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第3章 東と西 黒の追憶編。
第121話 絶賛、会議中です。
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「さて、トイレ休憩が終わった所で、何か障害になる物はないな?」
「……」
全員が挙手せず、何も問題ないと反応した。
「よし、何も無いようだな。それで会議の続きをしよう……『アトラス財団』の対応について話すんだったな?」
少しトラブルがあり、状況確認の為に全員へ尋ねた。
「……確か、そうだった。あ~うんうん、大体そんな感じの話をしようだったな?」
そこへ全員の代表として、忍が適当な雰囲気で返事する。
「なんで適当な返事するんだよ……」
あまりの適当さに吹雪が突っ込む。
「いや、だって早く終わらせたかったから、適当に相槌打ってた。いくら暖房あっても、流石に爺さんの身体にも毒だからな。だったら覚えてなくても、適当に合わせてた」
早期にも終わらせたい忍は、取り敢えず閻魔と合わせる作戦へと出た。
(閻魔さんが面倒くさい人だったら、多分会議なんて長引くぞ……)
「……あぁ、俺の提案は――我々、魔界連合は一切『アトラス財団』に手を出さない。理由は簡単だ。もし、我々が人間の揉め事に手を出せば、手下連中の悪魔は東京にいる人間を狩り尽くすまで止まらない」
「え? 閻魔さんの一人じゃ止められないのですか!?」
何故、最強の悪魔であり会長でもある。閻魔が部下を抑止できない事が、吹雪にとって不可解だった。
「あぁ、その理由は俺が暫く天界へ向かうからだ。ここ最近、俺の範囲外で何かが動いている事が感じた」
「……アンタの管轄外っていう事は神様関係の問題なんだな?」
察しのいい、忍は閻魔の問題が身内関係と見抜いた。
「そうだ。だから、俺の代理として鬼塚と鮫島を置いて行く。手下は二人に任せるとして……」
「問題は伊波一翔の管理じゃな?」
そこへ一人の老人市長が悪魔以外にも、人間として問題ある伊波へ向けた。
「これは普通の人間では対処できないので……『覇気使い』三人任せられるか?」
閻魔が目を向けていた人物は、海道から来訪した忍達だった。
「なんと『覇気使い』が三人も……」
「神崎忍と木元雅は知っているが……あのチャラチャラした奴も『覇気使い』なのか?」
「あまり強そうに見えないな?」
忍と雅の評価と違って、吹雪だけは見た目で判断されていた。
「そりゃそうだろう」と吹雪は述べたかったが、ここは一悶着なんか起こさず、大人しくして黙ってやり過ごそうとした。
「おい、クソ爺共。俺等と比べて人を判断するのは命を失うと同じことだぞ? あまり見た目で判断していると……この品川修二の右腕である吹雪雅人に――凍結させられるぞ?」
(コイツ、何やってんだー!)
いつの間にか危険人物と紹介扱いし、続いて忍は市長達へ罵詈雑言を浴びせていた。
「品川修二の右腕となったら信用できるな」
「あの品川修二の知人なら任せられる」
(品川修二だけで、他の戦った連中はオマケ扱いかよ)
吹雪は市長に対する態度が気に食わなかった。それもそのはず、皆がアレだけ傷つき、修二は右腕を損失し勝利した事を……
都合のいい部分だけ取り、魔王ウロボロスから世界を守っただけで、細かく見ようと知ろうとしない市長達に苛立ちが隠せなかった。
「忍様、吹雪を止めないと人一人殺しかねませんよ?」
「……大丈夫だ。あんなアホ連中の中でもマトモな奴がいるみたいだな」
今にも殴り掛かりそうな吹雪を見て、雅は自ら動いて拘束しようと忍へ提案した。が、意外な返答されて、雅は戸惑うしかなかった。
「皆さん! それはあまりにも失礼じゃないですか!」
両手で強く机を叩き、市長達に対して憤慨する人物がいた……クロエだった。
「ど、どうされましたか!?」
いきなりクロエが怒りだしたので、市長達は影響力のある人物を、動揺しながらも宥めようとしていた。
「皆さん、どうして私が怒っているのか分かりませんか? 私が怒っているのは、貴方達が品川修二様だけが、魔王ウロボロスを倒したって発言している所です! 何故、一人で戦ったと思われるんですか! そこには吹雪雅人様達が私達の為に傷つきながらも、一緒に戦ってくれたのに、それを貴方達は!」
「はいはい、そこまで――やはり、あの人の孫であるな……市長の皆さん、クロエさんは失礼なことを言いましたが、貴方達にも非があると思いませんか? 私は保証します。確かに、魔王ウロボロスを倒したのは品川修二です。けれど、そこまで向かう時、仲間がいたんです。吹雪雅人、神崎忍、神崎輝、南雲暖人、木元雅、アルカディア、シェリア・ローム、相川祐司、仲村一之、そして品川修二。この十人が私にとって勇者であり、ウロボロスを倒した者です。納得いかないなら……私は今からでも、敵に回っても良いですよ?」
まさしく強制的で理不尽な理由を閻魔は述べて、市長達を黙らせたのだ。
「……スゲェ、あんだけ疑心暗鬼だったのに閻魔さんだけで黙らせた」
「アイツには色々と実積があるからな。今、起こっている問題を除いて、細かい所だけは問題解決してきた悪魔だ。それとアイツには世界代表達が著名した契約書がある。契約内容は知らないが、下手に閻魔を敵に回せないのが上手いな」
「……」
吹雪は言いたい……どれだけ忍が格好よく長く述べていても――俺達は今、裸で会議してるのだと……
「それでは『アトラス財団』の調査、伊波の管理は海道から来た『覇気使い』。神崎忍、木元雅、吹雪雅人に決定する。意見や否定があるなら、この場で今すぐ述べるように?」
ここで締めとして『アトラス財団』調査と伊波の管理を三人へ任せる計画を閻魔は、市長達へ尋ねた。
「……」
誰も意見を述べる事なく沈黙していた。
「では、多数決の挙手で決めよう。賛成は挙手をお願いします」
クロエを除き、殆どの市長達は賛成と挙手していた。
(面倒事は何時も俺達か……)
伊波の管理をできないと理解はしていたが、ここまでとは思っていなかった忍。
内心、タメ息を吐きながら文句言っていた。
「では、反対の挙手をお願いします」
「……」
反対の挙手をしていたのはクロエ、吹雪、雅だけだった。
「お前はどっちだ? 神崎忍」
一人だけ挙手していない忍を見て、不可解に思い尋ねた。
「……俺か? 賛成だが、こちらにも条件を飲んで貰わないと割に合わないと思ってな?」
ここで全員は何を値打ちこいて発言するつもりなのか、気になっていた。
「条件か、なんだ?」
「俺からの条件は……伊波一翔と品川修二は絶対に激突させる。コレは伊波にも伝えている」
ザワザワと周りは、どよめき騒ぎ始めた。
「……伊波が負けた時の代償はなんだ?」
「品川修二が伊波一翔を倒した時、アンタの力で俺を神に会わせろ。そう難しくないことだぜ?」
「成る程、賭けに出た訳か。能力を使った形跡もない……つまり、運否天賦に任せたというより、品川修二が出来そうだから任せたんだな?」
「俺を倒す事を目指してるんだぜ? だったら、伊波程度は勝ってもらわないとな……聞いてんだろ? 伊波一翔」
ドアへ向かって忍は伊波の名前を呼んだ。
「……俺程度か、舐められた物だな?」
ドアが開き、スーツ着たまま会議室へ入室する忍へ近づく伊波だった。
「……」
「なんか血増えてない?」
雅は真剣に警戒していた。が、吹雪だけは修羅に付いて行けず、的外れな事を発言する。
「あぁ、会長が大好きなテメェに、今まで嫌がらせされた事を返してやるよ。こんなイカれた野郎を若頭にしてる馬鹿もそうだが、敗北を知らねぇアホには丁度いいだろ?」
伊波は笑いながら挑発する忍の目前まで、接近していた。
「殺されてぇのか?」
「できるものならな?」
互いに睨み合い、今にも酷い殺し合いが始まりそうな予感だった。
「……」
全員が挙手せず、何も問題ないと反応した。
「よし、何も無いようだな。それで会議の続きをしよう……『アトラス財団』の対応について話すんだったな?」
少しトラブルがあり、状況確認の為に全員へ尋ねた。
「……確か、そうだった。あ~うんうん、大体そんな感じの話をしようだったな?」
そこへ全員の代表として、忍が適当な雰囲気で返事する。
「なんで適当な返事するんだよ……」
あまりの適当さに吹雪が突っ込む。
「いや、だって早く終わらせたかったから、適当に相槌打ってた。いくら暖房あっても、流石に爺さんの身体にも毒だからな。だったら覚えてなくても、適当に合わせてた」
早期にも終わらせたい忍は、取り敢えず閻魔と合わせる作戦へと出た。
(閻魔さんが面倒くさい人だったら、多分会議なんて長引くぞ……)
「……あぁ、俺の提案は――我々、魔界連合は一切『アトラス財団』に手を出さない。理由は簡単だ。もし、我々が人間の揉め事に手を出せば、手下連中の悪魔は東京にいる人間を狩り尽くすまで止まらない」
「え? 閻魔さんの一人じゃ止められないのですか!?」
何故、最強の悪魔であり会長でもある。閻魔が部下を抑止できない事が、吹雪にとって不可解だった。
「あぁ、その理由は俺が暫く天界へ向かうからだ。ここ最近、俺の範囲外で何かが動いている事が感じた」
「……アンタの管轄外っていう事は神様関係の問題なんだな?」
察しのいい、忍は閻魔の問題が身内関係と見抜いた。
「そうだ。だから、俺の代理として鬼塚と鮫島を置いて行く。手下は二人に任せるとして……」
「問題は伊波一翔の管理じゃな?」
そこへ一人の老人市長が悪魔以外にも、人間として問題ある伊波へ向けた。
「これは普通の人間では対処できないので……『覇気使い』三人任せられるか?」
閻魔が目を向けていた人物は、海道から来訪した忍達だった。
「なんと『覇気使い』が三人も……」
「神崎忍と木元雅は知っているが……あのチャラチャラした奴も『覇気使い』なのか?」
「あまり強そうに見えないな?」
忍と雅の評価と違って、吹雪だけは見た目で判断されていた。
「そりゃそうだろう」と吹雪は述べたかったが、ここは一悶着なんか起こさず、大人しくして黙ってやり過ごそうとした。
「おい、クソ爺共。俺等と比べて人を判断するのは命を失うと同じことだぞ? あまり見た目で判断していると……この品川修二の右腕である吹雪雅人に――凍結させられるぞ?」
(コイツ、何やってんだー!)
いつの間にか危険人物と紹介扱いし、続いて忍は市長達へ罵詈雑言を浴びせていた。
「品川修二の右腕となったら信用できるな」
「あの品川修二の知人なら任せられる」
(品川修二だけで、他の戦った連中はオマケ扱いかよ)
吹雪は市長に対する態度が気に食わなかった。それもそのはず、皆がアレだけ傷つき、修二は右腕を損失し勝利した事を……
都合のいい部分だけ取り、魔王ウロボロスから世界を守っただけで、細かく見ようと知ろうとしない市長達に苛立ちが隠せなかった。
「忍様、吹雪を止めないと人一人殺しかねませんよ?」
「……大丈夫だ。あんなアホ連中の中でもマトモな奴がいるみたいだな」
今にも殴り掛かりそうな吹雪を見て、雅は自ら動いて拘束しようと忍へ提案した。が、意外な返答されて、雅は戸惑うしかなかった。
「皆さん! それはあまりにも失礼じゃないですか!」
両手で強く机を叩き、市長達に対して憤慨する人物がいた……クロエだった。
「ど、どうされましたか!?」
いきなりクロエが怒りだしたので、市長達は影響力のある人物を、動揺しながらも宥めようとしていた。
「皆さん、どうして私が怒っているのか分かりませんか? 私が怒っているのは、貴方達が品川修二様だけが、魔王ウロボロスを倒したって発言している所です! 何故、一人で戦ったと思われるんですか! そこには吹雪雅人様達が私達の為に傷つきながらも、一緒に戦ってくれたのに、それを貴方達は!」
「はいはい、そこまで――やはり、あの人の孫であるな……市長の皆さん、クロエさんは失礼なことを言いましたが、貴方達にも非があると思いませんか? 私は保証します。確かに、魔王ウロボロスを倒したのは品川修二です。けれど、そこまで向かう時、仲間がいたんです。吹雪雅人、神崎忍、神崎輝、南雲暖人、木元雅、アルカディア、シェリア・ローム、相川祐司、仲村一之、そして品川修二。この十人が私にとって勇者であり、ウロボロスを倒した者です。納得いかないなら……私は今からでも、敵に回っても良いですよ?」
まさしく強制的で理不尽な理由を閻魔は述べて、市長達を黙らせたのだ。
「……スゲェ、あんだけ疑心暗鬼だったのに閻魔さんだけで黙らせた」
「アイツには色々と実積があるからな。今、起こっている問題を除いて、細かい所だけは問題解決してきた悪魔だ。それとアイツには世界代表達が著名した契約書がある。契約内容は知らないが、下手に閻魔を敵に回せないのが上手いな」
「……」
吹雪は言いたい……どれだけ忍が格好よく長く述べていても――俺達は今、裸で会議してるのだと……
「それでは『アトラス財団』の調査、伊波の管理は海道から来た『覇気使い』。神崎忍、木元雅、吹雪雅人に決定する。意見や否定があるなら、この場で今すぐ述べるように?」
ここで締めとして『アトラス財団』調査と伊波の管理を三人へ任せる計画を閻魔は、市長達へ尋ねた。
「……」
誰も意見を述べる事なく沈黙していた。
「では、多数決の挙手で決めよう。賛成は挙手をお願いします」
クロエを除き、殆どの市長達は賛成と挙手していた。
(面倒事は何時も俺達か……)
伊波の管理をできないと理解はしていたが、ここまでとは思っていなかった忍。
内心、タメ息を吐きながら文句言っていた。
「では、反対の挙手をお願いします」
「……」
反対の挙手をしていたのはクロエ、吹雪、雅だけだった。
「お前はどっちだ? 神崎忍」
一人だけ挙手していない忍を見て、不可解に思い尋ねた。
「……俺か? 賛成だが、こちらにも条件を飲んで貰わないと割に合わないと思ってな?」
ここで全員は何を値打ちこいて発言するつもりなのか、気になっていた。
「条件か、なんだ?」
「俺からの条件は……伊波一翔と品川修二は絶対に激突させる。コレは伊波にも伝えている」
ザワザワと周りは、どよめき騒ぎ始めた。
「……伊波が負けた時の代償はなんだ?」
「品川修二が伊波一翔を倒した時、アンタの力で俺を神に会わせろ。そう難しくないことだぜ?」
「成る程、賭けに出た訳か。能力を使った形跡もない……つまり、運否天賦に任せたというより、品川修二が出来そうだから任せたんだな?」
「俺を倒す事を目指してるんだぜ? だったら、伊波程度は勝ってもらわないとな……聞いてんだろ? 伊波一翔」
ドアへ向かって忍は伊波の名前を呼んだ。
「……俺程度か、舐められた物だな?」
ドアが開き、スーツ着たまま会議室へ入室する忍へ近づく伊波だった。
「……」
「なんか血増えてない?」
雅は真剣に警戒していた。が、吹雪だけは修羅に付いて行けず、的外れな事を発言する。
「あぁ、会長が大好きなテメェに、今まで嫌がらせされた事を返してやるよ。こんなイカれた野郎を若頭にしてる馬鹿もそうだが、敗北を知らねぇアホには丁度いいだろ?」
伊波は笑いながら挑発する忍の目前まで、接近していた。
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「できるものならな?」
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