11 / 43
第11話 ※好きな次回予告は北〇の拳の次回予告です
しおりを挟む
「ベネットも加わって七人か。もう戦力は十分ではないかね? あまり大人数になっても身動きが取りにくくなるぞ?」
「…………」
ブラックの問いかけ。もっともな話だ。
だが、ラルフはいまいちこの七人に足りないモノを感じていた。
「……確かに戦力としては充分かも知れない……だが、何か……何かが足りないんだ……」
「……? その足りないモノとは、例えば何でしょう、ラルフ殿?」
「……これから俺たちは盗賊が巣食う遺跡に挑むわけだ。連中は当然犯罪者で裏社会を渡るような悪人なわけだ。単なる魔物の類いとは違う」
「……つまり?」
「……我ながら恐ろしいことを言っていることは解っているが、必要なんだ――――悪人そのものの心理や手口を読み取り、そんな賊に通用する悪人がな」
「な、な!? 勇者ともあろう御方が……罪人を仲間に加えると!?」
「もちろん、最後まで味方でいてくれる範囲内で、だ。どんな罪人でもいいわけじゃあない。必要なのは『悪』の頭脳と技だけだ」
「……毒を以て毒を制す、というわけかね……くくく……私ならともかく、確かに勇者の考える策とは思えんな」
「……し、しかし……そもそもそんな戦力になるような罪人を何処で見つければ――――」
「――はうあァーっ!?」
「!?」
突然、ベネットが奇声を発した! 当然一行は驚く。
否。発しているのは奇声だけではない。
ベネットの頭の耳がぴん、と尖り、まるでアンテナを受信したかのように怪音波が発生している……。
「――来たにゃ、来たにゃ! アチキたちの『次回予告』がァーッ!! ぬんっ!!」
「……『次回予告』……ですって?」
途端にベネットはぎこちないマリオネットのように身体を振り、次々と何やらポージングを取り、瞳を星のように煌めかせる。そして、こう叫びだした。
「『……賊の巣食う遺跡攻略を前に何かが気に掛かるラルフッ!! 果たして悪なる仲間とは!? この一行にもたらすは成功か!? はたまた破滅かッ!? ……次回! 【極悪! 牢獄の中の悦楽主義者!? フリーダムな囚人】乞うご期待ィーーーッッッ!!』」
「…………」
突然のベネットの奇行に、一行はしばし沈黙した。
「……はっ!? アチキの『次回予告』が発動したにゃね!? 次に取るべき行動はわかりましたかにゃ!?」
「……べ、ベネット……『次回予告』って……何かしら?」
「んだよ突然。牢獄とかフリーダムとか。ROCKじゃあなくてどっちかっつーとCRAZY気味だぜ」
正気に戻ったらしいベネット。喋った内容は覚えていないらしい。
だが、ベネットは得意気そうに胸を反らし、エッヘンと勝ち誇ったような顔をしている。
「ふふーん! アチキの『次回予告』を舐めにゃいで欲しいにゃ!」
ベネットは指で自らの猫の耳を突つきながら続ける。
「『次回予告』は未来を予知するアチキの超能力みたいにゃもんにゃ! TVアニメの次回予告みたいでちょい抽象的にゃけど、次にどんな行動を取り、どんな運命が訪れるか解るはずにゃっ!!」
「……超能力!? それは凄いな……予知能力なんて……」
「……ふーむ。脳に秘められた未知の能力か……ますます研究対象として興味深い…………」
「ギミャアーっ!! もう、この人恐いもおおおおおおんんんんんっ!!」
ブラックの好奇の目を嫌悪し、ルルカに抱きついた。
「まあまあ! ベネット、凄いじゃあないの。次に取るべき行動が解るなんて。この耳も関係して――――」
ずるっ。
「――――えっ?」
ルルカが手元を見ると――――ベネットの頭に乗っていたはずの猫の耳が取れた。
耳には髪と同系色のカチューシャが付いている。耳の部分はよく見ると本物のアンテナのようなピンらしき金属が付いている。
「――ああっ! 何も聴こえにゃいにゃ!! これは補聴器でもあるんですにゃ、返してくださいにゃ!!」
そう叫んでルルカの手から猫耳を取り返し、頭にパチン、と留めた。
「……取れんのかよ、猫耳!! 作り物だったの!?」
冒険者稼業で様々な亜人種と行動を共にしたこともあるウルリカもツッコミを入れる。
「猫人であることに間違いはにゃいっ!! でもこの補聴器が無いと何も聴こえない上に『次回予告』も発動しにくいにゃ! 猫人のアイデンティティーにゃからデリケートに扱うにゃよ!?」
「……ま、まあそれよりもベネット殿は牢獄、囚人と仰った。……そうだ! 罪人なら捕らえておりますぞ、王国の北端の刑務所に! ……悪人を仲間にするというのはまだ得心がいきませぬが……案内いたします!」
こうして、ラルフ一行は刑務所へと向かった。
<<
例によって小さな国土の王国。刑務所にもすぐに辿り着いた。
中は仄暗く、硬くブ厚い石の壁の鉄格子越しに入る日光と壁のランプだけが光源だ。
「……牢の中にいる囚人に御用ですか? ならば鉄格子越しに話し掛けてください。当然、中には凶暴な輩もおります。十分気を付けて……」
刑務所にいる看守がそう告げると、ズラリと並ぶ檻のある区画に通してくれた。
――――檻の数は平和な小国らしく、四つしかなかった。それぞれの檻に一人ずつ……囚人が入っている。当然扉は固く施錠されている。
「……よし。みんな手分けして、囚人の様子を見てくれ。くれぐれも気を付けてくれ」
ラルフたちはそれぞれの檻に近付き、囚人の様子を見る。
しばし話し掛けたり、顔色を見て様子を見てみた……。
「……ヴェラー! そっちはどうかな?」
「こっちゃ学者さんだぜー! 自分の説いた学説が異端扱いされて投獄されちまったんだとー! まったく、人は見かけによらねえぜ。どの業界でもROCKな奴ァいたもんだ!」
「……そうか。ルルカー! ベネットー! そこはどうだー?」
「……駄目ですわー……寝惚けているのか、酔っ払っているのか、自分が何処にいて何をしているのかも曖昧そうな……意識が混濁している男性ですわ」
「こいつァすげぇにゃーっ! 酒と色んなクスリが混ぜ混ぜになった何かを下回るヤバい臭いがプンプンするにゃー! とても連れていけそうもにゃいにゃあー!!」
「薬物中毒か…………ウルリカさん、そっちはどうです?」
「……線の細い男の子よ……囚人なのに何故か身なりは高級感あるわね。……どうも、そっちの檻にいる男に気があるソッチ系みたいよー……これ、駄洒落じゃあないからね?」
「……となると……」
「あとはこの檻の男のみ、ですな……」
「そうだな。……そこの囚人。話がある!」
ラルフが呼び掛けると、男は寝そべっていた粗末なベッドからむっくりと立ち上がり……ゆっくりとこちらを向いた。
「……さっきからゾロゾロとォ……このムショん中探り回ってる連中がいると思ったがァー……ふへへカッカッカッ…………なァーかなか男も女もべっぴんさん揃いじゃあねえええかあああ~…………ひひひひひ…………」
ラルフ一行を睥睨し、得体の知れぬ雰囲気を纏った男は不気味に笑った…………。
「…………」
ブラックの問いかけ。もっともな話だ。
だが、ラルフはいまいちこの七人に足りないモノを感じていた。
「……確かに戦力としては充分かも知れない……だが、何か……何かが足りないんだ……」
「……? その足りないモノとは、例えば何でしょう、ラルフ殿?」
「……これから俺たちは盗賊が巣食う遺跡に挑むわけだ。連中は当然犯罪者で裏社会を渡るような悪人なわけだ。単なる魔物の類いとは違う」
「……つまり?」
「……我ながら恐ろしいことを言っていることは解っているが、必要なんだ――――悪人そのものの心理や手口を読み取り、そんな賊に通用する悪人がな」
「な、な!? 勇者ともあろう御方が……罪人を仲間に加えると!?」
「もちろん、最後まで味方でいてくれる範囲内で、だ。どんな罪人でもいいわけじゃあない。必要なのは『悪』の頭脳と技だけだ」
「……毒を以て毒を制す、というわけかね……くくく……私ならともかく、確かに勇者の考える策とは思えんな」
「……し、しかし……そもそもそんな戦力になるような罪人を何処で見つければ――――」
「――はうあァーっ!?」
「!?」
突然、ベネットが奇声を発した! 当然一行は驚く。
否。発しているのは奇声だけではない。
ベネットの頭の耳がぴん、と尖り、まるでアンテナを受信したかのように怪音波が発生している……。
「――来たにゃ、来たにゃ! アチキたちの『次回予告』がァーッ!! ぬんっ!!」
「……『次回予告』……ですって?」
途端にベネットはぎこちないマリオネットのように身体を振り、次々と何やらポージングを取り、瞳を星のように煌めかせる。そして、こう叫びだした。
「『……賊の巣食う遺跡攻略を前に何かが気に掛かるラルフッ!! 果たして悪なる仲間とは!? この一行にもたらすは成功か!? はたまた破滅かッ!? ……次回! 【極悪! 牢獄の中の悦楽主義者!? フリーダムな囚人】乞うご期待ィーーーッッッ!!』」
「…………」
突然のベネットの奇行に、一行はしばし沈黙した。
「……はっ!? アチキの『次回予告』が発動したにゃね!? 次に取るべき行動はわかりましたかにゃ!?」
「……べ、ベネット……『次回予告』って……何かしら?」
「んだよ突然。牢獄とかフリーダムとか。ROCKじゃあなくてどっちかっつーとCRAZY気味だぜ」
正気に戻ったらしいベネット。喋った内容は覚えていないらしい。
だが、ベネットは得意気そうに胸を反らし、エッヘンと勝ち誇ったような顔をしている。
「ふふーん! アチキの『次回予告』を舐めにゃいで欲しいにゃ!」
ベネットは指で自らの猫の耳を突つきながら続ける。
「『次回予告』は未来を予知するアチキの超能力みたいにゃもんにゃ! TVアニメの次回予告みたいでちょい抽象的にゃけど、次にどんな行動を取り、どんな運命が訪れるか解るはずにゃっ!!」
「……超能力!? それは凄いな……予知能力なんて……」
「……ふーむ。脳に秘められた未知の能力か……ますます研究対象として興味深い…………」
「ギミャアーっ!! もう、この人恐いもおおおおおおんんんんんっ!!」
ブラックの好奇の目を嫌悪し、ルルカに抱きついた。
「まあまあ! ベネット、凄いじゃあないの。次に取るべき行動が解るなんて。この耳も関係して――――」
ずるっ。
「――――えっ?」
ルルカが手元を見ると――――ベネットの頭に乗っていたはずの猫の耳が取れた。
耳には髪と同系色のカチューシャが付いている。耳の部分はよく見ると本物のアンテナのようなピンらしき金属が付いている。
「――ああっ! 何も聴こえにゃいにゃ!! これは補聴器でもあるんですにゃ、返してくださいにゃ!!」
そう叫んでルルカの手から猫耳を取り返し、頭にパチン、と留めた。
「……取れんのかよ、猫耳!! 作り物だったの!?」
冒険者稼業で様々な亜人種と行動を共にしたこともあるウルリカもツッコミを入れる。
「猫人であることに間違いはにゃいっ!! でもこの補聴器が無いと何も聴こえない上に『次回予告』も発動しにくいにゃ! 猫人のアイデンティティーにゃからデリケートに扱うにゃよ!?」
「……ま、まあそれよりもベネット殿は牢獄、囚人と仰った。……そうだ! 罪人なら捕らえておりますぞ、王国の北端の刑務所に! ……悪人を仲間にするというのはまだ得心がいきませぬが……案内いたします!」
こうして、ラルフ一行は刑務所へと向かった。
<<
例によって小さな国土の王国。刑務所にもすぐに辿り着いた。
中は仄暗く、硬くブ厚い石の壁の鉄格子越しに入る日光と壁のランプだけが光源だ。
「……牢の中にいる囚人に御用ですか? ならば鉄格子越しに話し掛けてください。当然、中には凶暴な輩もおります。十分気を付けて……」
刑務所にいる看守がそう告げると、ズラリと並ぶ檻のある区画に通してくれた。
――――檻の数は平和な小国らしく、四つしかなかった。それぞれの檻に一人ずつ……囚人が入っている。当然扉は固く施錠されている。
「……よし。みんな手分けして、囚人の様子を見てくれ。くれぐれも気を付けてくれ」
ラルフたちはそれぞれの檻に近付き、囚人の様子を見る。
しばし話し掛けたり、顔色を見て様子を見てみた……。
「……ヴェラー! そっちはどうかな?」
「こっちゃ学者さんだぜー! 自分の説いた学説が異端扱いされて投獄されちまったんだとー! まったく、人は見かけによらねえぜ。どの業界でもROCKな奴ァいたもんだ!」
「……そうか。ルルカー! ベネットー! そこはどうだー?」
「……駄目ですわー……寝惚けているのか、酔っ払っているのか、自分が何処にいて何をしているのかも曖昧そうな……意識が混濁している男性ですわ」
「こいつァすげぇにゃーっ! 酒と色んなクスリが混ぜ混ぜになった何かを下回るヤバい臭いがプンプンするにゃー! とても連れていけそうもにゃいにゃあー!!」
「薬物中毒か…………ウルリカさん、そっちはどうです?」
「……線の細い男の子よ……囚人なのに何故か身なりは高級感あるわね。……どうも、そっちの檻にいる男に気があるソッチ系みたいよー……これ、駄洒落じゃあないからね?」
「……となると……」
「あとはこの檻の男のみ、ですな……」
「そうだな。……そこの囚人。話がある!」
ラルフが呼び掛けると、男は寝そべっていた粗末なベッドからむっくりと立ち上がり……ゆっくりとこちらを向いた。
「……さっきからゾロゾロとォ……このムショん中探り回ってる連中がいると思ったがァー……ふへへカッカッカッ…………なァーかなか男も女もべっぴんさん揃いじゃあねえええかあああ~…………ひひひひひ…………」
ラルフ一行を睥睨し、得体の知れぬ雰囲気を纏った男は不気味に笑った…………。
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!
ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく
高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。
高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。
しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。
召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。
※カクヨムでも連載しています
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
貧乏冒険者で底辺配信者の生きる希望もないおっさんバズる~庭のFランク(実際はSSSランク)ダンジョンで活動すること15年、最強になりました~
喰寝丸太
ファンタジー
おっさんは経済的に、そして冒険者としても底辺だった。
庭にダンジョンができたが最初のザコがスライムということでFランクダンジョン認定された。
そして18年。
おっさんの実力が白日の下に。
FランクダンジョンはSSSランクだった。
最初のザコ敵はアイアンスライム。
特徴は大量の経験値を持っていて硬い、そして逃げる。
追い詰められると不壊と言われるダンジョンの壁すら溶かす酸を出す。
そんなダンジョンでの15年の月日はおっさんを最強にさせた。
世間から隠されていた最強の化け物がいま世に出る。
〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる