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304:強制労働
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砂漠に降り立ち、南下していく。
マトグラーサよりで。
月が沈むと同時に砂漠に降りたので朝ごはんはなしだ。
昨日のうちに朝用のご飯はガイライとニックさんには渡してある。
ルカリさんにはイラスト入りのご飯の炊き方をマティスが書いたので
お裾分けがあるかもしれない。多めに炊いたほうがおいしいからだ。
1日目。
渓谷にそれたところに移動。そこで師匠を呼び出す。
走り込みながら、砂漠の出入りを監視している国境まで行く。
気配は消しているので向こうからはわからない。
そこで、半分。お昼を食べる。それからまた走り込み。
もちろん荷重と空気は半分。三つ巴で手合わせしながら進んでいく。
時々方向だけは確認だ。
月が昇る前に、蜘蛛が出てくるので、観察。
師匠の蜘蛛ちゃんも紐をつけて、砂漠に放してみてる。
わたしはそこまで近くで見たくないので、デッキで待機。
マティスと師匠がまじかで観察していた。
潜って帰るあとすぐに砂漠玉は回収。
師匠の蜘蛛ちゃんは潜らず、師匠のもとに帰ってきた。
虫は与えなかったので砂玉を作っていたようだ。
明日はどちらを選ぶかを観察の予定。
すぐに月が昇る。師匠はお弁当をもらい、帰っていった。
また、月が沈めば、ここからスタートだ。
わたしたちは、扉君の家でゆっくり過ごす。
師匠が用意してくれた木材や毛布で
こたつを作ったり、羽毛布団を作ったり。
2人で作るとたのしい。
それを繰り返して、3日目。
結局、蜘蛛ちゃんは虫がいればそちらを食べることだけしかわからなかった。
半分まで進むころに、建物が見える。
「ここですかね。弾丸工場は」
大きな幕の簡易な囲い。
中を見ると、砂を笊に掛けて、砂玉を取り出している。
取り出した後には爆裂が起きるのか、パスン、パスンと聞きなれた音がしていた。
それをまた回収している。爆裂に当たったら大けがだ。
うまくかわしているのか?なんか、頑丈そうなツナギは着ている。
ここで働いているのは5人ほど。そんな囲いが、20ほど見える。
「効率悪いけど、そんなものかな?
これ、月が昇る前に戻るんでしょ?
で、月が沈んでからここに来る?
移動だけでだいぶ時間がかかるね。」
「戻してるのでしょうか?監視している人間の馬しかいてませんよ?
歩き?だったら、もう戻らないと。」
「糸だな。糸が舞ってる。」
マティスがそういうので、
目を凝らすとなるほど、糸だ。師匠もなんとか目視した。
「?糸で制御している?欲が膨らまないように?
でも、なにかで気がそれればダメなんでしょ?」
「わかりませんね。月が出るまで見ておきたいんですがね。」
「師匠?デイの豚の煮込み料理知ってます?」
「?ええ、もちろん。ハムと同列で有名ですね。」
「あれにね、マティスが改良を加えて、
大蒜を使ったものにしたんですよ。ものすごくおいしい。
ここの観察が終わったら食べましょう。甘味も特別ですよ。」
「なるほど。それは楽しみだ。」
これでなんとか、月の光の影響は受けないだろう。
ダメなら、三角形の定理を出せばいいか。
やはり、見張りの人だけが帰り、
作業している人は残っていた。
蜘蛛が出てくる。それでも作業をしている。
「これはちょっと問題ですね。
強制労働以外で制御、石を使ったものですが、それを行うのは
18か国協定で禁止です。」
「この作業が強制労働なのでは?」
「砂漠での強制労働も禁止ですよ。コットワッツでも
作業している人たちはおそらく制御をかけられていますが、
守るためですよ。
それ以外は街で生活しているでしょ?強制ではなく仕事ですね。
ここの人たちは見る限りここで生活してますね。
限界まで働いで、眠り、食事といえるかわからないものを取っている。
弾丸を作るという意味では作業性はいい。」
「これは違法?」
「なんとも。本人がそう望んでいるといわれればそれまでです。
これ以上は無理ですね。
そうだということが分かっただけで今は充分。」
師匠は自分の腕をつよくひねりながら話している。
欲が膨れ上がっているようだ。
「愛しい人戻ろう。ワイプいいな?」
「ええ。」
急いで戻り、師匠をお風呂にほりこんだ。
その間に食事の用意。豚の煮込みと、あのリンゴのデザートだ。
あとはうる覚えの三角形の定理、正方形を用いた証明を図に書く。
ん?あってる?
