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23:炭酸水
しおりを挟む台所って冷蔵庫があって流しがあって、コンロがある感じ?
大体どこに作ろうか?
飾り棚の裏手?うん、そうかな?
保存食はみんな鞄に入れたんだろうか?
時間停止の保存庫。おおっ大ヒットの予感。
いあ、ちょっとまって。その中に人が入るのはまずい。たぶん。
保管庫はやめて、食料専用の箱にしておこう。
あとはやっぱり、実家と同じ配置で。
冷蔵庫となる保管箱に流しとコンロ。水は、海峡石。
あ、お酒飲むときように一つ置いとくとのこり2つだ
これ便利だからまた取りに行きたいな。
コンロはやはり赤の石かな?
少しちいさめのものを2つ、砂漠石で五徳もどきを作ってその真ん中にはめ込んだ。
火をつかったら換気とかどうすればいいんだろう。
レンジフード?一応上に吸い上げる感じ?うーん、難しい。
オーブンもいる?電子レンジは使わない派だからいらんだろう。
あとはお使いの方のご要望にお応えすればいいかな?
風呂の方から笑い声が聞こえてくるのが気になるが、
喜んでもらえているようでなにより。
洗い物だけして、わたしもお風呂をいただこう。
待っている間に、
風呂上りはやっぱりビールだよね?
と、思いつつ麦芽ってなに?レベル知識しかないので
炭酸水を作ってみよう。
二酸化炭素を圧縮して水に溶かす?だったかな
こう、炭酸水メーカーみたいに。
ジャグジーで使った透明な石を砂漠石の円筒状の筒に入れる
注ぎ口は細くした。
風を起こしているのは気圧を変化させているとして、
空気鉄砲のように、こうプシュッとでるみたいな?
コップに水を入れ、とがった先を水に差す。
いざっ!
バッシュっバリン、ガタン、ドスン、
ぎゃぁぁっ!!
よく言われます。なんで、想像しないの?それをすればどうなるかって?
ちがうよ、お母さん。想像してるんだけど、結果が違うだけなんだ。
扇風機の羽根に孫の手をつ込んだ時も、
まさか羽根が割れるとは思わなかった。
ピタッって止まると思ったんだ。
はみ出したお皿をそのままにガラスの引戸を勢いよく締めれば
流れるようにお皿が引っ込むと思ったんだ。
ガラス戸が割れたけど。硬度を理解してなかったてことだよね。
風呂上がりに炭酸水は喜んでもらえると思たんだ。
わたしが飲みたいのが大前提だけど。
思たよりも高圧縮で発射されたまさしく空気弾は
コップを割り、一枚板であろうタロスのテーブルに孔をあけ
その延長上にあった太ももを貫通し、床の奥深くに潜っていった。
その勢いに押されるように貫通と同時に椅子ごと倒れ込んだ。
「どうしたっ!」
マティスが飛んでくる。下半身マッパで。
なんか、笑えるけど、太ももが熱い。
起き上がれない。
太ももに手をやると、ぬちゃっとした感触。手を見ると血がついてる。
あれだ、なんじゃこりゃーって奴だよ。
血が出るの多いな。パターン確定?
マティスが抱きかかえようとする。
いや、もう、やめて。ご立派なものが見えてるよ。
「ぶひゃひゃはや、やめてやめて。見えてるって!」
「なっ?血が出てる!どうして!」
「あ、止めないと。」
『血よ止まって。穴の開いた肉も骨も神経も元通り。
流れ出た血も戻って。』
流れ出た血は消え、痛みというか、熱さは消えた。
床に倒れた時の打ち身の痛みが残る。これはこのまま受け入れよう。
あ、服は治さなきゃ。かなり小さい孔だが貫通してる。
おお、すごい。
立上り穴の開いたズボンを、しげしげ見つめていると、
シャツを腰に巻いたマティスがテーブルをドンっと強く叩いた。
『どういうことだ?説明しろ!』
あ、それ、言霊使ってない?
こうなった状況を、母とのやり取りを含めてなにもかも説明することになった。
絵を書くように、壁を指でなぞる。
その軌跡で砂が文様を描く。
これの小さいものを作ってもらえないだろうか?
楽しい。自然と口角が上がる。
ああ、彼女のおかげだ。
ほんとうにいつの間にか元居た世界に戻るのだろうか?
ああ、まだ名前も知らない。
彼女がいなくなるなんてことは想像できない。
便利なものを作ってくれるからとかではない。
彼女と一緒にいたい。抱きたい。
その考え方が恥ずかしくて、熱が冷めるまで、
少し冷たい水を頭から浴びた。
それでも、早く彼女のもとに行きたくて、急いで出ることにした。
水気を拭き、シャツを羽織ると、ものすごい音が聞こえた。
バリン、ガタン、ドスン、
ぎゃぁぁっ!!
なんだ?
慌てて、扉を強引にこじ開け、テーブルのほうに行くと
床に倒れ込んでる彼女を見た。
椅子も倒れ、石が飛び散り、足から血を流している。
死ぬ。
槍で刺した時とは違い足先から震えが起こった。
いなくなる。
声をかけ、こちらを見上げたが起き上がれないようで、
すぐに抱きかかえようとすると、
「ぶひゃひゃはや、やめてやめて。見えてるって!」
食事の時の楽しそうな笑い声を出す。
「なっ?血が出てる!どうして!」
「あ、止めないと。」
『血よ止まって。穴の開いた肉も骨も神経も元通り。
流れ出た血も戻って。』
何でもないように血を止め、体を治していった。
穴が開いた?
立上り後ろと前のズボンの孔の開き具合を感心しながら眺めていた。
シャツを脱ぎとりあえず腰に巻くと
テーブル叩きつけながら言った。
『どういうことだ?説明しろ!』
目を見開いた彼女はなぜか饒舌に説明しだした。
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