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290:弾
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月が真上に来るまで、温泉を堪能した。
今は大きなテーブルで、軽いお酒を楽しんでいる。
ウリを砕いて氷を入れたものに、少しの酒と炭酸をいれ、
皆に渡した。モモもくし形に切って入れてある。
甘いカクテルだ。
モモの中にコールオリンは残念ながら入っていなかった。
身はもう少し数がそろったらつくだ煮を作ろう。
「マトグラーサの砂漠と呼ばれているのは
その権利のほとんどをマトグラーサが有しているからです。
ルカリアは砂漠に面しているとはいえ、砂漠石、鉱物と
産出量は十分の一ですね。それでも王都と同じような面積の領国だ、
何も困らないはずなんですが、今回、マトグラーサの方から
銃を作ってみないかと話があったようですね。」
「なんで自分のところで作らないんだ?」
「モウの話していたことでしょう。最初に作ったということは避けたい。
現にあの連射銃はルカリア式と呼ばれている。
量産しても、鉱物はマトグラーサから買うことになっている。
銃が売れ、悪い面がでてもそれはルカリアが負う。
売れれば、鉱物も売れる。そんなところですね。
銃と糸、どちらを選ぶかと言われたそうですよ。
糸は研究段階で、術者が廃人になる可能性もある。
ならばと、銃を選んだそうです。ライガー君が話してくれました。」
「よく、そんなことをお前に話したな。」
「なにを言ってるんですか?それが資産院の仕事ですよ。」
「ああ、そうだ。それが仕事なんだ。尊敬するぞ?ワイプ。」
「おや、珍しい。まぁ、当然ですが。
あれから月も変わっていないのに銃は飛ぶように売れている。
だが、弾が高い。マトグラーサから鉛玉に代わるものが出始めました。
これです。」
師匠が手のひらに砂玉をのせる。
「師匠?これ砂玉ですよ?間違えた?」
「いいえ、これですよ。モウが見せてくれた砂玉は大きさは不ぞろいでしたが、
これはこの大きさで一定です。こちらの方が安く、飛距離もいい。
まさか、砂蜘蛛が作ってるとは思いませんでした。」
「へー、賢いね。もとではタダだ。回収する手間があるけどね。
回収して、砂漠石も取れるようになった、ぼろもうけだね。」
「そうですよ。マトグラーサがぼろもうけです。銃を作らなくてもね。」
「それでも、銃はルカリアでしか作れないんでしょ?
ルカリアは知ってるの?この話。」
「それはもちろん。悔しがってますよ。
弾は、もとからあるもので賄うつもりだったので、
それに関しては隠匿は掛けてなかったんですね。
もともと、弾としては、従来の金額とそう変わらない。
丸めるというのは難しいのですよ。」
「でもこれ、分離できますよ?」
「それができるのはあなただけですよ。」
「ううん。別に難しいことはしてない。唾液でくっついてるだけだもの。」
『唾液はこちらに』
唾液がビンに移り、師匠の手に赤い砂鉄と、砂が残った。
なにか一つでも移動をかけると崩れる。
わたしだけができるのではなく、呼び寄せが出来ればできるはずだ。
「これ、砂!っていうだけで使いものにならないね。」
「はー、これはこれで問題ですね。」
「どうして?」
「愛しい人、それができるとわかっていても
それを公表はできない。砂漠は閉鎖してるんだろ?
ならば、これが砂玉だと気づくものも少ない。
知ってることを言えないというのは、余計に面倒だ。」
「あー、なるほど。じゃ、知らなければどうするつもりだったの?」
「資産院は金の流れを常に把握しておく部署です。
これが、どのような工程で、誰が作ってるかを把握しておきたかったんですよ。
マトグラーサ領内で作っているものではないということはわかっています。
ならば、砂漠内でとは思ったんですがね。作っているのが蜘蛛とは。」
「んー、大きさ揃えるのも手間よ?」
「そうですね。それも知りたい。北上中になにか見ませんでしたか?」
「渓谷よりで上がったからわからんな。」
「で、夜はどうしてたんですか?」
「家に帰って寝る。」
「ああ、なるほど。移動できますものね。」
師匠はどこかの家に帰ってると思ってる。
扉君に帰ってたんだけど。
ガイライとニックさんは黙って聞いている。
「戦が変わるな。」
「そうだな。大量購入はもちろん、研究院の方でも合同で改良していくそうだ。
いまは12弾、それがもっと大量になる。
ルカリアは銃でマトグラーサは弾で莫大な利益を上げる。
南諸国討伐の話も出てくる。その向こうの大陸進出もな。」
その向こう?
「この大陸以外ということですか?」
「そうです。この大陸、グラシオル大陸と呼ばれる大陸以外。
あるということはわかっているのですが、そこに行くには南諸国を抜けないといけない。
これが難しいのですよ。
その大陸から来たという人間もいるんですよ。
だから、あなたが異国から来た、大陸以外といっても不思議はないんです。」
「へー、その人にいろいろ聞いたの?どんなところかって。」
「?いえ。そんなことは聞きません。」
「ここって異国から来ましたっていってもすぐ受け入れられるね。
わたしなら、へー、どんなとこ?どんな土地柄?って聞くけどね。
それがない。そうなんだーで終わり。
師匠もガイライもわたしのことを思ってかなって考えたけど、
ニックさんも、じゃ、どこって?って聞かない。
コットワッツの領主、セサミンもスパイラルのことを知りたいのに
行き来はあるのに、街の人に聞けば日常どうしてるのかわかるのに聞かない。
必要以上にものを聞かない。いいのかわるいのか。
あるがままを受け入れすごす。
寿命が関係してるのか、石の制御なのかわかんないけどね。
進化はものすごく緩やかだ。
”異国”から来たわたしからみれば、遅い!この言葉しか出ない。
銃の改良ははやいのかな?ひとつ、なにかが落とされれば、そこからは速い。
そんなものなのかな?」
みながやはり首をかしげる。
いわれて初めて疑問に思う。
「じゃぁ、聞くけど、モウちゃんは異国なんだろ?
どこだ?どこからどうやって来た?
石使いなんだろ?
石使いはたいていのことはできる。
冷たいものを出すことも、ものを動かすことも。
モウちゃん所の方が文化が進んでるのはわかるよ?
そこまで不思議でもなんでもないよ?」
「うふふふ。そうだね。そこまで不思議でも何でもないね。
わたしの国はね、島国なんだ。海に囲まれてるよ。
その向こうには大きな大陸がある。
言葉が違う、文化が違う。
髪の色、目の色、肌の色も違う。
そうだね。見るからに異国の人に、
そこまで根掘り葉掘り聞かないか。
うふふふ。そりゃそうだ。
聞かれても、簡単に説明するだけだしね。」
「島国?大きな大陸?やはり南の向こうか。
どうやって来た?」
「流れ着いて?気付いたらコットワッツの砂漠近くの森にいたよ。」
「砂漠嵐にのまれたのか?ほかの者は?だれか一緒じゃなかったのか?」
「一人。国でもひとりだった。母と2人暮らしだったの。
大分前に亡くなってね。父さんは早くからいないよ。」
「結婚は?」
「してない。」
「48だろ?一度も?子は?」
「うん。マティスと初めて結婚した。結婚してなかったし、子供もいないよ?」
「すごいな。その年で結婚しないとは。」
「ここと、そこら辺の仕組みは違うみたい。」
「そうだろうな。しかし、言葉はやはりここと共通語なんだな。
時々しらない言葉があるが、母国語なんだな。」
「そうなんだね。それは、こっちはわからないんだ。
それなに?って聞いてくれたらうれしいな。
そうか、石使いね。異国から来た石使いっていうのが
ニックさんの考える、落としどころなんだね。」
「落としどころ?いや、実際にそうだろ?」
「そうか。わたしがこの世界を夢だと思うのと同じか。
うふふふ。マティス?わたしは異国から来た石使いだ。
それで、マティスと出会って恋して、結婚したマティスの伴侶だ。」
「ああ、そうだな。それでいい。愛しい人。付け加えるなら世界一の伴侶だ。」
「うん、そうする。」
「なんだ?結局、のろけじゃねーか。ガイライ、マティスはいつからこんなんなんだ?」
「大会で会った時にはすでにこうだった。ワイプは?」
「?いつからというかマティス君はご飯をくれる方で、それが最近はさらにうまくなったとしか。」
「ああ。お前はそうだ。そうだ、お前、モウちゃんから10本中5本自分からとってから、
槍だと言ったそうだな?それはお前と互角ということだ。
おれの見立てじゃ、十分そこまで行く。だからいいな?槍を教えるぞ?」
「ほう!それはうれしい。では、モウ、一度手合わせしましょうか?」
「はい!ワイプ師匠!よろしくお願いいたします!」
「いつがいいですかね?わたしはそろそろ一度戻らないと。
明日は休み前の準備がありますし、明後日にしましょうか?
それが終わってから砂漠に降りましょう。」
「はい。」
「なぜおまえが決めるんだ?」
「師匠ですから。どこでしましょうかね?ああ、新しくなった鍛練場でしましょうか?」
「あ、できたんですね。じゃ、地下も作りましょうか?」
「ああ、それは家でしますから。他の者ではそこまでまだ耐えれない。
情けない話ですがね。
その時はおねがいしますよ?いいですね?マティス君。」
「もちろんだ。これで師匠と呼ばせないからな。」
「マティス?師匠は棒の師匠だけど、武の師匠だよ?
ううん、働き方という考えでも尊敬する。師なんだよ?」
「・・・。」
「そういうことです。じゃ、明後日、月が沈んだら、鍛練場に来てください。」
「わかりました。」
「俺も見たい!」
「ニックも移動ができれば見れるぞ?20年前でもそんなに変わっていないところはどこだ?
大門か?」
「ああ、大門は戸車が付きましたよ。外からは同じですね。」
「どちらにしろ、手続きはしたいから、正規に入ってこい。」
「移動、移動ね。」
「大丈夫ですよ、自分の姿かたちを理解して、それを動かすだけ。」
「いや、やっぱり納得できない。石使いでも自分自身に移動はできない。
呼び寄せはどこかで石を消費してるんだ。」
「あー、そうなるか。」
「モウ、あなたを異国から来た石使いだと考えていれば無理ですよ。」
「うわー、そうか。んー、どうしようか。」
「ああ、簡単です。便所ですよ。あれでガイライ殿も納得しましたから。」
「おお、さすが、師匠です。ニックさん、そこにあるトイレ、お便所ね、
そこにはいって用を足してくださいな。えーと、説明は」
「あ、モウ、わたしがします!」
なぜかガイライが嬉しそうに言ってきた。
「ん?そう?お願いします。」
「ニック、いいか、
座るような台があって、
近づくと勝手にフタが開く。
それに背を向けて座り、もちろん、尻を出した状態で。
で、用を足すと。終わったら横に石があるからそれを押す。
押すと、尻に暖かい湯が掛けられる。
きれいになったら風が吹き乾かしてくれる。
終わったら、下ばきを履いて、壁から出てる突起物の前に手をかざす。
水が出る。手を洗ったら、そのまま横に移動して、風で乾かす。
フタが開いている間は水音が聞こえているが気にするな。
説明は以上だ。どうぞ。」
「・・・・。
異国ではなくて別物か。石使いでもないんだな。ああ、納得だ。」
「大丈夫?気持ち悪いとか、そういうのないですか?
ダメなものはダメなんだ。
たぶん違うのよ、ここの生物的にも違う何かなんだ。
それを無理に受け入れなくていい。
関わらなければいい。もともと、わたしはマティスがいればいい。
みんな受け入れてくれるからこっちが甘えているだけなの。
軍に戻って、ガイライの近くにわたしがいるのが受け入れられないなら
そうするから。」
「モウ、何を言うのですか!ニックが受け入れないというなら、
それなら軍に呼び戻さなくていい!!」
「ガイライ!わたしと何かを天秤にかけるな!!常に他が優先だ!!」
「はっ、我が主。我が心だけはあなたに。」
「あー、ガイライ、そこまでのもんじゃないってことよ。ね?
呑み会の誘いは優先してくれればうれしいかな。」
「はい、モウ。」
「ガイライ、俺は何も言ってないだろ?
気持ち悪いなんかもいってないし、思ってない。決めつけるな。
納得したって言っただろ。
なるほど、移動ね、呼び寄せと同じ、こっちではなくそっち、か。」
「あ!呼び寄せと一緒で、どういったところにどういう風に移動するか考えて。
師匠はお風呂って言って、落ちたから。」
『なるほど、風呂ね。』
どぼーん
「あーあ。ガイライだけだね。すんなりできたの。」
「いえ、わたしも、部屋の寝床の横に落ちました。」
「あははは!けがはしなかった?」
「打ち身を。しかし、まじないをかけました。」
「効いた?」
「もちろん。」
「うふふふ。よかった。」
「ありがとうございます。」
「ひでー。もう乾季は始まってるんだ。さみー。」
『水分は適当に飛んで。体を温めて。』
「あー、なるほど。石使いじゃないんだ。
ありがとうよ。」
「うん。それで、大丈夫そう?移動できる?」
「ああ、大丈夫だ。明後日だな。
明日一日でニバーセルに行く準備をしないとな。」
「移動ができれば、往復は簡単ですよ?」
「いや、こういうことはきっちりけじめはつけておかないと。
後で後悔する。」
「?」
「ああ、ではわたしたちはこれで、明日、というか今日は来れませんので。」
「モウ、我が主。わたしも明後日から休みを申請します。
なので、来れません。明後日に。」
「はいはい。じゃ、気を付けてね。
3番さんとオート君に押し付けないようにね。」
「はい。」
「いってらっしゃい。ほら、マティスも!ニックさんも!」
「「いってらっしゃい」」
「「行ってきます。」
「おいで、ガイライ。」
「はい、母さん。」
「ありがとうね。でも、優先順位をまちがったらダメだよ?」
「はい。」
「ん。」
2人を見送り、ウッドデッキは片付ける。
温泉はどうしようか。
「ニックさん?ここって誰の土地?」
「だれって、誰のものでもないな。開発したものが管理をすればいい。」
「ここの王様の物じゃないの?」
「ちがう。ここは強いて言えば商売の街だ。税さえ納めればいい。」
「そうか。この温泉、片付けることもできるけど、
折角だから、弟さん?が経営してる宿で管理する?
補修は樹石でできるし。
小屋かなんか作ればいいんじゃないかな?便所とか、下水のことを考えないといけないけど。」
「いいのか?それはあいつも喜ぶ。もう、今日には帰ってくるから、
話をしてみるよ。今日の夜の飯はこっちのものを食べていってくれ。
ああ、露骨に虫とわかるものはないから。な?」
「マティス?」
「ああ、かまわない。」
「じゃ、お言葉に甘えて。」
「愛しい人?眠いだろ?また少し寝よう。」
「うん。そうだね。」
宿に戻り、また少し眠ることになった。
お呼ばれの手土産と、オート君のお祝いと、あー、海苔だ。海に行かないと。
あー、眠い。魚の皮も欲しいな。おこたつ作りたい。
今は大きなテーブルで、軽いお酒を楽しんでいる。
ウリを砕いて氷を入れたものに、少しの酒と炭酸をいれ、
皆に渡した。モモもくし形に切って入れてある。
甘いカクテルだ。
モモの中にコールオリンは残念ながら入っていなかった。
身はもう少し数がそろったらつくだ煮を作ろう。
「マトグラーサの砂漠と呼ばれているのは
その権利のほとんどをマトグラーサが有しているからです。
ルカリアは砂漠に面しているとはいえ、砂漠石、鉱物と
産出量は十分の一ですね。それでも王都と同じような面積の領国だ、
何も困らないはずなんですが、今回、マトグラーサの方から
銃を作ってみないかと話があったようですね。」
「なんで自分のところで作らないんだ?」
「モウの話していたことでしょう。最初に作ったということは避けたい。
現にあの連射銃はルカリア式と呼ばれている。
量産しても、鉱物はマトグラーサから買うことになっている。
銃が売れ、悪い面がでてもそれはルカリアが負う。
売れれば、鉱物も売れる。そんなところですね。
銃と糸、どちらを選ぶかと言われたそうですよ。
糸は研究段階で、術者が廃人になる可能性もある。
ならばと、銃を選んだそうです。ライガー君が話してくれました。」
「よく、そんなことをお前に話したな。」
「なにを言ってるんですか?それが資産院の仕事ですよ。」
「ああ、そうだ。それが仕事なんだ。尊敬するぞ?ワイプ。」
「おや、珍しい。まぁ、当然ですが。
あれから月も変わっていないのに銃は飛ぶように売れている。
だが、弾が高い。マトグラーサから鉛玉に代わるものが出始めました。
これです。」
師匠が手のひらに砂玉をのせる。
「師匠?これ砂玉ですよ?間違えた?」
「いいえ、これですよ。モウが見せてくれた砂玉は大きさは不ぞろいでしたが、
これはこの大きさで一定です。こちらの方が安く、飛距離もいい。
まさか、砂蜘蛛が作ってるとは思いませんでした。」
「へー、賢いね。もとではタダだ。回収する手間があるけどね。
回収して、砂漠石も取れるようになった、ぼろもうけだね。」
「そうですよ。マトグラーサがぼろもうけです。銃を作らなくてもね。」
「それでも、銃はルカリアでしか作れないんでしょ?
ルカリアは知ってるの?この話。」
「それはもちろん。悔しがってますよ。
弾は、もとからあるもので賄うつもりだったので、
それに関しては隠匿は掛けてなかったんですね。
もともと、弾としては、従来の金額とそう変わらない。
丸めるというのは難しいのですよ。」
「でもこれ、分離できますよ?」
「それができるのはあなただけですよ。」
「ううん。別に難しいことはしてない。唾液でくっついてるだけだもの。」
『唾液はこちらに』
唾液がビンに移り、師匠の手に赤い砂鉄と、砂が残った。
なにか一つでも移動をかけると崩れる。
わたしだけができるのではなく、呼び寄せが出来ればできるはずだ。
「これ、砂!っていうだけで使いものにならないね。」
「はー、これはこれで問題ですね。」
「どうして?」
「愛しい人、それができるとわかっていても
それを公表はできない。砂漠は閉鎖してるんだろ?
ならば、これが砂玉だと気づくものも少ない。
知ってることを言えないというのは、余計に面倒だ。」
「あー、なるほど。じゃ、知らなければどうするつもりだったの?」
「資産院は金の流れを常に把握しておく部署です。
これが、どのような工程で、誰が作ってるかを把握しておきたかったんですよ。
マトグラーサ領内で作っているものではないということはわかっています。
ならば、砂漠内でとは思ったんですがね。作っているのが蜘蛛とは。」
「んー、大きさ揃えるのも手間よ?」
「そうですね。それも知りたい。北上中になにか見ませんでしたか?」
「渓谷よりで上がったからわからんな。」
「で、夜はどうしてたんですか?」
「家に帰って寝る。」
「ああ、なるほど。移動できますものね。」
師匠はどこかの家に帰ってると思ってる。
扉君に帰ってたんだけど。
ガイライとニックさんは黙って聞いている。
「戦が変わるな。」
「そうだな。大量購入はもちろん、研究院の方でも合同で改良していくそうだ。
いまは12弾、それがもっと大量になる。
ルカリアは銃でマトグラーサは弾で莫大な利益を上げる。
南諸国討伐の話も出てくる。その向こうの大陸進出もな。」
その向こう?
「この大陸以外ということですか?」
「そうです。この大陸、グラシオル大陸と呼ばれる大陸以外。
あるということはわかっているのですが、そこに行くには南諸国を抜けないといけない。
これが難しいのですよ。
その大陸から来たという人間もいるんですよ。
だから、あなたが異国から来た、大陸以外といっても不思議はないんです。」
「へー、その人にいろいろ聞いたの?どんなところかって。」
「?いえ。そんなことは聞きません。」
「ここって異国から来ましたっていってもすぐ受け入れられるね。
わたしなら、へー、どんなとこ?どんな土地柄?って聞くけどね。
それがない。そうなんだーで終わり。
師匠もガイライもわたしのことを思ってかなって考えたけど、
ニックさんも、じゃ、どこって?って聞かない。
コットワッツの領主、セサミンもスパイラルのことを知りたいのに
行き来はあるのに、街の人に聞けば日常どうしてるのかわかるのに聞かない。
必要以上にものを聞かない。いいのかわるいのか。
あるがままを受け入れすごす。
寿命が関係してるのか、石の制御なのかわかんないけどね。
進化はものすごく緩やかだ。
”異国”から来たわたしからみれば、遅い!この言葉しか出ない。
銃の改良ははやいのかな?ひとつ、なにかが落とされれば、そこからは速い。
そんなものなのかな?」
みながやはり首をかしげる。
いわれて初めて疑問に思う。
「じゃぁ、聞くけど、モウちゃんは異国なんだろ?
どこだ?どこからどうやって来た?
石使いなんだろ?
石使いはたいていのことはできる。
冷たいものを出すことも、ものを動かすことも。
モウちゃん所の方が文化が進んでるのはわかるよ?
そこまで不思議でもなんでもないよ?」
「うふふふ。そうだね。そこまで不思議でも何でもないね。
わたしの国はね、島国なんだ。海に囲まれてるよ。
その向こうには大きな大陸がある。
言葉が違う、文化が違う。
髪の色、目の色、肌の色も違う。
そうだね。見るからに異国の人に、
そこまで根掘り葉掘り聞かないか。
うふふふ。そりゃそうだ。
聞かれても、簡単に説明するだけだしね。」
「島国?大きな大陸?やはり南の向こうか。
どうやって来た?」
「流れ着いて?気付いたらコットワッツの砂漠近くの森にいたよ。」
「砂漠嵐にのまれたのか?ほかの者は?だれか一緒じゃなかったのか?」
「一人。国でもひとりだった。母と2人暮らしだったの。
大分前に亡くなってね。父さんは早くからいないよ。」
「結婚は?」
「してない。」
「48だろ?一度も?子は?」
「うん。マティスと初めて結婚した。結婚してなかったし、子供もいないよ?」
「すごいな。その年で結婚しないとは。」
「ここと、そこら辺の仕組みは違うみたい。」
「そうだろうな。しかし、言葉はやはりここと共通語なんだな。
時々しらない言葉があるが、母国語なんだな。」
「そうなんだね。それは、こっちはわからないんだ。
それなに?って聞いてくれたらうれしいな。
そうか、石使いね。異国から来た石使いっていうのが
ニックさんの考える、落としどころなんだね。」
「落としどころ?いや、実際にそうだろ?」
「そうか。わたしがこの世界を夢だと思うのと同じか。
うふふふ。マティス?わたしは異国から来た石使いだ。
それで、マティスと出会って恋して、結婚したマティスの伴侶だ。」
「ああ、そうだな。それでいい。愛しい人。付け加えるなら世界一の伴侶だ。」
「うん、そうする。」
「なんだ?結局、のろけじゃねーか。ガイライ、マティスはいつからこんなんなんだ?」
「大会で会った時にはすでにこうだった。ワイプは?」
「?いつからというかマティス君はご飯をくれる方で、それが最近はさらにうまくなったとしか。」
「ああ。お前はそうだ。そうだ、お前、モウちゃんから10本中5本自分からとってから、
槍だと言ったそうだな?それはお前と互角ということだ。
おれの見立てじゃ、十分そこまで行く。だからいいな?槍を教えるぞ?」
「ほう!それはうれしい。では、モウ、一度手合わせしましょうか?」
「はい!ワイプ師匠!よろしくお願いいたします!」
「いつがいいですかね?わたしはそろそろ一度戻らないと。
明日は休み前の準備がありますし、明後日にしましょうか?
それが終わってから砂漠に降りましょう。」
「はい。」
「なぜおまえが決めるんだ?」
「師匠ですから。どこでしましょうかね?ああ、新しくなった鍛練場でしましょうか?」
「あ、できたんですね。じゃ、地下も作りましょうか?」
「ああ、それは家でしますから。他の者ではそこまでまだ耐えれない。
情けない話ですがね。
その時はおねがいしますよ?いいですね?マティス君。」
「もちろんだ。これで師匠と呼ばせないからな。」
「マティス?師匠は棒の師匠だけど、武の師匠だよ?
ううん、働き方という考えでも尊敬する。師なんだよ?」
「・・・。」
「そういうことです。じゃ、明後日、月が沈んだら、鍛練場に来てください。」
「わかりました。」
「俺も見たい!」
「ニックも移動ができれば見れるぞ?20年前でもそんなに変わっていないところはどこだ?
大門か?」
「ああ、大門は戸車が付きましたよ。外からは同じですね。」
「どちらにしろ、手続きはしたいから、正規に入ってこい。」
「移動、移動ね。」
「大丈夫ですよ、自分の姿かたちを理解して、それを動かすだけ。」
「いや、やっぱり納得できない。石使いでも自分自身に移動はできない。
呼び寄せはどこかで石を消費してるんだ。」
「あー、そうなるか。」
「モウ、あなたを異国から来た石使いだと考えていれば無理ですよ。」
「うわー、そうか。んー、どうしようか。」
「ああ、簡単です。便所ですよ。あれでガイライ殿も納得しましたから。」
「おお、さすが、師匠です。ニックさん、そこにあるトイレ、お便所ね、
そこにはいって用を足してくださいな。えーと、説明は」
「あ、モウ、わたしがします!」
なぜかガイライが嬉しそうに言ってきた。
「ん?そう?お願いします。」
「ニック、いいか、
座るような台があって、
近づくと勝手にフタが開く。
それに背を向けて座り、もちろん、尻を出した状態で。
で、用を足すと。終わったら横に石があるからそれを押す。
押すと、尻に暖かい湯が掛けられる。
きれいになったら風が吹き乾かしてくれる。
終わったら、下ばきを履いて、壁から出てる突起物の前に手をかざす。
水が出る。手を洗ったら、そのまま横に移動して、風で乾かす。
フタが開いている間は水音が聞こえているが気にするな。
説明は以上だ。どうぞ。」
「・・・・。
異国ではなくて別物か。石使いでもないんだな。ああ、納得だ。」
「大丈夫?気持ち悪いとか、そういうのないですか?
ダメなものはダメなんだ。
たぶん違うのよ、ここの生物的にも違う何かなんだ。
それを無理に受け入れなくていい。
関わらなければいい。もともと、わたしはマティスがいればいい。
みんな受け入れてくれるからこっちが甘えているだけなの。
軍に戻って、ガイライの近くにわたしがいるのが受け入れられないなら
そうするから。」
「モウ、何を言うのですか!ニックが受け入れないというなら、
それなら軍に呼び戻さなくていい!!」
「ガイライ!わたしと何かを天秤にかけるな!!常に他が優先だ!!」
「はっ、我が主。我が心だけはあなたに。」
「あー、ガイライ、そこまでのもんじゃないってことよ。ね?
呑み会の誘いは優先してくれればうれしいかな。」
「はい、モウ。」
「ガイライ、俺は何も言ってないだろ?
気持ち悪いなんかもいってないし、思ってない。決めつけるな。
納得したって言っただろ。
なるほど、移動ね、呼び寄せと同じ、こっちではなくそっち、か。」
「あ!呼び寄せと一緒で、どういったところにどういう風に移動するか考えて。
師匠はお風呂って言って、落ちたから。」
『なるほど、風呂ね。』
どぼーん
「あーあ。ガイライだけだね。すんなりできたの。」
「いえ、わたしも、部屋の寝床の横に落ちました。」
「あははは!けがはしなかった?」
「打ち身を。しかし、まじないをかけました。」
「効いた?」
「もちろん。」
「うふふふ。よかった。」
「ありがとうございます。」
「ひでー。もう乾季は始まってるんだ。さみー。」
『水分は適当に飛んで。体を温めて。』
「あー、なるほど。石使いじゃないんだ。
ありがとうよ。」
「うん。それで、大丈夫そう?移動できる?」
「ああ、大丈夫だ。明後日だな。
明日一日でニバーセルに行く準備をしないとな。」
「移動ができれば、往復は簡単ですよ?」
「いや、こういうことはきっちりけじめはつけておかないと。
後で後悔する。」
「?」
「ああ、ではわたしたちはこれで、明日、というか今日は来れませんので。」
「モウ、我が主。わたしも明後日から休みを申請します。
なので、来れません。明後日に。」
「はいはい。じゃ、気を付けてね。
3番さんとオート君に押し付けないようにね。」
「はい。」
「いってらっしゃい。ほら、マティスも!ニックさんも!」
「「いってらっしゃい」」
「「行ってきます。」
「おいで、ガイライ。」
「はい、母さん。」
「ありがとうね。でも、優先順位をまちがったらダメだよ?」
「はい。」
「ん。」
2人を見送り、ウッドデッキは片付ける。
温泉はどうしようか。
「ニックさん?ここって誰の土地?」
「だれって、誰のものでもないな。開発したものが管理をすればいい。」
「ここの王様の物じゃないの?」
「ちがう。ここは強いて言えば商売の街だ。税さえ納めればいい。」
「そうか。この温泉、片付けることもできるけど、
折角だから、弟さん?が経営してる宿で管理する?
補修は樹石でできるし。
小屋かなんか作ればいいんじゃないかな?便所とか、下水のことを考えないといけないけど。」
「いいのか?それはあいつも喜ぶ。もう、今日には帰ってくるから、
話をしてみるよ。今日の夜の飯はこっちのものを食べていってくれ。
ああ、露骨に虫とわかるものはないから。な?」
「マティス?」
「ああ、かまわない。」
「じゃ、お言葉に甘えて。」
「愛しい人?眠いだろ?また少し寝よう。」
「うん。そうだね。」
宿に戻り、また少し眠ることになった。
お呼ばれの手土産と、オート君のお祝いと、あー、海苔だ。海に行かないと。
あー、眠い。魚の皮も欲しいな。おこたつ作りたい。
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想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
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〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
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なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
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悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
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皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
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皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
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彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
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【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
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【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
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