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第4章 覇気使い四天王。
第152話 アトラスとの攻防。中編
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「まぁまぁ状況が悪い……閻魔さんが悪いっていうのは、かなり悪いかもな」
品川にとって閻魔とは短い付き合いだが、実力は忍以上なので信頼できる。
相手は悪魔だが、無益にも関わらず品川と忍を鍛えてくれた事もあり、心は少しだけ寄せている。
「信じてくれるのはありがたいが、俺ばかり信じ過ぎると仲間の言葉が耳に入らなくなる。悪魔を仲間だと思うな。お前は今いる仲間を信じろ」
「えっ? あ、あぁはい」
吹雪と雅は閻魔から違和感を感じた。
普段ならば個人的なアドバイスなんて物はしない筈なのに、今回限って口出してきた。
「では、品川も理解した所で。これからお前達はどうしたい?」
そして本題へ移り、これからの事を閻魔は尋ねた。
「元師匠を助けに行きます」
「品川に付いて行く」
「忍様の様態は?」
「えっと……」
「まずは職務質問させてもらうわ」
一斉に個人が気になる事を閻魔へ尋ねた。状況が分からない木戸以外は……
「おい、暇な奴は木元雅を神崎忍の所へ案内してやれ。桜草一華刑事は後で、それはあまりいい考えとは言えないな品川修二」
なんと普通の人間なら一瞬でも思考提出するような情報を網羅し、パキパキと優先順位で決めていく。
「木元さん、こちらへ」
如何にもという黒服のヤクザが部屋へ入室し、雅を忍の所へ案内する。
「どういう事ですか?」
そしていい考えでは無いと言われた品川が閻魔へ尋ねる。
「『アトラス財団』は、政府にお前等を国家転覆を狙うテロリストとして認定させ、機動隊を出動させた。この理由は分かるか?」
「つまり国を敵にしたって事!?」
全員考えている事を一華が代弁した。
「あぁ、日本の政府を敵にした」
平然とした態度で閻魔は返答する。
「どうしてそんな事に……でも異質だとしても民間人にテロリスト扱いなんて……」
「木戸以外は納税していない外部の人間扱いだからだ。海道出身で更に悪魔とグルなら人権なんて無いに等しいからだろ」
今まで気絶していた南雲が聞いていたらしく、推理を述べていた。
「南雲暖人、正解だ。そして次に誰が、そんな事をした?」
「アイツだろうな……アトラス財団副社長、虹矢清張」
品川にとって思い当たる人物はソイツしかいなかった。
「社長ちゃうんか?」
事情を知らない吹雪達は高島なのではと疑っていた。
「あの社長の性格だとあり得ない。俺達が狙いなら東京に到着した時点で襲う、社長の狙いは神崎忍だけだった……あの閻魔さん、なんで魔界連合とアトラス財団が戦争する理由はなんですか?」
「アッチの理由としては東京から極道を追放したい……それは建前だ。品川、虹矢の目的は聞いたな?」
「はい。覇気使いが普通の人間を統率するみたいな事を」
「本音はこうだ。覇気使いと悪魔が衝突すれば全世界に正体が判明し、政府も隠蔽できなくなる。俺達が東京を壊滅すれば脅威として扱われ、覇気使いを英雄視する。コレが虹矢の狙いだ」
「自分が死んでも同じ考えの奴がいれば計画は続行できる……高島を裏切っていたのか虹矢は――」
「高島は忍にしか興味がなく、虹矢の考えには賛同しなかったんだろうな。ならば秘密にし、計画していたという筋書でどうだ?」
「筋書き?」
「ここまで推理したが最後は、どんでん返しという物がある。誰にも予想できない事がな」
「つまりは他に誰かが関わってると?」
ここまで黙って聞いていた一華が閻魔へ尋ねる。
「……さあな。話を戻そう、お前達は桐崎を助ける為、アトラス財団と日本政府に喧嘩売るんだな?」
一華の質問をはぐらかし、閻魔は品川へこれからの事を聞いた。
「はい。ロクでもない元師匠でも俺は助けたい、まだ色々と教えてほしい事があります。あの人は……“最高”な“馬鹿”の師匠ですから」
閻魔にしてみれば何処かで何度も聞いたフレーズだった。
「アトラス財団は西新宿のビル群に紛れている」
