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第4章 覇気使い四天王。
第169話 雑魚。
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「……止めとけよ。俺は女手ぇ出す趣味はねぇし、それに右腕も使い物にならねぇじゃねぇか。答えは一つだよな? とっとと帰れ足手纏い」
伊波は襲撃してきた者の姿を確認した。
伊波から見た木戸は肩で息を繰り返し、右腕は筋肉痙攣まで起こし、疲労困憊の状態だった。
そんな相手と戦う気はなく、それに女に手を上げる趣味もなく、伊波にしてみれば南雲と同じ相手にしてなかった。
ならば、戦場から言葉で追い返そうとしていた。
「うるさいクソドレッド! 左拳が残ってるから、それで殴る。お前に一泡吹かせれる!」
「あ~あ、聞き分けのねぇ小娘だな。いいか? よく聞けよクソガキ。テメェがどう関係してようと俺はお前と戦う気ねぇし、要件あんのはソコにいる。自称天才くんだ。だから、とっとと消えろ」
(クソ木戸め、さっさと逃げれば良かったのに……けど、これはチャンスだ)
南雲は痛みに耐えながらポケットへ手を突っ込み、ハンカチを取り出した。
「木戸! 後は任せた」
ハンカチを手に巻きながら、南雲はそう言って全速力で伊波から逃走した。
「あ! テメェ待てコラ!」
伊波は逃げる南雲を見て、追い掛けた。が、背後から炎を纏った岩が飛んで来る。
「逃げんな、クソドレッド!」
「邪魔だ! クソガキ!」
南雲を追い掛ければ木戸から背後を狙われ、木戸という子供で女の相手にしたくない伊波。
(よし、このまま逃げ続けて隙を見て、あのクソドレッドに一矢報いる。じゃねぇと、俺が勝った気にならねぇ!)
まだ南雲は諦めておらず、伊波に反撃しかけようと画策する。
(このまま追い掛け続けて、南雲さんの体力が回復するまで弱点を突きまくる!)
(クソっ! コイツ等、最初はガチで何も計画してなかったのにガキが現れた瞬間、この野郎! チクショウ! こんな雑魚共に手こずるぐらいなら、早くコイツを殺すべきだった。俺が判断誤るなんて……)
伊波も伊波で、自分の判断がまさか間違うなんて思っていなかった。
だが、既に遅かった。この挟み撃ちに合ってしまえば伊波が撤退する形になる。が、それはそれでプライドが許さなかった。
(落ち着いて何か策を練らねぇと、ドレッド野郎の本能だけでもすぐに追い付いて来やがる。だったら、こっちも攻撃に転換だ!そして次の作戦を考える)
南雲はニヤケながら振り返り、バックで走りながら伊波を見る。
「あ? 何ニヤニヤしながら見てんんだぁ雑魚!?」
あまりにも分かりやすい挑発を見て、本能的に余裕がない伊波はキレて南雲へ殺気立つ。
「雑魚ぉ? 運も味方にする天才である、この俺様が雑魚だとぉぅ? 笑わせるな! 今、拮抗状態で危機的に陥ってる奴は何処のどいつだぁ? テメェだろうが雑魚ぉ!」
雑魚と言われても南雲は笑いながら、憤慨する伊波へ更にヒートアップさせる。
コレは急遽思いついた事だった。挑発すれば伊波の本能は冷静差を失い、本人の察し能力が化物でなければ、このまま時間稼ぎをし、回復まで計れる。
そこまでは考えていた。が、その先が思いつかなかった。
(マズイぞ。挑発したまでは良かったが、ここから先が何も思いつかんぞ。アドリブばっかでは、いずれアイツの本能が追い付いてしまう。それに木戸の右腕が限界だ。早く治療してやらないと……まだ若い奴の可能性を消すわけにはいかねぇからな!)
南雲は走りながら小石を拾い落とし、サッカーボールの如く蹴った。普通に投げると両拳に激痛が走る為、蹴るという作戦へ出た。
「そんなもんはとっくに予想して……!」
伊波の本能は気づいた。本人とは違う予想が頭によぎった。
(違う、この無意味とも思える行動は誘導。本命は背後による飛び攻撃。前衛からの攻撃で回避する所を背後からの攻撃により、体力を削って俺を……どうするつもりだ?)
初めて本能による予想が答えが出ずに終わった。
けれど背後と前衛の攻撃はちゃんと避けていた。
(反撃が来ない、避けただけ……だがこのままだと、木戸の腕がマズイ状況だ。あのドレッド野郎の反応見る限り、どうやら本能的な物は働かなかったらしい……よし、こっちも準備完了だ)
どうやら南雲の準備も終わったらしく、立ち止まり、わざとらしく携帯電話を見せびらかし、胸ポケットへ入れた。
(携帯電話? まさか誰かと通話してんのか? それとも録画? まあ何しようが無駄だが……通話してる人物が気になるな)
伊波にしてみれば通話してるどうかはどうでも良かった。ただ、何処の誰かに連絡してるのか気になっていた。
南雲へ続いて伊波も立ち止まった。
(南雲さんが立ち止まった。どうする? このまま追撃するか? いやでも、南雲さんにも考えがあるはずだ。ここは様子見しよう)
そして追い付いた木戸も立ち止まり、南雲の動きに合わせる為、待機する。
「……あー面倒くせぇな」
二人は伊波の発言に驚愕するが、顔には出さず対応する。
「面倒くせぇよ。俺を会社まで遠ざけ、クソ安い挑発ばっかウンザリだ。そろそろネタバラシしてもいいだろ?」
これは本心だった。伊波にとっても答えを知りたい状況であり、飽きが始まっていた。
「……もうちょっとの早く段階で気づいてるだろ? っていうか、こんな程度のおふざけに付き合うっていうのも意味あんだろ?」
「あぁ、あるぜ。自称天才野郎が自慢気に見せてた携帯電話。その目的を知りたくてな? だから、聞いてから殺すことにする。女は逃がせ」
「……通話相手が知りてぇなら素直に言えよ。この天才は何でも知ってて、何でも──色んな手を使うってな!」
南雲は紐でグルグル巻きにされた単一電池を伊波へ投げた。
(正体が分からねぇ回避しても背後からの追撃もある……いや、多分来ねぇな。今、女の右腕も体力が限界状態。だったら容赦することねぇ、このまま携帯取り上げて、殴り殺すまでだ!)
(ってところまで考えてんだろうな。テメェの自信ある未来予知にも近い予想はな! だが、全て完璧じゃねぇだろ。予想はあくまでも予想。一つの予想が正しくても、イレギュラーな予想までは思い付かねぇだろうな!)
そう考えて南雲は伊波へ向かって走り出した。
「来やがれ雑魚! 窮鼠猫を噛む程度のレベルなら承知しねぇ……ぐっ!」
突如と眩い光が伊波を襲った。それは目を焼く痛みと強烈な爆音。
ある程度の痛みなら耐えられる伊波でさえも、両目を閉じ、両耳を両手で抑え閉じた。
「簡潔な閃光玉だ! 威力は低いが、テメェの目と耳防ぐには十分だ!」
そして南雲は全体重を掛けて、のし掛かり馬乗り状態へなる。
「ざまぁみやがれクソドレッド野郎! 誰に向かって雑魚って言った? この俺は天才だ……ぐふっ!」
南雲が余裕の演説をしてる最中、不自由だった両手が自由となり、腹部に拳がめり込んでいた。
「うるせぇよ雑魚。馬乗りになった状態で油断してんじゃねぇ。相手の息の根止めるまでは殺し合いだ」
そしていつの間にか伊波は煙草を吸っていた。
「お、おい、う、嘘……だろ……」
そして痛みに耐えきれず南雲は腹部を抑えながら、伊波から離れて倒れた。
「じゃあコッチもネタバラシだ。どうやって回避して、どうやってすぐに回復したのか知りてぇだろうしな」
「……」
「まあ、まず俺は女には手は出さねぇが偶然な事故で蹴り上げた閃光玉は、ソッチに向かったからな。コレに関しては手を出していないの条件は達している。次に早めに回復したのは……」
伊波はうずくまっている木戸へ親指で差し、説明を続ける。
「検討……ぐらい……ついてる……ぜ。覇気だろ? しかも質の悪い覇気だ」
「知ってんなら話は分かるだろ?」
「目を覇気で覆った。耳もついでにだろ?」
「ふ~ん、お利口さんだな。覇気の名前は……」
『黄金の覇気それが名前だな、キモロンゲ』
突然と携帯電話から音声が聞こえた。
「……コレは予想できなかった。なるほど俺を遠ざけたのは通話相手が目的地まで、辿り着くまでの時間稼ぎ。つまりは赤髪くんは社長のところか」
『まあな。けど、そのキモロンゲに手を出したらテメェの契約相手は死ぬことになるぜ? そしたら次はテメェだ』
その相手はアトラス財団へ侵入している品川からだった。
「いいね。その誰構わず喧嘩売る根性。でも冷静に考えてみろよ、社長を殺して俺も殺したらコッチ側の人間になるんだぜ? 未来ある弁護士のお前にそんなリスキーな事できんのか?」
ここで得意な挑発を繰り出した。
(おい、頼むぞクソリーゼント。答えだけは間違えるなよ)
『……十字架二つ背負いこまず、のうのうと生きて行こうとは思わねぇよ。待っててやるから来い、クソドレッド野郎! バカな兄貴が終わればクレイジードレッド。テメェとの喧嘩だ』
そう言って品川はブツリと電話を切った。
「……面白れぇ、こんなに血が沸騰しそうな喧嘩の売られ方をされたのは初めてだ! うれしいぜ、品川修二くんよ! 精一杯ぶち殺してやるよ! 丁寧にな! 骨が砕けるまで、内臓が潰れて再生不可なぐらいにグチャグチャにして、感謝を込めてぶち殺してやるよ!」
喧嘩の売られ方が気に入った伊波。
狂気に笑い、煙草を吐き捨て何度も踏み潰して南雲には目もくれずに高笑いする。
「……」
そんな人が本当に狂ってる所を間近で見ている南雲はドン引きする。
「よし、計画変更だ。おい天才野郎、お前の役目は終わったから消えていいぞ。早く女を病院に連れて行け、ここからは選ばれし者の殺し合いだからな」
ウキウキルンルンな状態で伊波はアトラス財団へ向かう。
「──もう二度と戦いたくないわ」
負傷した身体を頑張って起き上がらせ、木戸へ接近し、おんぶ状態で病院へ向かった南雲。
伊波は襲撃してきた者の姿を確認した。
伊波から見た木戸は肩で息を繰り返し、右腕は筋肉痙攣まで起こし、疲労困憊の状態だった。
そんな相手と戦う気はなく、それに女に手を上げる趣味もなく、伊波にしてみれば南雲と同じ相手にしてなかった。
ならば、戦場から言葉で追い返そうとしていた。
「うるさいクソドレッド! 左拳が残ってるから、それで殴る。お前に一泡吹かせれる!」
「あ~あ、聞き分けのねぇ小娘だな。いいか? よく聞けよクソガキ。テメェがどう関係してようと俺はお前と戦う気ねぇし、要件あんのはソコにいる。自称天才くんだ。だから、とっとと消えろ」
(クソ木戸め、さっさと逃げれば良かったのに……けど、これはチャンスだ)
南雲は痛みに耐えながらポケットへ手を突っ込み、ハンカチを取り出した。
「木戸! 後は任せた」
ハンカチを手に巻きながら、南雲はそう言って全速力で伊波から逃走した。
「あ! テメェ待てコラ!」
伊波は逃げる南雲を見て、追い掛けた。が、背後から炎を纏った岩が飛んで来る。
「逃げんな、クソドレッド!」
「邪魔だ! クソガキ!」
南雲を追い掛ければ木戸から背後を狙われ、木戸という子供で女の相手にしたくない伊波。
(よし、このまま逃げ続けて隙を見て、あのクソドレッドに一矢報いる。じゃねぇと、俺が勝った気にならねぇ!)
まだ南雲は諦めておらず、伊波に反撃しかけようと画策する。
(このまま追い掛け続けて、南雲さんの体力が回復するまで弱点を突きまくる!)
