126 / 863
126:大ウソつき
しおりを挟む
彼女は私の頬に軽く口づけをしてから
テントに潜り込んだ。あのまま、家に帰って寝てしまうだろう。
「あなたが結婚していたとは驚きました。いや、したこと自体に。」
「私も驚いたよ、ワイプはいつかそんな大ウソつきになったんだ?」
「ははは、嘘つきとはひどいですね。」
「嘘つきではない、大ウソつきだ。
元々お前は暗部の人間だ。わたしを始末しに来たんだ。
当時は生意気な領主息子が誰かの恨みを買って始末しに来たんだと思ったが、
今ならわかる。リップルの一族の依頼だったんだな?なぜ何回も挑んできた?
しかも、最初のだけだ、殺意があったのは。」
「ああ、殺意が漏れましいましたか、わたしも若かったんですね。
いろいろと誤解があるようだ。まず最初にあのときは確かに暗部に属していましたが、
あの後すぐに暗部は解散になりましたよ。」
「それは知っている。だから資産院と名乗ったお前に警戒はしなかった。
暗部は依頼があって動くもの。依頼がなければただの殺人だ。」
「そうでしょ?それと、暗部に属していたというのも間違いです。
あの時からわたしは資産院ですよ?」
「嘘つけ!資産院からの派遣だとは言っていたが、名ばかりだろうが!」
「いえいえ、違います。あの当時、資産院が暗部で、
暗部が資産院なのですよ?あ、これ、内緒ですよ?」
「・・・・みながそうだったのか?」
「そうです。資産運営に不正があったり、
横領があったりすると暗部が始末するんですよ、手っ取り早く。
調べてどうのこうのする時間が無駄ですから。
確かにあなたに関しては依頼があった。
辺境領土の資産を不正に息子が横領していると。
調べたのは今の院長で当時副院長補佐だったダードでした。
あなたと最初に手合わせしたときにね、
不正をするような気の練り方じゃないと思たんですよ。
わたし、そういうの得意でしたから。
奥さんに行ったことは本当ですよ?もっと伸びるとね?
それで、再調査をするようにと申請したら
いつの間にやら暗部は解体、数字に強いものはそのまま資産院に残りました。
不得手なものは各院に異動しましたよ。暗部はあくまでも仕事ですからね。
働かなくっちゃいけない。
申請してから暗部解散になるまで、本当に純心に手合わせしたかっただけですよ?
そこにうそはない。」
「私は何事にも疑いを持てと言われている。その話を信じる根拠は?」
「んー、根拠ですか?あなたこうして受け入れてるでしょ?それが根拠ですよ。」
「・・・・はぁぁぁ。そうか。」
「そうですよ。ちなみにそれから院長、副院長となくなりましてね。
それで、ダードが院長に納まったんです。
再調査の依頼も解散でうやむやのままですね。
辺境領土と王都の確執は多かれ少なかれどこにでもある。
ただ、あなたの弟が領主になってから露骨になった。税金が上がったですよ。
納められるはずだとね。なんの根拠もなくです。
当然領主は反発しますよね?根拠を出せと。
それがダードになってからさらにひどくになった。資産があるはずだとね。
あなたが砂漠で生活していることも上部は把握しています。もちろんわたしもね。
砂漠に片目、片腕の兄を置いて石を横領していると。
その兄とあなた、マティス君が結びつかなかった。
わたしの中でのマティス君は食事をくれた人だったので。
今回はわたしが来たのはあなたの面通しです。顔を知ってるのはわたしぐらいで、
領主の近くに兄がいるはずだと。それを確認してこいとね。ダード院長直です。
で、元暗部の腕で始末してこいと。」
ワイプの気が膨れ上がる。今まで抑えていたんだ。
彼女を抱えて、いったんセサミナのところに戻るか?