多分言っても聞かないだろうなという事で諦めた訳ではなく、所在だけ教える閻魔。
「嘘だろ、俺たち新宿でホテル取ってたぞ。それが敵の本拠地近くで」
南雲は自身の不運さに驚愕し落ち込む。
「ありがとうございます閻魔さん。面倒くせぇけど、しらみ潰しにアトラス財団探すしかねぇか」
居場所まで知らないので、とりあえず現地へ赴き、そこから探索しようとする品川。
「話は最後まで聞け」
全員が盛り上がっている中、閻魔が静止する。
「そんな事せずともコッチで調べてる。おい」
「こちらがアトラス財団の本拠地となります」
品川、吹雪、南雲へとアトラス財団に関する資料が鬼塚の手渡しによって行き渡る。
「新宿モノリスビルの隣にあるのか、アトラス財団……」
敵の本拠地が大胆にも、東京で有名ビルの隣に建設してる事に内心驚愕する東京勢。
しかも、写真に写っているビルは英語でATLASという形で建設されていた。
「っていうか、違法建築になりませんか?」
「形が歪なだけで増設している気配ないから違法にはならない。だが不便は感じるな」
南雲は奇妙なビルを見ても冷静に対応し、法律の観点で返答する。
「……よし、居場所も分かれば後は行動するだけだ。俺は煙草吸ってくるから作戦とか任せた」
「品川、喫煙所は屋敷を出たらある。安心しろ迷って適当に歩いても、すぐ戻れる」
閻魔の意味ありげな発言に品川は怪訝な表情だった。が、閻魔さんの事だからと思い気にせず部屋を出た。
「次は桜草一華刑事の番だな。俺に何を聞きたい?」
屋敷を出て品川は暫く適当に霧の中を歩く。
(一向に前が見えねぇ)
何も考えず喫煙所を探し、数分も霧の中を彷徨っていた。
(コレってアレか? 喫煙者を封じる嫌がらせの霧か? いや、閻魔さんに限ってそんな事するって……もしかして地獄で喫煙してる時、隣にいたから煙草の匂いが嫌だったからか? そう言ってくれれば遠慮して離れて吸ってましたのに……)
何かあらぬ誤解を思い描いている品川。
そんな事ばかり考えていると、霧はどんどん深くなっていた。
「おいおい迷子になっちゃったよ」
そして自覚する。意味すら知らない深い霧の中で迷子になった事を。
「霧晴らそうにも深いしな……どうするか」
炎を利用し、熱風で霧ばらいしようと思ったが結界の強さが分からず、加減しようにも巻き込むのも危ないので躊躇していた。
「そこの品川修二、ここで何をしている?」
そこへ聞き覚えのある独特な呼び方で品川は振り向く。
相変わらず僅かで口元だけしか見えない黒政だった。
「あぁ総長さん、実はな……煙草の匂い?」
品川は微かに残った煙草の芳香を感じとった。
「あぁ、さっき吸ってきたばかり……だ!」
そしていきなり品川に両肩を捕まれた黒政。
黒政も驚愕したりしたが、敵意は無いと分かったので何もしない。
「教えてくれ! 喫煙所が何処なのか!」
「喫煙所を思い浮かべて念じてみろ。そしたら霧ではなく喫煙所前にいる」
必死な表情で頼む品川に対し、黒政は淡白な様子で返答する。
「うわ、めっちゃ淡白。けど分かりやすい!」
「なるほど、色々と考えすぎて屋敷から出たのか。なんとも見た目から程遠い繊細な性格だ」
「なんか扱いも慣れてる感じだ」
「まあ、お前みたいな問題児を一人知っている。ソイツの面倒を見る事を毎日していると慣れる」
「へぇ~アンタも気苦労してんだな」
「お前、極道にアンタっていうのは言葉は言わない方がいいぞ。アンタっていう言葉は極道の奥さんが使う言葉だ。変な因縁をつけられたら面倒だぞ? それも質の悪い極道はな……」
すると黒政は黒い名刺を取り出し、品川へ手渡す。
「?」
「質の悪いヤクザに絡まれたら連絡してくれ。すぐにでも駆け付ける」
「……」
品川は嫌な予感しつつも名刺を受け取った。
「君とはより良い関係を築けそうだ。よろしく頼むよ、品川修二くん」
先程との性格がガラリと変わり、品川は一瞬にして心が恐怖に染まった。
今、目前にいる黒政が鎌で首筋に刃先を立てる死神へ見えたからだ。
「く、黒政さん……」
「じゃあ、ゆっくり喫煙してくれ。大丈夫、今の出来事は全て忘れるから」
黒政は右手で品川の目を覆った。
晴れると品川は雨の中、喫煙所前で立っていた。
(アレ? 俺、いつの間に喫煙所に……ヤベェ、早く入らねぇと煙草がダメになる)
先程の記憶はなくなり、何時もの様子で品川は喫煙所へ入る。
品川にとって閻魔とは短い付き合いだが、実力は忍以上なので信頼できる。
相手は悪魔だが、無益にも関わらず品川と忍を鍛えてくれた事もあり、心は少しだけ寄せている。
「信じてくれるのはありがたいが、俺ばかり信じ過ぎると仲間の言葉が耳に入らなくなる。悪魔を仲間だと思うな。お前は今いる仲間を信じろ」
「えっ? あ、あぁはい」
吹雪と雅は閻魔から違和感を感じた。
普段ならば個人的なアドバイスなんて物はしない筈なのに、今回限って口出してきた。
「では、品川も理解した所で。これからお前達はどうしたい?」
そして本題へ移り、これからの事を閻魔は尋ねた。
「元師匠を助けに行きます」
「品川に付いて行く」
「忍様の様態は?」
「えっと……」
「まずは職務質問させてもらうわ」
一斉に個人が気になる事を閻魔へ尋ねた。状況が分からない木戸以外は……
「おい、暇な奴は木元雅を神崎忍の所へ案内してやれ。桜草一華刑事は後で、それはあまりいい考えとは言えないな品川修二」
なんと普通の人間なら一瞬でも思考提出するような情報を網羅し、パキパキと優先順位で決めていく。
「木元さん、こちらへ」
如何にもという黒服のヤクザが部屋へ入室し、雅を忍の所へ案内する。
「どういう事ですか?」
そしていい考えでは無いと言われた品川が閻魔へ尋ねる。
「『アトラス財団』は、政府にお前等を国家転覆を狙うテロリストとして認定させ、機動隊を出動させた。この理由は分かるか?」
「つまり国を敵にしたって事!?」
全員考えている事を一華が代弁した。
「あぁ、日本の政府を敵にした」
平然とした態度で閻魔は返答する。
「どうしてそんな事に……でも異質だとしても民間人にテロリスト扱いなんて……」
「木戸以外は納税していない外部の人間扱いだからだ。海道出身で更に悪魔とグルなら人権なんて無いに等しいからだろ」
今まで気絶していた南雲が聞いていたらしく、推理を述べていた。
「南雲暖人、正解だ。そして次に誰が、そんな事をした?」
「アイツだろうな……アトラス財団副社長、虹矢清張」
品川にとって思い当たる人物はソイツしかいなかった。
「社長ちゃうんか?」
事情を知らない吹雪達は高島なのではと疑っていた。
「あの社長の性格だとあり得ない。俺達が狙いなら東京に到着した時点で襲う、社長の狙いは神崎忍だけだった……あの閻魔さん、なんで魔界連合とアトラス財団が戦争する理由はなんですか?」
「アッチの理由としては東京から極道を追放したい……それは建前だ。品川、虹矢の目的は聞いたな?」
「はい。覇気使いが普通の人間を統率するみたいな事を」
「本音はこうだ。覇気使いと悪魔が衝突すれば全世界に正体が判明し、政府も隠蔽できなくなる。俺達が東京を壊滅すれば脅威として扱われ、覇気使いを英雄視する。コレが虹矢の狙いだ」
「自分が死んでも同じ考えの奴がいれば計画は続行できる……高島を裏切っていたのか虹矢は――」
「高島は忍にしか興味がなく、虹矢の考えには賛同しなかったんだろうな。ならば秘密にし、計画していたという筋書でどうだ?」
「筋書き?」
「ここまで推理したが最後は、どんでん返しという物がある。誰にも予想できない事がな」
「つまりは他に誰かが関わってると?」
ここまで黙って聞いていた一華が閻魔へ尋ねる。
「……さあな。話を戻そう、お前達は桐崎を助ける為、アトラス財団と日本政府に喧嘩売るんだな?」
一華の質問をはぐらかし、閻魔は品川へこれからの事を聞いた。
「はい。ロクでもない元師匠でも俺は助けたい、まだ色々と教えてほしい事があります。あの人は……“最高”な“馬鹿”の師匠ですから」
閻魔にしてみれば何処かで何度も聞いたフレーズだった。
「アトラス財団は西新宿のビル群に紛れている」
多分言っても聞かないだろうなという事で諦めた訳ではなく、所在だけ教える閻魔。
「嘘だろ、俺たち新宿でホテル取ってたぞ。それが敵の本拠地近くで」
南雲は自身の不運さに驚愕し落ち込む。
「ありがとうございます閻魔さん。面倒くせぇけど、しらみ潰しにアトラス財団探すしかねぇか」
