いわゆる異世界転移

夏炉冬扇

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133:絨毯

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「やめないか!客人にたいして失礼だぞ!
ティス殿にはモウ殿がいらっしゃる!」
「だから2人でも3人でもといいました。
どこがいいのかわからない方と別れろとは言っておりません!!」
「それが失礼だというのだ!」
「あなた!娘の言うとおりですよ?なにも間違っておりませんよ?
そうでしょ?ティス殿?
おまえもはっきり言えばいいのですよ?婿に来てくださいと。
ああ、そうなると別れていただかないとね。なるほど、だからそういったんですね。
優しい娘だ事。」
「いやだ、母さん!はずかしいじゃない!!そんなはっきり言わないで!!」

(うーわー未経験だわこういうの)
(なにこれ?)
(うん、マティス、頑張って?)

「娘御、はなれてくれないか?左側は愛する妻のみを座らせるが、
右側は武器を持つため開けておきたいのだ。
このようにむさくるしく近づかれては、我が槍の血滓になる。
それでもいうのなら構わないが?」
「?」
「村長殿?」
「申し訳ございません!おい!離れろ!!」
「なに?右がだめなら私が左に座ればいいのでしょ?」

村長娘が立ち上がった瞬間に殺気と槍先を喉に突き付けた。あ、お約束だね。
娘は殺気に気を失い、そのまま倒れる。それを見た母親も。
父親はひれ伏す。ちょっとした地獄絵図。

「村長殿すこしやりすぎたようだ。しかし、槍使いの右側がどういうことか教えておくといい。
それにゼムの手紙に書いていなかったか?
決して2人のことを引き離すような言動をするなと。」
「も、申し訳ありません!あなた様のお立場も書いてありましたのに!平にご容赦を!!」

(え?そんなこと書いてるの?いやん!)
(かわいい!!)

そこに幕を跳ね上げドスドスと入ってきた男がいる。
あ、卵屋さんだ。なまえは覚えられない。

「親父!!息子の凱旋にサイの肉を用意してくれるとはおれはうれしくて涙が出るぜ!!
ん?あんた!あの時の旦那じゃないか!!あんただろ?領主さんに俺の卵のことを言ってくれたの?
だって、あの話はあんただけにしかしてないんだから!!
あれから店を閉めて冷やす方法を考えていたんだ。
そしたらタートスが呼びに来てな、領主さんとこに連れていかれて乳を街で売りたいと。
揺れずに乳を運ぶ馬車をな卵を揺れから守った方法を取り入れて
作ったんだよ!冷やす方法はおいおいらしいが領主さんが考えるんだと。
とりあえず、氷を取ってきて運ぶことになった。
馬車も寝ずに作ったんだ。早馬も借りてよ!
でさ、この仕事、やはり揺れない方法を持ってる俺が抜擢されたんだ。
だってよ、途中で調子が悪くなってもタートスに直すことができないだろ?
あいつの悔しそうななかったぜ!
親父、これからは乳が街で売れる、サイが取れなくても街で肉を買えばいい!
で、こいつとかーちゃんはなんで伸びて、親父は伸びをしてるんだ?」
「ああ、卵屋の主人か。ここのご子息だたんだな。あのときはありがとう、助かったよ。
少し、槍の構えを見せたら、驚かれてしまってな。すまない。」
 「砂漠の民の槍遣いがサイを2頭も倒したって聞いたぜ!あんたか!これはまた驚いた!!
ん?こちらは?」
「ロクリ!いらぬことを言うな!」
「へ?旦那の嫁さんだろ?かわいい人じゃないか?
あ、わかったぜ!またこいつが色使ってわかれろだなんだ言ったんだろ?
すまないな?こいつはそういうやつなんだ、
嫁さんを捨てるほどの魅力がどこにあるってんだ、
妹だが、他人なら絶対こんな女選ばねぇ!
親父、この旦那は俺も世話になったんだ、失礼があってはいけないぜ?」
「お前に言われなくてもわかってる!!」

(卵屋はなかなかの目利きなようだ)
(マティスもかっこよかったよ?)
(そうか?)


「村長殿、もういい、ご子息が良き報告をしに戻ったんだ。
わたしのことは砂漠の民の客人でいい。それ以上はいらない。
それで、私たちは買出しに来たんだ。
乳とチーズ各種と、メーウーの毛、ブラシの原料の草。
モウ、ほかは?」
「ここでは乳酪は作ってないのですか?」
「そうか、本場だものな。あるか?」
「もちろんあります。それはなにに使うので?」
「?ここでは何に使っているのですか?」
「茶にいれています。ああ、それすらも出さないで!
だれか、この2人を下げて乳酪茶をお出しして!」
「茶葉があるのですか?」
「ええ、ありますよ。濃いめに出して、乳酪をいれます。乳酪に塩を混ぜているので
飲みなれないとは思いますが、なれればおいしいですよ。ぜひ味わってください。」
「その茶葉と、できればそのお茶の木、塩入りの乳酪とこのきれいな絨毯を売ってください。」
「売るなんてとんでもない!どうぞお持ちください」
「村長殿?売ってくれと言っているんだ、わかるな?」
「そうだ、親父この旦那は気前がいいんだ!もちろんに荷物は馬車に運びますよ!!」
「ああ、そうだな、先にな、その作った馬車で今の荷物を運んでくれるか?
今回は馬車はないんだ。国境沿いで待ち合わせをしているんだ。その馬車で運べるだけの量を積んでほしい。
乳の保存などは気にしなくていいから。」
「へ?そうなんですか?さすが旦那だ!お任せください。奥さんは絨毯が気に入ったのかい?
好みは有るか?これは使い込むほどいい味が出るんだ!好みの奴を一軒一軒廻って探してくるぜ!」
「え?売り物ではないのですか?」
「ああ、これは別に売ってはいないないな?な?親父?」
「そうですね、これは女たちの手慰み。女たちがしゃべりながら作るんですよ。」
「え?作るだけ?売らないの?」
「売れないですよ?」
「あーあー、村長さん?女性の方が作ったものだから売れないとか思っています?
それは間違いですよ?試しに街で売ってごらんなさい。そうですね。
わたしが一番欲しいなと思った、この大きな、緑と赤が絡み合うような絵柄は100リングは出しますよ?
ただ、これを先ほどのお二方が作って物だとしたらいりませんが。」



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