そう考えたときに、彼女が現れ、ワイプの鳩尾に膝を打ち込むと
延髄蹴りを浴びせた。そのままワイプの上に乗ると、
両手を組み頭を砕こうと振り落とす。
「殺すな!!」
後ろから羽交い絞めにして、彼女をはがす。
「え?なんで?マティスを殺そうとしたよ?」
「威嚇だけだ、本気の殺気ではない。」
「そうなの?まだわかんないや。で、これだれ?え?ワイプさん?うそなんで?」
彼女が気絶しているワイプに彼女が近づくが、再び抱えて寝床に戻った。
「え?ベット?あれ?夢?あははは、なんか、すごい殺気がしたから
慌てて飛び出した夢見たよ?お帰りマティス?
ふふ、その相手がワイプさんなんだもの笑うね。
ふふ、さっきの殺気!!ふははは!!」
「夢じゃない。上でワイプは気絶している。威嚇と本気を見分けれるようにしよう。
それまで即、殺は禁止だ。そしてその恰好はなんだ?」
彼女は全身黒いレースで覆われている。
「え?夢じゃないの?どうしよう!!」
「いいから!それは?」
「え?これ?マティスがゆってた全身レースはどんなもんかなと作ったの?
こっち戻って、トイレ行ったら目がさめたから。いまさら戻るのもばつが悪いなって。
待ってる間につくったの。」
「ああ、素晴らしい。でも、あとだ。普通の服を着て上がっておいで?
ワイプはいろいろこちらの事情も知ってるようだから。」
「え?えそうなの?あ!この格好見られた?ハ、恥ずかしい!!」
「大丈夫、見られていたら私が始末するから。服を着ておいで。」
彼女を残し上に戻る。ワイプは気絶したままだ。
馬たちはあきれている。決して主人の危機とは思っていないようだ。
私を一瞥するとまた眠りについた。
テントに潜り込んだ。あのまま、家に帰って寝てしまうだろう。
「あなたが結婚していたとは驚きました。いや、したこと自体に。」
「私も驚いたよ、ワイプはいつかそんな大ウソつきになったんだ?」
「ははは、嘘つきとはひどいですね。」
「嘘つきではない、大ウソつきだ。
元々お前は暗部の人間だ。わたしを始末しに来たんだ。
当時は生意気な領主息子が誰かの恨みを買って始末しに来たんだと思ったが、
今ならわかる。リップルの一族の依頼だったんだな?なぜ何回も挑んできた?
しかも、最初のだけだ、殺意があったのは。」
「ああ、殺意が漏れましいましたか、わたしも若かったんですね。
いろいろと誤解があるようだ。まず最初にあのときは確かに暗部に属していましたが、
あの後すぐに暗部は解散になりましたよ。」
「それは知っている。だから資産院と名乗ったお前に警戒はしなかった。
暗部は依頼があって動くもの。依頼がなければただの殺人だ。」
「そうでしょ?それと、暗部に属していたというのも間違いです。
あの時からわたしは資産院ですよ?」
「嘘つけ!資産院からの派遣だとは言っていたが、名ばかりだろうが!」
「いえいえ、違います。あの当時、資産院が暗部で、
暗部が資産院なのですよ?あ、これ、内緒ですよ?」
「・・・・みながそうだったのか?」
「そうです。資産運営に不正があったり、
横領があったりすると暗部が始末するんですよ、手っ取り早く。
調べてどうのこうのする時間が無駄ですから。
確かにあなたに関しては依頼があった。
辺境領土の資産を不正に息子が横領していると。
調べたのは今の院長で当時副院長補佐だったダードでした。
あなたと最初に手合わせしたときにね、
不正をするような気の練り方じゃないと思たんですよ。
わたし、そういうの得意でしたから。
奥さんに行ったことは本当ですよ?もっと伸びるとね?
それで、再調査をするようにと申請したら
いつの間にやら暗部は解体、数字に強いものはそのまま資産院に残りました。
不得手なものは各院に異動しましたよ。暗部はあくまでも仕事ですからね。
働かなくっちゃいけない。
申請してから暗部解散になるまで、本当に純心に手合わせしたかっただけですよ?
