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28:歯ブラシ
しおりを挟む娼婦が人気の職業っていうからどんだけ性に奔放なんだとおもっていたが、
ちがう、それはただの彼女だっ。
ん?複数と付き合うこともできるのかな?んで、よりよい男性と結婚すると。
いや、ある意味奔放ですがな。
風呂をあがり、布で水気をとり、髪は手で梳かすようにして
水分を飛ばした。あ、便利。
力を使うときは言葉にしないのか?とチェックが入る。
あう、そうですね。
マティスの頭で再度行う。
『髪に適度な潤うを』
うれしそうにするマティス。悪いが犬のようだと思ってしまった。
「歯ブラシがほしい・・」
「なんだそれは?」
下着とシャツ、今度はきちんとズボンをはいたマティスが聞いてくる。
私はおパンツと大きめのシャツだけ。彼シャツ。タロスさんのだけど。
「歯を磨くの?こう、小さなブラシがついたやつで」
人差し指でジェスチャーすると
「ああ、ガムがある。こっちにも来ていた。大事なものだったんだな。取ってこよう」
よかった、そういうのがあるんだ。
取ってくると、自分の寝床に行き、
わたしには部屋で待っててくれというので、さきに部屋に戻る。
洗濯ものってどうするんだろう?
考えることはたくさんある。
けど、最優先は抱かれることだ。なんたること。
髪をなぜつけるとするすると乾いていく。
力を使っているというと、私の髪も乾かしてくれた。
適度
この言葉が重要なのだろう。
事細かに指示するのではなく、良き加減にする。
覚えておこう。
口の中の清掃をしたいと、指を口に入れるしぐさをするが、
ブラシを突っ込むのか?すごいな。
ガムがあるのでそれを取ってくることにして、部屋で待つようにいった。
寝床にもどり、ガムの箱をだす。
ガムが大事ではなく、箱が大事だったんだ。
貝の象嵌がついている。古いものだが、気に入っているものだ。
フタを開けると、2人で使っても十分な量があった。
これと、飴玉ももっていく。このガムは少し苦いからだ。
きっと、嫌がるだろう。飴も、大事なもの。
そう思えば、何もかも大事なものだ。
でも、一番大事なものは彼女になった。
名前が知りたい。
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