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第150話 湯あたりします!!・前編
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――――一行は、1週間後に待ち受ける重大な挑戦を前に、しばし宿の美味い食事を味わい、風呂で疲れを癒してコンディションを万全にすることに努めるのだった。
だがしかし――――押し寄せる不安やプレッシャーを払い除ける為か、あるいはただ単に好きなだけなのか…………一夜限り混浴の湯であることを愉しみにしている仲間が約2名いた――――
「――おっしゃあああああーーーっ!! 一番風呂は頂いたッス!! キャッホオオオオウウウウウイイイイイッッッ!!」
――女湯の脱衣所。自慢のバイク『黒風』の改造と素材調合でドロドロに汚れていた服を洗濯機にねじ込み、一糸纏わぬ姿で叫びながら目の前の湯へダッシュ。豪快にダイヴして水煙を上げるイロハがいた。
「――――おい、イロハ……そんなみっともな――――」
「――やっぱ露天風呂はこうよねっ!! ヒャッホオオオオウウウウウイイイイッッッ!!」
――セリーナが咎めるのも尻目に、若干20歳の女性のはずのエリーも服を籠に脱ぎ捨てて同じく豪快に湯へダイヴしていった。ひと際大きな水煙が上がり、イロハと共に嬌声を上げる。
「――――や・め・ろっ!! 全くはしたない!! 子供かお前ら!! 他にも客がいるんだぞ!! ……全くもう――」
――並みの男よりもよっぽど荒武者らしく闘うセリーナだが、武門の家柄として多少は行儀作法を躾けられた身。女性の恥じらいなどほぼ捨ててはしゃぐ目の前の16歳と20歳の仲間を見て額に手を当てて痛い思いをしながら大きく溜め息。自分は服をきちんと畳んでからゆっくり歩いて湯に浸かっていく。
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「――なんか、お姉ちゃんとイロハすっごい盛り上がってるね! そんなに楽しいのかな?」
「……知るかよ。俺ぁ落ち着いて入るぞ。『戦艦』見て、買い出ししまくって長旅の疲れも出たぜ。全くあの馬鹿2人は…………」
「――この湯の香り……実際疲労や身体の微細な障害などにも効果のある成分が含まれていそうですね。旅先でこの温泉の湯を携帯出来ないものか…………私は浸かりながら色々調べてみます。」
「……ああそうかい…………こっちはこっちで情緒ってもんがねエな……」
――女性陣よりやや落ち着いている男湯の脱衣所。1人ワクワクしながら白い身体を小走りにし、湯に浸かっていくグロウ。ガイとテイテツが遅れて入っていく。
「――ふう~っ…………こりゃあいい湯だ。生き返るぜ~…………。」
ガイは1人、岩の囲いを背にして湯に肩まで浸かり、深く息を吐いた。24歳の若さとはいえ、日頃の厳しい鍛錬と長旅を重ねればそれなりに肩も背中も凝り、脚には疲労が溜まる。食事と並んでリラックスタイムだ。
「わー! 真っ白い!! 白い湯だー! あはは……」
グロウは、白い濁り湯を珍しく思うのか、肩まで浸かるどころか湯の深い部分を軽く泳いでいる。
「――おーい、グロウ。あんま遠くへ行くんじゃあねえぞ。他の客の迷惑になるかもしれねえからな…………まあ……あいつぐらいの年頃なら……温泉ではしゃぐぐれえは普通、かもな……」
「――事前にオーナーへ許可を取っていて良かった。湯を採取して持ち帰ってみます。後に源泉を沸かしている技師にも使用している薬を聞かないと……ふう……確かに良い湯ですね…………自律神経系が安定し、筋疲労にも効果あり、と……」
――年長者として、誰よりも長旅をして来たテイテツも心地よい湯加減にホッとした息を吐く。本来テイテツの年齢ならば、デスクワークも重なってガイ以上に健康に支障がありそうなものだが、本人も気を遣っているのか意外にも逞しい肉体をしている。あるいは若返りも含めた科学の研究と実践の賜物か。
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「――おおッ!! エリーさん……やっぱ普段から鍛えてるせいか、引き締まったナイスバディっス~っ!! 胸もほどほどに豊かで――」
「――きゃんっ!! アハハハっ!! まあ、大胸筋とか鍛えてるかんね~……ちょっとはバストアップ効果あるのかも。でも、多分鍛え過ぎて本来あるはずの脂肪まで減ってる感じ~……胸そこそこあるっつっても硬いしねー……」
「むー……そうっスかねえ。でもきっと……冒険者から足を洗ってガイさんのお嫁さんになったなら……程よく脂肪も付いてムチムチした素晴らしい超ナイスバディになるかもッス!! ぬへえふぇふぇふぇ……。」
「……結婚してお嫁さんになってからかー……うふ♡ ガイとの新婚甘々な日々とか…………早く来ないかしらねえ~…………胸、もっと膨らむのはいいけど……太るのはちょっと嫌かな~……そういうイロハちゃん――――随分控えめなことで――――」
「――ひあッ!! ちょ、ちょ、ちょお~っ……ウチはきっとこれからでっかくなるんス!! 感度も良いし!! 旅しながらいっぱい飯食ってりゃ、そのうちボーン、ドゴーンな破壊力のカラダになる!! 予定っス!! 多分!! きっと!! そうでありますように!!」
「アハハハ!! そっ、そりゃあ……下手したらお腹の方が先に太っちゃうわよ!! ちゃんとよく眠って、何でも食べないと成長しないわよ~?」
「――ああッ!! 言ったっスねえ、このお――――」
「――うわあーっはははは!! あんっ……ちょっと、それ、激し…………きゃっはっはっはは!!」
「………………ちっ。」
目の前で年甲斐もなくはしゃいでは、互いの身体をスキンシップ(?)し合うエリーとイロハを見て、声はかけずとも露骨に軽蔑してしまうセリーナだった。
――――そんな濁り湯の宴は、もう少し続く――――
だがしかし――――押し寄せる不安やプレッシャーを払い除ける為か、あるいはただ単に好きなだけなのか…………一夜限り混浴の湯であることを愉しみにしている仲間が約2名いた――――
「――おっしゃあああああーーーっ!! 一番風呂は頂いたッス!! キャッホオオオオウウウウウイイイイイッッッ!!」
――女湯の脱衣所。自慢のバイク『黒風』の改造と素材調合でドロドロに汚れていた服を洗濯機にねじ込み、一糸纏わぬ姿で叫びながら目の前の湯へダッシュ。豪快にダイヴして水煙を上げるイロハがいた。
「――――おい、イロハ……そんなみっともな――――」
「――やっぱ露天風呂はこうよねっ!! ヒャッホオオオオウウウウウイイイイッッッ!!」
――セリーナが咎めるのも尻目に、若干20歳の女性のはずのエリーも服を籠に脱ぎ捨てて同じく豪快に湯へダイヴしていった。ひと際大きな水煙が上がり、イロハと共に嬌声を上げる。
「――――や・め・ろっ!! 全くはしたない!! 子供かお前ら!! 他にも客がいるんだぞ!! ……全くもう――」
――並みの男よりもよっぽど荒武者らしく闘うセリーナだが、武門の家柄として多少は行儀作法を躾けられた身。女性の恥じらいなどほぼ捨ててはしゃぐ目の前の16歳と20歳の仲間を見て額に手を当てて痛い思いをしながら大きく溜め息。自分は服をきちんと畳んでからゆっくり歩いて湯に浸かっていく。
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「――なんか、お姉ちゃんとイロハすっごい盛り上がってるね! そんなに楽しいのかな?」
「……知るかよ。俺ぁ落ち着いて入るぞ。『戦艦』見て、買い出ししまくって長旅の疲れも出たぜ。全くあの馬鹿2人は…………」
「――この湯の香り……実際疲労や身体の微細な障害などにも効果のある成分が含まれていそうですね。旅先でこの温泉の湯を携帯出来ないものか…………私は浸かりながら色々調べてみます。」
「……ああそうかい…………こっちはこっちで情緒ってもんがねエな……」
――女性陣よりやや落ち着いている男湯の脱衣所。1人ワクワクしながら白い身体を小走りにし、湯に浸かっていくグロウ。ガイとテイテツが遅れて入っていく。
「――ふう~っ…………こりゃあいい湯だ。生き返るぜ~…………。」
ガイは1人、岩の囲いを背にして湯に肩まで浸かり、深く息を吐いた。24歳の若さとはいえ、日頃の厳しい鍛錬と長旅を重ねればそれなりに肩も背中も凝り、脚には疲労が溜まる。食事と並んでリラックスタイムだ。
「わー! 真っ白い!! 白い湯だー! あはは……」
グロウは、白い濁り湯を珍しく思うのか、肩まで浸かるどころか湯の深い部分を軽く泳いでいる。
「――おーい、グロウ。あんま遠くへ行くんじゃあねえぞ。他の客の迷惑になるかもしれねえからな…………まあ……あいつぐらいの年頃なら……温泉ではしゃぐぐれえは普通、かもな……」
「――事前にオーナーへ許可を取っていて良かった。湯を採取して持ち帰ってみます。後に源泉を沸かしている技師にも使用している薬を聞かないと……ふう……確かに良い湯ですね…………自律神経系が安定し、筋疲労にも効果あり、と……」
――年長者として、誰よりも長旅をして来たテイテツも心地よい湯加減にホッとした息を吐く。本来テイテツの年齢ならば、デスクワークも重なってガイ以上に健康に支障がありそうなものだが、本人も気を遣っているのか意外にも逞しい肉体をしている。あるいは若返りも含めた科学の研究と実践の賜物か。
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「――おおッ!! エリーさん……やっぱ普段から鍛えてるせいか、引き締まったナイスバディっス~っ!! 胸もほどほどに豊かで――」
「――きゃんっ!! アハハハっ!! まあ、大胸筋とか鍛えてるかんね~……ちょっとはバストアップ効果あるのかも。でも、多分鍛え過ぎて本来あるはずの脂肪まで減ってる感じ~……胸そこそこあるっつっても硬いしねー……」
「むー……そうっスかねえ。でもきっと……冒険者から足を洗ってガイさんのお嫁さんになったなら……程よく脂肪も付いてムチムチした素晴らしい超ナイスバディになるかもッス!! ぬへえふぇふぇふぇ……。」
「……結婚してお嫁さんになってからかー……うふ♡ ガイとの新婚甘々な日々とか…………早く来ないかしらねえ~…………胸、もっと膨らむのはいいけど……太るのはちょっと嫌かな~……そういうイロハちゃん――――随分控えめなことで――――」
「――ひあッ!! ちょ、ちょ、ちょお~っ……ウチはきっとこれからでっかくなるんス!! 感度も良いし!! 旅しながらいっぱい飯食ってりゃ、そのうちボーン、ドゴーンな破壊力のカラダになる!! 予定っス!! 多分!! きっと!! そうでありますように!!」
「アハハハ!! そっ、そりゃあ……下手したらお腹の方が先に太っちゃうわよ!! ちゃんとよく眠って、何でも食べないと成長しないわよ~?」
「――ああッ!! 言ったっスねえ、このお――――」
「――うわあーっはははは!! あんっ……ちょっと、それ、激し…………きゃっはっはっはは!!」
「………………ちっ。」
目の前で年甲斐もなくはしゃいでは、互いの身体をスキンシップ(?)し合うエリーとイロハを見て、声はかけずとも露骨に軽蔑してしまうセリーナだった。
――――そんな濁り湯の宴は、もう少し続く――――
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