証明できてる?
念のため紙で視覚的証明も作っておこう。
問題は説明できるかどうかだ。
しかし、師匠の欲はやっぱりおいしいもの食べたいってことなのかな?
腕を押さえていたからもしかして鍛練か手合わせをしたかったかもしれない。
「いやー、さっぱりしました。
初めてですよ、あんな長時間夜の砂漠にいたのは!
いい経験でしたが2度とごめんですね。」
「師匠、腕にあおたんできてます。」
「ああ、痛みで押さえましたよ。お恥ずかしい。」
「おいしいものでは押さえられませんでしたか?」
「もちろん、押さえれましたよ。ありがとうございます、モウ。
しかし、なんだか気を思いっきり放して、吹き飛ばせばいいなーっとね。」
「うわー。」
「あははは、さ、おいしいものを頂きましょうか?」
「なるほど!にんにくですか?あの風味が効いてますね。
しかし、まろやかだ。うまいですね!」
「ああ、これは、マティス君が考えて?
ははは。いいものを頂きました。これ、わたしには食べさせたくなかったでしょ?」
「え?そうなの?」
「・・・いや、かまわん。また、うまいものを作ろう。」
「?」
「どうだ?ワイプ?落ち着いたか?
まだ、なにか引きずっていないか?できるだけ欲はかなえてやるぞ?」
「砂漠を出たら落ち着くんじゃないの?」
「満たされればな。」
「ああ、引っ張るんだね。これは?」
一応紙に書いた三角定理の証明を渡す。
数字と数式は違うが理解できるだろう。
あとは視覚的証明を紙で表現したもの。
「!!!」
「師匠?」
「黙って!!」
「・・・。」
「・・・。」
「愛しい人、帰ろう。」
「うん、ポットにコーヒー入れとくよ。あと甘いものと。
月が沈んだら、またご飯作るからって、手紙に書いといて。」
「わかった。」
師匠が師匠の世界に入っていったので、帰ることにした。
数学的にあとなにがあっただろうか?
サインコサインタンジェント?だめだ、わかんない。
2次方程式?X?Y?だめだ、覚えていない。
あれで打ち止めでした。
マトグラーサよりで。
月が沈むと同時に砂漠に降りたので朝ごはんはなしだ。
昨日のうちに朝用のご飯はガイライとニックさんには渡してある。
ルカリさんにはイラスト入りのご飯の炊き方をマティスが書いたので
お裾分けがあるかもしれない。多めに炊いたほうがおいしいからだ。
1日目。
渓谷にそれたところに移動。そこで師匠を呼び出す。
走り込みながら、砂漠の出入りを監視している国境まで行く。
気配は消しているので向こうからはわからない。
そこで、半分。お昼を食べる。それからまた走り込み。
もちろん荷重と空気は半分。三つ巴で手合わせしながら進んでいく。
時々方向だけは確認だ。
月が昇る前に、蜘蛛が出てくるので、観察。
師匠の蜘蛛ちゃんも紐をつけて、砂漠に放してみてる。
わたしはそこまで近くで見たくないので、デッキで待機。
マティスと師匠がまじかで観察していた。
潜って帰るあとすぐに砂漠玉は回収。
師匠の蜘蛛ちゃんは潜らず、師匠のもとに帰ってきた。
虫は与えなかったので砂玉を作っていたようだ。
明日はどちらを選ぶかを観察の予定。
すぐに月が昇る。師匠はお弁当をもらい、帰っていった。
また、月が沈めば、ここからスタートだ。
わたしたちは、扉君の家でゆっくり過ごす。
師匠が用意してくれた木材や毛布で
こたつを作ったり、羽毛布団を作ったり。
2人で作るとたのしい。
それを繰り返して、3日目。
結局、蜘蛛ちゃんは虫がいればそちらを食べることだけしかわからなかった。
半分まで進むころに、建物が見える。
「ここですかね。弾丸工場は」
大きな幕の簡易な囲い。
中を見ると、砂を笊に掛けて、砂玉を取り出している。
取り出した後には爆裂が起きるのか、パスン、パスンと聞きなれた音がしていた。
それをまた回収している。爆裂に当たったら大けがだ。
うまくかわしているのか?なんか、頑丈そうなツナギは着ている。
ここで働いているのは5人ほど。そんな囲いが、20ほど見える。
「効率悪いけど、そんなものかな?
これ、月が昇る前に戻るんでしょ?
で、月が沈んでからここに来る?
移動だけでだいぶ時間がかかるね。」
「戻してるのでしょうか?監視している人間の馬しかいてませんよ?
歩き?だったら、もう戻らないと。」
「糸だな。糸が舞ってる。」
マティスがそういうので、
目を凝らすとなるほど、糸だ。師匠もなんとか目視した。
「?糸で制御している?欲が膨らまないように?
でも、なにかで気がそれればダメなんでしょ?」
「わかりませんね。月が出るまで見ておきたいんですがね。」
「師匠?デイの豚の煮込み料理知ってます?」
「?ええ、もちろん。ハムと同列で有名ですね。」
「あれにね、マティスが改良を加えて、
大蒜を使ったものにしたんですよ。ものすごくおいしい。
ここの観察が終わったら食べましょう。甘味も特別ですよ。」
「なるほど。それは楽しみだ。」
これでなんとか、月の光の影響は受けないだろう。
ダメなら、三角形の定理を出せばいいか。
やはり、見張りの人だけが帰り、
作業している人は残っていた。
蜘蛛が出てくる。それでも作業をしている。
「これはちょっと問題ですね。
強制労働以外で制御、石を使ったものですが、それを行うのは
18か国協定で禁止です。」
「この作業が強制労働なのでは?」
「砂漠での強制労働も禁止ですよ。コットワッツでも
作業している人たちはおそらく制御をかけられていますが、
守るためですよ。
それ以外は街で生活しているでしょ?強制ではなく仕事ですね。
ここの人たちは見る限りここで生活してますね。
限界まで働いで、眠り、食事といえるかわからないものを取っている。
弾丸を作るという意味では作業性はいい。」
「これは違法?」
「なんとも。本人がそう望んでいるといわれればそれまでです。
これ以上は無理ですね。
そうだということが分かっただけで今は充分。」
師匠は自分の腕をつよくひねりながら話している。
欲が膨れ上がっているようだ。
「愛しい人戻ろう。ワイプいいな?」
「ええ。」
急いで戻り、師匠をお風呂にほりこんだ。
その間に食事の用意。豚の煮込みと、あのリンゴのデザートだ。
あとはうる覚えの三角形の定理、正方形を用いた証明を図に書く。
ん?あってる?
証明できてる?
念のため紙で視覚的証明も作っておこう。
問題は説明できるかどうかだ。
しかし、師匠の欲はやっぱりおいしいもの食べたいってことなのかな?
腕を押さえていたからもしかして鍛練か手合わせをしたかったかもしれない。
「いやー、さっぱりしました。
初めてですよ、あんな長時間夜の砂漠にいたのは!
いい経験でしたが2度とごめんですね。」
「師匠、腕にあおたんできてます。」
「ああ、痛みで押さえましたよ。お恥ずかしい。」
「おいしいものでは押さえられませんでしたか?」
「もちろん、押さえれましたよ。ありがとうございます、モウ。
しかし、なんだか気を思いっきり放して、吹き飛ばせばいいなーっとね。」
「うわー。」
「あははは、さ、おいしいものを頂きましょうか?」
「なるほど!にんにくですか?あの風味が効いてますね。
しかし、まろやかだ。うまいですね!」
「ああ、これは、マティス君が考えて?
ははは。いいものを頂きました。これ、わたしには食べさせたくなかったでしょ?」
「え?そうなの?」
「・・・いや、かまわん。また、うまいものを作ろう。」
「?」
「どうだ?ワイプ?落ち着いたか?
まだ、なにか引きずっていないか?できるだけ欲はかなえてやるぞ?」
「砂漠を出たら落ち着くんじゃないの?」
「満たされればな。」
「ああ、引っ張るんだね。これは?」
一応紙に書いた三角定理の証明を渡す。
数字と数式は違うが理解できるだろう。
あとは視覚的証明を紙で表現したもの。
「!!!」
「師匠?」
「黙って!!」
「・・・。」
「・・・。」
「愛しい人、帰ろう。」
「うん、ポットにコーヒー入れとくよ。あと甘いものと。
月が沈んだら、またご飯作るからって、手紙に書いといて。」
「わかった。」
師匠が師匠の世界に入っていったので、帰ることにした。
数学的にあとなにがあっただろうか?
サインコサインタンジェント?だめだ、わかんない。
2次方程式?X?Y?だめだ、覚えていない。
あれで打ち止めでした。
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