」
「・・・その顔、セサミナもワイプの話をするとそのような顔をする。
愛しい人もだ。」
「っ!あ、失礼。その、、、」
「なんだ?」
「その、マティス様は同じようにワイプ様を尊敬しているのではと?」
「なんでそうなるんだ?愛しい人もそのように思い込んでいる。」
「・・・ああ、そうですね。思い込んでいると。」
「そうだ、おかしいだろう?」
「ええ、おかしいですね。」
「セサミナも同じだ。理解力がないと言いたくはないが、
実はそうなのか?」
「いえ、違いますよ。マティス様がそう思っていらっしゃっても、
モウ様のことが基準になるとほかの者にはそう見えるのです。
仕方がないことですよ。モウ様の為です。」
「そうか、そうなるのか。
愛しい人のためになるというのならば、仕方がないな。」
「ええ、そうです。わたしは理解できましたから。」
「そうか!ならば仕方がないな。よし、愛しい人の為だ、
早く戻ろう。」
「ええ。しかし、これはそのままで?」
「そうだ。植物を収納に入れる方法は愛しい人しか出いない。
おまえはその5本をもってもどれ。
わたしは、これを渓谷に置いてから帰るから。
そのおまえがいうキュキュはこれを食べるのか?」
「いえ、食べていなかったと思います。」
「そうか、では問題ないな。」


ツイミが戻り、私は渓谷の開けたところ、
水のきれいなところに、そのまま、草を戻した。
根つけばいいな。



─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘



「戻りました。」

ツイミさんが戻ってきた。

「お帰りさない。ありがとうね。ん?マティスは?」
「ええ、すぐに。」

マティスが戻る。
ちゃんとフリルエプロンをつけてお出迎えだ。
うらやましそうにしていたから。

「マティス、お帰りなさい。お疲れ様。
子供たちは寝ちゃったのよ。カップ君もね。
ビャクもクーちゃんも。
もう少し呑みたいでしょ?
お酒のあてつくったからそれを食べましょ?」


マティスが嬉しそうだ。
うん、かわいいな。

あの後カップ君も沈んで、
マティスが戻った時の用意をしていたのだ。

「モウ、マティス君が戻ったら、
今日わたしたちを迎えたときのようなことをしてくださいな。
わたしに殺気を飛ばしていましたよ?」
「ああ、なるほど。お帰りって出迎えることほとんどないからね。
エプロン変えなきゃ。」
「お願いします。でないと、ほんとにわたしは殺される。」
「うふふふ。マティスと、オート君、スー兄とビャクでね、
ワイプ死ね死ね団だそうですよ?
常にいかにして師匠が死ぬかを研究しているそうです。」
「それは愉快な団体ですね。うれしいですね。」
「ね。わたしもそう思いますよ。」


─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘


愛しい人があの前掛けをつけて
微笑む。

素晴らしい!!
2人きりなら押し倒している!


「モウ様、これですよ。
それと、ワイプ様、報告が。」

ワイプに報告している。
糸と糞尿がどこまで関係しているかわからんからな。

「愛しい人、この草は渓谷に移した。
ツイミが取っていたところは環境が変わったのかなかったからな。
いずれそこもなくなるかもしれん。」
「おお!さすがだ!
きれいな川がずっときれいなままってことはないからね。
うん、さすがだね。」
「それと、ツイミは川ナマコを食べたことがるそうだ。
あの食べ方ではなく、薄く切って煮たと。」
「なに!どうして?」
「はははは、モウ様。食べるものがそれしかなかたんですよ。」
「あー、そうか。そうなるよね。
うん、だけど、尊敬するよ。ツイミさん。
あ、あてになまこだしてるよ?薄く切ってか。じゃぶじゃぶ的なのかな?
ポン酢とあうからね。下処理したものを切ってみようかな。」
「下処理?」
「ぬめり取らずに食べてたの?」
[ええ、そのままで。」
「おお。それは、うん、ここの人、全般に言えることだね。
下処理大事。準備のできが仕上げの成功を9割を占めるよ?」
「モウ、その通りですよ。で、それはどうやって?」
「あ、準備してきます。お刺身と、漬け丼がいいかな?
ワサビがないとね。やっぱり駄目だから。
あとはこの茎はおひたし的に。鰹節もどきと和えよう。
すぐ作るよ、ちょっとまっててね。」


台所にあの草を持っていく。
どうするのだろうか?
酒のあては愛しい人の方が素早く、しかも、うまく作ってくれる。



「ワイプ、今の話どう思う?」
「なんとも。誰かが流していることは確かですが、
それが盗んだものなのか、自前の物なのかは今は判断付きませんね。
しかもそれが犯罪に、ま、窃盗は別にして、
犯罪につながるかどうかも怪しい。
次の糸の販売は、一月遅れという通達が来ていますから。
金を借りに来る院も出てきています。
それは止めようがない。
浄化の仕事をきちんとしているかどうかはの査定はしておきましょう。
最近、オート院長とツイミに近づく輩もいる。
糸の効果はみな半信半疑ですが、
成功していてもすぐには気付かないでしょうね。
資産院はあくまでも金の流れを把握し、違法なら処罰する。
それ以外は動きようがない。
例え、大勢の強制労働者が死んでいても、
それが違法でなければどうしようもない。」
「その法もその都度かわるがな。」