そこにうそはない。」
「私は何事にも疑いを持てと言われている。その話を信じる根拠は?」
「んー、根拠ですか?あなたこうして受け入れてるでしょ?それが根拠ですよ。」
「・・・・はぁぁぁ。そうか。」
「そうですよ。ちなみにそれから院長、副院長となくなりましてね。
それで、ダードが院長に納まったんです。
再調査の依頼も解散でうやむやのままですね。
辺境領土と王都の確執は多かれ少なかれどこにでもある。
ただ、あなたの弟が領主になってから露骨になった。税金が上がったですよ。
納められるはずだとね。なんの根拠もなくです。
当然領主は反発しますよね?根拠を出せと。
それがダードになってからさらにひどくになった。資産があるはずだとね。
あなたが砂漠で生活していることも上部は把握しています。もちろんわたしもね。
砂漠に片目、片腕の兄を置いて石を横領していると。
その兄とあなた、マティス君が結びつかなかった。
わたしの中でのマティス君は食事をくれた人だったので。
今回はわたしが来たのはあなたの面通しです。顔を知ってるのはわたしぐらいで、
領主の近くに兄がいるはずだと。それを確認してこいとね。ダード院長直です。
で、元暗部の腕で始末してこいと。」
ワイプの気が膨れ上がる。今まで抑えていたんだ。
彼女を抱えて、いったんセサミナのところに戻るか?
そう考えたときに、彼女が現れ、ワイプの鳩尾に膝を打ち込むと
延髄蹴りを浴びせた。そのままワイプの上に乗ると、
両手を組み頭を砕こうと振り落とす。
「殺すな!!」
後ろから羽交い絞めにして、彼女をはがす。
「え?なんで?マティスを殺そうとしたよ?」
「威嚇だけだ、本気の殺気ではない。」
「そうなの?まだわかんないや。で、これだれ?え?ワイプさん?うそなんで?」
彼女が気絶しているワイプに彼女が近づくが、再び抱えて寝床に戻った。
「え?ベット?あれ?夢?あははは、なんか、すごい殺気がしたから
慌てて飛び出した夢見たよ?お帰りマティス?
ふふ、その相手がワイプさんなんだもの笑うね。
ふふ、さっきの殺気!!ふははは!!」
「夢じゃない。上でワイプは気絶している。威嚇と本気を見分けれるようにしよう。
それまで即、殺は禁止だ。そしてその恰好はなんだ?」
彼女は全身黒いレースで覆われている。
「え?夢じゃないの?どうしよう!!」
「いいから!それは?」
「え?これ?マティスがゆってた全身レースはどんなもんかなと作ったの?
こっち戻って、トイレ行ったら目がさめたから。いまさら戻るのもばつが悪いなって。
待ってる間につくったの。」
「ああ、素晴らしい。でも、あとだ。普通の服を着て上がっておいで?
ワイプはいろいろこちらの事情も知ってるようだから。」
「え?えそうなの?あ!この格好見られた?ハ、恥ずかしい!!」
「大丈夫、見られていたら私が始末するから。服を着ておいで。」
彼女を残し上に戻る。ワイプは気絶したままだ。
馬たちはあきれている。決して主人の危機とは思っていないようだ。
私を一瞥するとまた眠りについた。
12
お気に入りに追加
369
あなたにおすすめの小説
義弟の婚約者が私の婚約者の番でした
五珠 izumi
ファンタジー
「ー…姉さん…ごめん…」
金の髪に碧瞳の美しい私の義弟が、一筋の涙を流しながら言った。
自分も辛いだろうに、この優しい義弟は、こんな時にも私を気遣ってくれているのだ。
視界の先には
私の婚約者と義弟の婚約者が見つめ合っている姿があった。
完結 R18 媚薬を飲んだ好きな人に名前も告げずに性的に介抱して処女を捧げて逃げたら、権力使って見つけられ甘やかされて迫ってくる
シェルビビ
恋愛
ランキング32位ありがとうございます!!!
遠くから王国騎士団を見ていた平民サラは、第3騎士団のユリウス・バルナムに伯爵令息に惚れていた。平民が騎士団に近づくことも近づく機会もないので話したことがない。
ある日帰り道で倒れているユリウスを助けたサラは、ユリウスを彼の屋敷に連れて行くと自室に連れて行かれてセックスをする。
ユリウスが目覚める前に使用人に事情を話して、屋敷の裏口から出て行ってなかったことに彼女はした。
この日で全てが終わるはずなのだが、ユリウスの様子が何故かおかしい。
「やっと見つけた、俺の女神」
隠れながら生活しているのに何故か見つかって迫られる。
サラはどうやらユリウスを幸福にしているらしい
私の代わりが見つかったから契約破棄ですか……その代わりの人……私の勘が正しければ……結界詐欺師ですよ
Ryo-k
ファンタジー
「リリーナ! 貴様との契約を破棄する!」
結界魔術師リリーナにそう仰るのは、ライオネル・ウォルツ侯爵。
「彼女は結界魔術師1級を所持している。だから貴様はもう不要だ」
とシュナ・ファールと名乗る別の女性を部屋に呼んで宣言する。
リリーナは結界魔術師2級を所持している。
ライオネルの言葉が本当なら確かにすごいことだ。
……本当なら……ね。
※完結まで執筆済み
【R18】幼馴染の男3人にノリで乳首当てゲームされて思わず感じてしまい、次々と告白されて予想外の展開に…【短縮版】
うすい
恋愛
【ストーリー】
幼馴染の男3人と久しぶりに飲みに集まったななか。自分だけ異性であることを意識しないくらい仲がよく、久しぶりに4人で集まれたことを嬉しく思っていた。
そんな中、幼馴染のうちの1人が乳首当てゲームにハマっていると言い出し、ななか以外の3人が実際にゲームをして盛り上がる。
3人のやり取りを微笑ましく眺めるななかだったが、自分も参加させられ、思わず感じてしまい―――。
さらにその後、幼馴染たちから次々と衝撃の事実を伝えられ、事態は思わぬ方向に発展していく。
【登場人物】
・ななか
広告マーケターとして働く新社会人。純粋で素直だが流されやすい。大学時代に一度だけ彼氏がいたが、身体の相性が微妙で別れた。
・かつや
不動産の営業マンとして働く新社会人。社交的な性格で男女問わず友達が多い。ななかと同じ大学出身。
・よしひこ
飲食店経営者。クールで口数が少ない。頭も顔も要領もいいため学生時代はモテた。短期留学経験者。
・しんじ
工場勤務の社会人。控えめな性格だがしっかり者。みんなよりも社会人歴が長い。最近同棲中の彼女と別れた。
【注意】
※一度全作品を削除されてしまったため、本番シーンはカットしての投稿となります。
そのため読みにくい点や把握しにくい点が多いかと思いますがご了承ください。
フルバージョンはpixivやFantiaで配信させていただいております。
※男数人で女を取り合うなど、くっさい乙女ゲーム感満載です。
※フィクションとしてお楽しみいただきますようお願い申し上げます。
仰っている意味が分かりません
水姫
ファンタジー
お兄様が何故か王位を継ぐ気満々なのですけれど、何を仰っているのでしょうか?
常識知らずの迷惑な兄と次代の王のやり取りです。
※過去に投稿したものを手直し後再度投稿しています。
伯爵様の子供を身篭ったの…子供を生むから奥様には消えてほしいと言う若い浮気相手の女には…消えてほしい
白崎アイド
ファンタジー
若い女は私の前にツカツカと歩いてくると、「わたくし、伯爵様の子供を身篭りましたの。だから、奥様には消えてほしいんです」
伯爵様の浮気相手の女は、迷いもなく私の前にくると、キッと私を睨みつけながらそう言った。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる