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2019年10月11日。知識ではなく感情や情緒へアプローチすること

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 10月11日。

 左の肩甲骨の痛みは意外にも早く治ってきた。傷めていたというほどではなく筋肉痛の延長(?)のようなものだったのだろうか……と昨夜就寝する時は思ったが、起きたらまた少し痛い。やはり筋肉の固まり方なのか。

 さて、何かエッセイで書く話題は無いものか……と、昨日メモ帳にリストアップしてみたのだが、意外にも結構あった。その時その時の時流に応じて……いや、特に応じなくても書きたければ書いていこうか。

 昨日、作業所で作業をしながら他のメンバーと歓談していた。

 調子が落ちてきているせいか、僕もその人も苛立っている感じがした。

 ここまで順を追って読んでいただいている人にはご存知の通り、エッセイには自分の日常の由無しごとを自分の主観で好きに書いている。少しブログに近い書き方かもしれない。

 実際に自分がネット記事を書く時もそういう僕個人が感じたことを面白おかしく伝えたいと思っている。自分という『個』を通して漫画でも描くように楽しい記事を書けば、情報の正誤などは関係なく書いている本人も読む人も楽しいと思うのだ。

 だが、彼はいまいち受け容れられない様子だった。

 というか、この人はいつも他人の言うことを素直に受け入れることは少ない。必ず自分の我が出て「それは○○ですけどね……」などと反発する。或いは理詰めに理論武装して他人を承服させてしまう。人によっては接していてストレスに感じるだろう。

 勿論、自分の世界を大事にして、自分という存在を押し出して生きていく人というのはこの激しい競争社会においては我の強さというのは大きな長所だ。自分を大切に出来てこそ守れるものや生きる活路もある。

 彼は、ブログやネット記事などを書くのなら『他人に役立つ事を書くと人の関心を集められるし、支持もしてもらえる』という意見を述べ、譲らなかった。

 だが、僕にしてみればそれはナンセンスなことだった。



 例えば、ゲームの攻略記事やアドバイス情報などを書けばある程度それを読んだ人が感謝してくれるだろう。

 しかし、ゲームの攻略記事や日常の役に立つ事などは、既に他の誰かが、それもかなりの数の人が書いていることだ。他人と同じ内容の記事など書いていて本当にそれは『自分にしか書けない、個性ある記事』だろうか。僕は否だと思う。

 僕や彼の趣味に近いので『ゲームの攻略記事』という書き方をしたが、ゲームの攻略情報などほとんど解が決まりきっていることだ。ゲーム内の何処そこのイベントをこなせばレアアイテムが手に入る。強敵はこういう戦法で攻めれば安定して勝てる、など。そのようなことは態々自分個人で書かなくても他にもっと詳しい人がいち早く攻略サイトを立ち上げている。ネットの検索ランキングでもそっちが上位に来ることは明白。

 日常の役に立つ記事でも、少しでも低コストで、少しでも豊かに……ということは多くの人が考えることだ。『スマートフォンの便利な使い方を知りたい』とか『DIYをやってみたい』とか。

 それも、より専門知識に明るい人や技術、経験のある人は世の中にゴロゴロいて、速やかに情報を提供してくれる。自分の得意分野でもないことを態々頑張って最適解や納得解を書こうとしても、プロやセミプロ並の人の書く確かな情報に比べれば、それこそナンセンスなことだと思う。

 例え知識の正確さ、量で他の人より上回っている自信があったとしても……書き方がわかりにくかったり、読んでいてつまらない物ならばやはり他のネット記事に負ける。それはまた違うスキルが必要になってくる。ネット検索で引っかかるかも甚だ疑問だ。


 ならば、自分なりのネット記事を書くならどういうものを書けばベターなのか。



 僕は『自分の主観や感想、個人的な気持ちをたっぷり込めたコラム記事に近い』物が良いのではないか、と思う。


 例えばゲームの記事に例えるなら、攻略情報ではなく、4コマ漫画やプレイ絵日記のようにもっとエンターテインメントなものだ。


 以前、ある絵描きを中心に活動している人がドラクエ6のプレイ絵日記を描いていたのを拝読した。

 ゲーム内の攻略情報やセオリーな攻略手順などは一切紹介していない。

 ただ作品愛と自分なりに設けた自分ルールを守ってゲームを進める愉しみと……そしてなんでもないような場面でも面白おかしい絵や言葉の表現で読む者を楽しませていた。僕も読んでいて何度となく腹を抱えて笑った。


 現代では、攻略情報などはネット記事を閲覧すれば無料でいくらでも読める。攻略本を買う方法もあるが、何か面白いコラム記事が充実しているとか、攻略本をお金を出して買ったことによる特典が付くとか工夫を凝らさなければ、ただの攻略情報とデータベースが載っただけの無味乾燥な書物になってしまう。

 時代で区分するのも気が引けるが、何世代か前は攻略本ひとつとってもライターさんのジョークを交えた良い意味でふざけているコラムが充実していたり、攻略とは関係ないやり込みプレイ日記が書いてあったり、果ては一部設定資料集や番外小説まで載っていた。商業ベースの攻略本ですら、編集者は遊び心を持って読者やプレイヤーのナリッジ(知識)ではなくエモーショナル(感情的)に豊かな働きかけをするものを書いていたのだ。

 若干話が逸れそうなので戻す。

 要するに、単なるナリッジな情報はありふれているし、誰でも書けるし手に入る。

 しかし、作品を通してエモーショナルなモノに訴えかけるネット記事やブログの方が、一見誰でもやっているようでいて、実は書いた人の数だけの楽しい情報記事が書けると思うのだ。

 エモーショナルに訴えかける記事には、正解などない。

 正解が無いからこそ、工夫のしがいもあるし、読む人それぞれの異なる解釈や個性が生まれる。正解が無いものにチャレンジする方が、僕は価値が大きいと思うのだ。

 エモーショナルなモノを作る土壌は、現代では豊富にあると思う。

 SNSの台頭によって、ひとつの作品への感想やひとつの日常の出来事でも、発信する人によって実に多様なエモーショナルな面が表現出来る。ツイッターとかピクシブとかは筆頭だ。

 長くなったが、そういうことを作業所の彼には伝えたかったのだが、お互いに余裕が無かったことと、僕自身口下手なせいもあって上手く伝わらなかった。

 ある人の言葉に『空いている電車に乗れ』というものがある。


 流行や既に世に溢れているコンテンツに飛び込むのではなく、誰もやっていないルートからなる世界を開拓する、それ即ちパイオニアであり、同時に競合相手も少ないフロンティアなのだ。

 僕は今後もセオリーは抑えつつも、そういうものを大事にしていきたい。
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