「それはそうでしょ。」

愛しい人が、台所から戻ってくる。

「いいんだよ、それは。法がどうあれね。
わたしが、わたしたちがどうおもうかなんだよ。
正に、法の厳守なんてできないね。」
「そうなるな。」
「さ、大人の時間だよ?日本酒もぬる燗にしたし。
ツイミさんもびっくりのなまこ料理だよ?」


あの草はワサビと呼んでいた。
その根をすりおろし、サシミに少しだけ付ける。
それをまたオショウユに少しだけ付ける。

「あ!!うまいです!え?あの草がですが?」
「根のところだね。葉っぱはさっと湯がいておひたし。
ピリっとくるけど、お酒に合うよね。
だし巻き卵もつくったから、ほんのり甘いのと、交互にね。
で、これがなまこ。酢のものだ。このわたはナマコの腸。
で、薄切りにして、さっとお湯に通して、ポン酢か、胡麻だれで。
居酒屋さんメニューだね。
なまこのじゃぶじゃぶなんて初めてだよ。
!!おいしいね。へー。うん、酒が進む。」


ワイプは少しずつ、ワサビの量を増やして一番いい分量を調べている。
私もだ。
どちらがより多く食べれるか競争になっている。

「そこ、おいしく食べないともったいないよ?」
「「すいません。」」


「・・・こんなおいしいく食べることが出来るなんて。
あの頃は腹を満たすだけで必至だった。
わずかな食料は母と2人でわけて。
最初にこのキュキュをとってきたのは母なんですよ。
焼いたら小さくなるし、湯がいてやっと食べれるようになりました。
味なんてそのときは考えもしない。
口に入れて腹が膨らめばそれで満足しました。
母が食べれば驚くでしょうね。」
「そう?じゃ、今度いっぱい狩ってくるよ。
今度は昼間に。夜の動きの速いこと速いこと。
追い込み漁になるんだよね。
ツイミさんはどうやって取ってたの?」
「昼間動かない時に、少し離れたところで、
水辺を叩くんです。バシャバシャとすると寄ってくるのでそれで。」
「!なるほど。これは良いお話ですね?マティス。」
「そうだな。今度も大量に狩れそうだ。」
「あの、それはどこで?」
「マトグラーサの砂漠の横の渓谷だ。
川が流れ、ナマコがいる。
水はきれいだぞ?
岩壁にはカエルが群れを作っていたぞ。だが、色が悪い。」
「カエルはそこでは狩らないで、ガイライが狩った方法で取ろう。
そのほうが鍛錬になるしね。
なまこ狩り、メイガ狩り、カエル狩りだね。
あ、師匠?
その時にビャクとクーちゃん連れていっていいですか?」
「かまいませんよ。わたしも行きますから。」
「なんでだ!!なんで一緒にくるんだ!!」
「いや、純粋に興味ありますから。」
「仕事はどうする?1日では終わらないぞ?また休むのか!」
「ツイミ、よろしくお願いしますね。」
「ええ、もちろん。お任せください」
「ツイミ!!お前はやっぱりわかっていない!まったくだ!」
「いえ、マティス様?違いますよ?接する時間が長いほど、
相手の弱点が見えるというものです。これはそのために必要なのですよ。」
「!!素晴らしい!なるほど。愛しい人が尊敬するだけのことはあるな!」
「ありがとうございます。」
「ツイミさん!うちのマティスで遊ばないで!
ツイミさんが一番腹黒だね?いや、褒めてんのよ?
師匠も嬉しそうにしないの!もう!
一応、雨の日前って考えてます。1週間って考えはないのか、
7日前ぐらいでどうかなって。カエルがイリアスの上を飛ぶのは
それぐらいなんでしょ?」
「そうだな。5日ぐらい前からかな?数日は飛んでいく。」
「じゃ、ちょうどいいね。仕事は無理せず前倒しで
頑張ってください。ツイミさんもなまこ狩り、初日は一緒に行きますか?
狩り方教えてくださいな。」
「いいんですか?ぜひ!!」
「じゃ、そういうことで。もちろんカップ君たちも一緒でしょ?
またいっぱいご飯作らないとね。」
「そうなるとガイライも来るぞ?ニックもイリアスに戻る時期だし。」
「あ!そうか!それもいいね。
あ、いまからガイライ呼ぼうか?タフトの街道のこと聞きたいしね。
まだ呑むでしょ?」



連日の宴会だ。

「モウちゃん!これいいな!魚がうまい!」
「そうですね。お魚にはワサビだね。
海鮮丼にもあるとないとじゃちがうから。
トックスさんにも喜びそうだね。」
「それで、モウ?タフトにはいつ?」
「えーとイリアスの砂浜、マトグラーサの渓谷、フレシア、ルポイド。
渓谷はカエルの様子見だけね。これは食料調達なの。
で、またイリアスにもどって、海側から、
ダルカナ、間の砂漠、ピクトでタフトに行こうかなって計画だけど、
なんか、通行税がすごいとか?内容次第では無視して、
ピクト側の山脈を超えて、なにもないところを進んで砂漠?
で、未開の森を見て海?」
「いっしょに行きたい。」
「あはははは!休めないでしょ?ガイライは?
おもしろ事件があれば呼ぶよ?それで我慢してね。」
「必ず呼んでください。ではタフトに用事があるわけではないのですね?」
「そうそう。ルカリアとマトグラーサは別にして、
混合いはじめにボルタオネにいくのよ。
だから行ってないタフトに行こうかなって。
特に美味しものがないのなら別にいいんだけど。」
「あの街道は、なんといいますか、あらゆるものが揃っています。
ああ、日持ちがしないもの以外ですが。
一等品と呼ぶにふさわしいものでしょう。
が、高い。一等品と呼ばないものでも高い。
余裕があるときに通るのはいいでしょうね。」
「余裕か。いまはあるよ?ガイライにもらったのが。
それでもダメ?」
「残念ながら。もう少しあったほうがいい。
1万リングあれば、そこそこ楽しめますよ。」
「1万でそこそこ!え?じゃ、キャッキャウフフで楽しもうとおもったら?」
「2人で、10万でしょうか?」
「あ、ダメ。そういうのダメ。でも、いつか必ずいこうね、マティス。
今回はいいです。」
「10万ならすぐに稼げるぞ?海峡石を売ってもいい。」
「いやいや。キャッキャウフフのためにそれはない。
そのためにお金は作りたくないし、稼ぎたくもない。
あの街道はいったことないね?
お金もあるし、いこうか?って感じで行こう。」
「そうか?」
「そうだよ。
だって、一等品っていっても、
料理はマティスのものがおいしいだろうし、
服飾はトックスさんだ。
そのほか、いろいろ見たってケチつけちゃうよ?高いものなら。
飾りだって、コットワッツのダイヤの方がきれいだ。
決めつけるのはよくないけどね。もっとこう、余裕ができてからだね。」
「わたしもそう思いますよ?
食事もマティス君やモウがつくってくれたものの方がうまい。」
「当たり前だ。」
「しかしな、モウちゃん。その街道から少し外れたところの道の方が
うまいものがあるし、安い。なんだったら案内するぞ?」
「うぉ!!それがいい!その裏街道がいい!!」

愛しい人が食いつく。ニックめ!!

「マティス、殺気を飛ばすな!」
「マティス!楽しみだね!じゃ、海から王都に戻るときに案内してもらおう。
いいですか?ニックさん。」
「もちろんだ。その時になったら呼んでくれ。
それと槍術の進み具合はどうだ?そのときに一度見せてくれ。」
「お、お、お、お願いします。」
「はは!最近やってないだろ?見ればわかるぞ?」
「え?どこみて?なに?二の腕?え?太ったてこと?うそん!!マティス!」
「ん?重さは変わっていないぞ?だが、最近さぼりすぎなことは事実だ。
ニック?どこを見た?」
「いってもわからんだろ?それが分かるには経験だな。」
「さすがです!ニックさん!!」
「ニックにまで!ニック!その時に手合わせだ!」
「かまわんよ?楽しみだな。」
「そのときはわたしも呼んでくださいね?モウ、棒術も見ましょう。」
「え?ハイ、頑張ります。」
「なら、拳術もだ。モウ?いいですね?」
「なんで?」
「偏ってはいけないでしょ?」
「・・・・はい。よろしくお願いいたします。」
「愛しい人、では剣術もだな。」
「・・・・。」
「ん?返事は?」
「へーい。」
「ははは!大丈夫だ、モウちゃん。
槍術の鍛錬で何もかもの鍛錬になる。」
「ん?それはおかしいですね?モウ?呼吸法ですよ?棒術の基本こそ、
武の基本です。」
「それもおかしな話だ。己の体を使う拳術こそ基本だ。
「間抜け共め。自慢ではないが、剣のマティスと呼ばれた私と踊るのだぞ?
基本は剣術だ。」


「・・・・モウ様、頑張ってください。
楽しく鍛錬することが一番だと思いますよ?」
「うん、うん。さすが、ツイミさんだよ。」


そのまま武とは何かの話になり、
ツイミは早々に引き上げ、愛しい人は私の腕の中で眠りについた。





















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