放蕩娘は〝できそこない〟

まいかぜ

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SCENE-001 >> 〝領主の娘〟の独り立ち

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 普人が多く暮らすこの国で『貴族』と呼ばれる階級は、完全に実力主義だ。
 領地、ひいてはそこに暮らす人々の生命や財産を外敵――主には魔物や魔獣による被害――から守護することができるだけの〝力〟を持ったものが領主となって、文字通り命懸けの責務と引き替えに、貴族としての権利を享受する。

 だから。
 王都東の交易都市を任された領主の一人である父の期待に応えられず、自らが領主としての責を担えるのだと力を示すこともできなかった。
 そんな私が、成人を機に家を出されたのも当然のことだと言える。


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