居場所まで知らないので、とりあえず現地へ赴き、そこから探索しようとする品川。
「話は最後まで聞け」
全員が盛り上がっている中、閻魔が静止する。
「そんな事せずともコッチで調べてる。おい」
「こちらがアトラス財団の本拠地となります」
品川、吹雪、南雲へとアトラス財団に関する資料が鬼塚の手渡しによって行き渡る。
「新宿モノリスビルの隣にあるのか、アトラス財団……」
敵の本拠地が大胆にも、東京で有名ビルの隣に建設してる事に内心驚愕する東京勢。
しかも、写真に写っているビルは英語でATLASという形で建設されていた。
「っていうか、違法建築になりませんか?」
「形が歪なだけで増設している気配ないから違法にはならない。だが不便は感じるな」
南雲は奇妙なビルを見ても冷静に対応し、法律の観点で返答する。
「……よし、居場所も分かれば後は行動するだけだ。俺は煙草吸ってくるから作戦とか任せた」
「品川、喫煙所は屋敷を出たらある。安心しろ迷って適当に歩いても、すぐ戻れる」
閻魔の意味ありげな発言に品川は怪訝な表情だった。が、閻魔さんの事だからと思い気にせず部屋を出た。
「次は桜草一華刑事の番だな。俺に何を聞きたい?」
屋敷を出て品川は暫く適当に霧の中を歩く。
(一向に前が見えねぇ)
何も考えず喫煙所を探し、数分も霧の中を彷徨っていた。
(コレってアレか? 喫煙者を封じる嫌がらせの霧か? いや、閻魔さんに限ってそんな事するって……もしかして地獄で喫煙してる時、隣にいたから煙草の匂いが嫌だったからか? そう言ってくれれば遠慮して離れて吸ってましたのに……)
何かあらぬ誤解を思い描いている品川。
そんな事ばかり考えていると、霧はどんどん深くなっていた。
「おいおい迷子になっちゃったよ」
そして自覚する。意味すら知らない深い霧の中で迷子になった事を。
「霧晴らそうにも深いしな……どうするか」
炎を利用し、熱風で霧ばらいしようと思ったが結界の強さが分からず、加減しようにも巻き込むのも危ないので躊躇していた。
「そこの品川修二、ここで何をしている?」
そこへ聞き覚えのある独特な呼び方で品川は振り向く。
相変わらず僅かで口元だけしか見えない黒政だった。
「あぁ総長さん、実はな……煙草の匂い?」
品川は微かに残った煙草の芳香を感じとった。
「あぁ、さっき吸ってきたばかり……だ!」
そしていきなり品川に両肩を捕まれた黒政。
黒政も驚愕したりしたが、敵意は無いと分かったので何もしない。
「教えてくれ! 喫煙所が何処なのか!」
「喫煙所を思い浮かべて念じてみろ。そしたら霧ではなく喫煙所前にいる」
必死な表情で頼む品川に対し、黒政は淡白な様子で返答する。
「うわ、めっちゃ淡白。けど分かりやすい!」
「なるほど、色々と考えすぎて屋敷から出たのか。なんとも見た目から程遠い繊細な性格だ」
「なんか扱いも慣れてる感じだ」
「まあ、お前みたいな問題児を一人知っている。ソイツの面倒を見る事を毎日していると慣れる」
「へぇ~アンタも気苦労してんだな」
「お前、極道にアンタっていうのは言葉は言わない方がいいぞ。アンタっていう言葉は極道の奥さんが使う言葉だ。変な因縁をつけられたら面倒だぞ? それも質の悪い極道はな……」
すると黒政は黒い名刺を取り出し、品川へ手渡す。
「?」
「質の悪いヤクザに絡まれたら連絡してくれ。すぐにでも駆け付ける」
「……」
品川は嫌な予感しつつも名刺を受け取った。
「君とはより良い関係を築けそうだ。よろしく頼むよ、品川修二くん」
先程との性格がガラリと変わり、品川は一瞬にして心が恐怖に染まった。
今、目前にいる黒政が鎌で首筋に刃先を立てる死神へ見えたからだ。
「く、黒政さん……」
「じゃあ、ゆっくり喫煙してくれ。大丈夫、今の出来事は全て忘れるから」
黒政は右手で品川の目を覆った。
晴れると品川は雨の中、喫煙所前で立っていた。
(アレ? 俺、いつの間に喫煙所に……ヤベェ、早く入らねぇと煙草がダメになる)
先程の記憶はなくなり、何時もの様子で品川は喫煙所へ入る。
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