125 / 223
第124話 獅子奮迅
しおりを挟む
「――――でりゃあああああッッ!!」
――愛する者を取り返す為。大切な弟分を救う為。ガイは獅子奮迅と目の前の屈強な兵士たちに斬りかかっている。
斬りかかっているとは言っても、なるべく敵を無力化する程度の攻撃に留めていた。軽装歩兵ならば急所を狙って当身で昏倒させ、それ以外も敵の腕や踵を狙い可能な限り命ではなく戦力を削ぐことに努めた。
「パラライズモード……照射。」
テイテツもまた光線銃を広域放射して、兵士たちを感電させ、やはり昏倒させた。泡を吹いて次々倒れ、電磁力で麻痺して震えて悶えさせる。
「――サプリでファイトぉぉぉ……百発うううううううッッッ!!」
イロハも練気発動サプリを服用し、雷撃ハンマーを敵を威嚇するように打ち放ち、同時に設備を次々と破壊し、その活動を不能としていく。
「――イロハ。どうやらこちらの道へ進めば、ガラテア軍の資料室へと至れるようです。エリーとグロウを取り戻すだけでなく、何か役立つ情報が見つかるかも。」
「――ふうーっ……なるほど。でもそうしたらエリーさんとグロウくんを助ける戦力が減るっスよ!? いくら何でもこの先ガイさんだけじゃあ――――」
――そう案じると同時に、より訓練された屈強な重装備兵たちが隊列を為してこちらへ猛然と向かってくる――――
「――言ってるそばからこれっス!! 手分けするのは不利じゃあ――――」
「――どいてろ。はああああああ…………ッッ!!」
ガイが一旦鞘へ納刀し、練気を強く集中して念じる――――
迫りくる兵がガイと接触した刹那――――
「――せりゃあああああッッ!!」
――――ガイは、まるでカマイタチの如く瞬速の脚運びで二刀を抜き放ち、敵の群れを練気で青白く輝く刃で一網打尽に切り裂いた――――!!
――一瞬、重装備兵たちの胴が一様に真っ二つになってしまうが――――
「――ふううう……よし。調子いいぜ。」
――元院長との立ち合いで完全に会得した自在活殺剣が決まった。真っ二つにされた兵たちの身体がすぐに練気で繋がり、全員気を失うだけで済んだ。
「――――ビビるな、イロハ。何も俺1人で突貫しようなんて考えてねエ――――」
――そうガイが言うが早いか。遠くから激しい爆発音や打撃、撲撃の音が聴こえてくる。
「――お互いに再会しようと戦ってるのは、俺たちだけじゃあねえ。エリー自身も戦いながらこっちへ向かってるんだ――――へっ。やっぱあいつはこの程度で絶望するような女じゃあねえんだよ。」
――まだ少し遠いが、戦っているのはエリーも同じだ。ガイを目指している。厳重な警備の研究所内でも、頼れる仲間が2人して同時に近付いているのならば戦力は充分であった。
「――イロハ。テイテツ。俺はまずエリーと合流する。その間にグロウの居場所を突き止めて、連中たちからデータを盗ってきてくれ。幻霧大陸とやらのな。頼んだぜ!」
「了解。」
「了解っス!! 今行くッスよ、グロウくん!!」
3人は戦力を最小限に見積もり、2手に分かれることにした――――
<<
――一方、中央管制室に到着したばかりのアルスリアとグロウ。ここも人が絶えず走り回り、電源や動力がことごとくやられている。さながら鉄火場であった。
「――メイン電源が完全に破壊されました!! か、閣下!! 指示をッ!!」
辺りは電源が落ちて薄暗く、サイレンや人の怒声だけが聴こえる有り様だったが、アルスリアはすぐに冷静に、よく通る声で命じた。
「――――速やかに補助電源に切り替え、起動。まずは少しでも電力を回復して監視映像を復活するんだ。動力部をやられたのならなるべく人力で動かす代替プログラムで稼働。非戦闘員もシェルターにて身を守りつつも、具に携帯端末から状況をこちらへ連絡するよう通達。急ぎ給え。」
「――はッ!!」
――戦略的にそれほど重要な拠点基地と言うわけではないので兵たちの練度も低いが、冷静に振る舞う上官の鶴の一声ですぐさま狼狽えていた兵たちもやるべき行動やマニュアルを思い出して動く。
すぐに補助電源が起動し、平生の白熱照明ではなく青みがかった予備照明が中央管制室を足元から照らす。
アルスリアとグロウが管制室の指揮台に立つと同時に、監視カメラからの映像もすぐに回復した。映っているのは――――
「――――お姉ちゃん!! ガイ!!」
――一方のカメラからは一騎当千とばかりに刀を振るうガイが。また一方のカメラからは……衣服もボロボロではあるが、怪力を伴う体術と火炎、そして練気の応用で兵を殴り散らしながら猛然と突き進むエリーの姿が見えた。
「――――やってくれたね。甘く見てしまっていたようだ…………少々、ダーリンを連れてこられた喜びで油断したね――――」
――平生のアルカイックスマイルでそう呟くアルスリアだったが、グロウの目には、拳を軋むほど握りしめ、己の失態と悔しさを露わにする様子が見て取れた。
「――――考えろ……考えるんだ…………例え連中が合流してこの研究所を破壊し尽くしたとしても、ダーリンだけは守り抜いて逃げる策を――――!!」
――そう呟きながらアルスリアは密かに、ニルヴァ市国でエリーたちに煮え湯を飲ませた『ガラテア式転移玉《テレポボール》』が懐に入っていることを確認した――――
――愛する者を取り返す為。大切な弟分を救う為。ガイは獅子奮迅と目の前の屈強な兵士たちに斬りかかっている。
斬りかかっているとは言っても、なるべく敵を無力化する程度の攻撃に留めていた。軽装歩兵ならば急所を狙って当身で昏倒させ、それ以外も敵の腕や踵を狙い可能な限り命ではなく戦力を削ぐことに努めた。
「パラライズモード……照射。」
テイテツもまた光線銃を広域放射して、兵士たちを感電させ、やはり昏倒させた。泡を吹いて次々倒れ、電磁力で麻痺して震えて悶えさせる。
「――サプリでファイトぉぉぉ……百発うううううううッッッ!!」
イロハも練気発動サプリを服用し、雷撃ハンマーを敵を威嚇するように打ち放ち、同時に設備を次々と破壊し、その活動を不能としていく。
「――イロハ。どうやらこちらの道へ進めば、ガラテア軍の資料室へと至れるようです。エリーとグロウを取り戻すだけでなく、何か役立つ情報が見つかるかも。」
「――ふうーっ……なるほど。でもそうしたらエリーさんとグロウくんを助ける戦力が減るっスよ!? いくら何でもこの先ガイさんだけじゃあ――――」
――そう案じると同時に、より訓練された屈強な重装備兵たちが隊列を為してこちらへ猛然と向かってくる――――
「――言ってるそばからこれっス!! 手分けするのは不利じゃあ――――」
「――どいてろ。はああああああ…………ッッ!!」
ガイが一旦鞘へ納刀し、練気を強く集中して念じる――――
迫りくる兵がガイと接触した刹那――――
「――せりゃあああああッッ!!」
――――ガイは、まるでカマイタチの如く瞬速の脚運びで二刀を抜き放ち、敵の群れを練気で青白く輝く刃で一網打尽に切り裂いた――――!!
――一瞬、重装備兵たちの胴が一様に真っ二つになってしまうが――――
「――ふううう……よし。調子いいぜ。」
――元院長との立ち合いで完全に会得した自在活殺剣が決まった。真っ二つにされた兵たちの身体がすぐに練気で繋がり、全員気を失うだけで済んだ。
「――――ビビるな、イロハ。何も俺1人で突貫しようなんて考えてねエ――――」
――そうガイが言うが早いか。遠くから激しい爆発音や打撃、撲撃の音が聴こえてくる。
「――お互いに再会しようと戦ってるのは、俺たちだけじゃあねえ。エリー自身も戦いながらこっちへ向かってるんだ――――へっ。やっぱあいつはこの程度で絶望するような女じゃあねえんだよ。」
――まだ少し遠いが、戦っているのはエリーも同じだ。ガイを目指している。厳重な警備の研究所内でも、頼れる仲間が2人して同時に近付いているのならば戦力は充分であった。
「――イロハ。テイテツ。俺はまずエリーと合流する。その間にグロウの居場所を突き止めて、連中たちからデータを盗ってきてくれ。幻霧大陸とやらのな。頼んだぜ!」
「了解。」
「了解っス!! 今行くッスよ、グロウくん!!」
3人は戦力を最小限に見積もり、2手に分かれることにした――――
<<
――一方、中央管制室に到着したばかりのアルスリアとグロウ。ここも人が絶えず走り回り、電源や動力がことごとくやられている。さながら鉄火場であった。
「――メイン電源が完全に破壊されました!! か、閣下!! 指示をッ!!」
辺りは電源が落ちて薄暗く、サイレンや人の怒声だけが聴こえる有り様だったが、アルスリアはすぐに冷静に、よく通る声で命じた。
「――――速やかに補助電源に切り替え、起動。まずは少しでも電力を回復して監視映像を復活するんだ。動力部をやられたのならなるべく人力で動かす代替プログラムで稼働。非戦闘員もシェルターにて身を守りつつも、具に携帯端末から状況をこちらへ連絡するよう通達。急ぎ給え。」
「――はッ!!」
――戦略的にそれほど重要な拠点基地と言うわけではないので兵たちの練度も低いが、冷静に振る舞う上官の鶴の一声ですぐさま狼狽えていた兵たちもやるべき行動やマニュアルを思い出して動く。
すぐに補助電源が起動し、平生の白熱照明ではなく青みがかった予備照明が中央管制室を足元から照らす。
アルスリアとグロウが管制室の指揮台に立つと同時に、監視カメラからの映像もすぐに回復した。映っているのは――――
「――――お姉ちゃん!! ガイ!!」
――一方のカメラからは一騎当千とばかりに刀を振るうガイが。また一方のカメラからは……衣服もボロボロではあるが、怪力を伴う体術と火炎、そして練気の応用で兵を殴り散らしながら猛然と突き進むエリーの姿が見えた。
「――――やってくれたね。甘く見てしまっていたようだ…………少々、ダーリンを連れてこられた喜びで油断したね――――」
――平生のアルカイックスマイルでそう呟くアルスリアだったが、グロウの目には、拳を軋むほど握りしめ、己の失態と悔しさを露わにする様子が見て取れた。
「――――考えろ……考えるんだ…………例え連中が合流してこの研究所を破壊し尽くしたとしても、ダーリンだけは守り抜いて逃げる策を――――!!」
――そう呟きながらアルスリアは密かに、ニルヴァ市国でエリーたちに煮え湯を飲ませた『ガラテア式転移玉《テレポボール》』が懐に入っていることを確認した――――
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説
「メジャー・インフラトン」序章1/ 7(太陽の季節 DIVE!DIVE!DIVE!ダイブ!ダイブ!ダイブ!)
あおっち
SF
脈々と続く宇宙の無数の文明。その中でより高度に発展した高高度文明があった。その文明の流通、移動を支え光速を超えて遥か彼方の銀河や銀河内を瞬時に移動できるジャンプ技術。それを可能にしたジャンプ血清。
その血清は生体(人間)へのダメージをコントロールする血清、ワクチンなのだ。そのジャンプ血清をめぐり遥か大昔、大銀河戦争が起こり多くの高高度文明が滅びた。
その生き残りの文明が新たに見つけた地、ネイジェア星域。私達、天の川銀河の反対の宙域だった。そこで再び高高度文明が栄えたが、再びジャンプ血清供給に陰りが。天の川銀河レベルで再び紛争が勃発しかけていた。
そして紛争の火種は地球へ。
その地球では強大な軍事組織、中華帝国連邦、通称「AXIS」とそれに対抗する為、日本を中心とした加盟国軍組織「シーラス」が対峙していたのだ。
近未来の地球と太古から続くネイジェア星域皇国との交流、天然ジャンプ血清保持者の椎葉清らが居る日本と、高高度文明異星人(シーラス皇国)の末裔、マズル家のポーランド家族を描いたSF大河小説「メジャー・インフラトン」の前章譚、7部作。
第1部「太陽の季節 DIVE!DIVE!DIVE!ダイブ!ダイブ!ダイブ!」。
ジャンプ血清は保持者の傷ついた体を異例のスピードで回復させた。また血清のオリジナル保持者(ゼロ・スターター)は、独自の能力を飛躍的に引き上げる事が出来たのだ。
第2次大戦時、無敵兵士と言われた舩坂弘氏をモデルに御舩大(ミフネヒロシ)の無敵ふりと、近代世界のジャンプ血清保持者、椎葉きよし(通称:お子ちゃまきよし)の現在と過去。
ジャンプ血清の力、そして人類の未来をかけた壮大な戦いが、いま、始まる――。
彼らに関連する人々の生き様を、笑いと涙で送る物語。疲れたあなたに贈る微妙なSF物語です。
本格的な戦闘シーンもあり、面白い場面も増えます。
是非、ご覧あれ。
※加筆や修正が予告なしにあります。
戦国時代の武士、VRゲームで食堂を開く
オイシイオコメ
SF
奇跡の保存状態で頭部だけが発見された戦国時代の武士、虎一郎は最新の技術でデータで復元され、VRゲームの世界に甦った。
しかし甦った虎一郎は何をして良いのか分からず、ゲーム会社の会長から「畑でも耕してみたら」と、おすすめされ畑を耕すことに。
農業、食堂、バトルのVRMMOコメディ!
※この小説はサラッと読めるように名前にルビを多めに振ってあります。
グラッジブレイカー! ~ポンコツアンドロイド、時々かたゆでたまご~
尾野 灯
SF
人類がアインシュタインをペテンにかける方法を知ってから数世紀、地球から一番近い恒星への進出により、新しい時代が幕を開ける……はずだった。
だが、無謀な計画が生み出したのは、数千万の棄民と植民星系の独立戦争だった。
ケンタウリ星系の独立戦争が敗北に終ってから十三年、荒廃したコロニーケンタウルスⅢを根城に、それでもしぶとく生き残った人間たち。
そんな彼らの一人、かつてのエースパイロットケント・マツオカは、ひょんなことから手に入れた、高性能だがポンコツな相棒AIノエルと共に、今日も借金返済のためにコツコツと働いていた。
そんな彼らのもとに、かつての上官から旧ケンタウリ星系軍の秘密兵器の奪還を依頼される。高額な報酬に釣られ、仕事を受けたケントだったが……。
懐かしくて一周回って新しいかもしれない、スペースオペラ第一弾!
Starlit 1996 - 生命の降る惑星 -
月夜野 すみれ
SF
『最後の審判』と呼ばれるものが起きて雨が降らなくなった世界。
緑地は海や川沿いだけになってしまい文明も崩壊した。
17歳の少年ケイは殺されそうになっている少女を助けた。
彼女の名前はティア。農業のアドバイザーをしているティアはウィリディスという組織から狙われているという。
ミールという組織から狙われているケイは友人のラウルと共にティアの護衛をすることになった。
『最後の審判』とは何か?
30年前、この惑星に何が起きたのだろうか?
雨が降らなくなった理由は?
タイトルは「生命(いのち)の降る惑星(ほし)」と読んで下さい。
カクヨム、小説家になろうにも同じものを投稿しています。
SF世界に転生したら人類どころか人外で人類史の空白だった件~人間じゃないけど超優秀な配下を従えてます~
黴男
SF
黒川新谷(くろかわあらた)は多少不真面目な大学生だった。
空虚な今までの人生を捨てて、新しく生まれた弟にいい格好をするために努力していた最中のアラタだったが、病気にかかり命を落としてしまう。
しかし、アラタの人生はそこで終わりではなかった。
次元の壁を越え、アラタの魂は新たな肉体へと生まれ変わる。
しかし、その肉体はすでに人間ではなかった。
「Ve‘z(ヴェズ)」と呼ばれる、異世界で遥か昔に勃興した帝国の、最後の末裔。
その予備のクローンに転生した。
クローンの持ち主は既に死に、多くの機械兵士が目的を失い彷徨っていた。
アラタはエリアスと名を変え、数千年ぶりに主人を手にした機械達を従え、新たな人生を歩み始める。
※小説家になろう/カクヨムでも連載しています
青い星の管理人
孤太郎
SF
大宇宙にぽつんと浮かぶ青い星。
そこには80億人もの人間たちが住んでいる。
湾曲した星の表面には幾つもの国家が存在し、多種多様な文化圏があり、幾つもの言語があり、
肌や目の色が違う人種が各々の生活を営んでいた。
だが、そこは星などではなかった......。
球体上の世界ではなく、広大な平面世界の一画にある収容所と呼ばれる施設の中だった。
施設の外周は分厚い氷の壁で取り囲まれ、内側に住む人々は外の世界の存在を誰も知らない。
地図上にある陸地や海が世界の全てだと思い込まされていた。
壁の内側に住む人間たちは囚人と呼ばれていた。
収容所の外側にも世界があった。
そこにも多くの人間が住んでいた。
そこで生まれ育った好奇心旺盛なひとりの若い女性が旅に出る。
彼女は一般人には窺い知ることができない収容所の中を見てみたいという一心から収容所の管理人となる。
年に一度の内部監査で収容所の中に入ることができるからだ。
収容所内を分割統治しているのは外の世界から派遣された(看守)と呼ばれる工作員だった。
所内にいる六人の看守たちを訪ねる一風変わった出張旅行が始まる。
彼女は目を輝かせて入ってゆく、収容所の中へと......。
そこで目にするあらゆるものが彼女の心の奥深くまで浸潤し、次第に魂が変容していく。
初めて対面する見知らぬ自分......、
触発され浮き彫りになる自身の本質......、
所内で繰り返されるおぞましい洗脳......、
迷走する彼女の目に映る異世界は楽園なのか、それとも奈落なのか......。
囚人と呼ばれる人間たちは何者なのか......。
連載長篇小説 青い星の管理人
黄昏の国家
旅里 茂
SF
近未来である西暦2057年、日本国から世界で初めての、準政府組織オーイックスが誕生する。
全てにおいて、弱り切った現政府機関を持ち直し、時には時事介入する特殊な組織。
ブレーンの一人である高沢健司が、様々なプランを打ち立てて奮闘する。
【なろう400万pv!】船が沈没して大海原に取り残されたオッサンと女子高生の漂流サバイバル&スローライフ
海凪ととかる
SF
離島に向かうフェリーでたまたま一緒になった一人旅のオッサン、岳人《がくと》と帰省途中の女子高生、美岬《みさき》。 二人は船を降りればそれっきりになるはずだった。しかし、運命はそれを許さなかった。
衝突事故により沈没するフェリー。乗員乗客が救命ボートで船から逃げ出す中、衝突の衝撃で海に転落した美岬と、そんな美岬を助けようと海に飛び込んでいた岳人は救命ボートに気づいてもらえず、サメの徘徊する大海原に取り残されてしまう。
絶体絶命のピンチ! しかし岳人はアウトドア業界ではサバイバルマスターの通り名で有名なサバイバルの専門家だった。
ありあわせの材料で筏を作り、漂流物で筏を補強し、雨水を集め、太陽熱で真水を蒸留し、プランクトンでビタミンを補給し、捕まえた魚を保存食に加工し……なんとか生き延びようと創意工夫する岳人と美岬。
大海原の筏というある意味密室空間で共に過ごし、語り合い、力を合わせて極限状態に立ち向かううちに二人の間に特別な感情が芽生え始め……。
はたして二人は絶体絶命のピンチを生き延びて社会復帰することができるのか?
小説家になろうSF(パニック)部門にて400万pv達成、日間/週間1位、月間2位、四半期/年間3位の実績あり。
カクヨムのSF部門においても高評価いただき80万pv達成、最高週間2位、月間3位の実績あり。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる