いわゆる異世界転移

夏炉冬扇

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242:言葉の意味が違う

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パンパンパン


キャー!!


誰かが銃を撃ったようだ。
トリガーが甘いからだ。最近のライターだってものすごく固いのに。

セサミンを四方から守る。

誰かに当たった?

ガイライが人を誘導し、師匠が応急処置にあたっている。

王族の女性が、領国の護衛を誤って撃ったようだ。
主を庇ったのか。
ルグと対戦した人だ。

(師匠?弾は貫通してる?)
(いえ、肩に残っています。血が止まりません)
(動脈を傷つけたか。師匠、患部を布で押さえて、弾は移動させて)
(そうか、移動!しかし、傷は塞がらない)
(押さえてて)


『撃たれし者の、血よ止まれ。
 血管、神経系はもとに。
 表面の傷は自然に治る。
 今は痛みもなく少し眠れ。大丈夫、おまえが守った主は無事だ。』


離れているから声は聞こえていないだろう。

(どう?)
(ええ、止まりました)
(弾は貫通したことにして、うまく止血できたと、
けど、血を流しすぎたので安静が必要ってごまかして)
(わかりました)


「お静かに!弾は肩を貫通してますが、血は止まりました。
だれか、医療部に連れていけ!血が止まっただけだ。」



「みなさま、どうですかこの威力!
銃とはか弱き女性でも簡単に屈強な相手を倒すことが出来るのです。
護身用にいかがでしょうか?」

ばかばかしい。


あっという間に撃った女性がヒーロー状態だ。
メジャートの人たちはあのまま引き揚げて行った。


即席で射的ゲームをしている。
1発十万。さっそく買ってる馬鹿貴族もいてる。


「姉さん、帰りましょう。あとは銃の話だけで盛り上がるでしょう。」
「そうだね、この中でタオルは売れないね」
師匠、すいませんでした。余計なことをさせました。
弾ってどんなのですか?」
「いいえ。ああ、これですよ。横にも落ちていました。
撃つと同時に変形するのは従来と同じね。
鉛です。これが体に残ると後で後遺症が出る。
モウ、よく知ってましたね。」
師匠から弾を3つ見せてもらう。
まさしく鉛玉。
「師匠?今までの銃てどんなの?」
「形はもっと大きく重い。
大きな違いはやはり連射できること。かなり軽くなっていますし、これなら携帯できる。」
「いままではもっとおもかったんだ。火薬はつかわないの?」
「かやく?」
「あ、無いの?」
「姉さんの銃の説明の時にもおっしゃってましたね。
すいません、わたしもあのときわからなかたんです。」
「ああ、そうなんだ。あるものとばかり。あの、これから、教えてね。
その言葉何って。たぶんここにないものはそのままの音で聞こえてると思うから。」
「ええ、これから気を付けます。」

今までは砂漠石に火をつけてその爆発で鉛玉を飛ばしていたらいい。
砂漠石も使い捨てだし、本体もかなり丈夫に作らないといけないから、
やはりこれは画期的で、安いくらいなんだそうだ。



「セサミナ殿!」

(役職で!)

「中央院院長殿がこの懇親会に参加されているとは。
いかかがされましたか?」
「いや、ニバーセルの武勇がそろっているのにそれを見逃すはもったいないとおもってな。
大会は見ることが出来なかったが、コットワッツ勢は大活躍したとか。
それに以前は護衛ということで紹介してはもらえなかったが、
王城の中では問題ないだろう?」



「そうですね。ええ、改めて紹介しましょう。
兄上、姉上、中央院の院長です。
院長、兄のマティス、兄の伴侶モウです。」
「初めまして、コットワッツ領国が領主セサミナの護衛 マティスです。」
「おなじく、護衛、赤い塊モウと申します。」

おじきなぞはしない。
あくまでも護衛だからだ。

「なんと、コットワッツの護衛は礼が取れないのか?」

(だれ?)
(ナソニール領主です)


「スホーム殿、彼らは何があってもセサミナ殿の護衛なのだ。
礼なぞ必要ない。紹介してもらっただけでいいのだ。
中央院、ジンクだ。大会では世話役たちがよろこんでいた。
今頃は街に繰り出しているだろう。ありがとう、礼を言う。」
「いえ、それはライガー殿の采配。
進行役の方の最後のお言葉も素晴らしかったとお伝えしていただければ。」
「そうか、それは喜ぶだろうな。皆が赤い塊のことばかり話をしている。」
「お恥ずかしい。本選にも出れませんでしたのに。」
「ははは!聞いた話の戦いぶりで恥ずかしいと言われるなら、
ここにいるもの大半は恥ずかしいだろう。」
「ナソニール、レイチは赤い塊に勝ったのですぞ!
本選でもコットワッツの卑怯な手に負けたのだ!」
「卑怯な手と言われましても、予選では戦いに参加せず、たまたま立っていただけで残ったのが
卑怯と言われずに、反射角度を計算しての投擲を卑怯というのは、
コットワッツでは言葉の意味が違うのか理解できません。」

(嫌味ー!素敵ー!これからイヤミンって呼ぶよ!)
(姉さん!!)


「無礼な!」

銃を構えて発砲。遅い!!
脅しのつもりか?甘いわ!
パンパンパン

もちろん、セサミン届く前に砂漠に移動される。

わたし?

右、上、左とぐーを握る。
一度はやってみたいシリーズ。

顔の前で手を開ければ、ポトポトポトと弾が落ちる。

悲鳴のあとのおおお!!の声。

ドーガー?見てる?ここでニヒルににやりだ。



『どちらが無礼者だ!我が主に銃を撃つとは!
 三日殺しの話は聞いていよう。
 再び故郷の土を踏むこともなく朽ち果てる望郷の呪いを受けるかっ!!』

「控えろ!モウ!」
「はっ、我が主。」

膝を折り、控える。なぜかマティスも。
ああ、スリットから見えるからそっちに控えたのね。

(愛しい人、惚れた!)
(へへへ!だろ?)



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