(クソっ! コイツ等、最初はガチで何も計画してなかったのにガキが現れた瞬間、この野郎! チクショウ! こんな雑魚共に手こずるぐらいなら、早くコイツを殺すべきだった。俺が判断誤るなんて……)
伊波も伊波で、自分の判断がまさか間違うなんて思っていなかった。
だが、既に遅かった。この挟み撃ちに合ってしまえば伊波が撤退する形になる。が、それはそれでプライドが許さなかった。
(落ち着いて何か策を練らねぇと、ドレッド野郎の本能だけでもすぐに追い付いて来やがる。だったら、こっちも攻撃に転換だ!そして次の作戦を考える)
南雲はニヤケながら振り返り、バックで走りながら伊波を見る。
「あ? 何ニヤニヤしながら見てんんだぁ雑魚!?」
あまりにも分かりやすい挑発を見て、本能的に余裕がない伊波はキレて南雲へ殺気立つ。
「雑魚ぉ? 運も味方にする天才である、この俺様が雑魚だとぉぅ? 笑わせるな! 今、拮抗状態で危機的に陥ってる奴は何処のどいつだぁ? テメェだろうが雑魚ぉ!」
雑魚と言われても南雲は笑いながら、憤慨する伊波へ更にヒートアップさせる。
コレは急遽思いついた事だった。挑発すれば伊波の本能は冷静差を失い、本人の察し能力が化物でなければ、このまま時間稼ぎをし、回復まで計れる。
そこまでは考えていた。が、その先が思いつかなかった。
(マズイぞ。挑発したまでは良かったが、ここから先が何も思いつかんぞ。アドリブばっかでは、いずれアイツの本能が追い付いてしまう。それに木戸の右腕が限界だ。早く治療してやらないと……まだ若い奴の可能性を消すわけにはいかねぇからな!)
南雲は走りながら小石を拾い落とし、サッカーボールの如く蹴った。普通に投げると両拳に激痛が走る為、蹴るという作戦へ出た。
「そんなもんはとっくに予想して……!」
伊波の本能は気づいた。本人とは違う予想が頭によぎった。
(違う、この無意味とも思える行動は誘導。本命は背後による飛び攻撃。前衛からの攻撃で回避する所を背後からの攻撃により、体力を削って俺を……どうするつもりだ?)
初めて本能による予想が答えが出ずに終わった。
けれど背後と前衛の攻撃はちゃんと避けていた。
(反撃が来ない、避けただけ……だがこのままだと、木戸の腕がマズイ状況だ。あのドレッド野郎の反応見る限り、どうやら本能的な物は働かなかったらしい……よし、こっちも準備完了だ)
どうやら南雲の準備も終わったらしく、立ち止まり、わざとらしく携帯電話を見せびらかし、胸ポケットへ入れた。
(携帯電話? まさか誰かと通話してんのか? それとも録画? まあ何しようが無駄だが……通話してる人物が気になるな)
伊波にしてみれば通話してるどうかはどうでも良かった。ただ、何処の誰かに連絡してるのか気になっていた。
南雲へ続いて伊波も立ち止まった。
(南雲さんが立ち止まった。どうする? このまま追撃するか? いやでも、南雲さんにも考えがあるはずだ。ここは様子見しよう)
そして追い付いた木戸も立ち止まり、南雲の動きに合わせる為、待機する。
「……あー面倒くせぇな」
二人は伊波の発言に驚愕するが、顔には出さず対応する。
「面倒くせぇよ。俺を会社まで遠ざけ、クソ安い挑発ばっかウンザリだ。そろそろネタバラシしてもいいだろ?」
これは本心だった。伊波にとっても答えを知りたい状況であり、飽きが始まっていた。
「……もうちょっとの早く段階で気づいてるだろ? っていうか、こんな程度のおふざけに付き合うっていうのも意味あんだろ?」
「あぁ、あるぜ。自称天才野郎が自慢気に見せてた携帯電話。その目的を知りたくてな? だから、聞いてから殺すことにする。女は逃がせ」
「……通話相手が知りてぇなら素直に言えよ。この天才は何でも知ってて、何でも──色んな手を使うってな!」
南雲は紐でグルグル巻きにされた単一電池を伊波へ投げた。
(正体が分からねぇ回避しても背後からの追撃もある……いや、多分来ねぇな。今、女の右腕も体力が限界状態。だったら容赦することねぇ、このまま携帯取り上げて、殴り殺すまでだ!)
(ってところまで考えてんだろうな。テメェの自信ある未来予知にも近い予想はな! だが、全て完璧じゃねぇだろ。予想はあくまでも予想。一つの予想が正しくても、イレギュラーな予想までは思い付かねぇだろうな!)
そう考えて南雲は伊波へ向かって走り出した。
「来やがれ雑魚! 窮鼠猫を噛む程度のレベルなら承知しねぇ……ぐっ!」
突如と眩い光が伊波を襲った。それは目を焼く痛みと強烈な爆音。
ある程度の痛みなら耐えられる伊波でさえも、両目を閉じ、両耳を両手で抑え閉じた。
「簡潔な閃光玉だ! 威力は低いが、テメェの目と耳防ぐには十分だ!」
そして南雲は全体重を掛けて、のし掛かり馬乗り状態へなる。
「ざまぁみやがれクソドレッド野郎! 誰に向かって雑魚って言った? この俺は天才だ……ぐふっ!」
南雲が余裕の演説をしてる最中、不自由だった両手が自由となり、腹部に拳がめり込んでいた。
「うるせぇよ雑魚。馬乗りになった状態で油断してんじゃねぇ。相手の息の根止めるまでは殺し合いだ」
そしていつの間にか伊波は煙草を吸っていた。
「お、おい、う、嘘……だろ……」
そして痛みに耐えきれず南雲は腹部を抑えながら、伊波から離れて倒れた。
「じゃあコッチもネタバラシだ。どうやって回避して、どうやってすぐに回復したのか知りてぇだろうしな」
「……」
「まあ、まず俺は女には手は出さねぇが偶然な事故で蹴り上げた閃光玉は、ソッチに向かったからな。コレに関しては手を出していないの条件は達している。次に早めに回復したのは……」
伊波はうずくまっている木戸へ親指で差し、説明を続ける。
「検討……ぐらい……ついてる……ぜ。覇気だろ? しかも質の悪い覇気だ」
「知ってんなら話は分かるだろ?」
「目を覇気で覆った。耳もついでにだろ?」
「ふ~ん、お利口さんだな。覇気の名前は……」
『黄金の覇気それが名前だな、キモロンゲ』
突然と携帯電話から音声が聞こえた。
「……コレは予想できなかった。なるほど俺を遠ざけたのは通話相手が目的地まで、辿り着くまでの時間稼ぎ。つまりは赤髪くんは社長のところか」
『まあな。けど、そのキモロンゲに手を出したらテメェの契約相手は死ぬことになるぜ? そしたら次はテメェだ』
その相手はアトラス財団へ侵入している品川からだった。
「いいね。その誰構わず喧嘩売る根性。でも冷静に考えてみろよ、社長を殺して俺も殺したらコッチ側の人間になるんだぜ? 未来ある弁護士のお前にそんなリスキーな事できんのか?」
ここで得意な挑発を繰り出した。
(おい、頼むぞクソリーゼント。答えだけは間違えるなよ)
『……十字架二つ背負いこまず、のうのうと生きて行こうとは思わねぇよ。待っててやるから来い、クソドレッド野郎! バカな兄貴が終わればクレイジードレッド。テメェとの喧嘩だ』
そう言って品川はブツリと電話を切った。
「……面白れぇ、こんなに血が沸騰しそうな喧嘩の売られ方をされたのは初めてだ! うれしいぜ、品川修二くんよ! 精一杯ぶち殺してやるよ! 丁寧にな! 骨が砕けるまで、内臓が潰れて再生不可なぐらいにグチャグチャにして、感謝を込めてぶち殺してやるよ!」
喧嘩の売られ方が気に入った伊波。
狂気に笑い、煙草を吐き捨て何度も踏み潰して南雲には目もくれずに高笑いする。
「……」
そんな人が本当に狂ってる所を間近で見ている南雲はドン引きする。
「よし、計画変更だ。おい天才野郎、お前の役目は終わったから消えていいぞ。早く女を病院に連れて行け、ここからは選ばれし者の殺し合いだからな」
ウキウキルンルンな状態で伊波はアトラス財団へ向かう。
「──もう二度と戦いたくないわ」
負傷した身体を頑張って起き上がらせ、木戸へ接近し、おんぶ状態で病院へ向かった南雲。
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